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魔王「ど、どうやら勇者は私のことが好きらしい」【前半】|エレファント速報:SSまとめブログ

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魔王「ど、どうやら勇者は私のことが好きらしい」【前半】

1 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/20(火) 19:24:40 ID:aGokKbEM


側近「好きなどと、突然言われても困る」






勇者「なんだろう、この胸の高鳴り」の続編。



2 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/20(火) 19:25:49 ID:aGokKbEM

 魔族領。某国。
 とある町。中央広場。

 ワーワーキャーキャー

第一部隊所属兵士「おー、ちびっ子沢山、楽しそうだなー」
第一部隊略「にしても……群がられてるなぁ、……」ファァ

第一略(やべ、眠い。とりあえずセルフビンタで起きよう)バチン

第一「……いたい」ヒリヒリ

第一A「ちょ、何やってるのお前」プッ
第一B「自分にビンタとかおま、第三の変態じゃあるまいし」ケラケラ

第一「眠気覚ましにやってみたら加減ミスって痛いマジ後悔」ヒリヒリ
第一「でもこれで痛いのが嫌いな俺は第三の変態と同じ土俵にはいないと証明されたのです」ヒリヒリ キリッ


第一C「頬押さえてキメ顔すんじゃねぇよ」ハァ フォン


第一「お、治癒魔法?あんがと」フワッ

第一B「戻ったか、C」
第一A「町の資料室行ってたんだろ?収穫は?」



3 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/20(火) 19:27:46 ID:aGokKbEM

第一C「そこそこ。それより不味いのは魔物の侵入が増えてる事だな。ここ一年で右肩上がり」

第一「角度にすると?」

第一C「六十度ぐらい」

第一「なにそれまずい」
第一B「小物合わせてって言っても多すぎ」
第一A「防壁の劣化が原因じゃないか?小型なら空いた穴から入り込めるだろうし」

第一C「当たり。特に魔物が多い山側の壁と柵はもうボロボロ。原因ははっきりしてるんだがいかんせん人手がな、」

第一B「この町だけじゃないからな、こうなのは。兵の派遣は修復より討伐優先だし」

第一「壁かぁ……障壁で代用出来れば手っ取り早くすむけど、維持が大変だし魔力は大型の魔物引き寄せちゃうからなー」

第一A「壁の修復はほとんど人力になるだろし、時間がかかりそうだな」

第一B「一応魔王様にも伝えておくか」

第一C「ああ。常駐兵の奴らや町の役人は『魔王様の耳に入れるような状態じゃないから』って言ってたけど」

第一B「……この国、自分の町ぐらい自分達でなんとかしてやるよ精神強い奴多いよな。--ま、旧政権であんだけヒトが死んだらそうなるか」



4 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/20(火) 19:30:11 ID:aGokKbEM

第一「魔王様達ってやっぱ国の最高戦力だし、もしもの事態に備えて出来るだけ頼らないようにしてるだろなー」

第一A「あの魔王が死んで二年しか経ってない今、平和ボケするには早すぎるか」

第一「つい最近もちょっとした修羅場だったわけだし」ケラケラ

第一B「--で?その魔王をぶっ殺した英雄コンビは、」
第一A「この国最高戦力に惚れたコンビは、」
第一C「寧ろこの国の最高戦力に数えられそうなコンビは、」

第一「見ての通り、広場のど真ん中で町のちびっ子達に群がられてますが」ケラケラ



 ワーワーキャーキャー キャッキャ キャッキャ

相棒(半竜化)「がおお!たべちゃうぞお!」

ちびっ子達「怪獣だあ!」「怪獣がきたぞ!」「倒せー!」ピョイピョイピョイ

相棒「うひゃあ!飛びついてきた!いくらちびっ子でも複数は卑怯だぞー」ケラケラ フリフリ

ちびっ子達「みんなー!振り落とされるなよー!」「しがみつけー!」「わぁ、竜族さん力持ち!」

ちびっ子達「援護だ援護!」「いくよー!」「僕達もいこう!旅人さん!」ピョイピョイピョイ



5 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/20(火) 19:31:17 ID:aGokKbEM

勇者「よしきた!」ピョイ

相棒「ちょ、何で来ちゃうの!」グラッ ドサッ

ちびっ子達「怪獣を倒したぞ!」「俺達でやってみせた!」「わたし達は強い!」「やったあ!」「怪獣撃破っ!」「がおお!」ワーワーキャーキャー

相棒「むぅぅ、動けないー」バタバタ
相棒「負けたー、命だけは助けてくれー」ケラケラ

ちびっ子達「いいぞ!」「いいよっ!」「もう悪さするんじゃないぞ!」「じゃあこれから怪獣は俺らのともだちな!」「ともだちともだち!」「竜族さんとともだちかぁ、えへへ!」ワーワーキャーキャー

相棒「わかったー、ともだちになるー」ニコニコ

勇者「相棒にちっちゃなお友達が一気に出来た。羨ましい」ニコニコ

ちびっ子「ちっちっち!間違いだ!」

ちびっ子達「旅人さんはもうともだちだ!」「なんせ一緒にたたかった仲!」「戦友と書いて」「ともと呼ぶ!」「よって旅人もともだち!」「ともだち!」ワーワーキャーキャー

勇者「わー、俺にも一気に出来たー」ヘラリ

ちびっ子達「ねーねー、旅人さんは怪獣にならないの?」「白いお姉ちゃんは怪獣だろ!ってことは兄ちゃんも怪獣なんだろ?」「怪獣なんだろ!?」「変身して変身!」「フードかぶってないでさ!」「へーんしん!へーんしん!」



6 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/20(火) 19:32:51 ID:aGokKbEM

勇者「うーん、俺も怪獣に変身するのは憧れるけど、竜族じゃないんだ。ごめんね」


相棒「ポロッとバラしちゃ駄目だよ」コソッ
勇者「わかってる」コソッ


勇者(村人さん達……本当は第一部隊ってとこに所属してたお兄さん達に言われてるもんなぁ)
勇者(極力人間だってバレない方が良いって。魔族領では、人間は怖い存在って認識だから)

勇者「本当に、変身出来たら一番良いんだけどなぁ」シュン

ちびっ子達「そっか、怪獣にはなれないのか」「気にするなよ、俺達だって怪獣になれないんだから」「変身は誰だって憧れるものだよ」「だいじょうぶ!旅人さんだって変身できるよ!」「?」「どうやって?」

ちびっ子「へんっしんっ!」ピョイ

勇者「」バサッ

ちびっ子「ほら!旅人さんの髪きれいな金色でしょ!一度ちゃんと見てみたかったんだっ!」ニコニコ

ちびっ子「--あれ?、でも……耳が、」

勇者「」
相棒「」

勇者「あ、あ、っと……これは、その、」
相棒「えっとこれは……」



7 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/20(火) 19:34:08 ID:aGokKbEM

ちびっ子達「耳が、尖ってない」「まさか、」「うそ、」「そんな、」「こんなことって、」「旅人さん……!」

勇者「…………」シュン



第一「あ、バレた」
第一A「バレたな」
第一B「まぁバレないとは思ってなかった」
第一C「一応ここの兵や町の役人には魔王様の客だって伝えてるし」

第一C「--でも、ちょっとした騒ぎにはなるだろうし助けにいくかな」



ちびっ子「っ!」
ちびっ子「待て!これはパターンDだ!」

ちびっ子達「!!!」ハッ

ちびっ子「まさか人間?」
ちびっ子「え、でも人間がこんな所にいる?」
ちびっ子「じゃあアレだよ!気のせい!」
ちびっ子「耳の尖り成分が少ない家系かもしれないよ?」
ちびっ子「確かにそうかも」
ちびっ子「沢山間違われて大変だったろうなぁー」
ちびっ子「僕達だけでもふれないでいてあげようよ」



8 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/20(火) 19:35:29 ID:aGokKbEM

第一「」ジー
第一A「」ジー
第一B「」ジー

第一C「そ、そんな目で見るな!村での会話がこんなところで再現されるとか思うか!!つかパターンDって、え?これ有名なの!?この流れ有名なの!?」



勇者「…………」
勇者「ありがとうみんな」

勇者「でも俺魔族でもないよ」ポロッ

ちびっ子達「え?」

勇者「」

相棒「ポロッとバラしちゃ駄目だよって言ったのに」

勇者「」シュン

ちびっ子「え、魔族じゃない、って、ことは……」

ちびっ子達「うおお!すげぇ!」「魔族じゃない!」「ってことは!」「人間!」「種族人間!」「初めて見た!」ワーワーキャーキャー

勇者「………がおお、たべちゃうぞー」

ちびっ子達「ふおお人間ヤバい!」「ヤバいぞ!」「デストロイだ!」「どうしようどうしよう!」「私達おかされちゃうんだ!」「えろどうじんみたいに!」ワーワーキャーキャー



9 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/20(火) 19:36:21 ID:aGokKbEM

勇者「……ちょっと今」
相棒「聞き捨てならない言葉が」

ちびっ子達「えろど?」「おかされるって何?」「餌炉導陣?」「必殺技名?」「わかんない」「知らないおじちゃんが言ってたの」

勇者「……詳しく」
相棒「……詳しく」

ちびっ子(ロリ)「えっと、さっきね、こっちに来る途中」「知らない変なおじちゃんが話しかけてきたの」「よくわからないことばっか言ってたの」「健康診断だって体さわられたね」「うん。それで、ちょっと怖くなったから」「走って逃げたの」

勇者「」グルリ
相棒「」グルリ



第一「あ、瞳孔ガン開き顔でこっち見た」
第一「言いたいことはわかるめっちゃわかる」ウンウン

第一C「ちょっと俺常駐兵に通信いれるわ」フォン
第一B「まだ近くにいるかもな。探せるか?」
第一A「探したるわ」キュイン

第一「頑張れAー」
第一「即滅してやるからー」カッ

第一C「気持ちはわかるがあの二人みたいに狂気系の目つきするのはやめろ」



11 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/20(火) 21:41:27 ID:aGokKbEM

ちびっ子達「あれ?あのお兄さん達、お城の兵士さん達だよな」「何してるのかな?」「なんか怖いね」「……なぁ、さっきの話って」「不審者、ってやつでは」「お母さんや先生に言わなきゃいけないタイプの」

勇者「怖くないよ、あのお兄さん達は悪いヒトを捕まえようとしてるんだ」

相棒「あのね、そのおじちゃんは変態っていう種族でね、魔族や竜族、人間なんか比べものにならない程危険なんだよ」

勇者「だから近付いちゃ駄目だよ。もし近付いてきたら、すぐに逃げなきゃ駄目なんだ」

ちびっ子達「やっぱりそうだ、不審者だ!変態なんだ!」「お前ら他に何かされなかったか?」
ちびっ子達(ロリ)「えーっと、……思い出した!パンツぬぎぬぎしてたね!」「あ、そうだね!お風呂じゃないのにね!」

勇者「」
相棒「」



第一「」

第一C「よし、絶対捕縛する」

第一B「こりゃ捕まえるまで町から出れないな」

第一A「将来その胸いっぱいに夢を持つ可能性のある少女達に手ぇ出すクソは絶対許さん」



12 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/20(火) 21:42:47 ID:aGokKbEM

第一C「……意味に気付いて殴りそうになったが我慢する」
第一B「そうしろ」

第一A「--あ、」キュイン

第一A「いたかも。……わー、マジか下半身丸出しのままだわ」

第一B「露出狂とかないわー」
第一C「アウトー」

第一A「この時点で即捕縛ものだけど、こともあろうにコイツ民家の窓に張り付いてる」

第一B「……視線感じて窓見たらおっさんと目があった。しかも下半身丸出し」
第一C「トラウマになるわ」

第一A「転移の座標は、」
第一「俺に。行ってくる」フォン

第一A「はいよ」フォン

第一「悪い変態は滅すべし」ヒュン



勇者「」ザワッ
相棒「」ザワッ



13 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/08/20(火) 21:44:25 ID:aGokKbEM

第一B「ちびっ子達がビビるぞ魔力出すな。こっちの声拾ってるのお前らだけなんだから」

第一C「お前らまで行ったらあの変態冗談抜きに消し飛ぶじゃねぇか。変態は俺達に任せてちびっ子達と戯れときなさい」



勇者「はーい」ポソッ
相棒「はーい」ホ
293 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/20(日) 23:46:10 ID:9f6vSI2c

脱字に気付いた。
>259
弟に第一つけるの忘れてた。
>>279
魔王が父様言ってる。正しくはお父様

気を付ける言ったばかりなのにすまん。
今日はここまで。植物モデルはビオランテ。可愛い。



295 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/21(月) 09:53:18 ID:.bPrBLPw

おお、すげぇ展開…一目惚れってのも魂が惹かれてたってことなんかね

ビオランテ検索

これ怪獣やー!!?
いや可愛い…くないこともないと思うけど弟が倒れるのも分かるわw



296 :以下、名無しが深夜にお送りします 2013/10/21(月) 10:07:57 ID:d56nOyVs

一応画像置いときますね