「万能細胞」と呼ばれる人間の人工多能性幹細胞(iPS細胞)や胚性幹細胞
(ES)を大量に培養する新しい手法の開発に成功したことがわかりました。
画像:【iPS細胞】
http://www.cira.kyoto-u.ac.jp/yamanaka_group/?page_id=51
京都大学・物質―細胞統合システム拠点の中辻憲夫教授らの研究グループが日産化学工業(東京都)と
共同で開発。
これに関する論文も24日、米科学誌ステムセル・リポーツ(電子版)に掲載されました。
育成されているiPS細胞などは容器の底に沈むと増えなくなるため、人間が培養液をかき混ぜたり、細胞
同士が融合して死滅してしまうなど、生存率が下がる問題がありましたが、研究グループは5日ごとに網目
のフィルターを通すことで細胞を小さく均質化し、培養液に特殊な高分子化合物の重合体(食品添加物に
使われる増粘剤)を加えることでかき混ぜる必要がなくなり、生存率が大幅にアップしたとのこと。
中辻教授は
「容器を大きくして培養液を増やせば量産につながる。
企業と連携し、3年以内に大型タンクで大量培養するシステム作りをめざす」
と話しています。
iPS細胞が実用化されれば、人間の体に悪い部分が見つかってもパーツのように交換できるようになると
いわれています。
iPS細胞は現在論文の疑義などで騒動となっているSTAP細胞よりも再現性が低いといわれていましたが、
こちらの方がより現実的になってきました。