母の日640

あなたの父母を楽しませ、あなたを産んだ母を喜ばせよ。


――聖書 箴言23章25

 

 

 

5月の第2日曜日は「母の日」だ。

 

母の日にはいつも何かしらプレゼントをしているぼくだが、あまり喜ばれた記憶がない。

 

できればピースマークをしながら「やったねハッピー!」と言ってもらいたいところだが、そのリアクションを手に入れるためには「やったねハッピー!」に見合ったプレゼントが必要なのだろう。

 

 

やったねハッピー!


やったねハッピー!

 

 

母から「やったねハッピー!」を引き出す最高のプレゼントとは一体なんなのか。

 

いつもはテキトーに木製のツボ押し(700円ぐらい)などをプレゼントしていたが反応がイマイチだったので、今年の母の日は何をあげたら喜ぶのか本気で考えてみたい思う。

 

 

 

 

 

うちの母はこんな母

うちの母は昭和34年生まれの天秤座で、自分のことを俺と呼ぶ通称「俺女」(なぜ俺と呼ぶのかはいまだに謎)。平成21年に静岡から東京にやってきて、一緒に暮らし始めて5年が経つ。

 

キレイ好きな母は毎日の掃除を怠らないので、うちの中は常に整理整頓され清潔感が漂っている。

 

たとえばぼくの机の上に本が積み重なっていようものなら「気になるから」といって本棚がわりの出窓にすぐさま収納してしまう。

 

整理整頓にちょっとしたこだわりがあるようで、根本敬の『生きる』と花くまゆうさくの『生きま~す』を必ずセットで並べるのがうちの母流だ。

 

 

整理整頓


母流の整理術

 

 

テレビを観るのが趣味の母は、頼んでもいないのに有名人のゴシップや嫌いな芸能人をぼくに教えてくれる。

 

この間は「あんた、ムツゴロウがコアラのうんこ食べたわよ」と知らせてくれた。母さん、有益な情報をいつもありがとう。

 

 

ムツゴロウさん

 
コアラのうんこを食べたムツゴロウさん

 

 

 

 

 

カーネーションが嫌いなうちの母

ある女には有効なのにある女には効かない愛撫があるように、よその母が喜ぶプレゼントであってもうちの母がそれで喜ぶとは限らない。

 

母の日のプレゼントはカーネーションと相場が決まっているが、うちの母はカーネーションが嫌いだと言う。

 

嫌いなものをあげてもしょーがないので、うちの場合、カーネーションは選択肢にすら入らないのである。

 

 

カーネーションはちょっと


カーネーションはちょっと…

 

 

よその母はよその母、うちの母はうちの母。
10人の母がいれば、10通りの贈り物がある。

 

世間の意見に惑わされず、母が真に欲するものを見極めたい。

 

 

勘弁してちょうだい


カーネーションだけは勘弁してちょうだい!
 

 

 

 

 

 

母の欲しいものを探る

うちの母は「息子が元気ならそれ以上に望むものなどない」というスタンスだから、欲しいものを自ら口にすることなど滅多にない……と、今までは勝手にそう思い込んでいたのだが、ふとこんな疑問が頭をよぎる。

 

 

「母が欲しいものを言わないんじゃなくて、自分が母の話を聞き流してるだけなんじゃないか??」

 

 

早速、母の言動に注意を向けてみることに。

 

するとその日のうちに「パイプ枕が気になってる。パイプ枕が欲しい」とダイレクトなサインが飛び出した。やっぱり自分が母の話を聞いてなかっただけだったんだ…!

 

 

パイプ枕 

母が渇望してやまないパイプ枕 

 

 

 

 

 

「母の日」の本旨とは

欲しいもの(パイプ枕)を意外と簡単に聞き出せたので、あとはそれをプレゼントすれば母は喜ぶはず。

 

しかし何か大切なことを忘れている気がするのだ。

 

その「大切な何か」を思い出したのは、母が料理をしながらため息をついたときだった。

 

 

 

「感謝の気持ちだ……!!!!」

 

 

 

炊事、洗濯、掃除。

家のことは母がほとんどやってくれるおかげでぼくは自分のやりたいことに集中できる。それなのに、母に家事を任すことがいつからか「当たり前の日常」だと感じてしまっている自分に気づいたのだ。毎日の家事は大変な労働のはずなのに。

 

 

洗濯物

 

  

プレゼントはいつだってできる。
わざわざ母の日にあげなくても、それが高価だったり希少品だったりしない限りはいつでも気軽にあげられるのだ。

 

母の日の本旨は、プレゼントをあげることではない。

  

普段は恥ずかしくて言えない感謝の気持ちを伝える行為にこそ、母の日の旨味が凝縮されているのではなかろうか。

 

 

 

 

 

「プレゼント ✕ 感謝の気持ち ✕ サプライズ」が最高という結論

主役はあくまでも「感謝の言葉」であり、「プレゼント」は脇役だと考えたい。
脇役の務めは、主役を引き立たせること。だからプレゼントは「ちょっとしたもの」でいい。

 

そしてそれらをドラマチックに演出するのが「サプライズ」だ。

 

この前、YouTubeで「戦地から帰った兵士がこっそり家族の前に姿をあらわす」というサプライズ動画を見たのだが、あれは泣けた。涙して喜ぶ家族の姿を見ながら、ぼくは「コレだ!」と確信した。

 

母とは毎日会っているのでさすがに「感動の再会」は無理だが、サプライズは喜びを増幅させる力を持つ。使わない手はない。

 

 

というわけで、結論が出た。

 

 

 

プレゼント

 

 

感謝の気持ち

 

 

サプライズ

 

 

 

この組み合わせが「母の日の最高のプレゼント」である。

 

今年の母の日はこれを実行してみたい。具体的にはこんな感じで。

 

 

・パイプ枕をあげる

 

・感謝の気持ちを文章で伝える

 

・サプライズは「感謝の気持ちをここに書く」こと

 

 

うちの母はオモコロを見ているらしいので、息子がネット上で自分に対するマジなメッセージをつづり出したらきっとプチ・サプライズになるはず

 

母がこの記事を読むことを願って、今から母にメッセージを贈りたい。