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http://japanese.engadget.com/2014/04/09/ipad-raw-lightroom-mobile-cc-pc-mac/


アドビがiPad向けのRAW写真編集ソフトLightroom mobileを公開。使用にはCC契約とPC/Mac版が必要 - Engadget Japanese

2014年4月8日、アドビがiPad向けの写真管理・編集ソフト「Adobe Lightroom mobile」を提供開始しました。WindowsとMac版のLightroomはデジタル写真の管理と画質調整、RAW現像用のアプリですが、このmobileは画像の読み込みや整理、現像、共有をiPad上で作業できるというものです。

対応機種はiPad 2以降で、OSバージョンはiOS 7以降。さらに使用条件として、WindowsとMac版のLightroom 5.4を使用していることと、Adobe Creative Cloud(CC)の契約をしている必要があります。なお、Lightroom 5.4は新バージョンですが、こちらのアップデートファイルも8日に公開されています。

アドビ Literoom mobile

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CCの契約内容にはいくつかのパターンがありますが、Lightroom mobileが使えるのは、Photoshop写真家向けプログラム(月額980円)をはじめ、個人版 通常版(月額4980円)、グループ版 通常版(同6980円)、学生・教職員個人版(同1980円)の4種類。これらに加入しているユーザーは追加料金なしで利用できます。

なお、各プランの特別提供版の加入者も使用可能ですが、単体アプリのサブスクリプションについては対象外となります。価格的に考えても、新規の場合はPhotoshop写真家向けプログラムがお得です。





Lightroom mobileで可能となる編集作業は、画像のフラグ付け、露出補正とハイライト・シャドウ調整、クロップ(画像切り取り)や回転といった基本的な調整のみとなります。

実際の操作はiOSで基本となるタッチ、スワイプ、ピンチイン/アウトをベースにしたもので、アドビ側は一度パターンを覚えれば直感的な操作で作業できるようになる、とアピールしています。

さて、Lightroomのデスクトップ版は画像調整やRAW現像といったCPUパワーが必要となる作業をするためのアプリとして知られていますが、なぜ一部とはいえ編集作業がPCやMacほどのCPUパワーがないiPadでできるのか、不思議に思う方もいるでしょう。

実は若干乱暴な例えをすると「デスクトップ(Windows/Mac)版のLiteroom 5.4がサーバーで、Literoom mobileはクライアント」的な動きになります。


Literoom mobileで編集作業をするには、あらかじめデスクトップ版で「コレクション」と呼ばれる画像画像一覧を作る必要があります(上図はMac版で作業中の状態)。この作業により、Lightroom 5の機能である「スマートプレビュー」によりプレビュー用の画像データが作成されます。

プレビュー用データはAdobe ID会員が使えるクラウドストレージを経由してiPad側に送られるので、Literoom mobileはそれを使って編集。編集作業は作業記録データのみをデスクトップ版に転送し、元データへの反映はデスクトップ版が担当します。こうすることで、比較的CPUが非力なiPad 2でも実用的な編集速度を維持するという仕組みです。また、そのためにデスクトップ版のLiteroom 5.4が必須になるわけです。


なお、デスクトップ版からLiteroom mobileに画像を転送するためには前述の通りコレクションを作成する必要がありますが、編集結果の同期は、ユーザーが操作することなく、自動で同期されるシステムです。もちろん、Literoomの特徴である非破壊編集もサポートされています。

なお例外的に、Literoom mobileはiPadのカメラロールから画像を取り込んでの編集にも対応しますが、これはJPEGベースなので画像劣化が発生します。


このようにLiteroom mobileは、単体では使えず機能も基本的な調整のみとなるため、「iPadでRAW現像が可能になる」というイメージとはかなりかけ離れた実態になりますが、その分を考慮して余りあるほど操作は軽快。

またタッチ操作もこなれており、モバイル用途だけではなくむしろデスクトップの横でリモコン的に使うのもアリではないか、と思えるほどでした。ベースがLiteroomだけあって、ホワイトバランスや色かぶり補正といった、他のiPad用のアプリではあまりない色調整機能を備えていることもポイントです。

将来的展開としては、2014年中をめどにiPhone版を、時期は未定ですがAndroid版のリリースも検討しているとのこと。こうしたユーザーにとって嬉しい機能強化は歓迎したいところです。