【押さえておくべき名作・23選】過去200年で歴史を揺るがした衝撃的で革新的な芸術作品

【押さえておくべき名作・23選】過去200年で歴史を揺るがした衝撃的で革新的な芸術作品


美術史の中で名を残す革新的な芸術作品をご紹介します。年代的には過去200年、1800年初頭から選出されています。Paddle8というオークションハウスのキューレーターが選出したもので、とても参考になるので是非ご覧下さい。どの作品も有名なもので憶えておいて損はしないと思います。

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1.「マドリード、1808年5月3日」フランシスコ・デ・ゴヤ(制作年:1808)

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戦争の恐怖の描いた画期的な作品。1808年5月2日夜間から翌5月3日未明にかけてマドリード市民の暴動を鎮圧したミュラ将軍率いるフランス軍銃殺執行隊によって400人以上の逮捕された反乱者が銃殺刑に処された場面を描いています。

2.「オランピア」エドゥアール・マネ(制作年:1863)

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「草上の昼食」と共に、マネの代表作。タイトルの「オランピア」は「娼婦」の通称。構図はルネサンス、ヴェネツィア派で最も重要な画家のティツィアーノの作品「ウルビーノのヴィーナス」の構図が模倣されています。ティツィアーノの「ヴィーナス」とは対極にあるような「娼婦」を「ヴィーナス」のように描くこのような表現は異端であり当時、批判の対象となったそうです。

3.「女性大水浴図」ポール・セザンヌ(制作年:1889-1905)

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近代絵画の父、ポール・セザンヌの最高傑作のひとつ。セザンヌは同じテーマで50点近くの作品を残しています。中でもフィラデルフィア美術館に所蔵されているこの作品は自然と人間との共存がテーマなった最も完成度が高い作品です。


4.「ターミナル」アルフレッド・スティーグリッツ(制作年:1892)

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「現代写真の原点」として残る名作で、アルフレッド·スティーグリッツ自身は「現代写真の父」などと呼ばれるほど象徴的な存在。今では当たり前となっていますが当時では画期的なハンドカメラで撮影された作品です。

5.「Improvisation 31」ワシリー・カンディンスキー(制作年:1913)

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「抽象画の先駆者」ワシリー・カンディンスキーの記念碑的作品。「Improvisation」とは即興という意味。音楽的アプローチ法を絵画に導入し抽象絵画の基礎を作り上げたとされています。

6.「泉」マルセル・デュシャン(制作年:1917)

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既成品である便器にサインをしてオブジェとして提示した歴史的一作です。これら一連の作品は「レディ・メイド」と呼ばれています。

一九一七年、ニューヨーク最初のアンデパンダン展に出品を乞われたデュシャンは、彼のレディ・メイドのひとつ、「泉」と名付けた既製品の便器を出品しようと企てます。
しかし、「泉」は当然予想されたように、展示を拒否されます。それは当時の前衛芸術の範疇からは理解をこえた芸術表現でした。

「メディア上のインスタレーション」 マルセル・デュシャン(前編)

7.「ゲルニカ」ピカソ(制作年:1937)

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ピカソの代表作としてとても有名な作品ですね。スペイン内戦中に空爆を受けた町ゲルニカを主題に描いた絵画で縦3.5m、横7.8mの大作です。戦争の悲劇、罪のない民間人の苦しみを表現しています。この作品は永続的な反戦のシンボルとして認識されるようになりました。

8.「自画像」フリーダ・カーロ(制作年:1940)

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当サイトでもご紹介した画家フリーダ・カーロの自画像です。生涯多くの自画像を描いています。フリーダ・カーロは個人的な事柄と政治的背景をうまく絵画に取り入れた画家です。いばらの首飾りはキリストの殉教と夫であった画家ディエゴ・リベラと離婚した時の苦痛を表現していると言われています。

9.「ブロードウェイブギウギ」ピエト・モンドリアン(制作年:1943年)

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抽象絵画の巨人ピエト・モンドリアンの代表作の1つ。ジャズ音楽のリズムを抽象化した巨大なグリッドを使った作品です。以降の視覚芸術に大きな影響を与えています。

10.「One: Number 31」ジャクソン・ポロック(制作年:1950年)

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ご存知の方も多いとても有名な作品ですね。アクションペインティングの代表格にあたる作品。近代絵画とは全く異なる表現法で次の世代に多大な影響を与えた抽象表現です。

11.「ベラスケス『インノケンティウス十世像』による習作」フランシス·ベーコン(制作年:1953年)

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バロック期のスペインの画家ディエゴ・ベラスケスが描いた「教皇インノケンティウス10世」を元にした作品です。ベーコンは生涯50点もの「インノケンティウス十世像」を描いています。まるで処刑されているようですね。歪み、叫びを上げた不気味な肖像を描いた背景には権力に対する反抗や父親の虐待が影響しているのではないかと言われています。

12.「消去されたデ・クーニングのドローイング」ロバート·ラウシェンバーグ(制作年:1953年)

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この作品ネオダダのアーティスト・ロバート・ラウシェンバーグの新しいアプローチ方法として有名です。現代芸術の巨匠ウィレム・デ・クーニングにこの作品の経緯を説明しドローイング作品を提供してもらい「消した」作品です。コンセプチュアル・アートのルーツとしても知られる作品です。

13.「3つのフラグ」ジャスパー·ジョーンズ(制作年:1958)

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ジャスパー·ジョーンズは上記のロバート・ラウシェンバーグと同じアメリカにおけるネオダダやポップ・アートの先駆者。この「3つのフラグ」で「ポップ」と「ミニマル」を融合した新しいスタイルを開拓しました。

14.「The Store」クレス・オルデンバーグ(制作年:1961年)

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ポップ・アートのアーティスト1人。日常のありふれた物を超巨大した立体作品、巨大なハンバーグや自動車の車体や衣服などを布で作った「柔らかい彫刻」が有名です。「The Store」はアパートの部屋を自分の作品を販売するスペースとしてたパフォーマンスです。

「キャンベルスープ缶」アンディ・ウォーホル(制作年:1962年)

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アンディ・ウォーホルはアメリカのポップアートの代表的アーティストですね。アートに詳しくなくてもこのキャンベル缶の作品を知る人は多いと思います。それほど世の中に出回ったウォーホル作品。33歳の時の作品です。アメリカ大衆文化を象徴するような身近にあったモチーフをシルクスクリーンで大量生産します。

「アンタイトルズ・フィルム・スティール」シンディ·シャーマン(1977-1980)

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この作品は彼女の代表作とも言えるコスチュームを着けた自分を映画のスチールのように撮影したセルフ・ポートレイト作品がとても有名ですね。こちらは彼女を一躍有名にした室内で撮影されたモノクロの写真シリーズ「アンタイトルズ・フィルム・スティール」です。マリリン・モンローやソフィア・ローレンを演じて撮影されています。その後もこのシリーズは制作されます。インタビュー映像はこちら

ニューヨーク市の地下鉄の落書き キース·ヘリング(制作年:1980年代初期、1970年代後半)

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ストリートアートの先駆者。1980年初め頃に「サブウェイ・ドローイング」という地下鉄構内で使用されていない広告掲示板に黒い紙を張り、その上にチョークで絵を描いたストリートアートで評判になりました。アメリカの男性向けの月刊雑誌「Penthouse」の横に描かれたドローイングです。

「ローデン・クレーター」ジェームズ・タレル(1979年-現在)

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彼の最大の作品でライフワーク「ローデン·クレーター」アリゾナ州北部の死火山の噴火口とその周囲を天文台につくり変える最大のランドアート。

「I Shop Therefore I Am」バーバラ・クルーガー(1987)

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デザイナーからアーティストに転身したアメリカのコンセプチュアル・アーティスト。メッセージ性の強いビジュアルで大量消費社会、政治権力、性差別をテーマにしたアイロニカルな作品を発表しました。「I Shop Therefore I Am」=「我買う、ゆえに我あり」

「The Physical Impossibility of Death in the Mind of Someone Living」ダミアン·ハースト(1991年)

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サーチ・ギャラリーでの個展で公開された体長4メートルのイタチザメを1尾まるごとホルマリン漬けにしたこの作品「The Physical Impossibility of Death in the Mind of Someone Living」で一躍有名になります。価格は約13億3,000万円。90年代美術市場を一変させたヤング·ブリティッシュ·アーティスト(YBA)の意欲作です。

「Study of Perspective」アイ·ウェイウェイ(1995年-現在)

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世界の象徴的建造物に中指を立てる「Study of Perspective」という作品。とても彼らしい反骨精神溢れる作品シリーズです。関連:艾未未の反骨精神を描いたドキュメンタリー映画「アイ・ウェイウェイは謝らない」が11月より公開

「ラインII」アンドレアス·グルスキー(1999年)

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写真作品では過去最高額約3億3300万円の価格が付いたことでも有名なこの作品。シリーズは全てで6点でうち4点はすでに有名美術館に所蔵されオークション時にはとても貴重な作品とされ本来の価値以上に値段が跳ね上がったそうです。え?これが?と驚きのシンプルな写真ですが自転車や人物などがデジタル加工によって消されています。オークションハウスはこの作品について「21世紀における人間と自然の関係性の劇的で深遠な反映を写し取った作品だ」と説明したそうですよ。

マリーナ·アブラモヴィッチ(2010)によって「The Artist is Present」

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こちらは2010年にMoMA(ニューヨーク近代美術館)マリーナ・アブラモヴィッチの展覧会「The Artist is Present」が行われた際のパフォーマンスです。このパフォーマンスは観客の1人と言葉を交わさず、ずっと見つめ合うだけでという変わったパフォーマンスアートでした。しかも会期中毎日開館から閉館まで3ヶ月間、計750時間という時間をマリーナ・アブラモヴィッチは観客と見つめ合いました。

いかがでしたか。北斎は?クリスチャン・マークレーは?バンクシーは?と色々言いたくはなりますが、これらの作品が歴史上とても重要なことに間違いはないようです。

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Business Insider

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