池袋晶葉「おや、通り雨かね?」
- 1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/04/27(日) 17:48:54.89 ID:ibzha8pJ0
P「いやー、参った参った。おもいっきり降られちまったよ」
晶葉「今日は晴天に恵まれたと思っていたが……。不運だったな。びしょ濡れじゃないか」
P「一瞬その辺で雨宿りしようかとも思ったんだがなー。晶葉のラボまでもう少しだったし、走ろうと思ったのが失敗だった」
晶葉「今は小降りになっているから、結局そちらの選択肢が正解だったというわけか」
P「だな。ところで晶葉、眼鏡拭きとか持ってないか? レンズまでびしょびしょなんだ」
晶葉「ん? 勿論持ってはいるが、今手元にはないな。少し待っていてくれ」
P「さんきゅ……。お? これとか違うのか?」ひょい
晶葉「あ、こら! 勝手に触るなといつも言っているだろう!」
P「す、すまん。でもこれ、眼鏡拭きにちょうど良さそうな布なんだけど……」
晶葉「見た目はな。しかし……ふむ。それに目をつけるとは、いい嗅覚をしているな、プロデューサーは」- 2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/27(日) 17:55:10.78 ID:ibzha8pJ0
P「もしかして、またいつもの発明品か……?」
晶葉「ああ。それは『のぞみえーる』という。まだ未完成だがな」
P「『のぞみえーる』?」
晶葉「そうだな……。まだ試運転すら行っていない段階だが、協力してくれるというのなら使用することもやぶさかではないぞ」
P「なんだか良く分からないけど……。とりあえず借りとくことにするよ」
ふきふき
- 3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/27(日) 18:00:01.24 ID:ibzha8pJ0
P「で、これは何をする発明品なんだ?」
晶葉「ふむ。口で説明するより実際に体験したほうが早いだろう」
晶葉「今、その眼鏡で私を見て何か変わったことは無いか?」
P「? 別に普通だと思うけど……。あ」
【 時間】
P「まだぼやけてるけど、晶葉の頭の上に、【 時間】って文字が出てるな。なんだこれ」
晶葉「ふむ……。どうやら第一段階は成功か」
P「一体どういうことなんだ?」
晶葉「今、君はそいつで眼鏡を拭いただろう? それを通して他人を見ると、その人が今望んでいることが見えるようになるんだ」
P「望んでいること……? ああ、それで『のぞみえーる』か」
晶葉「その通り。究極のロボットを突き詰めようと思えば、他人の感情が理解できなければ話にならないからな」
- 4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/27(日) 18:05:05.10 ID:ibzha8pJ0
晶葉「そいつが上手くいけば、あとはそれを電気信号として伝達する手段を確立すれば……。なんて考えていたんだが」
P「はぁ」
晶葉「別の興味深いアプローチが浮かんでしまってな。ほったらかしになってしまっていたというわけだ」
P「よく分からんが……。晶葉は今は、時間が欲しいってことでいいのか?」
晶葉「ああ。サイエンティストにとって、時間はなによりも貴重なものだからな」
P「……そっか。ごめんな、俺がアイドルになんてスカウトしたばっかりに」
晶葉「! 馬鹿、そういう意味で言ったのではない! 勘違いするな!」
P「違うのか?」
晶葉「ああ。アイドルというのは私の才能を世に知らしめるのにも、人間の心理を学ぶのにもいい機会だからな。むしろ君には感謝しているくらいだ」
晶葉「……そのことだけは、誤解されては困る。私は今、充実しているんだから」
P「晶葉……」
- 5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/27(日) 18:15:02.11 ID:ibzha8pJ0
晶葉『ああもう! なんでこんな話になっているんだ! とにかく今日、君は助手として『のぞみえーる』のデータを取ってくること! 分かったな!』
P「そう言って、ラボから追い出されてしまったわけだが……。要は、いろんな人をこれで見ればいいってことなのか?」
P「一応説明書ももらったが……。ううむ」
説明書
・『のぞみえーる』で透明なものを擦る
・擦ったものを通し、対象を目視で確認(目線を合わせることが望ましい)
注意
・簡易性を追求したため、分かる内容は抽象的なもの
・そのため、似た内容の全く別の望みが見えている可能性もあり
・目を合わせ続けていると、ある程度だが徐々に具体的な内容が判別が可能
P「まあ所詮データ採取だし、そんなに深く考える必要もないよな。いつも通りに仕事をしよう」
- 6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/27(日) 18:20:55.33 ID:ibzha8pJ0
――― 事務所
P「おはようございまーす」がちゃっ
??「あ、プロデューサーさん! おっはよー!」
P「おお、おはよう智香。元気がいいな」
智香「もっちろん! 他人を元気づけてあげるためには、まず自分が元気じゃないとねっ☆」
P「うんうん、いい心がけだ。さすが智香だな」
智香「でしょっ! アタシ、今日も頑張っちゃうからねー!」
- 7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/27(日) 18:25:47.60 ID:ibzha8pJ0
P(……っと。そうだ。せっかくだし、智香で『のぞみえーる』とやらの効力を試してみるか)
P「確か、目を合わせたほうがいいんだったか。じゃあ」
じぃぃっ
P「……」
智香「……? えと。どうしたのかな、プロデューサーさん?」
P「いや、なんでもない。なんでもないよ」
じぃぃっ
智香「……!? あ、アタシの顔に、何かついてる……?」
P「いやいや、そういうわけでもない。だけど、少しじっとしていてくれるか?」
がしっ
- 9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/27(日) 18:34:29.26 ID:ibzha8pJ0
智香「え、えええ!? べ、別にいいけど」
P「けど?」
智香「うー、そんなにじっと見つめられると照れるっていうか……」
P(そろそろかな? 何々……)
【ハンバーグ】
【ステーキ】
【ティラミス】
P「……?」
P「……智香、お腹すいてるのか?」
智香「ほへ? ……どーしてそれをっ!?」
P「おお、すごい。当たってるのか。実はだな……」
- 11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/27(日) 18:41:22.66 ID:ibzha8pJ0
智香「むー。女の子の考えてることを覗くなんて、プロデューサーさん、趣味悪いよっ!」
P「すまんすまん。晶葉の発明品のデータ採取を頼まれてるんだよ」
智香「それは聞きましたけど……」
P「それより智香、なんであんなに食べ物のことを考えてたんだ?」
智香「うう、聞かないでくださいよぉ。アタシは今ダイエット中なんです、ダイエット!」
P「そうなのか?」
智香「そうですよ……。ただでさえさっき、おいしそうなレストランの番組をやってて、誘惑に苦しんでいたのに」
P「……なるほど、それでハンバーグにステーキにティラミスだったわけか」
智香「あー! 聞きたくない聞きたくない聞きたくないですっ!! アタシの心をこれ以上揺さぶらないでくださいっ!!」ぶんぶんっ
- 12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/27(日) 18:47:04.85 ID:ibzha8pJ0
P「智香にダイエットなんて、必要ないと思うがなぁ」
智香「男の人はみんなそう言うんですよ……。アタシがこの引き締まったボディを保つのに、どれだけ苦労していることか……。よよよ」
P「そのために好きなものを我慢するって、辛いだろうに」
智香「それでもオンナノコには耐えなきゃいけないときがあるんですっ!!」
P「じゃあ、もし俺が今日そのレストランに連れてってやるって言っても、やっぱり断るのか?」
智香「連れて行ってくれるんですかっ!?」がばっ
P「えー……。言ってることとやってることが違うじゃないか……」
- 13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/27(日) 18:52:27.35 ID:ibzha8pJ0
智香「……うー! 違います、それはそれでまた別の問題が発生するんですー!」
P「別の問題……?」
智香「プロデューサーさんには一生分からなくていいことですっ! アタシ、ご飯に備えてトレーニングしてきますからっ!」
P「あ、連れて行くのは決定なのか」
智香「当然です! アタシ、楽しみにしてますからねっ!」
- 14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/27(日) 18:55:55.08 ID:ibzha8pJ0
P「不穏な捨て台詞を残して行ってしまった」
P「ともあれ今の感じだと、目を合わせさえすれば、単なる『お腹が減った』ということだけじゃなくて、具体的なメニューまで分かるみたいだな」
P「……。これって、実はものすごい発明なんじゃないか……?」
P「そういえば、晶葉のときには『時間』って文字が表示されていたのに、さっきはメニューの映像が映っていたのも気になるな。どういう違いなんだろう」
P「……まあ、俺が考えても分かるわけないか。後で晶葉に報告しておくとしよう」
P「さて。今日、次にやって来そうなのは……」
??「おはようございまーっす!」
- 15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/27(日) 18:59:52.48 ID:ibzha8pJ0
P「ん、おはよう美由紀」
美由紀「プロデューサーさん! おはようございまーす♪」
P(美由紀か……。美由紀の欲しいものって、なんなんだろうな)
P(あんまり普段わがままを言わない子だし……。この機会に、確かめてみるのもいいか)
美由紀「プロデューサーさん? どーしたの、ぼーっとして。お熱でもあるの?」
P「ああ、いやいや。ちょっと考え事をしてたんだ」
美由紀「かんがえごと……? お仕事の話? みゆきにも何か手伝えること、ある?」
P「大丈夫だよ。心配かけて悪いな」
美由紀「ほんとかなぁ……。何かできることがあったら、みゆきにいつでも言ってね!」
P「……」
- 16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/27(日) 19:05:03.36 ID:ibzha8pJ0
P「それじゃあ、ひとつお願いしようかな」
美由紀「わ、あるの!? なになに?」
P「俺の目を、じーっと見てほしいんだ」
美由紀「目? ……にらめっこ?」
P「んー。まあ、そんなとこかな」
美由紀「お仕事中なのに遊ぶなんて、プロデューサーさん、いけないんだー!」
P「まあそう言わずに。ちょっとだけだからさ」
美由紀「うん、いいよ! みゆき、にらめっこ強いんだからっ!」
P「じゃあ行くぞー」
美由紀「うん、いいよー。せー、のっ」
じぃぃぃぃっ
- 17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/27(日) 19:10:43.88 ID:ibzha8pJ0
【 】
P(……?)
P(何だ? もやがかかったみたいで、よく見えない……)
美由紀「……」ぷるぷる
【 い お ゃ 】
P(……ん。少しずつ見えてきたか。なるほど、徐々に判別可能ってこういうことか)
美由紀「むーっ……」ぷるぷる
P「……これは」
- 18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/27(日) 19:11:46.65 ID:ibzha8pJ0
【優しい、お兄ちゃん】
P「……」
P「……………………」
- 19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/27(日) 19:14:47.92 ID:ibzha8pJ0
P「みゆきぃぃぃぃっ!!」ぶわっ
美由紀「きゃっ! な、なにっ!?」
P「みゆき、お前ってやつは……」
美由紀「ぷ、プロデューサーさん、どうしちゃったの? 泣いたらにらめっこにならないよ……?」
P「もうそんなのどうだっていいコメント一覧
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- 2014年04月29日 23:26
- みりあちゃんの願望もきっと赤ちゃん(焼却覚悟)
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- 2014年04月29日 23:29
- ※1
ヒャッハー
-
- 2014年04月29日 23:34
- 続けよ!
-
- 2014年04月29日 23:40
- ※1
(無言のバーニング・ソウル)
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- 2014年04月29日 23:48
- 『イチゴ』
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- 2014年04月29日 23:55
- 『エクステ』
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