万能細胞と呼ばれる「STAP細胞」をめぐる論文ねつ造疑惑などの騒動の中、理化学研究所の

小保方晴子(おぼかたはるこ 30才)ユニットリーダーが記者会見に挑みました。

画像:【会見での小保方晴子ユニットリーダー】
会見での小保方晴子ユニットリーダー

9日午後、小保方氏は会見で質疑に入る前、次のようにコメントしました。

この度は、STAP細胞に関する論文の作成に関し、私の不注意、不勉強、未熟さ故に多くの疑念を生み、理化学研究所および共同執筆者の皆様をはじめ多くの皆様にご迷惑をおかけしてしまったことを心よりお詫び申し上げます。

また、責任を重く受け止め、深く反省しております。本当に申し訳ありませんでした。
今日まで、筆頭筆者である私から何も情報の発信が出来なかったことを重ねてお詫び申し上げます。

国際間をまたぐ2つの研究室で、2本分のNature論文のデータを同時にまとめ、執筆していく作業は、私の能力をはるかに超えていたのかもしれませんが、私はその時々に論文発表に向け全力で取り組んでまいりました。
生物系の論文の基本的な執筆法や提示法について不勉強なままでの作業になり、それに加え私の不注意も加わり、結果的に多数の不備が生まれてしまったことを大変情けなく、申し訳なく思っております。

それでも私はSTAP現象がいつか必ず誰かの役に立つと信じ、研究を続けてきました。
多くの研究者の方々から見れば、考えられないようなレベルでの間違いだと思いますが、この間違いによって論文の研究結果の結論に影響しない事と、なにより実験は確実に行われてお、りデータも存在していることから、私は決して悪意をもってこの論文を仕上げたわけではないことをご理解いただきたく存じます。

そもそも私が正しく図表を提示していたならば、調査委員会自体も必要なく、お忙しい中調査に参加してくださった調査委員の先生方にも心からのお詫びと感謝を申し上げます。

しかし、調査結果では、事実関係をよく理解していただかないまま不正と判定されてしまいました。弁明と説明の機会を十分に与えてくださったならば、必ず間違いが起こった経緯を理解していただけるものと思いますので、昨日、不服申し立てをさせていただきました。

STAP現象は何度も確認された真実です。
私はSTAP現象に出会って以降、この現象を発表する使命感と共に毎日実験に取り組んでまいりました。そして、この現象のメカニズムが詳しく理解され、いつか多くの人に役立つ技術にまで発展させていける日を夢見てきました。

どうかSTAP現象が論文の体裁上の間違いで否定されるのではなく、科学的な実証・反証を経て、研究が進むことを何よりも望んでおります。

この度は本当に申し訳ありませんでした。

画像:【会見の前の小保方晴子ユニットリーダー】
会見の前の小保方晴子ユニットリーダー

■要点

・「論文」について

「論文の提示法について不勉強で自己流にやってしまったのは申し訳ございませんとしか言いようがない」

・「結果の正当性」について

「STAP細胞は200回以上作製に成功している。論文は現象論を示しており、最適条件を示したわけではない。いろいろな研究室を渡り歩いてきましたが、STAP細胞を見た人はかなりいる」
「結果自体が変わるものではない。結果自体が正しく提示されているので問題はないと考えていた」

・「第三者による実験再現の確認」について

「(山梨大学の)若山先生や学生、ハーバード大学でも研究員にやっていただいたりしました。
私がたずさわらない形でもやってもらったことがあります。
ただ公表は個人名になってしまうので大きな公の場では・・・
(記者からは個人名を出すように求められ、意見として承る」

・「論文の撤回」について

「論文の撤回は国際的にはその結論が完全な間違いだと発表することであり、結論が正しい以上、正しい行為ではない」

とそれぞれ語り、記者会見は2時間を超え、終了となりました。

しかし、研究不正問題に詳しい日本分子生物学会副理事長で九州大学の中山敬一教授は

九州大学の中山敬一教授
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140409/k10013618461000.html

会見内容を聞いた上で

「200回も作製に成功したというには、すべての証拠を示し正確な論文として発表する必要がある。こうした手順が踏まれていないなかでは、小保方氏が成功したと言っても、科学者の世界では信用できる話ではない」

「実験ノートに記載されていたとしても、それが第三者が見て分かる形で書かれていなければ十分な証拠とはいえない。日付などの基本的な情報とともに、自分だけでなく第三者にも分かるように実験ノートを書くことは科学者としての基本だ」

と厳しく指摘しています。

動画:【小保方晴子、記者会見】

小保方晴子氏の姿をみると、やはり少しやつれていますね。

論文作成の手順にはいろいろと不正と思われる点もあったようですが、「実験結果」自体は本物であると

強調しています。

「STAP細胞」の存在が事実であれば、大きな成果です。

反省すべき点は反省して、めげずに研究を続けてぜひ成果を見せて欲しいと思います。