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幼馴染「あの窓が開けば、また」|エレファント速報:SSまとめブログ

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幼馴染「あの窓が開けば、また」

1 : ◆L0dG93FE2w 2013/11/27(水) 02:59:08 ID:WxQrFzmk

私の初恋は幼稚園の頃だった

隣りの家に住む『男』と言う名前の子

親同士は仲が良かったが

私と彼は保育園ではそれほど仲良くはなかった

幼稚園で同じ組になり、一緒に居る事が多くなった



2 : ◆L0dG93FE2w 2013/11/27(水) 03:02:23 ID:WxQrFzmk

彼の事を最初に好きになったきっかけは何だっただろうか

多分、お菓子をくれた事だったと思う

『これ、幼ちゃんにあげる』

と言って、差し出された動物ビスケット

あれがきっかけで、彼の後ろに付いて歩いてまわるようになった



3 : ◆L0dG93FE2w 2013/11/27(水) 03:03:43 ID:WxQrFzmk

あの頃の私は、今にして思えばちょっとバカな子供だった

なにせお菓子をくれた人にホイホイ付いて行っていたのだから

でもこうも思う

バカで良かったな、と

あのビスケットが無ければ、彼と親しくなる事も無かったかもしれなかったからだ



4 : ◆L0dG93FE2w 2013/11/27(水) 03:10:11 ID:WxQrFzmk

あの頃、母親に

『これがあんたの初恋ね』

そんな事を言われたのを覚えている

初恋というものを理解して居なかった当時の私は

『はつこいってビスケットとおなじ?』

とか、聞いたような気がする



5 : ◆L0dG93FE2w 2013/11/27(水) 03:14:11 ID:WxQrFzmk

母親は笑いながら

『ビスケットは美味しい物だけど、初恋はほろ苦い物よ』

とか何とか

幼稚園児に何を言っているのやら

今では解るけど

そんな訳で、私と彼との関係が始まったのは幼稚園の頃からだ



6 : ◆L0dG93FE2w 2013/11/27(水) 03:15:33 ID:WxQrFzmk

小学生になっても、私は彼の後ろに付いて歩いた

彼は嫌な顔などせず、むしろ笑顔で私の手を引いてくれた

通学も、遊ぶのも、宿題するのも

本当に何をするのも、一緒だった

小4まではお風呂も一緒だった

私は別に嫌じゃなかったので、ずっと一緒にお風呂でも良かったのだけど

彼のご両親に止められた

まぁ、止めた理由も、今なら解るけど



7 : ◆L0dG93FE2w 2013/11/27(水) 03:18:03 ID:WxQrFzmk

小4の頃から、後ろではなく、彼の隣りを歩く様になった

一緒に色んな所に行って遊んだ

はしゃいで、転んで、泣き出す私を

彼はいつだって優しく慰めてくれて

それがとても嬉しくて、私はまたはしゃいでしまう

直後にまた転んだりもしたけれど

今では良い思い出だ



8 : ◆L0dG93FE2w 2013/11/27(水) 03:19:34 ID:WxQrFzmk



最初に私の部屋のベランダから、彼の部屋に飛び込んだのは小3の時

2階建ての家で、部屋は隣り同士

きっかけは多分

『そうだ!わざわざ玄関から出なくても!』

そんな考えだったと思う



9 : ◆L0dG93FE2w 2013/11/27(水) 03:20:55 ID:WxQrFzmk

お隣りさんとの距離は約50cm

今ならひとまたぎのその距離も

小3の私にとってはちょっと遠かった様な気がする

幅は50cmでも高さは2mだ

落ちたら大怪我したかもしれない

でも、私は迷わなかった

『おーい。窓開けてー』

声を掛けて、彼に部屋の窓を開けて貰う

一刻も早く自分のナイスアイディアを実行したかったのだ



10 : ◆L0dG93FE2w 2013/11/27(水) 03:22:12 ID:WxQrFzmk

彼は私が何をするのか解らなかったはず

何か言おうとした彼の胸に、勢いよく飛び込んだのだから

彼は私をしっかりと受け止めてくれたけど、よろけてしまって

私共々、そのまま倒れた

彼はビックリしていたけど

今思えば、飛びついたのは危険この上無い



11 : ◆L0dG93FE2w 2013/11/27(水) 03:23:03 ID:WxQrFzmk

でも私は彼の部屋に飛び移れた事に満足していたので、気分が良かった

だから笑い出した

つられて彼も笑い出したので、そのまま2人で笑ってしまった

大爆笑だった

そうして彼の部屋への移動が楽になった

彼が私の部屋に来る時、窓からベランダへ飛び移る様になるのに

そう時間は掛からなかった

そうやってお互いの部屋を自由に行き来する様になった



12 : ◆L0dG93FE2w 2013/11/27(水) 03:25:29 ID:WxQrFzmk

お互いの両親は、最初こそ反対していたが

彼も私も言う事を聞かないので

落ちても大怪我をしない様に、窓の下に生け垣を作ってくれた

今考えると約50cmの隙間に落ちる方が難しいはずなのに

私の父親などは

『いっそ男君の部屋とベランダをくっつけようか』

なんて的外れな事を言っていたっけか



14 : ◆L0dG93FE2w 2013/11/27(水) 03:39:26 ID:WxQrFzmk

お互いの部屋で勉強したり、ゲームしたり

ただひたすらぐうたらしてる日もあったな

隣りに居るのが当たり前で

凄く自然で

居心地が良くて

何も言わなくても、何となく通じている気がしてた



21 : ◆L0dG93FE2w 2013/11/27(水) 21:51:18 ID:WxQrFzmk



中学に上がっても相変わらず私は彼の隣りに居た

同級生にからかわれたりしたけど

彼も私も気にしなかった

その頃、2人ほぼ同時に親友が出来た

彼には友君、私には幼友

遊びに行くのが2人から4人になった



22 : ◆L0dG93FE2w 2013/11/27(水) 21:52:39 ID:WxQrFzmk

中学2年の修学旅行の時である

班毎の自由行動の時、私たちは京都で迷子になった

4人とも、地図が読めない男女だった

途方にくれていると

『多分こっちだ!』

彼が急に走りだした

私たち3人も後に続いて走り出した



23 : ◆L0dG93FE2w 2013/11/27(水) 21:58:17 ID:WxQrFzmk

兎に角直進

曲がり角は当てずっぽう

そうして15分も走っただろうか

日が暮れかかった時、見覚えのある通りに出た

そこで担任の先生と無事に合流出来た

合流時間を過ぎていた事は怒られてしまったけど



24 : ◆L0dG93FE2w 2013/11/27(水) 22:06:01 ID:WxQrFzmk

あの時、駆け出した彼の後ろ姿を見て

『何て格好良いんだろう』

と、思った

何故急にそんな事を思ったのかは自分でも解らない

幼い頃の恋の話は誰にでもある普通の事だと思うけど

その時のは違っていた

中2と言えば、それなりに社会の常識も解って来た頃だ

『私、この人の事、好きだな』

初めてちゃんと意識した



25 : ◆L0dG93FE2w 2013/11/27(水) 22:15:27 ID:WxQrFzmk

それからの私は自分の気持ちを抑えながら日々を過ごした

私と彼と幼友と友君、4人で沢山の思い出を作った

幼友と友君の漫才みたいなやり取りも好きだった

その2人から

『2人って、もう夫婦みたい』

と言われた時

彼は物凄く照れていたけど

私は物凄く嬉しかった

凄く楽しかった

こんな日が永遠に続けば良いのにと思っていた



26 : ◆L0dG93FE2w 2013/11/27(水) 22:24:54 ID:WxQrFzmk



中3の夏休み、親の転勤が決まった

転勤場所は凄く離れた土地だった

気軽に遊びに帰って来られるような場所じゃなかった

私は泣きながら親に抗議した

好きな人と別れなければならない

その事実を認めたく無かったのだ



27 : ◆L0dG93FE2w 2013/11/27(水) 22:32:36 ID:WxQrFzmk

その時、プチ家出した

幼友の家にお世話になった

幼友の母親はおおらかな人で

幼稚な私のかんしゃくを

『いつまで居ても良いからねー』

そう言って迎えて入れてくれた

夏休み期間のほとんどを幼友の家で過ごした

正直、彼の顔を見るのが辛かったのだ

だから彼と2人で過ごす時間はほとんど無かった



28 : ◆L0dG93FE2w 2013/11/27(水) 22:41:27 ID:WxQrFzmk

夏祭りだけは2人で一緒に行った

会話は殆ど無かったけど、ずっと手を繋いでいた

会場を一通り廻った後、私たちだけの秘密の特等席で花火を見た

夏の夜空に次々と打ち上がる花火を見ながら

ふと彼の横顔を見る

花火の光に照らされた彼の顔を見て、確信する

『やっぱり私、この人の事が本当に好きだな』



29 : ◆L0dG93FE2w 2013/11/27(水) 22:48:03 ID:WxQrFzmk



それから、彼に告白しようと努力する日々が始まった

幼友に相談して、色々試してみた

まぁ、結果はどれも大失敗

思い出すと恥ずかしい事ばかり

私は彼が鈍感である事を知っていたのに

恋の熱に浮かされて、状況判断が出来て無かった

空回りばかりで、何一つ上手くいかなかった



30 : ◆L0dG93FE2w 2013/11/27(水) 22:53:46 ID:WxQrFzmk

受験勉強もあったので

彼に気持ちを伝えられないまま、時は過ぎた

窓とベランダでの行き来は続いていた

お互い受験する高校に合格するには微妙に成績が足りなかったから

一生懸命勉強した

結果、2人とも無事合格


私は関西の女子高に

彼は家の近くの高校に

幼友と友君も彼と同じ高校に合格した



31 : ◆L0dG93FE2w 2013/11/27(水) 23:01:31 ID:WxQrFzmk

ここで道は別れてしまった

本当は凄く嫌だけど、親の都合だ、仕方が無い

一人暮らしするとも提案したけど、即却下された

そりゃそうだ

高校一年生になる娘を、一人で置いて行くなんてできっこない

経済的にも厳しいもんね

だから私も両親と一緒に、関西に引っ越す事になった



32 : ◆L0dG93FE2w 2013/11/27(水) 23:08:12 ID:WxQrFzmk

高校受験が終わってから

私が引っ越すまでの間は、これでもかってくらい

4人で遊びまくった

彼と2人でも遊んだ

楽しい思い出が更に沢山出来た



それでも、心残りがあった

彼に私の本当の気持ちを伝えて居ない事だった



33 : ◆L0dG93FE2w 2013/11/27(水) 23:09:41 ID:WxQrFzmk



引越し前日の深夜

いつもの様に、彼の部屋に飛び込んだ

彼は小説を読んでいたそうだ

深夜いきなりの来訪にも関わらず、ホットココアを出してくれた



34 : ◆L0dG93FE2w 2013/11/27(水) 23:18:47 ID:WxQrFzmk

それなりの覚悟を決めて、彼の部屋にお邪魔したはずなのに

言葉が出てこない

彼は黙って、私の言葉を待っている様に見えた

彼も何かを言いたそうにしている様にも見えた

飲みかけのホットココアが普通のココアになった頃

不意に彼が話しかけてきた



35 : ◆L0dG93FE2w 2013/11/27(水) 23:34:54 ID:WxQrFzmk

『別に一生の別れって訳じゃないし』

『いつかまた会えるよ、きっと』

『幼は僕の一番の……………友達だから』



36 : ◆L0dG93FE2w 2013/11/27(水) 23:39:14 ID:WxQrFzmk

『友達だから』

その言葉がぐるぐると頭を回る

『そうだね』

かすれた声でそう答えるのが精一杯だった

そして少し泣いてしまった

彼は慌てていたけど、これは
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    コメント一覧

      • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年04月17日 20:28
      • え?
        続きはないんですか!?
      • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年04月17日 20:39
      • 終わっちゃったよー
        どうか『私』にとってハッピーエンドでありますように
      • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年04月17日 20:41
      • 男くん出るんだよね…?(ふるえ声)
      • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年04月17日 20:49
      • 読んでると成功しない確率のほうが高そうな描写が結構あるんだが・・・
      • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年04月17日 21:02
      • ガラッ

        幼友「えっ…」
      • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年04月17日 22:47
      • 切ないなぁ
      • 7. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年04月17日 23:24
      • 4
        おぃぃぃぃぃ!

        そこで終わるなやぁぁぁぁぁ!
      • 8. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年04月17日 23:41
      • 何年も会ってないのにいきなり告白って突然すぎるんじゃない?もっと手順をふむべきだろ!

    はじめに

    コメント、はてブなどなど
    ありがとうございます(`・ω・´)

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