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ハルヒ「キョン、愛してるわ」|エレファント速報:SSまとめブログ

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ハルヒ「キョン、愛してるわ」

1: ◆DefgSpEO2U:2014/05/22(木) 20:13:09.64 ID:PKpYg4wBo

古泉「――というわけで今日は二回目なんですよ」

キョン「何がというわけで、だ。またループしてるのか……?」

古泉「いえ、今回はループではなく単純なやり直しといえるでしょう」

キョン「それはどこまで本当のことなんだ……?」

古泉「どこまでも、といわれましてもすべて本当のことですよ」

キョン「容易には信じられんな」

古泉「まさか僕が嘘を吐いているとでも? 嘘を吐く理由もメリットも僕にはありませんよ」

キョン「それはよくわかっているつもりだ。それにしたって……」

古泉「正直我々でさえ困惑しているのですから、あなたの心中は察するに余りあるというところです」

キョン「相変わらず無茶苦茶なやつだなあいつは……」



2: ◆DefgSpEO2U:2014/05/22(木) 20:15:46.25 ID:PKpYg4wBo

古泉「我々は元来、涼宮さんを特別視して監視していたつもりですが、改めて畏怖の念を抱かざるをえませんね」

キョン「で、このことを誰が知っているんだ?」

古泉「先ほどもお伝えしました通り、我々SOS団の団員のみです」

キョン「ハルヒは?」

古泉「憶えていないようです。潜在的な記憶には残っているとは思いますが、一般的にいえば記憶にない状態です」

キョン「なんでお前や朝比奈さんや長門だけ知ってるんだ?」

古泉「それはもちろん、涼宮さんがそう望んだからですよ」



3: ◆DefgSpEO2U:2014/05/22(木) 20:17:30.60 ID:PKpYg4wBo

キョン「……なんのために?」

古泉「さあ、それはご自身でお確かめになったらいかがでしょうか?」

キョン「こんなときにふざけるな。さっさと理由を教えろ」

古泉「これは失礼。正直に申し上げますと、僕らも正確なことはわからないんですよ」

古泉「我々のような涼宮さんに興味を持つ者たちへの牽制ではないかというように考えております」

キョン「もう少しわかりやすく話してくれないか……。長門はなんていってるんだ」

古泉「僕の考えとほぼ同じでした。潜在的な他者への牽制の意図が読み取れる、と」

キョン「おい、それで説明したつもりなのか?」

古泉「要するにですね、涼宮さんは暗に自分のものに手を出すなと警告をしてきたわけですよ」



4: ◆DefgSpEO2U:2014/05/22(木) 20:19:04.76 ID:PKpYg4wBo

キョン「一体誰に向けてだ?」

古泉「涼宮さん以外のすべてのものに向けてですよ」

キョン「どうしてそう抽象的な言い回しをするんだ」

古泉「どう説明するのが一番いいんでしょうか……」

   「どうやら涼宮さんは我々や長門さんや朝比奈さんのような者たちの存在をなんとなしに感じているようです」

キョン「お前、そういうことはないって前にいってなかったか?」

古泉「ええ。意識的なものではなく、無意識下でのことですので明確に我々の存在が知られているわけではありません」

   「自分の周りに不思議な存在がいるような気がする、という程度のものです」

   「ただ、涼宮さんの中の常識はそれを否定しますから、表面上はいつもと変わりはありません」

   「しかし、今回の出来事は涼宮さんの中で非常に大きな衝撃を受けることでした」



5: ◆DefgSpEO2U:2014/05/22(木) 20:20:35.81 ID:PKpYg4wBo

古泉「あまりに急でショッキングな出来事に、涼宮さんは自身の日常を脅かす誰かからの攻撃ではないか、と無意識で思ったんでしょう」

   「若い頃に陰謀論なんてものに心惹かれるのは世の常でしょう? 涼宮さんも同じことです」

キョン「お前も同じ年齢だろうが」

古泉「ふふ、まあいいじゃないですか。続けますよ」

古泉「今回の件で涼宮さんは大いなる第三者の存在とその意思を疑ったわけです」

   「私の世界を脅かす何かがいる、と」

   「涼宮さんはそれの見えない存在に向かって、最も効果的に自分の力を示したんですよ」

   「僕と朝比奈さんと長門さんの記憶だけを残して、世界を改変したことでね」

   「これは観察者である我々にとっては大いなる脅威ですよ」



6: ◆DefgSpEO2U:2014/05/22(木) 20:22:08.07 ID:PKpYg4wBo

キョン「今までだって似たようなことをやっただろうが。あの夏休みを忘れたのか?」

古泉「あれは涼宮さんの逡巡が招いたもので、明確な意思は介在していなかったと考えるのが妥当です」

キョン「一万回以上も繰り返したのに明確な意思がないとは思えんが……」

古泉「長門さんには気の毒でしたが、そうであったからこそ我々は安心していられたんです」

   「しかし、今回の場合は涼宮さんの明確な意思を感じ取ることができます」

キョン「ちょっと待ってくれ。お前はさっき無意識だといったじゃないか。それにハルヒの超人的パワーはいつも無意識だろう?」

古泉「そこですよ。今までの涼宮さんは無意識下での神のごとき振る舞いを見せていたに過ぎないんです」

   「そのため、我々もある程度余裕を持ってある種高みの見物ができていたといえるんですが……」

   「今回のように無意識であるにも関わらず、結果的に明確な意図を実現できるのであれば観測どころではありません」



7: ◆DefgSpEO2U:2014/05/22(木) 20:23:25.10 ID:PKpYg4wBo

古泉「……我々のような者たちは涼宮さんを監視しつつ、ある程度思い通りに事を運びたいと思っています」

   「自分たちの思い描く状況と異なる結果になりそうな場合には、危険を冒してでも涼宮さんに干渉していくことも考えられますし、今の僕がまさにその存在です」

   「もちろん涼宮さんをある程度コントロールできるものと見越した判断の下で、ということですが……」

   「不完全な神であるならば、手のひらで躍らせることができるとタカをくくっていたんです」

   「ところが涼宮さんは自分自身の望みを現実に反映させることができるとわかってしまった」

   「この事実に本人が気付いていようがいまいが、関係ありません。我々は結果しか得られないんですから」

   「そうであるならば、涼宮さんのコントロールなんてとんでもない。我々は神に頭を垂れるしかありません」

キョン「お前はいつからこんなに説明が下手くそになったんだ?」



8: ◆DefgSpEO2U:2014/05/22(木) 20:24:36.23 ID:PKpYg4wBo

古泉「これでも順序立てて話しているつもりなんですが……」

   「つまり、今後涼宮さんにとって都合の悪いことはすべていいように変更される可能性があるということです」

   「今まではこうだったらいいのに、という程度で現実には変化は起きていませんでした」

   「涼宮さんの中にある常識がリミッターになっていたためです」

   「しかし、今回は現実として変化が起きました。その上、我々だけ改変前の記憶も残されました」

   「涼宮さんが心底願ったことは、どんなに非現実的であろうと実現できてしまうことがはっきりと証明されたんです」

   「これは映画撮影のときのような悪乗りと呼ぶべき戯れとはまったくの別物です」

   「なんといっても過去を大きく改変した挙句、すべてなかったことにしたんですから」



9: ◆DefgSpEO2U:2014/05/22(木) 20:26:19.40 ID:PKpYg4wBo

キョン「お前本当に古泉なのか? 結局何が理由なのかの説明になっていない」

古泉「僕もまだ混乱しているのかもしれませんね。それだけ大変なことが起きたといっていいでしょう」

キョン「俺にはお前が大きな衝撃を受けたようにはとても見えないがな」

古泉「それは残念です。おや、どこへ行くんですか?」

キョン「長門のところだ。今のお前より長門のほうがいくらかまともな説明をしてくれるんじゃないかと思ってな」

古泉(長門さんはどういう説明をするんでしょうか……。気になるところですね)



10: ◆DefgSpEO2U:2014/05/22(木) 20:28:06.19 ID:PKpYg4wBo

キョン「長門、古泉からある程度話は聞いたんだが、お前からも説明をしてくれないか?」

長門「……何を?」

キョン「ハルヒがやったことについてだ」

長門「涼宮ハルヒは私と朝比奈みくると古泉一樹の記憶を残したまま、世界を改変した」

キョン「それは古泉に聞いた。ハルヒはなんでそうしたのかを知りたいんだ」

長門「涼宮ハルヒは無意識レベルで自分自身以外のすべてに警告を発した」

   「私の所有物に手を出すな、と」

   「存在する有象無象から概念的には運命とカテゴライズされるものにも向けて一様に発せられた」

   「その警告の証人が私と朝比奈みくると古泉一樹」



11: ◆DefgSpEO2U:2014/05/22(木) 20:30:03.38 ID:PKpYg4wBo

キョン「なんでお前らだけなんだ?」

長門「涼宮ハルヒは私たちの特異性に無意識的に気付いている。私たちだけで充分だと判断された」

キョン「その結果、お前の親玉たちはどうなってるんだ?」

長門「今まで以上に、より観測に力を入れることになった。情報の傍観者になる」

キョン「もう少しわかりやすくいってくれないか?」

長門「今回涼宮ハルヒが改変した過去は一切の変更が出来なくなった。情報統合思念体にも不可能」

   「改変された43時間31分24秒22の時間情報は不可侵な存在」

   「おそらく涼宮ハルヒ自身ですら改竄が出来ないと思われる」

キョン「自分で変えたのにもういじれないってことか?」



12: ◆DefgSpEO2U:2014/05/22(木) 20:31:56.76 ID:PKpYg4wBo

長門「変更前に起きた事実は感知できる時間軸のすべてから消失した」

   「例外として私と朝比奈みくると古泉一樹の記憶の中にだけ残された」

キョン「その理由が警告だからか?」

長門「そう」

キョン「事の発端は一体なんだったんだ?」

長門「涼宮ハルヒの精神的ストレスによるもの」

キョン「いまいちよくわからんが迷惑をかけたことは確かだな。いつもすまんな長門」

長門「わたしは何もしていない。あなたを救ったのは涼宮ハルヒ」

キョン「……?」

キョン(朝比奈さんにも話を訊いてみるか)



13: ◆DefgSpEO2U:2014/05/22(木) 20:33:41.02 ID:PKpYg4wBo

* * *

古泉「どのように説明をしたんですか?」

長門「訊かれたことに答えただけ」

古泉「ということはあのことは説明しなかったんですか?」

長門「訊かれていない」

古泉「あれは我々に対する宣戦布告ですからね」

長門「私と朝比奈みくるに対してのもの」

古泉「僕は入ってないんでしょうか?」

長門「ない」

古泉「ふっ、それは残念ですねぇ」

* * *



14: ◆DefgSpEO2U:2014/05/22(木) 20:35:33.03 ID:PKpYg4wBo

キョン「朝比奈さん、今回の件でちょっと訊きたいことがあるんですが……」

みくる「……キョンくん、無事でよかったです……」

キョン「……?」

みくる「あ、それで一体なんでしょうか……?」

キョン「結局のところ何があったんでしょうか?」

みくる「……涼宮さんが過去情報を変更し、そこを変更不可能なように固定した上で時間を戻しました」

キョン「朝比奈さんのとこはそれによって何か問題が起きてはいないんですか」

みくる「特に何もいわれてないけど……。ただ、非常にめずらしいことだから大騒ぎしてるみたい」

キョン「めずらしいことなんですか? 俺にはいつものことにしか思えないんですが」



15: ◆DefgSpEO2U:2014/05/22(木) 20:37:42.06 ID:PKpYg4wBo

みくる「あんまり詳しい話はできないけど、簡単にいうと過去が変わったのにどこ
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    コメント一覧

      • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年05月22日 23:53
      • いーち。
      • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年05月23日 00:00
      • にーい。

    はじめに

    コメント、はてブなどなど
    ありがとうございます(`・ω・´)

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