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少女「あなたは勇者じゃない」|エレファント速報:SSまとめブログ

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少女「あなたは勇者じゃない」

1: ◆oU/2O5ujGod.:2014/04/15(火) 21:43:01.52 ID:xeDoUd6f0

勇者が主人公の物語はよくありますが、それ以外の登場人物にだってドラマはあると思います。

そんな思いで作ってみました。

名も無き戦士と魔法使いが勇者に出会うまでの前日譚です。



2: ◆oU/2O5ujGod.:2014/04/15(火) 21:43:46.02 ID:xeDoUd6f0

「えい!」


ブン!


「やあ!」


ブン!


「せい!」


ブン!


「…ねえ?」


「とりゃ!」


ブオン!


「ねえったら!」


カッ!


「……なに?」


少女「聞きたいんだけど」


少年「なにを?」

少女「あなたは勇者じゃないのに、なんで今から剣の練習をするの?」

少年「…別に」

少女「まだ軍に入れる年齢でもないじゃない? 今やってることが軍に入ったときに役に立つの?」

少年「…知らないよ」

少女「どうして軍に入りたいの? 父親のようになるため? それとも本当に世界を平和にしたいの?」

少年「うるさいな」

少女「あら、ごめんなさい。だって、どうしてこう毎日一人で剣を振り続けられるのか不思議でならないんだもの」クス



3: ◆oU/2O5ujGod.:2014/04/15(火) 21:46:03.04 ID:xeDoUd6f0

少年「きみだって、どうして毎日ぼくの練習を見に来てるのさ?」ブン!

少女「だって、街にいたってつまんないんだもの」

少年「僕と一緒に居るほうがつまらないと思うけど?」ブン!

少女「あら? そうでもないわ」ポウ

少女「えい!」ビ!

ドガ!

少年「うわ!」ヒョイ

少女「ふふふ♪ だってこうやってあなたのことからかうの楽しいんだもの♪」ニコ

少年「あぶないな! 魔法を人に向かって使うなよ!」

少女「あら? でも避けるのがだいぶ上手くなってるじゃない? これって良い練習だと思うけど?」

少年「その分魔法強くしてるでしょが」プクー

少女「私は楽しい。あなたは魔法を避ける練習。これで五分五分でしょ」クスクス

少年「もー。やめろと言ってもやめないからでしょ」

少女「そりゃあね。選ぶ権利はわたしにある。あなたの命令は聞けないのだよ」エヘン

少年「ひねくれ少女」

少女「本当にぶつけるわよ?」

少年「……スミマセンデシタ」

少女「ふふふ、あなたって本当にからかいがいがあるなあ。楽しい♪」

少年「……はあ。まあ、きみが楽しいのならもうそれでいいよ。だから邪魔だけはしないでください」ペコ

少女「ふむ…。頭を下げられてはこちらもわがままは言えないな。じゃあ今度からは、
   わたしの魔法が当たった時には稽古の邪魔にならないように回復してあげるね」ニコ

少年「そっちですか…」

少女「わざと当たった方が元気になれるかもよ?」

少年「きみの回復魔法の凄さは知ってるけど、攻撃魔法の凄さも知ってるので遠慮しておきます」オコトワリ

少女「つれないなあ。強くなるためにはドーピングも必要じゃない?」ピ

少年「うわ! なにす…え…? か、体から力が沸いてくる…!?」ググ

少女「凄いでしょ? こないだ本見て覚えてみたんだ♪」

少年「本って…、一体どこからそんな本持ってきたんだよ…」

少女「そんなことはどうでもいいの。ほら、試してみなさいな♪」

少年「ゴク……」ギュ


少年「えい!」


ブオン!!


少年「!!」

少女「お~!? すごいすごい!!」

―――――

――



4: ◆oU/2O5ujGod.:2014/04/15(火) 21:47:44.84 ID:xeDoUd6f0

少年「……ねえ少女」

少女「ん? なに?」

少年「きみはやっぱり魔法使いになるべきだ。こんなに才能があるのにもったいないよ」

少女「…またそれ? あなたには関係ないでしょ」

少年「何度でもいうさ。きみほどの才能をもった魔法使いは僕が王都にいたときにも見たことがないよ」

少年「ふつうは術式や詠唱によって魔力を練り魔法をつかうのに、きみはそれを必要としない。それがどういう意味だかわかるかい?」

少女「あら、よく知ってるのね」

少年「勉強したから。でも僕には魔法は使えなかった」

少年「それよりも、きみが詠唱なしで魔法をつかえるってことは、それだけきみの秘めた魔力が膨大なものだということだよ?

少女「でしょうね。あなたの父親にも言われたわ」

少年「きみの才能は世の中の人のために使うべきだ」

少女「……あなたには関係ない」

少年「せめて、その回復魔法で街の診療所の手伝いとかさ」

少女「うるさいな。わたしはわたしの好きなように生きるの! 今はあなたの邪魔をするためにしか魔法は使わないから!」プン

少年「そんなのずるい! 僕は望んでも得られなかった才能なのに、不公平だ!」

少女「それは残念でした。あーあ……、しらけちゃった。わたしもう帰る!」タッ

少年「あ! ごめん! 言い過ぎたよ! 待って!!」ッタッタ

少女「ついてこないで! ついてきたらもうここにも来ないから!!」プン

少年「ごめん…、あやまるから! ごめん少女!」…テクテク

少女「……っ! 知らない!」タッタッ

少女(あやまらないでよ……、私が馬鹿みたいじゃない!)


―――――

――



5: ◆oU/2O5ujGod.:2014/04/15(火) 21:49:22.06 ID:xeDoUd6f0

ガチャ


少年「…ただいま」ガチャン

?「おう、帰ったか。…ん? お前また一人で稽古してたのか?」

少年「父さんが教えてくれないからだよ。だから自分で練習するしかない」

父親「まだ言ってるのか? 前も言ったが、お前は子供だ。子供が戦いのことを学ぶのはまだ早いんだよ」

少年「僕は早く父さんみたいな立派な兵士になりたいんだ。だからあきらめないよ?」

父親「無駄だね。俺はスパルタじゃないからな。子供の未来は自分で決めさせる。だから入隊できるようになるまでは何も教えないぞ」

少年「それこそもう決まりきってるじゃないか。ぼくの意志はかわらないよ」

父親「母さんがいたら怒られるぞ?」

少年「…む! 母さんをひきあいに出すなんてひどいや」プイ

父親「悪かった。…でもな、これは母さんの願いでもあるんだ、だからさ、彼女の意志を汲んでやれないかな…」

少年「……わかったよ」

父親「ふ、いい子だ。まあ、人生は長いんだ。この先お前の考えも変わるかもしれないさ」ポンポン

少年「そうかなあ…?」ゴシゴシ

父親「そんなもんだ。さあ、ご飯にしよう!」

少年「うん!」ニコ



6: ◆oU/2O5ujGod.:2014/04/15(火) 21:51:51.59 ID:xeDoUd6f0

カチャカチャ


父親「そういえばお前、今日も彼女といたのか?」パク

少年「え!? なんでわかるの??」モグモグ

父親「お前に魔法の痕跡が見られるからな。何か掛けられたろう?」モグ

少年「…ううん! なんでもないよ! ちょっと怪我したから回復してもらったの!!」ドキ

父親「嘘はいけないな。筋肉が痙攣したあとがあるぞ。回復魔法じゃないことは確かだ」

少年「う……。ごめんなさい、……彼女が強化魔法を覚えたって言ったから、ぼくが無理やり頼んだんだ…」シュン

父親「……はあ、そうか、まあいい。しかしあの子は強化魔法まで覚えたのか? …すごいな」

少年「う、うん。そうだね。アハハハ…」カチャカチャ

父親「もともと魔法を使えたみたいだが、最近のあの子の魔法習得の速さは驚異的だぞ」

少年「…やっぱりそうなの?」

父親「ああ。あの年齢であそこまで多くの魔法を使いこなせる人間なんて聞いたことがない」

少年「すごいね。彼女」

父親「ところで今回も魔法を使ったときに彼女は詠唱か何かしたのか?」

少年「ううん、なにも。いきなりだった」

父親「…やはりそうか。まいったね、こりゃ」ゴシゴシ

少年「?」



7: ◆oU/2O5ujGod.:2014/04/15(火) 21:52:46.83 ID:xeDoUd6f0

少年「…ねえ?」

父親「ん?」

少年「なんでぼくは魔法が使えないの?」

父親「そりゃあ我が一族に魔力を秘めた人間が一人もいないからだよ。血筋だ血筋」パク

少年「彼女の両親も魔法は使えなかったよ? 聞いたんだ」

父親「もともと魔力があっても魔法として練るのに力がなかっただけじゃないか」モグモグ

少年「魔力があっても誰でも使えるわけじゃないの?」モグモグ

父親「ああ、でもたまに才能に恵まれて、魔法が使える子供が生まれたりもする。めずらしくもないさ」モグモグ

少年「でも、それじゃあおかしくない? 彼女の魔力が説明できない」

父親「"だったら両親もかなりの魔力を秘めてたはず。それが魔法が使えないのはおかしい…"というか? 我が子ながら知恵が回るな」ポン

少年「うん///」

父親「まあ、そうだ…、実は俺も彼女のことが気になったから調べたんだが…、
   そしたら両親とも一族代々この街に暮らしていて、だれもそんな片鱗を見たことがないらしい」

少年「じゃあ……、どういうこと?」

父親「ふふ、難しい話だったな。お前もわかるように結論から言うと、『神の神託を受けた』これしかあるまい」

少年「しんたく…?」

父親「要は神様に特別な力を与えられたっていうことだよ」

少年「へえ、じゃあやっぱり少女は本当にすごいんだ!!」

父親「…そうだな。だが、それはあの子が望んで得たものなのか…、それとも…。…すでに気づき始めてるやつもいるし…」ボソ

少年「?」

父親「いや、なんでもない。さあ、食事だ食事。おかわりは?もっと食え」グイ

少年「もう食べてるよお…」ゲプ


――――

――



8: ◆oU/2O5ujGod.:2014/04/15(火) 21:54:19.11 ID:xeDoUd6f0

次の日の朝―


コンコン


少年「少女~! 起きてる~?」コンコン


ガチャ


少女「もう! 朝からうるさい! もっと寝かせてよ!」ゴシゴシ

少年「昨日はごめん! はい、これ!」ズイ

少女「ジャムとパン…。朝食はいらないっていつも言ってるでしょ…」フア~

少年「だって、最近うちにご飯食べにこないじゃないか。夜一人でなに食べてるんだよ? 料理できないでしょ?」

少女「うるさいな…、女の子だから大したもの食べなくても生きていけるの!」

少年「ん…? ああ! またリンゴだけしか食べてない! 栄養とらなくちゃ病気になっちゃうよ!」

少女「果物ダイエットって知ってる?」フフン

少年「そんな年頃でもないでしょ。僕たちの年ごろはたくさん食べて大きくなること。それが一番重要なんじゃないか!」

少女「はあ…、あんたの朝食が多すぎて一日中満腹なんです。もっと量減らしなさいよ…」

少年「え? そうだったの!? ごめん、きみのことも考えずに勝手な量もってきちゃって…、明日から半分にするよ!」シュン

少女「え…? い、いいわよそんなことしなくて! 食べなくちゃダメなんでしょ? だったら食べるわよ!!」プイ

少年「ふふ…。良かった! じゃあ、今日はうちで夕飯食べてってね! いやでも連れてくから!」ニコ

少女「…はいはい。しょうがないな」

少年「よし! はあ…、良かった~。少女に嫌われたかと思ってドキドキしてたんだよ~」ニコニコ

少女「はい? 昨日何かありましたっけ??」シラ

少年「ふふ。そうか、だったら何でもない! これからまた稽古しに行くんだけど、少女も来る?」

少女「あんたから誘ってくるなんて珍しいわね? まあいいわ、暇だからついて行ってあげる」

少年「いつも暇なくせに」ケラケラ

少女「な!? むかつく! 覚悟なさい!!」バ

少年「おっと!」ヒョイ

少女「ぐ…! ちょこまかと動き回って…! 待ちなさい!!」ダッ

少年「へへーんだ。だったら捕まえてみな~。あの丘まで競争だ♪」ダダッ

少女「待ちなさい!! この! くっ…魔法が使えたら!!」ダダッ!

少年(少女は街中で魔法を使わない… まあ、それが今のぼくには有利なんだけどね♪)タタッ


――――

――



9: ◆oU/2O5ujGod.:2014/04/15(火) 21:56:26.26 ID:xeDoUd6f0

少年「も
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    コメント一覧

      • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年04月16日 21:02
      • なんか消化不良と言うかもやもやするというか…
      • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年04月16日 21:29
      • なんで前書きを書いちゃうかな?
      • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年04月16日 21:52
      • この>>1…途中で飽きやがったな
      • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年04月16日 22:11
      • 簡単に言うとグダグダなんだよな。後半に行くに連れ酔ったおっさんみたいになってきてる。何言ってだこいつになってんだよ
      • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年04月16日 22:21
      • 最初の口上が香ばしい。

    はじめに

    コメント、はてブなどなど
    ありがとうございます(`・ω・´)

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