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サスケ「戦争が終わった」|エレファント速報:SSまとめブログ

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サスケ「戦争が終わった」

1 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/07(水) 16:55:09 ID:dL3gmNng

「やった…やったってばよ!」

ナルトが振り返る。
ぼろっぼろのその顔に、満面の笑みを浮かべて。

そうだ、全ては終わったんだ。

俺の後ろから、歓声と足音が押し寄せる。この戦いに関わった全ての人が、ナルトに駆け寄る。
英雄を、祝福するために。

もみくちゃにされた挙げ句、終いには胴上げされて投げ飛ばされているあいつを見ていると、不思議な気分になる。



2 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/07(水) 17:02:23 ID:dL3gmNng

何年ぶりかの共闘を終えてしまうと、
まるで、ナルトとはずっとずっと第七班として一緒に過ごしていた気さえしてくる。

あいつと過ごした時間より、敵対的していた時間のほうが長いというのに。
ただ、強いて言うならあの胴上げを少し離れたここから見ている、その距離は、確かに埋まらない時間を表している気もする。



3 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/07(水) 17:12:12 ID:dL3gmNng



―――――だめだ。

まだ、俺は考え事をゆっくりとするわけには行かない。


俺には、まだやり残したことがあるのだから。
なにも、戦争の手伝いをしてやるためだけにわざわざ来たのではない。
むしろ、こちらのほうが本題だった。

やっと胴上げから解放されたらしいナルトに声をかけた。

「ナルト、こんな時に何だが、二人で話をしたい」



4 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/07(水) 17:27:46 ID:dL3gmNng

「おー、でっかい月だってばよー」

第一声はそれだった。漆喰で塗りつぶしたような空を見ながら、ナルトは大声で呟く。
浮かぶ満月は異様に眩しく、辺りは充分に明るい。

俺とナルトが二人になることに反対したヤツも多かったが、結局ナルトはその声を押しきり、ここに来たのだった。

「でさ、サスケ、話って何だってばよ?」

ナルトは渇いた地面に座りこんで、俺を見上げながら尋ねた。
俺も隣に腰を下ろす。

「いや、特にはないんだ」

「ハァ!?」

すっとんきょうな声をあげるナルトに、言葉を返す。

「ただ、二人で、話したかっただけだ」

「そっか」

ナルトの返事は、どことなく嬉しそうに聞こえた。

――――ただ話がしたいなんて、口実に決まっているのに。



5 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/07(水) 17:47:35 ID:dL3gmNng

ナルトは月を眺めるふりをしながら、ちらちらと俺を伺っていた。
俺が何かを話し出すのを待っているらしい。

「なぁ、ナルト」

「なんだってばよ、サスケ」

この際だ、聞いてみたかった事を聞いておくのもいいだろう。

「お前が火影になったら、どんな国をつくるんだ?」

「え?えー、うーんと…」

ナルトは首を捻る。意外だ。こいつなら何かしら即答すると思っていたのに。

「そうだなァ…争いとか、差別とか…そういうのがない国がいいなァ…」

争いも、差別も…。

「うん、そう!そういう平和な国だってばよ!」

先程の自分の言葉に頷きながら、ナルトはこちらに笑みを向けた。

何故かため息が出てきた。しかし、懐かしいような、嫌ではない気持ちだった。

「…誰でもそう言うと思うぞ」

「えーっ!?」



6 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/07(水) 17:50:23 ID:dL3gmNng

でもさぁ…と口ごもるナルト。
急に、「あ、」と何かを思い出したように尋ねてきた。

「誰でもそう言うんだったら、サスケが火影になっても、そういう国作りたいっていうのかよ?」

「…悪いかよ」

「そっかぁ…へへっ」

「…なにがおかしいんだ」



7 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/07(水) 17:57:39 ID:dL3gmNng

「いやァ、俺とおんなじ思いだってわかったらさ、嬉しくって」

ナルトはそう言って、照れたように笑う。

「じゃあさ、じゃあさ、俺たち、きっとまた上手くやってけるよな…?」

結局それが言いたかったんだろう。

「ああ、そうだな」

ナルトが安堵したように肩の力を緩めた。
でも、これは嘘だ。俺たち二人が木の葉で笑っている未来なんてないんだ。

そうならそうと言っても良かったが、俺の口はとっさに嘘をついた。

どうしてだろうか。



8 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/07(水) 19:39:21 ID:dL3gmNng

俺は立ち上がり、もう一度空を見た。
月がひとつぽっかり浮かぶ、それだけの空を。

もう、いいだろう。

本来、こんな会話をする予定ではなかったのだから。
最後に、ナルトの本音を聞けて良かったと思う。

俺は、ナルトの前に出るように歩いていって、背を向ける。

表情が見えないように、仕草がわからないように。



9 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/07(水) 19:50:19 ID:dL3gmNng

唾を飲み込んで、重い口を開く。

「ナルト―――」

言わなければならない。

「俺たちの目指すものは同じだ」

言葉を選びながら、左手に意識を集中させる。

俺の背中しか見えないナルトは、それに気がつかない。

「でもな――――――」

左手から、小鳥のさえずりのような音が聞こえだす。
それを合図に、俺は、振り返る。

「――お前と一緒には、いけない」

ナルトの顔を、俺の影が覆った。



10 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/07(水) 20:06:24 ID:dL3gmNng

ナルトが目を見開く。
それだけの動作がやけにゆっくり感じられたのは、きっと写輪眼のせいだけじゃなかった。

「どうしてだ、サスケ…」

まだ理解出来ていないナルトの顔が、輝きを増した《千鳥》が照らす。

「火影は二人もいらない―――」

俺の言葉に、やっと理解したらしいナルトが影分身を作り、構える。

「くっそォ…!!」

ナルトは苦虫を噛み潰したような顔をしながら、手にチャクラを集める。
集められたチャクラは手のひらで小さな球になり、渦を巻き始めた。


そうだ、それでいい。

「―――じゃあな、ナルト」

《千鳥》を、ナルトに叩き込む。

ナルトも、それを相殺しようとして《螺旋丸》を俺の左手に向けた。


――――はずだった。



11 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/07(水) 20:15:42 ID:dL3gmNng

「え、…」

次の瞬間、ナルトはぼろ布みたいに吹き飛んだ俺を見て、言葉を失っていた。

ナルトからしてみれば、術を相殺しよjp/archives/52041051.html">P「貴音ってくっそでかいですよね」小鳥「バカでかいですね」
  • 凛「士郎とイチャイチャしたいなー」セイバー「声に出てますよ」
  • br>涙だ。

    目の前の湿気た面が、輪をかけて歪んでいく。

    何も、不思議ではない。望み通り、ナルトに殺されたのだ。嬉し涙くらい流してもおかしくはないはずだった。



    23 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/07(水) 23:04:56 ID:cxM0juq2

    「なんてツラしてやがる、ナルト…」

    本当に間抜けヅラだ。鼻水までたらしやがって。

    少しくらいましな顔にしてやろうと、笑みを作ってみる。

    「そりゃあこっちのセリフだってばよ…!」

    「え…?」

    もう我慢ならない、と言うようにナルトの涙がぼたぼたと音をたてて流れ落ちる。

    「最後の最後に泣きながらそんなツラしやがって…!!本当にそんなんでいいのかよォ!!お前、馬ッ鹿じゃねェのか?!」

    「なんのこと、だ…?」

    わからない、
    俺は、どんな顔をしているというのだろうか。



    24 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/07(水) 23:32:46 ID:cxM0juq2

    もう、顔の辺りはろくに感覚が残っていない。
    どんな顔をしているかなんて、わかるはずもなかった。
    いや、それが可能だとしても、知りたくない。
    何故か、俺の全てを自分で否定してしまうような気がしたから。
    ナルトからも、思わず目を背けた。

    何で、笑えないのだろう。
    笑えないなら、この涙は何の意味を持っているというのか。

    ――――なにが、かなしいのか。


    これは、最高の、俺自身が望んだ結末じゃないか。

    俺に、

    これ以外の結末があったというのか、

    これ以外の結末が、選べたというのか?



    25 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/07(水) 23:45:10 ID:cxM0juq2

    わからない、もうなにもわからなかった。

    思考速度が急速に落ちていき、考えがバラけていく。


    まとまらなくなっていく頭のなかに、ふと何かが浮かんでは消えていく。

    滲んでゆく視界とは別に、ソレはいやにくっきりと色鮮やかに見えた。

    ―――走馬灯、なのか?…これが。



    26 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/07(水) 23:59:42 ID:cxM0juq2



    少し遠くへ任務に赴く時。
    いつもナルトはあり得ない量のカップ麺を持参し、
    サクラはこっそりお菓子を持ちより、
    カカシは無茶苦茶な遅刻をしていたこと、

    温泉に行ったとき、ナルトの水鉄砲にムキになってやり返したこと、

    調子に乗って木から落ちたナルトをつかんで、結局二人で落ちたこと。


    あいつらと食べたラーメンの味、

    あいつらと座った茶屋の匂い、

    あいつらと見た景色。


    おかしいな、あの時から復讐のためだけに生きてきたはずなのに、
    思い出すのはどうと言うこともない日常ばかりだった。

    下らない、そう思いながら首筋を濡らしていく滴を拭えないでいた。



    28 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/08(木) 00:14:50 ID:Et1qFeAo

    浮かんで消える幻の最後に、
    目の前で肩を震わすナルトが目に入った。

    それはまるで、さっきまでの走馬灯の続きのように、目に刺さるほど鮮明だった。

    「サスケェ……うっ、」

    「………ナルト、」

    泣き腫らした目で、しかしナルトはまっすぐに、こちらを見ている。

    「……約束、だからな。火影になって、平和な、世界を…」

    そこまでで息がつまってしまった。やはり、口が思うように動かない。

    だがナルトは、しっかりと頷く。

    「わかってる。約束だってばよ」

    「……フン」

    最後に嫌みの一つくらい言ってやろうと思うのに、やっぱり思うように呂律が回らない。

    「じゃあな、…ウスラトンカチ、」

    いえるだろうか。

    「お前のこと―――」



    29 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/08(木) 00:18:07 ID:BIg0ewGY













    「――キライじゃ、なかったぜ」



    やっぱり、唇は思うように動かなかった。







    完!!!



    30 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/05/08(木) 00:20:44 ID:BIg0ewGY

    やっぱり地の文って書きにくいし読みにくいですね。慣れないことするんじゃありませんでした。

    ナルト「サスケェのア○ルに住むってばよ!」
    も読んでみてくれたら嬉しいです。



    転載元
    サスケ「戦争が終わった」
    http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1399449309/

    はじめに

    コメント、はてブなどなど
    ありがとうございます(`・ω・´)

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