政府が検討している一部の社員の残業代をゼロにする案に、警告が出されています。
http://www.flickr.com/photos/stress-relief-meditation/3656108717/
22日に行われた産業競争力会議(議長:安倍晋三首相)において、提案された残業代ゼロ案。
部長など一部の上級職と研究職に限定されていた残業代ゼロの対象を、年収1000万を超える社員など
にも広げるという案ですが、これに警告を出す識者も。
人事・労働関係の著書が多いジャーナリストの溝上憲文氏は
「経営サイドは<9時―5時でできる仕事なのに、サボッて残業代をもらうのはけしからん>という論理で共通しています。しかし、日本はまだ長時間労働が当たり前の現実がある中、そもそも就業時間内で終わるような仕事を与えているかは疑問です」
「もともと何で労働時間の規制があるか。長時間労働によって健康が蝕まれると労働者としての尊厳が失われるからです。そのペナルティーとして残業代を支払いなさいというのが法律の趣旨。一連のWEの議論にはこの健康管理の観点が抜け落ちています。
その一方で、残業代をもらっても過労死する人はいるので、お金さえ払えばたくさん働かせてもいいのかという議論もあるでしょう。いずれにしても労働者の権利を守る法律が緩められれば、労働環境は向上するどころか悪化していく危険性を孕んでいることだけは確かです」
結局は「企業の論理」がまかり通るようになる可能性があると指摘。
ブラック企業対策などを専門とする弁護士も
「日常的に長時間労働を強いる“ブラック企業”はますます権力を振りかざし、労働者は圧倒的に弱い立場に追い込まれていくでしょう。
これまでも労働基準監督署に申告する残業時間を意図的に減らしたり、変形労働時間制やフレックスタイム制など勝手な解釈で残業代を支払わなかったりしてきた会社は、まさにやりたい放題です」
と語っています。
一方、厚生労働省は労働者と経営者では経営者の立場が圧倒的に強いため、社員の「同意」を前提にした
としても実質「残業代ゼロ」を強制されることになりかねず、慎重に検討するべきとの考えを示しています。
(引用元:http://news.nicovideo.jp/watch/nw1040167)
今回の件に【ネットの声】は・・
- タダ働きが増えるな
- 企業優先はいいんだけどいつごろ還元されるの?
- まぁ悪用するところは出てくるだろうな
- でもダラダラと残業してるグータラ社員がいるのも事実
- 「残業代ゼロ」に同意しないと職場にいづらくなる
- 今でもサービス残業多いんだけど・・
- 過労に対する罰則強化とかセットで考えないと片手落ちになる
- 企業「もちろん残業代ゼロに同意するよね?」 社員「はい(震え声)」
- 今の日本は昔みたいにストライキなんてあまり出来ないからなぁ
- 残業代ゼロにするより、残業させないようにして欲しい
などがあるようです。
最近では給与や待遇はあまり他の社員と変わらないのに、肩書きだけ付いている「名ばかり管理職」という
状況もよく聞きます。
これに「残業代ゼロ」が追加される可能性もありますね。
経済成長のために企業を優先するばかり、そこで働く従業員にも配慮すべきだと思います。