中国とベトナム間で南シナ海の領有権争いが激化し、戦争に発展する可能性が高まっている
と報じられています。
画像：【放火され、燃え上がる建造物（ベトナム）】 
http://www.independent.co.uk/news/world/asia/chinavietnam-dispute-more-than-20-killed-in-antichina-riots-9375887.html
１５日、中国はベトナムとの国境を警備する広西チワン族自治区と雲南省の一部の中国軍部隊が、同日
早朝から「３級戦闘準備態勢（※）」に入ったと伝えられました。
将校と兵士の休暇を取り消し、すぐに出動できる態勢。
中国による南シナ海での石油掘削に端を発し、今月３日から双方でにらみ合いが続いていましたが、中国
からは約８０隻、ベトナムからは約２０隻の船を近隣海域に配置。
画像：【中国が海上に設置した石油掘削所】 
http://www.infowars.com/tensions-increase-between-vietnam-and-china-over-oil-rig/
中国は近づかせまいと放水をし、ベトナムもこれに応酬。
http://tvnz.co.nz/world-news/oil-rig-protests-in-vietnam-concern-china-5972298
一部報道では、双方が船で衝突し合っているとも報じられています。
中国外務省の華春瑩報道官は１３日の定例会見で
「我々中国は、中国側の掘削装置と関係する人員の安全のため、必要な措置を取らざるをえなかった」
と説明。
しかし同日、ベトナムでは中国に抗議する大規模なデモが各地で発生。
画像：【ベトナム民による各地のデモの様子】 
http://asiancorrespondent.com/122636/anti-chinese-sentiment-flares-in-vietnam-amid-oil-rig-dispute/
http://www.channelnewsasia.com/news/asiapacific/vietnam-shaken-by-worst/1105006.html
http://www.nytimes.com/2014/05/13/world/asia/china-and-vietnam-at-impasse-over-drilling-rig-in-south-china-sea.html
http://www.businessinsider.com/vietnam-mobs-protest-chinese-oil-rig-2014-5
一部が暴徒化し、現地にある中国系企業の工場などを破壊する攻撃に出ました。
画像：【破壊された建造物】 
http://www.scmp.com/news/asia/article/1512538/least-one-chinese-national-killed-riot-taiwanese-steel-mill-vietnam-says
ベトナム政府は国民に冷静な行動と平和的解決を呼びかけましたが、デモは止まず、中国系企業と勘違い
された日系、韓国系、台湾系企業も巻き添えで窓ガラスを割られるなどの被害を受けました。
１４日、ベトナム南部の中国系企業の工場でベトナム人従業員数百人によるデモが起き、中国人従業員９０
人がケガ、１人が死亡。
（同日、中部でベトナム人５人、中国人１６人が死亡する事件も発生したと報じられていますが、ベトナム外
務省はこれを否定しています）
ベトナムは警察を動員し、暴徒数百人を拘束するなどして沈静化を図っていますが、１５日にも別の放火され
た工場から中国人技師１人が遺体で見つかりました。
http://www.washingtonpost.com/business/vietnamese-protests-chinese-oil-rig-deployment/2014/05/10/ba138df6-d8ae-11e3-8f7d-7786660fff7c_story.html
１６日、中国の王毅外相はベトナムのミン副首相兼外相に電話し、
「ベトナム政府には回避できない責任がある」
と損害賠償などを要求し、劉建超外務次官補らをベトナムに派遣したことも明かしました。
画像：【王毅外相】 
現在、現地の外国人は騒動から逃れるため、帰国の準備を急いでいます。
ベトナムはこれまで幾度も中国と対立しており、１９７４年、西沙諸島（パラセル諸島）の領有権をめぐって
争い（西沙諸島の戦い）、中国は死傷者８５人、ベトナムは約１００人の死傷者を出し、中国が勝利。
１９７９年の「中越戦争」では国境付近で争い、双方数万人の死傷者を出し、ベトナムが勝利。
１９８４年に起きた「中越国境紛争」では両国国境付近の高地（中国名:老山・者陰山））でベトナム軍と中国人
民解放軍が争い、ベトナムは約３７００人の死者（中国側は不明ですが、９３９人とも）が出て、中国が勝利。
１９８８年の「赤瓜礁海戦 」では南沙諸島における領有権をめぐり、中国が勝利。
ベトナムは６０人以上の死者が出た上、艦艇を沈没させられ、岩礁や珊瑚礁を取られた経緯があります。
一方、ベトナムに駐在・精通し、コンサルティング業などを手広く手がける細野恭平氏はベトナムと中国の戦
争の可能性について、次のように推測しています。
これまで、南シナ海の領土をめぐる小競り合いは中越間で何度もあった。
しかし、ベトナムは中国共産党との関係を考慮し、中国の動きを牽制しつつも表面上は友好関係を保ってきた。ただし、今回は資源が絡んでいるため、ベトナム政府は公式に中国を批判、反中国デモも容認する構えを取っている。
しかし、南シナ海問題でベトナム政府が中国との対立を単純に先鋭化させる可能性は、現実的にはほとんどないだろうと推測する。
同じく中国との領土問題を抱えるASEAN各国プラス日米と共同で、中国にプレッシャーをかけるというのが、ベトナム政府が取りうる唯一の現実的な対抗手段だろう。経済的に見ても、中国は年間貿易額が500億ドルになるベトナムの最大の貿易相手国である。
こうした中国との経済的なつながりも、対中関係の悪化を抑止する要因である。すぐに中越間での紛争が現実化する可能性は低い。
ただし、中国の南シナ海への膨張は明らかになりつつあり、ベトナム政府は今後政治的に慎重な舵取りが要求されるだろう。（引用元：http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40673）
今回の件に【ネットの声】は・・
- こんな大事になるとはちょっと予想外
- 日本と大違いだな
- 先日安倍政権が出した「集団的自衛権」も一気に現実味を帯びてきた
- ベトナムのイメージが変わった
- 日本じゃ「美味しんぼ」の原発表現程度で大騒ぎしてるんだよな・・
- 日本は今すぐベトナム支援すべき
- 日系企業も巻き込まれてるのか・・
- 向こうからしたら中国人も日本人も区別しにくいからな
- ベトナム政府が沈静化したくても死者が多数出たら戦争もありうる
- 国民感情は理解できるがベトナムは今戦争しても勝ち目ないだろ
などがあるようです。
中国もそう手を打ってきたし、それがわかってるから堂々と侵略を進めてるんだろうね