中国の船会社が日中戦争時に日本の会社に賃貸した船の代金が未払いだとして、会社を吸収

合併した日本の海運大手「商船三井」(東京都港区虎ノ門)の大型貨物船差し押さえ

ました。

画像:【商船三井(公式サイトより)】 
商船三井
http://www.mol.co.jp/index.html

19日、上海海事法院(裁判所)は浙江省の港に停泊している「商船三井」の鉄鉱石運搬船「BAOSTEEL

EMOTION(バオスティール・エモーション)」(※)を差し押さえたと発表しました。

(※ 総トン数11万9000トン、全長およそ320メートルある大型船で、22万6000トンの鉄鉱石を一度に運べる2011年9月に作られた大型船貨物船)

画像:【BAOSTEEL EMOTION(バオスティール・エモーション)】
BAOSTEEL EMOTION(バオスティール・エモーション)

これは上海の船会社「中威輪船公司」の創業者親族が1937年に始まった日中戦争時、日本の船会社「大同

海運」に2隻の船を賃貸した代金が未払いだとして、1988年に日本の船会社を相手取り、20億元(現在のレ

ートで約330億円)の賠償を求めていた裁判に関したもの。

2隻の船はその後、旧日本軍が使用し、沈没となっています。

日本の船会社「大同海運」を吸収合併した「三井商船」は裁判で

「船舶は旧日本軍に徴用されており、賠償責任はない」

と主張していましたが、2007年、海事法院は「三井商船」が不法に船を占有したと認定。

日本円で約29億円の賠償を命じる判決が出ていました。

「三井商船」はこれを不服として裁判に申し立てをしていましたが、2010年12月、中国の最高人民法院(最

高裁判所)がこれを却下。

しかし、「三井商船」は賠償の支払いを拒否していました。

鉄鉱石運搬船を差し押さえられた「商船三井」は

「現地から情報はあったが、事実関係を現在確認中で、今後の対応は検討中だ」

と話しています。

中国では戦時中に日本に強制連行され、過酷な労働をさせられたとして、元労働者や遺族らが日本企業に損

害賠償を起こす裁判が相次いでおり、今後、同様の裁判で中国国内にある日本企業の資産が差し押さえられ

るリスクが増えていく可能性を示しています。

今回の件に【ネットの声】は・・

  • 借りたものは返さないとな
  • 戦時中のこととはいえ、これは「商船三井」側が普通に悪いだろ
  • 中国政府推奨
  • 対日工作だろ
  • 今から約70年前の出来事か・・
  • いろんな口実をつけて訴訟起こしてきそうだな
  • 戦争時の賠償って条約ですでに終わってなかったっけ?
  • 「日中平和友好条約」で中国側からの請求権はなかったはずだが
  • 条約違反ってこと?
  • 日本政府の対応は?

などがあるようです。

戦争時のことですから、事実関係の把握は難しいですが、中国の最高裁で認定された以上、覆すことはまず

不可能ですね・・

差し押さえられた「三井商船」の大型貨物船の造船価格は明らかにされていませんが、素直に約29億円の

賠償を支払うほかなさそうです。

今後、中国に進出している日本企業はこのようなリスクも考える必要があります。