真紅、五月病になる。
- 420 :名無しさん@避難中:2014/05/17(土) 21:29:38 ID:recaP5jU0
- 真紅「はー…、かったるい…」
雛苺「みゅ? なんだか今日は真紅がドンマイなのよね」
翠星石「ドンマイ…?」
真紅「…ひょっとしてアンニュイのこと?」
雛苺「そ、そうとも言うの」
真紅「やれやれだわ。変な指摘をさせて体力使わせないで頂戴よ雛苺。
ただでさえ、気力も精神力も充実していない今日この頃だというのに…ふぅ…」
翠星石「どこか調子でも悪いのですぅ? 真紅」
真紅「よく分からない。とにかく、体中がだるいわ」
翠星石「ふーむ? 何ですかねぇ本当に。球体関節の油でも切れたですか」
真紅「別に。油はこの間、あなた達と一緒にさしたばかり」
翠星石「ですよねぇ。それどころか、その後モンゴル相撲に突入するぐらい絶好調でしたし」
雛苺「部屋中ぬるぬるにしてジュンに、ものすごく怒られたのよね」
- 421 :名無しさん@避難中:2014/05/17(土) 21:30:33 ID:recaP5jU0
- 翠星石「それがどうして今日になって急に気分が優れなくなっちゃったのですぅ真紅?」
真紅「さぁ? それが分かれば苦労はない」
雛苺「ヒナ分かったわ! 真紅は病気なの!」
真紅「?」
翠星石「病気ぃ~? ドールは風邪とかひかねーですよチビ苺」
雛苺「んーん! 真紅は特別な病気なの! えっとねー…画鋲…じゃなくてぇ、ゴボウ…でもなくてぇ…」
翠星石「五月病…? ですか?」
雛苺「うぃ! そーよ! そのとーりなの! 真紅は五月病なのー!」
翠星石「むむむ! なるほど! そういうことなら納得です。そしてこれは大問題ですよ。
薔薇乙女の中でも屈指のハイテンションガール、気合ブリバリ乙女である真紅が五月病なんて…!」
雛苺「大変なのー! 真紅も早く元気になりたいのよね」
真紅「別に」
翠星石「くっ! これは重症ですぅ!」
- 422 :名無しさん@避難中:2014/05/17(土) 21:34:52 ID:recaP5jU0
- 雛苺「というわけでジュ~ン~! 真紅を元に戻してほしいのーっ!」
真紅「……」ぐてぇ~
翠星石「このままじゃ真紅が溶けてバブルスライムみたいになっちまうですぅ!」
ジュン「なんで五月病で溶けるんだよ。そもそも本当に五月病なのか真紅?」
真紅「さぁ?」
ジュン「…確かにいつもの真紅のような無駄な自信とか覇気は感じられないな」
翠星石「そうですそうですぅ! 元気の無い真紅なんて、福神漬けの無いカレーみたいなもんですぅ」
ジュン「別にかまわないだろ。僕、福神漬け好きじゃないし。
それに真紅は少し元気が無いほうが可愛いもんだ。家の中の物を壊さないからな」
雛苺「みょわわっ!? 協力してくれないのよジュン~?」
ジュン「これから図書館に出かけるところなんだ。お前達にかまっている暇はない」
翠星石「ぬううっ!? またケンドーカシワバとラブラブランデブーですか!」
ジュン「うるせぇよ」
雛苺「翠星石ぃ~、トモエはデブじゃないのーっ!」
翠星石「ええい! ランデブーはそういう意味じゃないですチビ苺!
真紅! いいんですか!? チビ人間は私達をほっぽって外で通い妻と乳繰り合うつもりですよ!」
真紅「別に…」
翠星石「うぐっ!」
ジュン「じゃ、真紅のお許しも出たことだし、僕は出かけるぞ。
そうそう、姉ちゃんも友達の家に遊びに行っているし、大人しく留守番しとけよ三人とも」
翠星石「なんですと!?」
ジュン「冷蔵庫にオヤツの苺大福も入ってるから」
雛苺「わぁい! ジュン、早く行ってらっしゃいなのよ~」
翠星石「えっ、あ…ちょっ…」
- 423 :名無しさん@避難中:2014/05/17(土) 21:38:06 ID:recaP5jU0
- §一階・台所
雛苺「うにゅーっ! うにゅー! うにゅーちゃぁん!
今、おむかえするのよね。あ、そうだ! 真紅も食べるぅ?」
真紅「別に…」
雛苺「そうっ! じゃ、ヒナが真紅の分も食べてあげるの~」
翠星石「うぅむ…。そこはかとなく今日は危険ですぅ。真紅は五月病な上
チビ苺はいつも通りの食い意地だけ張った、すっとこどっこいぶり…」
雛苺「はむっ! はふっ! もぐもぐ!」
翠星石「チビチビぃ~…、せめてテーブルに運んでから食えです」
雛苺「冷蔵庫から取り出したばかりの冷え冷えのうにゅーが美味しいの…」モグモグ
翠星石「やれやれですぅ…」
雛苺「うにゃっ…!? みょわわっ、ぶにゅううううッ!?」
翠星石「チ、チビ苺!? 喉でも詰まらせたんですか!?」
雛苺「おぇえええええっ! うにゅーと間違えてジュンのブリーフ(※)を食べちゃったのぉ」
翠星石「苺大福に目がくらみすぎなんですぅよ…まったく…」
※ジュンは冷蔵庫で自分のパンツを冷やす癖(ヘキ)がある
- 424 :名無しさん@避難中:2014/05/17(土) 21:38:54 ID:recaP5jU0
- 雛苺「おえー、おえーっなのぉ」
翠星石「マスターのパンツ食うなんて薔薇乙女としての誇り形無しですねぇ真紅」
真紅「別に…」
翠星石「むぅっ! こいつはマジに危険がデンジャーですぅ。
いつも通りどころか、いつも以上にチビ苺がへっぽこだというのに真紅はこの体たらく」
雛苺「おえーっ! あ、うにゅーちゃんまでちょっと吐いちゃってもったいないの…」
真紅「ふぁああ…ねむ…」
翠星石「まずは何としても真紅を復活させねば。翠星石一人でダメダメ乙女を二人も面倒見きれんですよ」
- 425 :名無しさん@避難中:2014/05/17(土) 21:40:03 ID:recaP5jU0
- 翠星石「やい真紅!」
真紅「…?」
翠星石「ついに返事すらしなくなったですか! ですが、これを見ても平気でいられるですぅ!?」
雛苺「ああっ! 翠星石が手に持っているのは、真紅が大切にしているくんくん探偵DVDセットなのーっ!」
翠星石「そうです! この真紅が命の次に大事にしているDVDを
これから全部ブックオフに二人三脚で売り飛ばしてやるですぅ! いいんですか、それでも!」
真紅(二人三脚…? ひょっとして二束三文の間違いじゃあ…)
翠星石「うぉおい! つっ込みたいなら何か言葉で現せですぅ!!
翠星石はやると言ったらやる乙女です! 本当に全部、売っちゃうですよ!」
真紅「いいわよ別に。好きにして頂戴」
翠星石「なっ!? ほ、本気で言っているのですか真紅ぅ!?」
真紅「えぇ、形あるものはいずれ滅びる。だったら、今の内にお金に変えるのも悪くはない…」
翠星石「し、真紅…!」
雛苺「以前、ヒナがポテチでべとべとの手でくんくんDVDを触っただけで往復ビンタされたのに!」
翠星石「五月病どころか断捨離みたいなことまで言いだしたですぅ」
- 426 :名無しさん@避難中:2014/05/17(土) 21:40:33 ID:recaP5jU0
- 真紅「何かもうアリスたる私が無機の体に囚われていることすら煩わしいわ…
雪華綺晶にこのボディ上げちゃおうかしら」
翠星石「白薔薇はコドウグの体で満足しているですから、受け取らねーですよ多分」
真紅「ふぁああ…、あーあ息をするのもめんどくせーのだわ。もう、呼吸も止めちゃいましょ」ピタッ
雛苺「し、真紅! 息を止めちゃ死んじゃうのよ!」
翠星石「いや、死なねーですよ、人形は」
真紅「……」しーん
翠星石「……」
真紅「……」しーん
- 427 :名無しさん@避難中:2014/05/17(土) 21:44:48 ID:recaP5jU0
- §10分後
真紅「……」しーーん
翠星石「ぐぅっ…! 10分以上経っているというのに真紅が微動だにせんです」
雛苺「普段の真紅だったら『あらやだ! 本当に息を止めても私死なない! スゴイ!!』…て騒ぎだすハズなの」
翠星石「まずいです! 何度も言うようですが、実にまずいです! いくら万能乙女翠星石といえども
二匹の役立たずを抱えたままでは、桜田家の留守を預かりかねるですぅ!
テロリストどもが突然、この家に乱入してくるケースもあり得るというですのに」
雛苺「ヒナは役立たずじゃないのー」
翠星石「ともかく、なんとしても真紅のやる気スイッチを探し出して押さねばならんです!
チビ苺! ラジカセを持って来いですぅ!!」
雛苺「うぃ!」スタタタタ
- 428 :名無しさん@避難中:2014/05/17(土) 21:46:31 ID:recaP5jU0
- 雛苺「準備完了なのよ翠星石!」スチャッ
真紅「さっきから何をドタバタと。音楽なんてかけずとも、外から聞こえてくるかすかな風の音
木の葉のさざめき、鳥の声…耳を澄ませば世界は音楽に満ち溢れている」
翠星石「台詞だけ聞けば大層ですが真紅! おめーは、さっき横になっていたソファーから
ずり落ちたにもかかわらず、まったく体勢を整えないで『たれパンダ』みたいに床に寝たままじゃねーですか」
真紅「床が冷やっこくて気持ちいい…」
翠星石「そんな気だるい午後も今、終わらせてやるですよ真紅!
さあチビチビ! 萎びた真紅をギンギンにホットにさせるご機嫌なナンバーをカモ~ンですぅ!」
雛苺「お任せなの! ポチッとな!」
ラジカセ「♪ズンチャッ ♪ズンチャッ」
真紅「こ、この曲は…」
翠星石「そうとも! くんくんクラブMIXダンスのテーマですよぉ! さぁ踊れ踊れですぅ!」
雛苺「♪くんくんYeah!」
翠星石「♪くんくんWoh!」
真紅「……」
雛苺「♪くんくんYeah!」
翠星石「♪くんくんWoh!」
真紅「……」
- 429 :名無しさん@避難中:2014/05/17(土) 21:49:07 ID:recaP5jU0
- §5分経過
真紅「……」しら~っ
雛苺「うみゅみゅ! 真紅が全然のってこないのよ!」
翠星石「ええい! 本当にどうしちまったですか真紅ぅ! かつては24時間ぶっ続けで踊り狂った日も
あったというですのに! 真紅の中の情熱の真っ赤な薔薇はもう枯れたのですかーーッ!?」
真紅「だって、それ飽きたし」
翠星石「…飽きたッー!?」
雛苺「なんてことを言うのよ真紅!」
翠星石「な、ならば奥の手です! チビチビ! 次のトラックの曲をかけるです!」
雛苺「うぃ! 今度こそ、真紅の魂を熱く燃え上がらせるのー!」ポチッ
ラジカセ「♪富ぅ士ぃ~」
翠星石&雛苺「♪サ・ファ・リ・パーーーーークッッッ!!!」
真紅「……」
ラジカセ「♪ダーイナミーーック」
翠星石&雛苺「♪ダイクマーーーッッ!!!」
真紅「……」
翠星石「あ、あああ…馬鹿な! これでも駄目だというのですか!
いつもなら真紅のテンションを軽々とマックスへと導くCMソングも無力とは」
真紅「暑苦しいわよ」
翠星石「…っ!」
雛苺「ヒナにも今日の真紅はおかしいってことが実感で分かり始めてきたの!」
翠星石「その通りですチビ苺。この前なんて、ヨーグルトに砂糖が付いていなかっただけで
髪型をバカにされた仗助のように怒り狂っていた真紅なのに…ですぅ」
真紅「怒りや憤りで何かを解決しようだなんて不毛だわ…」
翠星石「むむむむ…」
- 430 :名無しさん@避難中:2014/05/17(土) 21:51:45 ID:recaP5jU0
- §さらに10分後
真紅「……」
雛苺「はむっ! はふっ! ぐわつぐわつ! ムシャムシャ!」
翠星石「うーん、さっきから真紅の目の前でチビ苺にマヨネーズ煎餅を食わせているのに無反応です」
雛苺「真紅はこれが大好きなはずなのに。ヒナだったら、もし目の前で苺大福を食べられたら辛抱たまらないの」
真紅「
- :-:2014/05/18(日) 10:26:09
- BJが……DJになってるだと……?
- :-:2014/05/18(日) 10:59:28
- 大ジュン・・・つまりただ単に体のサイズがBIGなJUMということではなく
斉藤さんと大人の階段を上ってしまった大人ジュンということか!?
- :-:2014/05/18(日) 11:12:33
- まさか斎藤さんと・・・
- :-:2014/05/18(日) 12:30:42
- お前らの想像力には戦慄すら覚えるわ
…え? 想像…だよな?
- :-:2014/05/18(日) 12:35:56
- アブラギッシュ状態で組み付くのはトルコ相撲では?
それにしても、おとなしい真紅はかわいいなと思ったらコレだよ。
そしてSLPYは神奈川出身のホモなのか?
- :-:2014/05/18(日) 12:43:50
- ヤールギュレシでググったらホモホモしくて目眩がした
- :-:2014/05/18(日) 13:28:51
- 大人ジュン...!?
クネクネやめろwwww
これで次は銀トキだな!
- :-:2014/05/18(日) 13:31:41
- 稲中ネタ満載で面白かった。しかしうっかり手紙を食べちゃうきらきー可愛いなオイ
- :-:2014/05/18(日) 19:12:10
- モンゴル相撲は 恐らく男塾ネタ。
汗のかわりに油を流す奴と モンゴル相撲で戦う話がある。
前回のコメで男塾の話題が出てたから、さりげなく入れてくれたのか…
- :-:2014/05/18(日) 19:44:27
- 武蔵クローンもネタに取り入れたかwww真紅さんの事だから自分でもクローンを言うかと思ったがwww