戻る

このページは以下URLのキャッシュです
http://japanese.engadget.com/2014/04/21/ubuntu-14-04-lts/


Ubuntu 14.04 LTS リリース、高解像度化とマルチタッチに対応した長期サポート版 - Engadget Japanese
Linux のディストリビューションの中でもデスクトップ向けとして安定した人気を得ている Ubuntu が、最新バージョンの Ubuntu 14.04 LTS を公開しました。新たに高解像度ディスプレイとマルチタッチ操作への対応のほか、セキュリティ機能なども向上しています。バージョンごとにアルファベット順で付けられるコードネームは「Trusty Tahr (頼りになるタール)」。タールとは山岳地域に生息する山羊に似た動物です。 LTS とは Long Term Support のことで、企業向け用途も見込んだ5年間のサポート期間をもつバージョンのこと。LTS のリリースサイクルは2年ごとで、前回は2012年の12.04 LTS。ちなみに、半年ごとにリリースされる通常版Ubuntuのサポート期間は2013年から短縮され、9か月となっています。


Ubuntu 14.04 LTS では、Linux カーネルがバージョン3.13ベースになりました。これにより温度・電源管理機能の強化や、Xen、KVM といった仮想環境での ARM サポート、ファイルシステムのパフォーマンスアップなどが盛り込まれています。

デスクトップ版では最近高解像度化が進むディスプレイへの対応や、タブレットなどではほぼ必須となるマルチタッチへの対応も果たしました。GUI を担う GNOME はバージョン3.10ですが、正確には安定性などの点から3.6、3.8のコンポーネントも一部に残したキメラ版になっています。

最近のバージョンで不評を買っていた Mac 風のグローバルメニューは、設定により Windows のように各ウィンドウへの表示も可能となりました。また、意外ですが前バージョンまではウインドウサイズをマウスのドラッグで変更するとき、ウィンドウ枠のみの描画になっていたのも、きちんと内部まで表示したままサイズ変更ができるようになりました。

そのほか、Ubuntu の母体 Canonical が運営していた Dropbox ライクなクラウドサービス、Ubuntu One が6月末に終了するのを受けて、Ubuntu 14.04 LTS ではひと足先に Ubuntu One 関連機能が取り除かれています。


Linux ディストリビューションの多くが売りにするのが要求仕様の低さです。参考までに Ubuntu 14.04 LTS の最低システム要件をあげると、Pentium 4 1GHz、512MB RAM、5GB ストレージ。これなら、電源が入って起動できる PC であればほとんどが要件を満たしていると思われます。

今回のリリースは、企業向けにも使える長期サポート版、そしてWindows XP のサポート終了直後というタイミング。そこそこ使える無料のOSとして、予算不足に悩む企業や自治体などにもその存在をアピールするチャンスのはずですが、特に Ubuntu として XP からの移行を狙ったキャンペーンは今のところありません。

なお、Ubuntu Japanese Team による日本語対応強化バージョン Ubuntu 日本語 Remix 版のリリースは、だいたい新バージョン公開の10~20日後。今回も月末からゴールデンウィーク明けぐらいには配布が開始されるはずなので、はじめて Ubuntu に触れてみようという方にはこちらがおすすめです。