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女&後輩「付き合って下さい」男「いいぞ」幼馴染「」|エレファント速報:SSまとめブログ

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女&後輩「付き合って下さい」男「いいぞ」幼馴染「」

1 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/05/20(日) 05:32:46 ID:bFjHnqJc

男「右のカーブを投げて、ショートに流れる」

女「守れるのかな」

男「二塁手が走者を無視して取りに行って、一塁に突き刺す」

女「ピッチャー振りかぶって…あ、打った、ショートだ。当たったね」

男「よしよし、これで21球中20球だ」



2 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/05/20(日) 05:33:17 ID:bFjHnqJc

女「はじめたころはどれくらいだったの?」

男「ルールをしっかり理解するまでは半分がやっとだったな」

女「それでも半分あたってたんだ、やるじゃん。」

女「ん?あれ、友君じゃない?」

男「ああ、本当だ」

女「なんであんなに走ってるのかしら。まだHRまで十分時間あるのに」



3 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/05/20(日) 05:33:46 ID:bFjHnqJc

男「また化石ケータイの時間がズレてるんだろう」
男「右にかばんをかかえてるから、右の上履きはかかとを踏みながらくる」

女「ふんふん」

男「教室に来たら時計を二回見てから、あわてて携帯を取り出すな」

友「(ガラッ)おおおお、おくれまっ」
友「…ゼェゼェハァ…?…?………うええ!またず、ずれてる!?」



4 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/05/20(日) 05:34:12 ID:bFjHnqJc

女「あははっ、正解だね。おはよー、友くん」
友「はあはあ、お、お、おはよう。せ、せ、せせせ、正解って…ま、ま、またやってたの…か」

友「や、野球部の、朝練で…"余計な気配り"」

男「右の上履きが泣いてるぞ」

友「は、はは、は。せ、正解!」

コツン

女(ふふ。何回みてもいいもんだねこういうの)



5 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/05/20(日) 05:35:30 ID:bFjHnqJc

女「あれ、いま正門からはいっていたの、幼馴染さんじゃない?」

男「遅い」

女「ん?」

男「いや…」

友「お、お、おおお、おさな、幼馴染さん、まえは、い、一番に、教室に、きてたのにね」

女「あれ、そうなんだ。少し前の私ならようやく家をでたくらいだよ」



6 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/05/20(日) 05:36:18 ID:bFjHnqJc

男「あいつは保健委員だ、保健室に日誌を取るために立ち寄る。階段を上るときは右側をあるく」
男「教室に右足から入り、女と、友に、『おはよー』と間延びした挨拶をする」

ガラッ

友「あ、あ、あれ」

女「左足から…」

男(俺には『よっ』とさきほどの友としたように拳を打ちつけてくる)



7 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/05/20(日) 05:36:54 ID:bFjHnqJc

幼馴染「女さん、友君、おはよう」

女「おはよー」

友「お、おおお、およよははよよ」

男(…のではなく、低く短く『はよ』とだけ)

幼馴染「はよ、男」

男「おはよう」



8 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/05/20(日) 06:20:32 ID:bFjHnqJc

――昼食時――

クラスメイト1「ねえねえ幼馴染さんー」

クラスメイト2「一緒にご飯たべよー!」

幼馴染「うん、いいよ」

クラスメイト1「わ、すごい。幼馴染さんのお弁当、きれい!」

クラスメイト2「うんうん。もしかして自分で作ってるの?」

幼馴染「うん。自分が好きなものは、自分で作りたいからさ!」

クラスメイト1「いいなー。私もお料理ならおっかなー」



9 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/05/20(日) 06:21:03 ID:bFjHnqJc

女「うら若き乙女が色とりどりの弁当袋を片手に昼食時に集う風景、なんだか心が温まるね」

男「そうだな。で、なんでお前は俺達と一緒にいるんだ」

女「まま、硬いこと言わない。」

友「ぶ、ぶえええ!?は、は、はしを、入れ忘れた…」

男「両親が家にいない日は寝坊、ケータイ遅延、自作弁当はし忘れがお前の常だな」

友「ううう、う、うん。」



10 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/05/20(日) 06:21:37 ID:bFjHnqJc

男「これを使え」

友「え、え、わ、わりばし、ありがとう、お、男君」

男「いっそ袋ごと買って置いておけと言っただろうに。ほら、どうせ飲み物も忘れたんだろう」

友「お、お、お茶まで、あり、ありがとう」

男「モーニングコールまでする義理はないぞ。次はちゃんと起きろよ」



11 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/05/20(日) 06:22:07 ID:bFjHnqJc

女「ふふ、まるで母親だな、男は」

男「母親、か。小さいころの夢は確かにそうだったな。今は物理的な問題であきらめている」

友「ゴフッ、ブフォア」

男「ゆっくり食べろ」

女「ふふ。」



12 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/05/20(日) 06:22:44 ID:bFjHnqJc

女「男はあまりはしが進んでいないね」

男「そうでもないが、考え事をしていた」

女「ふうん。ああ、幼馴染さんのことかい?」

男「ああ」

男「どうも最近あいつの行動パターンが読めなくなっている。昔からありとあらゆる手で分析を続けてきたのに、だ」

女「ありとあらゆる?」



13 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/05/20(日) 06:23:04 ID:bFjHnqJc

男「尾行からテープレコーダーによる言動解析まで、思いつくことすべてだ。」

男「さすがに物陰からの撮影は本人に却下されたが」

友「そ、そ、それって、と、ととうさつっていうんじゃあ」

女「あはは。録音も大概だけどね」

男「そしてさらに理解できないのがあの髪だ」



14 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/05/20(日) 06:23:26 ID:bFjHnqJc

友「そ、そういえば、かかかかみを、のばして、わた、わたわ、わたしって、言うようになったね」

女「ふうん」

男「あいつの行動が読めなくなった事に関係しているはずなんだが」

女「私は今年になってから彼女と同じクラスになったけど、去年もうわさには聞いてたね」

友「うわ、うわ、さ?」



15 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/05/20(日) 06:23:46 ID:bFjHnqJc

女「2組にやたら腕っ節が強くてかっこいい人がいるってね。まさか、女の子だったなんて思わなかったけど」

男「格好いいという表現をされる女性というのは珍しいからな」

女「そんな彼女だからだろうね。すごい注目を集めてるよ」

友「そ、そそうだねね、幼馴染さん、す、すごくきれい、だし…」

女「おや、友君は彼女に夢中なのかい?」

友「!?ゴブオッ、ボフォアッ」

女「あっはっは。ごめんごめん」



16 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/05/20(日) 06:31:10 ID:bFjHnqJc

男(んーむ)

クラスメイト1「その時のセリフがちょーかっこよかったのよね」

クラスメイト2「あ、わかるー。なにがあっても一生守り抜く、みたいな?ストレートで飾ってないのがいいよね!」

幼馴染「おー、すごいね。ちょっと言ってもらいたいかも」

クラスメイト2「でしょでしょ!」

男(んーむ)



17 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/05/20(日) 08:03:40 ID:bFjHnqJc

――午後・保健室――

幼馴染「あ゛あ゛あつかれたぁぁぁ」

ボフッ

幼馴染「いっつもあんな会話してるのかよ、女子高生っていうのは」

幼馴染「まるで別次元の生き物じゃねーかよー。うう゛ー」

幼馴染「あーあ…私なにやってんだろ」

幼馴染「やめるかなあ、髪のばすの」



18 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/05/20(日) 08:04:07 ID:bFjHnqJc

後輩「や、やめないでください!」

幼馴染「どっひゃあっ!?」

幼馴染「いいいつからそこにいたの後輩ちゃん!?」

後輩「えとえとセンパイを待ってたから、最初から、その」

幼馴染「あ、ああそう。はは、へんなトコ見せちゃったね」



19 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/05/20(日) 08:05:20 ID:bFjHnqJc

後輩「センパイは前の短い髪型も素敵でしたけど、今のも似合ってます。だからもったいないです」

幼馴染「ありがと。すごく嬉しいよ」

幼馴染「そうやって前の私のこと言ってくれる人って少ないからさ」

後輩「それは皆、センパイのこと誤解してるからです!確かにセンパイは、ケンカも強くて男勝りですけど」

後輩「本当は任侠映画が好きで、えーとデザートのプリンより、もういっぱいおかわり派で…ってあわわ」



20 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/05/20(日) 08:06:08 ID:bFjHnqJc

幼馴染「ぷっ」

幼馴染「あっはっは!えいっ!」

後輩「きゃっ、せ、センパイっ」

幼馴染「可愛いね後輩ちゃんは!見るだけで癒されるというか。んー、妹に欲しいくらい」

後輩「そんな私なんて…暗いし、ソバカスだらけだし、ぜんぜんだめです」



21 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/05/20(日) 08:06:38 ID:bFjHnqJc

幼馴染「そんなことないけどな。私が野郎だったらホれちゃうのに」

後輩「むええ…そんな…///」

幼馴染「ま、冗談は抜きにしても、髪はこのままにしとくよ」

後輩「本当ですかっ!?」

幼馴染「後輩ちゃんが気に入ってくれたなら十分よ。皆に似合うって言われるのも悪い気しないし」



22 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/05/20(日) 08:07:08 ID:bFjHnqJc

幼馴染「…まあ"一部"そうじゃないのもいるけどね」ギリリリッ

後輩「せせせせんぱい、口から血!血でてます!」

幼馴染「あ、ああごめんごめーん。ついつい」

後輩「…」



23 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/05/20(日) 08:07:33 ID:bFjHnqJc

後輩「あ、あのやっぱり、センパイが髪を伸ばしてるのって」

幼馴染「ん?」

後輩「あの時、あんなことを言われたから…」

幼馴染「ああ」

幼馴染「あったね、そんなことも」



25 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/05/20(日) 09:27:31 ID:bFjHnqJc

――1年前――

後輩「す、好きです!付き合って下さい!」

幼馴染(ちょ!?こ、こ、この声ってまさか…)

幼馴染(告白!?告白現場に出くわしちゃったのかよおおお!?)

?「いいぞ」



26 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/05/20(日) 09:27:52 ID:bFjHnqJc

幼馴染(おおお、相手は即答か。やるじゃん)

幼馴染(ん、ちょっとまてよ今の声…)

幼馴染()

後輩「ええ!?い、いいんですか?」

男「だめなのか?ならやめておくが」



27 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/05/20(日) 09:28:19 ID:bFjHnqJc


後輩「いえ、その、だめじゃないですけど、その」

幼馴染(…)

幼馴染(可愛い子じゃないか)

幼馴染(わからんもんだね、あんな偏屈が)

幼馴染(とりあえず、これ以上はぷらいばしーにかかわる!撤退!)

ガササッ



28 :以下、名無しが深夜にお送りします 2012/05/20(日) 09:28:48 <