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王様「そなたが伝説の勇者か……」 アメフト選手「…」|エレファント速報:SSまとめブログ

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王様「そなたが伝説の勇者か……」 アメフト選手「…」

1: ◆pOKsi7gf8c:2014/03/22(土) 13:50:17.20 ID:nGz7RdJF0

王様「して、名前は?」


  「トム……トーマスだ」


王様「そうか、良い名だ」


トム「……どうも」


王様「この太平の世にそなたが現れたのも、神のおぼしめしなのかもしれん」

王様「勇者トーマス、これよりそなたには……」


トム「…」

トム(目の前には王様みたいな恰好をしたジジイ)

トム(俺がいるのは、成金趣味な城の中……)

トム(どうしてこんなことになっちまったんだ?)

トム(俺はいつも通りふざけている奴らを練習に戻して……)



2: ◆pOKsi7gf8c:2014/03/22(土) 13:51:48.20 ID:nGz7RdJF0

___
____


  「よし、ベットだ」

  「いくら賭けるんだ?」


  「まずはお前からだろ? エディ」


エディ「ケッ! よく言うぜ、スティン」

エディ「オレのベットを見て決めるクセに」


スティン「いいから早くしろよ、ケンも待ってるぜ」


エディ「チッ……オレは3ドル賭ける」
   

スティン「なら、4ドルだ」

スティン「ケンは?」


ケン「僕は……チェックだな」


エディ「なんだよ、ビビったのか?」

エディ「男は勝負してこそだぜ」


ケン「それは……」


  「何が、勝負してこそだって?」



3:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/22(土) 13:52:27.41 ID:x+yn1yBqo

ポジションはどこだ



14:以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします:2014/03/22(土) 14:19:27.65 ID:nGz7RdJF0

>>3
明確には決めてない、勝手に決めてくれても構わない



4: ◆pOKsi7gf8c:2014/03/22(土) 13:53:01.74 ID:nGz7RdJF0

エディ「お、トム」

エディ「お前もやるか?」


トム「何言ってんだ、ささっと練習に戻れ」

トム「タダでさえ弱いチームなのに、これ以上弱くなってどうするんだ」


スティン「ジュニアリーグにでも入れてもらうか」


トム「そんなにガキとやり合いたいのか?」

トム「だったら、近くのロースクールまで連れて行ってやるぞ」


スティン「冗談だ、トム」

スティン「マジの口調で言うのはよせって」


トム「冗談言ってる暇があったら、練習に戻れ」


エディ「分かったって、トム」

エディ「でもよ……オレ達はいいとして、アレはどうするよ?」


トム「アレ?」



5: ◆pOKsi7gf8c:2014/03/22(土) 13:54:39.21 ID:nGz7RdJF0

ケン「向こうのアレだよ、ダニーとジム」



   「ほら! 追いついてみろよ、のろまのダニー」


   「か、返せよ……ジム!」



トム「またやってんのか、アイツら……」


ケン「今日はボールだってさ」

ケン「ダニーが練習で使ってたのを、ジムが横取りしたらしいんだ」


トム「はぁ……」


エディ「ほら、アイツらが居なきゃ練習なんかできないぜ」

エディ「どうするよ?」


トム「……止めるしかないだろ」

トム「エディ、俺と来い」

トム「2人は他の奴らを……」



    ピカッ


トム「!?」

____
___



6: ◆pOKsi7gf8c:2014/03/22(土) 13:56:03.78 ID:nGz7RdJF0

王様「……古の盟約より、そなたに魔王討伐の任を与える」


トム「…」

トム(そんで、目の前が真っ白になったと思ったら)

トム(この訳の分からん場所にいたと)


王様「どうした? 疑問でもあるのかね」


トム「いいや……」

トム(無いわけないだろ)


王様「そうだ、出発の前に」

王様「来るのだ」


騎士「…」カツカツ


トム「…」

トム(何だ? あの鎧野郎)


王様「この者は今日からそなたの旅の供となる」

王様「必ずや、そなたの力になるだろう」


騎士「…」


トム「な…!」

トム(まさか、コイツと一緒に行動しろってことか!?)


王様「さぁ、行くのだ! 勇者よ」

王様「その手で魔王を討て」


トム「マジかよ……」



7: ◆pOKsi7gf8c:2014/03/22(土) 13:58:02.87 ID:nGz7RdJF0

騎士「それで……これからどうする? 勇者様」


トム「どうするも、こうするも……俺は知らん」

トム「アンタに任せる」


騎士「なら、城下町へ行くのは?」


トム「城下町って、城はさっき出ただろ」


騎士「城と町を別々にしてあるのだ」

騎士「たとえ城が落されても町が無事なようにな」


トム「…」

トム(コイツ……城では馬鹿みたいに無口だったくせに、よく喋る)

トム(ま、デイブみたいに本気で無口な野郎と組まされるよりはマシか)


騎士「どうした? 」


トム「いや……町に行って何をするんだ?」


騎士「冒険者ギルドへ行って、冒険者を雇う」


トム「…」

トム(また、訳の分からん単語を……)


騎士「王国は魔王を重要視してないせいか、私以上の戦力を割けないみたいだしな」

騎士「これでどうだ? 勇者様」


トム「ああ、アンタの好きにやってくれて構わないが……」

トム「その勇者ってのはやめてくれ」

トム「トムかトーマスだ」


騎士「だが……」


トム「勇者命令だ」


騎士「分かったよ……トーマス」



8: ◆pOKsi7gf8c:2014/03/22(土) 13:59:44.91 ID:nGz7RdJF0

騎士「ここがギルドだ」


トム「ほう……」

トム(こりゃ、西部劇も顔負けだな)

トム(そこらじゅうに剣やら槍やら持った奴らがいやがる)


騎士「トーマス、ここで待っていろ」

騎士「私が話を付けてくる」


トム「ああ」

トム(それにしても、コイツらの中から選ぶのか……)

トム(コスプレ野郎はアイツ1人で……ん?)

トム(アレは……)


  「ああ、神様……」



9: ◆pOKsi7gf8c:2014/03/22(土) 14:05:45.30 ID:nGz7RdJF0

トム「エディ!」


エディ「……トムの声?」

エディ「はは、遂に幻聴まで聞こえてきやがったぜ」


トム「おい! エディ」

トム「俺だ、トーマスだ」


エディ「え……トム? マジで」

エディ「マジかよ! ホントのホントにあのトムなのか?」


トム「ああ、そうだ!」


エディ「おおぉ! 会いたかったぜ、トム!!」

エディ「気づいたら知らねぇ場所にいるし」

エディ「周りはお遊戯会から逃げ出してきたみたいな格好のヤツばっかしだし」

エディ「オレのユニフォームを鎧とか言ってやがるし」

エディ「とにかく、こんな場所に1人でどうにかなっちまうとこだったぜ!」


トム「良かったな、お前はイカれてないみたいだぜ」

トム「さもなきゃ、俺達2人ともお陀仏だ」


エディ「なら、狂ってないことを祈らなきゃいけねぇな」



騎士「おーい、終わったぞ」



10: ◆pOKsi7gf8c:2014/03/22(土) 14:10:02.29 ID:nGz7RdJF0

エディ「トムもここに来た理由は分からねぇんだな」

エディ「そんでもって、そのマオーとかいうのを倒すハメになっまったと」


トム「ああ、そうだ」


エディ「……で、トム」

エディ「そいつは誰なんだ? お前の話だとただのお付きだぞ」


トム「悪いが、俺もよく知らん」

トム「アンタ……名前は?」


エディ「なんだぁ? 名前も聞いてなかったのか!?」


トム「聞く暇がなかったんだ」


エディ「ったく、しょうがねぇヤツだな」

エディ「それで名前は何て言うんだ? 騎士さんよ」


騎士「私は……騎士だ」


エディ「そりゃあ、見たら分かるけどよ……」

エディ「そうじゃなくてなぁ」


騎士「……名乗る名など無い」

騎士「私は勇者トーマスの盾であり、剣」

騎士「それ以上でもそれ以下でもない」

騎士「だから、好きに呼んでくれ」



11: ◆pOKsi7gf8c:2014/03/22(土) 14:13:23.47 ID:nGz7RdJF0

エディ「おいおい、これって結構めんどくさいことになってんじゃないの?」


トム「俺に聞くなよ」


エディ「じゃあ……今日からお前はジェリーな」


トム「な……!」


エディ「ジェリーとトム、お似合いじゃねぇか」


トム「バカじゃないのか!?」

トム「安易にも程があるだろ、なぁ?」


騎士「ん? 私は気にしないぞ、トーマス」

騎士「別段おかしな名前じゃないだろう」


トム「そういう問題じゃなくてな……」



12: ◆pOKsi7gf8c:2014/03/22(土) 14:15:20.75 ID:nGz7RdJF0

エディ「細かいこと、いちいち気にすんなよ」

エディ「嫌なら違う名前を考えてみやがれ」


トム「そ、それは……」


エディ「なら、決まりだな」

エディ「オレはエドワード、みんなはエディって呼んでる」

エディ「よろしくな、ジェリー」


騎士「ああ、よろしく」


エディ「それじゃあ、今日はさっさと寝て続きは明日にしようぜ」


トム「おい、待て」

トム「俺の話は……」


騎士「そうだな、私も部屋に戻るとしよう」


トム「待て、帰るな」


エディ「トム、早くしろよ」

エディ「明かりを消しちまうぜ」


トム「おい、エディ!」



22: ◆pOKsi7gf8c:2014/03/23(日) 23:04:44.82 ID:I23YCIws0

エディ「おいおい、次の村ってのはまだかよ」

エディ「足が棒になっちまいそうだ」


トム「我慢しろよ」

トム「俺だって、いい加減足が痛くなってきてんだ」


騎士「安心しろ、後もう少しで着く」

騎士「ここで休むよりは村で休んだ方が良いだろう」


エディ「そうだけどよ」

エディ「本当にその村にチームの仲間なんかいるのか?」


トム「さぁな……」

トム「でも、俺達が居るんだ」

トム「他の奴らが居てもおかしくない」

トム「第一、そう言い出したのはお前だろ?」


エディ「でもなぁ……」


トム「文句ばっか言ってないで足を動かせ」

トム「そんなんじゃ、いつまで経っても村になんか着かないぞ」


エディ「はいはい、歩きますよ」

エディ「歩きゃぁいいんでしょ」



23: ◆pOKsi7gf8c:2014/03/23(日) 23:06:37.48 ID:I23YCIws0

トム「それで……どうして酒場なんだ?」


騎士「情報収集といったら酒場じゃないのか?」


トム「…」


エディ「オレを見るなよ!?」

エディ「オレだって知らないぜ! そんなこと」


トム「まぁ、アンタがそう言うんならそうなんだろ」

トム「それで……どうすればいい?」


騎士「そうだな……普通に話を聞けばいいんじゃないのか?」

騎士「私も酒場に入るのは初めてなんでな」



  「違う! おれはビビりじゃない!!」


  「何が違うってんだ、正直に言えよ」

  「『ぼくはママのおチチがないと眠れいビビりです』ってな」


  「母ちゃんをバカにするな!!」



騎士「それにしても騒がしいな」


エディ「どっかのバカがケンカしてるだけだろ?」

エディ「ほっとけほっとけ」


トム「いや、エディ」

トム「俺は……つい最近、似たようなのを見た