春香「欲しい物が何でも手に入る館?」
- 1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/04/25(金) 16:54:56.90 ID:zeUsJmne0
P「……」ピッ
春香「プロデューサーさん、その、竜宮のみんなは?」
P「……だめだ、電話に出ない」
春香「そう…ですか……」
くぐもったような暗い空が印象的な日でした。
- 2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/25(金) 16:56:10.97 ID:zeUsJmne0
───
──
真美「兄ちゃん兄ちゃーん!」
亜美「狩りに出ようYO!」
律子「こーら、亜美はこれから竜宮の撮影でしょ!早く支度しなさい!」
亜美真美「「えー」」
律子「『えー』じゃない!ほら、もう行くわよ!」
亜美「わわ、待ってよー」
律子「それじゃプロデューサー殿、後お願いしますね」
P「ああ、気をつけてな」
伊織「今日は生放送なんだから、この天才美少女アイドル伊織ちゃんの活躍をちゃんとテレビで見ておくのよ!いいわね!」
P「はいはい、見逃さないようにするよ」
あずさ「うふふ、では、行ってきますね」
P「はい、あずささんも気をつけて」
- 3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/04/25(金) 16:58:32.81 ID:zeUsJmne0
───
──
しかし、竜宮小町がその番組に出ることはなく、
向こうのディレクターさんからは竜宮小町がいつまで経っても到着しないと連絡を受けた。
P「頼む、律子。出てくれ……」
やよい「ううー、伊織ちゃん、全然電話に出ないです」
千早「あずささんもダメね……」
真美「亜美……」
春香「……」
- 4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/04/25(金) 17:00:50.19 ID:zeUsJmne0
響「うー、みんな大丈夫かな……」
貴音「響、今は竜宮の皆を信じるのです」
雪歩「心配ですぅ……」
真「雪歩……」
美希「事故とかじゃなければいいけど……」
一同「……」
- 5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/25(金) 17:03:53.87 ID:zeUsJmne0
春香「プロデューサーさん、私、やっぱり探しに行ってきます!」
P「お、おい、春香!?」
春香「だって、なんかあったら嫌だもん!このまま帰ってこなかったら、私……」
千早「春香……」
美希「春香が行くなら、美希も探しに行く!」
P「美希!?」
雪歩「真ちゃん……私……」
真「うん!ボク達も探しにいこう!」
やよい「うっうー、私もいきますー!」
真美「真美もー!」
響「うがー!自分、心配なのに待ってるだけなんてできないぞ!」
貴音「そうですね」
P「……そうか。うん、わかった!」
- 11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/25(金) 20:59:48.22 ID:zeUsJmne0
P「とはいえ全員は車に乗れないぞ?」
千早「たしか、収録場所はそんなに遠くないですよね?」
真「だったらボクは走っていくよ!」
響「自分も走るさー!」
- 12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/25(金) 21:03:39.88 ID:zeUsJmne0
みんなで手分けをして捜索しましたが、一向に見つからず。
美希「はぁ、美希もう疲れたのー」
春香「そこの公園のベンチで少し休もうか」
美希「うん」
美希「それにしても律子がいながらどうして連絡もなしにいなくなるかなー」
春香「そうだね……」
美希の言いたいことはすぐに分かった。
律子さんの性格上、何かあったのなら連絡があるはず。
連絡もなく突然いなくなるということは、何か事件に巻き込まれたのかもしれない。
- 13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/25(金) 21:06:50.84 ID:zeUsJmne0
美希「あふぅ、美希、なんだか眠くなってきたのー」
春香「美希ちゃん?」
美希「ん、はにぃ……」ムニャムニャ
春香「ホントに寝ちゃった……」
この時点で何かおかしいと気づくべきでした。
春香「あれ、なんだか、わた、し……も……」
春香「……」スヤスヤ
- 14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/04/25(金) 21:08:27.53 ID:zeUsJmne0
「 」
「 」
「 」
春香「……ん」
?「……か」
春香「……んん?」
- 15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/04/25(金) 21:11:01.32 ID:zeUsJmne0
伊織「ちょっと、春香!」
春香「……ん?」
伊織「春香!目を覚ました!?」
春香(いつの間に寝ちゃったんだろう?)
春香(って)
春香「伊織!?」
- 16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/04/25(金) 21:11:44.54 ID:zeUsJmne0
春香「よかった!無事だったんだね!」
伊織「ええ。まあ、今のところはね」
春香「え?」
伊織の煮え切らない返事。
春香(あれ、そういえばここはどこだろう?)
- 17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/25(金) 21:16:34.78 ID:zeUsJmne0
春香「ねえ、ここって?」
伊織「さあ?とりあえず私の家じゃないわよ」
春香「そう、なんだ」
広い洋館?のような落ち着いた雰囲気のある、ここは、エントランスかな?
大きな扉が一つと左右に階段。
階段の上の踊り場の先には個室があるのかな?等間隔で扉が見える。
そして異常に高い天井。なんだか慣れない違和感がある。
ピアノの静かな旋律が聞こえるけど、ピアノそのものは見当たらない。どこかから流しているのかな?
階段の脇の台の上には黒電話や蓄音機のようなものが置いてある。
春香(ここは、一体……?)
- 18:IDがゼウスw:2014/04/25(金) 21:18:51.53 ID:zeUsJmne0
美希「……あふぅ」
亜美「ミキミキー、早く起きてよー」
春香「亜美!」
あずさ「あらあら、春香ちゃんも来たのね?」
伊織「とりあえず、竜宮小町の四人はここにいるわ」
春香「よかった!何か事件や事故に巻き込まれたのかと思って心配したよ」
亜美「……」
伊織「……はぁ。まあ、巻き込まれたといえばそうなのかもしれないわね」
春香「え?」
- 19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/04/25(金) 21:20:47.40 ID:zeUsJmne0
律子「春香!美希!」
二階から律子さんの声が聞こえた。
そちらに目を向けると、手にはペットボトルの水を持っている。
律子「目を覚ましたみたいね、よかった」
美希「あふぅ、律子……さん、ここはどこなの?」
律子「……それは」
伊織「……私から説明するわ」
- 20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/04/25(金) 21:22:21.31 ID:zeUsJmne0
春香(気まずそうな表情。それに知らない場所。もしかしてやっぱり事件に巻き込まれたのかな?)
伊織「落ち着いて聞いて。いい?まずはここには私達以外誰もいない」
美希「誰もいない?事件に巻き込まれたなら誘拐犯とかいるんじゃないの?」
伊織「いいえ、本当に『私たち以外誰もいない』わ」
はっきりと断言した。まるでそう確信しているかのように。
美希「でも、もしかしたらお出掛けしてるだけかもよ?」
伊織「残念ながらそれはないわ。だってここ、出口が無いんだもの」
頭が真っ白になった。
- 21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/25(金) 21:35:07.85 ID:zeUsJmne0
そこで、私は違和感の正体に気づいた。
あるはずのもの、つまり、出入り口がない。
気づいてしまえばそれは明らかな欠陥とも言える造りだった。
美希「え?どういうこと?」
伊織「知らないわよ。無いものは無いんだから」
律子「とりあえずこの館について色々と説明していくわ。私達も全部が分かっているわけではないけど」
そう言いながら律子さんは私達にペットボトルを手渡し、再び階段をのぼりだした。
なんだろう?
この館に来てから違和感だらけ。
美希ちゃんのほうを見ると、なにやら黙って考え込んでいる様子。
沈黙の中、ピアノの音だけがこの空間を包んでいた。
- 22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/04/25(金) 21:42:01.18 ID:zeUsJmne0
二階の踊り場の先は、六つの扉が廊下を挟んで対面になるようにならんでいて、一番奥の突き当たりにもう一つ扉、計十三の扉が並んでいた。
あずさ「あら?」
伊織「……やっぱり」
そのうち一つの扉の前で伊織ちゃん足は止まった。
美希「ネームプレート?」
春香「でもなんで、私の名前が?」
他の扉のネームプレートを確認すると、竜宮小町の四人と美希の名前もあった。
それ以外の扉には何も書いてない、白紙の状態だった。
律子「二人が来る前はこの部屋のネームプレートも白紙だったのよ」
春香「え?」
伊織「まあいいわ。とりあえず先に説明だけ終わらせましょ」
伊織が急かすように続ける。
伊織「扉を開ける前に、普段の自分の部屋を想像してみてくれる?」
- 23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/04/25(金) 21:42:03.79 ID:1jjwof+eo
LTL?
- 25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/04/25(金) 21:45:28.01 ID:zeUsJmne0
>>23
はい、飽食の館ベースです。
- 24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/04/25(金) 21:43:25.57 ID:zeUsJmne0
春香「なんで、急に?」
伊織「いいから!」
自分の部屋。
ベッドがあって本棚があって、机と小さなテーブル。
何の変哲もない普通の部屋。
だけどこんなことさせて何の意味があるんだろう?
伊織「できたかしら?」
春香「うん」
伊織「じゃあ、その扉を開けてもらえる?」
- 26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/04/25(金) 21:52:20.08 ID:zeUsJmne0
言われるがままドアノブに力を込める。
ギギっという音を立てながら扉が開く。
春香「これって……」
想像していたのと何ら変わらない、普通で平凡な部屋だった。
ただ気になったのは、物の位置だけでなく絨毯やベッドカバーの色まで一緒だった。
私の部屋を覗いてそのまま移したような状態に、なんだか気味の悪さを感じた。
伊織「やっぱり、開いたわね」
伊織が呟いた。
その様子を見る限り、この部屋は今までは開かなかったみたい。
伊織「じゃあ、そのまま扉を閉めて」
春香「え?う、うん」
この動作も言われるがまま従った。
- 27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/04/25(金) 21:53:26.53 ID:zeUsJmne0
伊織「じゃあ次は、」
あずさ「伊織ちゃんのお部屋を想像してみて」
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