週刊漫画誌「ビッグコミックスピリッツ」(小学館発行)誌上に描かれたグルメ漫画「美味しんぼ」

原発や被ばくに関する表現について、福島県大阪府が抗議ともいえる見解を

公式サイトに掲載しました。

画像:【「美味しんぼ 福島県の真実」】
美味しんぼ 福島県の真実

12日に発売された同誌では「美味しんぼ 福島県の真実」シリーズの続編として、実在する福島県双葉町

の元町長・井戸川克隆氏や元岐阜大学医学部准教授の松井英介医師が引き続き登場し、

「福島に鼻血が出たり、ひどい疲労感で苦しむ人が大勢いるのは、被ばくしたからですよ」
「除染ができないのでは、福島の復興と言っても難しい」

など発言するシーンが描かれました。

画像:【「美味しんぼ」の1シーンより】
「美味しんぼ」の1シーンより

同日、スピリッツ誌は公式サイトに次の見解を示し、

24号掲載の「美味しんぼ」作中において、鼻血や疲労感と放射能の影響を関連づける発言が出てまいりますが、前号で登場した医師のように、そうした放射線との関連性について、否定的な意見を持つ方も多く存在します。その因果関係について断定するものではありません。

実在の作中人物の意見を受けた表現は、事故直後に盛んになされた低線量放射線の影響についての検証や、現地の様々な声を伝える機会が大きく減っている中、行政や報道のありかたについて、議論をいま一度深める一助となることを願って作者が採用したものであり、編集部もこれを重視して掲載させていただきました。

また、作中に2013年の取材当時、騎西高校へ避難されていた方々が登場いたしますが、鼻血や体調に関わるエピソードは、この方々への取材とは無関係です。

皆様からお寄せいただいたご批判とご意見は真摯に受け止め、今後の誌面作りに活かしてまいります。5月19日発売の25号と小誌公式ホームページにて、上記の議論を深める意図のもとに、識者、専門家の方々の見解やご批判を含む様々な意見を集約した特集記事を掲載する予定です。「美味しんぼ」福島の真実編の最終話本編と併せて、ご覧いただければ幸いです。

(引用元:http://spi-net.jp/spi20140512.html)

また一連の騒動について、福島県大阪府も見解を示しました。

週刊ビッグコミックスピリッツ「美味しんぼ」に関する本県の対応について

平成26年5月12日
福島県

週刊ビッグコミックスピリッツ4月28日発売号の「美味しんぼ」の内容につきまして、県内外の多くの皆様から、出版社に対して県として対応すべきであるとの多くのお声をいただいております。

「美味しんぼ」において、作中に登場する特定の個人の見解が、あたかも福島の現状そのものであるような印象を読者に与えかねない表現があり、県内外の多くの皆様に不安と困惑を生じさせており、県としても大変危惧しております。

県では、これまで全ての県民を対象とした「県民健康調査」「甲状腺検査」「ホールボディカウンター」等により、県民の皆様の健康面への不安に応える取組を実施してまいりました。

また、県産農林水産物については、「農地等の除染」「米の全量全袋検査などの徹底したモニタリング検査」等により安全性の確保と、正しい理解の向上に取り組み、市場関係者や消費者の理解が進むとともに、観光分野においても、観光客入込数が回復傾向にあるなど、ようやく本県への風評も和らぎつつある状況に至ったところです。

このような中、「週刊ビッグコミックスピリッツ」4月28日及び5月12日発売号の「美味しんぼ」の表現は、福島県民そして本県を応援いただいている国内外の方々の心情を全く顧みず、深く傷つけるものであり、また、本県の農林水産業や観光業など各産業分野へ深刻な経済的損失を与えかねず、さらには国民及び世界に対しても本県への不安感を増長させるものであり、総じて本県への風評被害を助長するものとして断固容認できず、極めて遺憾であります。

「美味しんぼ」及び株式会社小学館が出版する出版物に関して、本県の見解を含めて、国、市町村、生産者団体、放射線医学を専門とする医療機関や大学等高等教育機関、国連を始めとする国際的な科学機関などから、科学的知見や多様な意見・見解を、丁寧かつ綿密に取材・調査された上で、偏らない客観的な事実を基にした表現とするよう強く申し入れております。

(引用元:http://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/01010d/20140512.html)

漫画『美味しんぼ』での本府の災害廃棄物処理に関する記述について

平成26年5月12日に発売された小学館の週刊ビックコミックスピリッツに掲載された「美味しんぼ」に本府の災害廃棄物処理に関連する記述がありましたが、下記のとおり、作中の記述にあるような状況は認められず、災害廃棄物の処理は全て安全に終了していますので改めてお知らせします。

作中の記述について

「大阪で、受け入れたガレキを処理する焼却場の近くに住む住民1000人ほどを対象に、お母さんたちが調査したところ、放射線だけの影響と断定はできませんが、眼や呼吸器系の症状が出ています。」
「鼻血、眼、のどや皮膚などに、不快な症状を訴える人が約800人もあったのです。」

これについては、大阪市が、処理を行った焼却工場の存在する此花区役所、同保健福祉センター、此花区医師会に確認をしましたが、処理中においても、その後においても、そのような状況は認められませんでした。

また、今回の記述については、大阪府及び大阪市は事前の取材は一切受けていません。

なお、大阪府及び大阪市は、平成26年5月12日、雑誌発行元の小学館に対して抗議を行いました。

(引用元:http://www.pref.osaka.lg.jp/shigenjunkan/haikibutukouikishori/comic.html)

なお、原作者の雁屋哲は、19日に発売される同誌で本格的な反論を出すと しています。

「美味しんぼ」と小学館の見解、福島県&大阪府の見解に分かれています。

一体、どちらが正しいのか・・

この件に関しては県側の見解が正しいと思われますが、原発や被ばくの状況や影響についてはこの先5年、

10年経たないとより具体的な事実は見えてこないと思います。