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http://japanese.engadget.com/2014/04/21/biostar-24-asic-64-24g/


BIOSTAR製ビットコイン採掘専用ボードが24日発売。ASICチップ64個で秒間24Gハッシュ - Engadget Japanese

一見すると電子工作関係の基板? のようなこのボードは、ビットコインのマイニング(採掘)を本格的にやりたい、という人のための製品。マイニングで必要な暗号を演算するための専用チップを64個搭載した、計算専用ボードです。

メーカーは台湾BIOSTAR。製品名はビットコイン用マイニングボード「BTC-24GH」で、店頭想定価格は7万9800円、発売日は4月24日。日本ではPC周辺機器などを取り扱うアユートが販売します。

技術的な解説をすると、このボードはビットコイン計算用USBアダプタなどに搭載されているASICチップを64個搭載した構成。ビットコインの採掘計算速度はH(ハッシュ)/sで表現されますが、この製品の性能は公称で24GH/s(+-10%)。BIOSTARは「RADEON HD 7970(搭載ビデオカード)を使った場合に比べ、30倍以上の性能を発揮する」とアピールしています。

ちなみに、現在ビットコインマイニング用のハードウェアは、同様のASICチップを搭載したUSB接続のアダプタが一般的ですが、スタンダードだった「ASICMiner Block Erupter USB 330MH/s Sapphire Miner」の速度が330MH(メガハッシュ)/s。これの64倍が約21.1GH/sなので、おそらくASIC1個あたりの計算速度は近いものと思われます。

さて、この製品のもう一つの特徴(?)は、運用法が初心者お断りなこと(といっても、用途から考えると当然な気もしますが)。まず、消費電力は約130Wとかなりのモノで、さらにその供給用に自作PC用のATX電源を別途必要とします。また、PCとの接続にはUSBを使用しますが、その接続ケーブル(上図の「Signal Cable」です)も、ケーブルの間にUSB変換基板があるという、手作り感あふれる構成です。


冷却には別途冷却ファンが必要で、設置環境によってはヒートシンクも要りますが、ボードにはファン用のコネクタやファン固定スペースは一切ありません。そして基板のサイズは、なんと244×244mm。つまり24cm角もあり、かなり大柄です。さらに基板はむき出しですし、サイズの関係からPC用ケースなどにも加工しなければ入りません。というよりファンの関係からも、ケースに入れないバラック状態での運用が基本とも思えます。


さらに本製品は、付属の信号ケーブルと電源ケーブルを使うことで、ホストPCに対して最大50枚までをディジーチェーン式に接続できます。が、その場合は当然電源ユニットや冷却などの規模もそれなりに必要になります。上図では「Fan」や「Power」などとさらりと描かれていますが、上図のように4枚接続になると、消費電力は約520Wを必要とし、冷却もそれだけの発熱を処理できるものが必要となります。



そうした点を受けてか、アユートの製品紹介ページでも「固定方法は使う方でお考えください」「電源から直接FANに給電してください」「玄人向け製品になり、保証は購入より初期不良1か月のみの保証になります」と、安易に手を出してはいけないアイテムとしてのイメージを強調しています。上図はBIOSTAR公式ページの2枚設置例ですが、自作PCに詳しい読者であれば、これがいかにサラッと流されているものか、おわかりいただけけるかと思います。

こうしたクセの強さや、ビットコイン採掘以外の用途にはほぼ使えないという用途の狭さはありますが、ビットコイン採掘では(少なくとも現状では)強さを発揮できるのは確か。そういった点では、性能追求型のガジェットが持つ、不思議な魅力を備えた製品でもあります。