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http://japanese.engadget.com/2014/05/07/amd-amd64-arm-apu-skybridge-2015/


AMD、AMD64系とARM系APUのソケット互換を図るSkyBridge計画発表。対応製品は2015年予定 - Engadget Japanese



2015年5月5日(米国時間)、AMDがAPU(CPU+GPU)製品の将来計画を発表しました。目玉となるのは、長期計画である「Project SkyBridge」です。これは、従来よりAMDが手がけてきたAMD64(x86)ベースのAPUと、新しく登場するARMアーキテクチャーのAPUにピン/ソケット互換性を持たせるという計画。第一陣となる製品は、2015年版のAPUからの予定となるため、意外と近い話です。

現在のAMD APUとの関係が気になりますが、AMD64側のCPUコアが「Puma+」と呼ばれるのがヒントとなります。これはプレイステーション4やXbox Oneへ採用されたJaguarコアの発展系であり、スマートフォンやタブレット、低価格PCがターゲット。インテルではAtomが相当する製品クラスです。

このクラスのAPUは、モバイル向けとしてとしては4月にA10 MicroやA4 Micro、そしてEシリーズとして発表されており、自作PCとホワイトボックス向けとしては3月からAthlonやSempronが発売されています。
一般ユーザーとしては重要なのは後者です。今回の発表はつまり、「2015年以降、このクラスの製品のマザーボードでは、ARMアーキテクチャーのAPUも搭載できるようになる」という話になるからです。

ちなみに、ARM側のCPUコアの詳細は、Coretex-A57ベースの低消費電力版とされています。A57はクアルコムがSnapdragon 810と808にも採用を予定している高性能コアのため、AMDの新APUはAMD64側とほぼ同性能、かつARM系としては第一線級の性能を持つクラスと予想できます。

なお、GPUとしてはGCN(Graphics Core Next)アーキテクチャーを採用することも発表されている点から、AMD64版は現行Athlon、Sempronに比べて、グラフィックス性能も強化されることが予想できます。



またAMDは合わせて、2016年登場予定のARM系CPUコアに関しても発表しました。SkyBridgeの第2世代に搭載が予測されるこのCPUコアは、設計レベルからAMDが手がける内製品となる予定で、コードネームは「K12」。AMDの伝統であるKナンバーを継承するネーミングとなっている点が目を惹きます。
実際の設計は、K8シリーズやAppleでA4、A5プロセッサの設計を行ったJim Keller氏らが担当する予定です。

今回の発表はタイミング的にいささか唐突な気もしますが、昨今のAMDはARMに対する取り
組みを強化しており、その結果とも言えそうです。これらの計画は、本来AMDがターゲットとしているであろうスマートフォンやタブレットメーカーにとっては、基板の再設計なしに両アーキテクチャーに対応できるというメリットとなりますし、また一般ユーザーや自作PC業界にとっては、ARM系CPUがパーツショップで販売されるきっかけとなりそうで、成功すれば面白い状況になりそうな話。ぜひともいい形での成功を期待したいものです。