マイクロソフトによるノキアの携帯事業買収はようやく正式に完了し、Windows Phone をモバイルの主流とすべくいざこれから勝負を挑まんとするところですが、企業買収につきものの人材移籍ニュースもやはりあります。
自身のTwitter アカウントでアップルへの入社予定を公表したのは、ノキアでイメージング分野のエンジニアを務めた Ari Partinen 氏。ノキアが「われらが写真エキスパート」と呼び、Lumia スマートフォンの大きな差別化要素である PureViewカメラの開発に携わったエンジニアのひとりです。
Today will be my last day working for the amazing #Lumia family. In June I will start a new chapter in Cupertino, California. Much love!
- Ari Partinen (@Partinen) May 9, 2014
Partinen氏のツイートは、5月9日付けで今日がNokiaで働く最後の日になる、6月からはカリフォルニアのクパチーノで新しい生活が始まる、との内容です。このツイートではクパチーノのどこで働くかまでははっきり書いていないものの、後のやりとりのなかでアップルであるとみずから明言しています。
ノキア Lumia の PureView カメラといえば、2年前にノキア最後の Symbianスマートフォン 808 PureView とともにデビューした高画質カメラのブランド名。機種により4100万画素 1/1.5インチや2000万画素 1/2.5インチなど画素数もセンサのサイズも異なりますが、RAW対応やオーバーサンプリングによる高画質画像など、単なるこけおどしのピクセル数ではないカメラとしてLumiaの魅力となってきました。
最新の大型端末 Lumia 1520 の20MP PureView カメラによる作例。レンズはカールツァイスのf/2.4、センササイズは1/2.5インチ。
4100万画素PureViewカメラ搭載機 Lumia1020レビューより。暗所撮影の例 (f/2.2, ISO800, 1/5秒。掲載サイズに縮小/500万画素で等倍/3400万画素で等倍)。 Lumia 1020 では 3400万画素のフルサイズ写真とオーバーサンプリングした500万画素写真を同時に保存でき、暗所撮影で力を発揮します。
こちらは2年前の 808 PureViewによるサンプル。808 PureView は、ノキアのスマートフォンが Windows Phoneに完全移行する前の、最後の Symbian端末のひとつ。
今年の iPhone 6(仮)のカメラがいきなりPureView的な進化を遂げるかどうかは分かりませんが、iPhone のカメラにもうひとつ飛び道具的な魅力が欲しかった、というユーザーには将来が楽しみなニュースです。