なぜ砂丘に陥没穴? 少年を飲み込んだ砂丘の謎
2013年7月のある日、6歳の男の子が砂丘を歩いていてこつ然と姿を消す奇妙な事件がありました。足元に突然開いた深い狭い穴に落ちてしまったんです。
6歳男児が落ちたのは直径30cm、深さ3.3mの穴。その日たまたま付近で調査していたインディアナ大学ノースウェスト校地質学准教授のErin Argyilanさんは、100mちょっと離れたところで両親があげる恐怖の悲鳴を耳にしました。
砂に飲み込まれたと言って指を指すんですが、砂丘は隙間なく砂が詰まっていて、空気の入る隙間などありません。砂丘に穴なんて開くわけないし、最初は勘違いじゃないかと思っていたそうです。
が、3時間後に本当に砂の中から男の子が命からがら救助されたのを見て、それまでの常識がガラガラと音を立てて崩れてしまいました。「あの時は何もしてあげられなかったので、自分なりにできることをしてさしあげなくてはと思い、現在原因の調査をしているところです」とシカゴ・トリビューン紙に語っています。
昨年いっぱいArgyilanさんは他の研究者と共同で、マウントバルディ一帯の堆積物のサンプル分析と、地形図、風のパターンの調査を進めてきました。EPAも現場に地中探知レーダーを投入し、地下の異常を特定したのですが、これという原因特定には至っていません。
そうこうするうちまた同じような穴が2度開き、あまりにも危険なため現場のインディアナ砂丘国立湖畔の砂丘は立入禁止になってしまいました。が、専門家たちは原因の手がかりを求めて今も現地調査を続けています。一体なんなんでしょうね?
陥没穴と言えばグアテマラが有名ですが、あの穴のように普通は地下水で地中の岩盤の浸食が進んで開きますよね? それが今回の砂丘は違うんです。
もしかしたら砂の下の何かが腐食して開いた穴なのかもしれません。というのもマウントバルディ(インディアナ砂丘)はここ何十年間の間に湖岸から南に移動中で、その砂の移動途上にある木や人工の構造物を呑み込んでいるんですね。ずっと埋もれていた過去が頭をもたげて、その弾みでこんなことになってるのかも。
source: Chicago Tribune via LiveScience
Images by National Park Service
Sarah Zhang - Gizmodo US[原文]
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