「きょうの思春期」ここに堂々の(?)完結である。
最終巻である3巻のオビには「思春期から大人へ―。爆笑あり、微笑あり、苦笑あり、涙なしの青春絵巻、ここに完結」とか書かれてますけど、そういう漫画じゃねーだろ!
「きょうの思春期」の作者・こだくさん先生というのは、ネタ一條マサヒデ先生、作画いぬぶろ先生のコンビであります。私、にざこと一條マサヒデ先生の漫画が何気に好きなのです。
最初に一條漫画に触れたのは「B.B.Joker」なのですがまあクソ笑ったね。腹筋崩壊しました。今作「きょうの思春期」も面白いのなんの。つっても腹筋崩壊するかつったらしない。もはや一條マサヒデ漫画の芸風に慣れてしまったから。ああ、一條節だというね。以前も述べたけど、ギャグ漫画は初読だからこそ腹筋崩壊が起こるのである。もう芸風に耐性が出来てしまっています。もちろん、一條漫画に触れた事がない人にとっては核兵器並の破壊力があると思います。
なんつーのかな。
俺にとってはラーメン次郎みたいなものなのです。ある一定期間経過すると、無性に食べたくなる謎の中毒性とでもいいましょうか。ある日ふと禁断症状のごとく一條マサヒデ漫画読みたくなってしまうのです。安定のこの味!これぞ一條ワールド!
これぞ一條ワールドよ
上手いなぁと感心するネタから、かなり強引な言葉遊びのネタにはじまり、強烈な下ネタが私の心の琴線に触れるというものです。一條マサヒデ先生は誰とコンビ組んでも、変わらない一条節なのですよね。それが妙にクセになるというか。
「きょうの思春期」は、基本1~2ページのオムニバス方式で、ある田舎の中学校を舞台にする日常(?)話である。どうしようもない不良がなかなか心優しかったり、下ネタしか頭に浮かばない女子生徒の脳内言葉遊びだったり、ひいき先生のひいきっぷりだったり、ある程度のシリーズが複数ある。
しかし、毎度よくまあこんなにポンポンとネタが出てくるなぁと関心してしまいますね。大笑いさせられるネタは様々なんですけど、中でも数学女教師ネタは秀逸である。婚期を逃し、三十路を過ぎた行き遅れの女教師がひたすら自虐ネタを繰り広げるんですけど、話数が進むにつれてその自虐ネタもインフレしていくというね。
数学教師
最初はまだ可愛らしい自虐ネタでしたが話が進むにつれ、もはや化物というか酷い様を晒す様子がなかなかどうして。毎度、数学の授業で生徒達をセンチメンタルブルーに叩き落とすのは思わず笑ってしまうじゃないの。ラストの数学教師は今までのからさらに輪をかけて酷過ぎる。生徒を落ち込ませるどころか泣かせてしまうというね。
「きょうの思春期」は生徒ばかりでなく教師がいい味を出してました。
教師は生徒と違ってなぜか名前がないのですけど、国語の先生も、コーチも、体育の先生も。特に特筆すべきは、ひいき先生だろう。ひたすら、1人の女子生徒をひいきしまくるわけだが、最後に生徒に説教をかます。
ひいき先生
なぜ、ひいき先生は贔屓するのか。
生徒の不公平ではという問いに堂々の大演説をかます。なぞの感動である。というのも、この不条理ギャグワールドで、ひいき先生は最後に教師漫画的な教師をしたからに他ならない。教師が生徒を本当は分かっている的なあれ。導き手というね。だからだろうか、「GTO」や「ROOKIES」や「電波教師」を読んだ時のようなカタルシスすらある。あのひいき先生がというギャップも相まって。
シリーズものとしては、不良生徒の木坂翔子ネタと球拾い部ネタが個人的には破壊力が大きかったかな。どちらも、ラストは良い話風にしめているのも良かったのではないでしょうか。もっと読みたい気もしますが、綺麗に終わってる(?)ので、これはこれで。時が経過すると、また無性に一條節を欲してしまう気もしますが、次回作は誰とコンビを組むのであろうか。
「きょうの思春期」は、女の子のエロ可愛さも素晴らしかったですね。
ネタだけでなく視覚的にも充分楽しめました。
素晴らしかったですね
ブヒィィィィィィィィ!!
(もう全然オチてないな)
<関連>
・「きょうの思春期」この裏表紙が酷い!
・「きょうの思春期」このオビがひどい
きょうの思春期(3)【完】
著者:こだくさん Kindle版1巻:きょうの思春期(1) Kindle版2巻:きょうの思春期(2) Kindle版3巻:きょうの思春期(3) |