4月に入りNTTドコモがスマートフォンの料金に定額制を導入する、そんな報道が新聞系メディアを中心に広がっています。ドコモはいつものように「当社が発表したものではない」と言っていますが、サービス内容も比較的細かく報じられているところです。背景を交え紹介します。
報道についてドコモでは恒例のテンプレ回答「当社が発表したものではない」としており、こちらはそれを「うん、知ってる」としか言えません。各誌が報じているところをまとめると以下の通り。繰り返しますが、公式発表ではありません。
- 月額2700円の音声通話定額
- 家族間で毎月10GBで1万円の通信量をシェア
- サービス開始は6月1日
例年、携帯各社の夏の新商品発表会が5月にあります。商戦期の6月と7月に向け、商品という弾を込めるわけです。加えてドコモでは、かねてより夏頃にVoLTEを開始するとほのめかしています。こうしたことを足し合わせて考えると、各誌が報じている料金プランはVoLTE向けかもしれません。
LTEは現在データ通信に使われており、通話は3Gです。LTEのオプション仕様となるCSFB(CSフォールバック)で通話時にLTE網から3Gに切り替え、通話については回線交換方式の一般的な通話システムを採用しています。
携帯各社が導入する計画のVoLTE 、Voice over LTE は、通話もLTEを使う仕組み。低遅延かつ高速通信を売りにするLTEは、IP網で通話も実現できます。LTEの方が3Gよりも周波数の利用効率が2〜3倍良く、周波数は世界的に足りない状態。全てLTE化した方が通信事業者はたくさんの人やデータ量をさばけるようになります。
VoLTEのメリットがあるとすれば、周波数の効率化による音声定額への期待が挙げられます。正式な発表がないため、果たして本当に定額となるかはわかりません。言葉に幅を持たせるのが得意な携帯電話事業者は定額と言いつつ階段のように料金が上がる段階制定額や、制限時間を超えると自動的に従量課金される定額プランを用意しています。居酒屋の飲み放題のように、きちんと時間を区切ってくれるといいのですが。
仮に家族で通信量を分けられるようになるとすれば、これまで月間2〜3GB程度を使う大半のユーザーは割安感があるかもしれません。なお、携帯電話全盛の時代は無料通信分を家族で分けあったり、余った通信分を翌月以降に繰り越したりが可能でした。もしこれがVoLTE向けプランだった場合、通話もデータ通信に見なされ意外と通信量がかさむ、そんなことも考えられます。