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長門「――ありがとう」|エレファント速報:SSまとめブログ

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長門「――ありがとう」

1 : ◆DefgSpEO2U 2014/05/24(土) 20:16:20.42 ID:9elYANWEo

ハルヒ「ねえ、SOS団てあたしを含めて四人よね?」

キョン「いきなり何を言い出すんだ。春の陽気にでも当てられたのか?」

ハルヒ「昨日ふと思ったのよ。考えたらもうひとりいたような気がしてきちゃって」

キョン「お前が俺たち三人をどこからともなく集めてきてSOS団を作ったんだろうが」

ハルヒ「そんなことは言われなくてもわかってるのよ。でもそうじゃないの」

キョン「本当にどうしたんだ? いつも三人でお前のくだらないことに付き合ってきたじゃないか」

ハルヒ「……そうよね。あたしの勘違いよね」

キョン(また何か起こすんじゃないだろうな)



2 : ◆DefgSpEO2U 2014/05/24(土) 20:17:38.18 ID:9elYANWEo

キョン「おい、ハルヒが若干おかしいぞ」

古泉「平常運転、ということではないんですか?」

キョン「真面目に聞く気はあるのか?」

古泉「失礼しました。どういうことでしょうか?」

キョン「SOS団は五人じゃなかったかと言い出したんだ」

古泉「……」

キョン「……何だ? まさかお前も思い当たる節があるのか?」

古泉「いや、僕の記憶の中では確かに四人ですよ。ただ……」

キョン「ただ、何だ?」

古泉「涼宮さんがそうおっしゃるなら、そうだったのかもしれません」



3 : ◆DefgSpEO2U 2014/05/24(土) 20:18:47.92 ID:9elYANWEo

キョン「どういうことだ?」

古泉「涼宮さんはご存知の通り、一般的な感覚とは違うものを持っておいでです」

キョン「それだったらお前らだって違うだろうが」

古泉「次元が違うと言えばわかりやすいでしょうか。我々程度では比べるのもはばかられるほどの低次元ですよ」

キョン「じゃ、もうひとり誰かいたっていうのか?」

古泉「現状で判断するには時期尚早と言えるでしょう。ただ、疑ってみる必要はあると思います」

  「不思議なもので、僕もあなたに話を振られるまでそんなことは微塵も思っていませんでした」

  「ただ、今となっては何かひっかかるところがあったような気がしてきているんですよ」

キョン「例えば何だ?」



4 : ◆DefgSpEO2U 2014/05/24(土) 20:20:05.14 ID:9elYANWEo

古泉「涼宮さんが最初の自己紹介で何と言ったか憶えておいでですか?」

キョン「……『宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところへ来なさい』だったか」

古泉「そうです。宇宙人、未来人、異世界人、超能力者と言ったはずです」

キョン「おい、なんでお前がそのことを知ってる? まだ転校前だろうが」

古泉「僕が誰だかお忘れですか? 涼宮さんの発言は機関に一字一句たがわず入ってきていますよ」

キョン「それもそうか。で、何で一字一句知っていることを俺に言わせたんだ?」

古泉「涼宮さんはクラス内に向けて、というよりは全世界に向けて四種の不思議な生き物を召喚しました」

   「今現在、涼宮さんの周りにいるのはあなたと僕、朝比奈さんです」

   「つまり、宇宙人と異世界人がいないんです。これは少々不思議だと思いませんか?」



5 : ◆DefgSpEO2U 2014/05/24(土) 20:21:38.67 ID:9elYANWEo

キョン「超能力者に不思議だと思うかと訊かれてもな……。宇宙人と異世界人なんていないんじゃないのか?」

古泉「そんなはずはありません。涼宮さんの力を持ってして、たった二種しか集められないなんてことは考えにくいことです」

キョン「宇宙人と異世界人がいると断言できる根拠をぜひ聞きたいね」

古泉「この狭い地球上に超能力者と未来人がいるんですよ? 広い宇宙に宇宙人がいる可能性の方が高いでしょう」

   「異世界人は定義が難しいですが、パラレルワールドは物理学的にも研究されていますし、考えられます」

キョン「明確な根拠はないのか……」

古泉「根拠が弱いことは認めますよ。ただ、曖昧な記憶でしかないんですが、ふと気になることが浮かびました」

キョン「なんだ?」



6 : ◆DefgSpEO2U 2014/05/24(土) 20:22:36.54 ID:9elYANWEo

古泉「僕が涼宮さんの監視につくと決まってしばらくしたときの話ですが……」

   「『まさかこんなに集まるとは……』というような会話があったように思うんです」

キョン「ハルヒと超能力者と未来人がいればそうなるだろうが」

古泉「僕を含めてたった二種で『こんなに』という表現はそぐわないような気がしませんか?」

キョン「言葉の綾というやつかもしれん」

古泉「……今の状況ではなんとも言えませんね。機関でも少し確認をしてみたいと思います」

   「もし可能でしたら、涼宮さんにこの件を改めて訊いてみていただけませんか?」

キョン「俺はまったく思い当たる節がないんだがな……」



7 : ◆DefgSpEO2U 2014/05/24(土) 20:24:38.60 ID:9elYANWEo

キョン「なあ、ハルヒ。さっきの話なんだが……」

ハルヒ「何よ?」

キョン「SOS団がもうひとりいたんじゃないかってやつだ」

ハルヒ「ああ、あれね。あんたもそう思ってきたの?」

キョン「いや、俺は残念ながらそうは思わないんだがな……。少し興味が出てきたというレベルだな」

    「お前は何をもってそう思うんだ」

ハルヒ「本当に大したことじゃないのよ。幻影でも見てるって言われたらそれまでのような気もするのよ」

    「小さいころに妖精が見えた、とかうそぶく子がいたじゃない? あんなレベルなのかもしれないわ」

キョン「……」



8 : ◆DefgSpEO2U 2014/05/24(土) 20:26:09.83 ID:9elYANWEo

ハルヒ「ただね、部室にいるときにね、あたしの席からいつも四人を見ていた気がするのよ」

    「あんたとゲームしてる古泉くんとメイドのみくるちゃん、あとひとり……」

    「……で、いつもここまではイメージが浮かぶんだけど最後に雲みたいなもので覆われちゃうのよねえ」

    「靄じゃないのよ。もっと分厚い、そうね、まるで雪でも降りそうな灰色の雲なのよ」

キョン「雪……?」

ハルヒ「雪って季節でもないのにね。あ、あとね、引っかかってることがもうひとつあるのよ」

キョン「何だ?」

ハルヒ「いつも四人で行動してるじゃない? その割にうまく回ってると思わない?」

キョン「どういうことだ?」



9 : ◆DefgSpEO2U 2014/05/24(土) 20:28:29.40 ID:9elYANWEo

ハルヒ「あんたは基本的に雑用じゃない? みくるちゃんは萌え要因。古泉くんは堅実な仕事をしてくれるけど……」

    「なんかこう、安定感にかけるのよ。もちろんあたしがいることで相当な戦力アップは間違いないんだけど」

キョン「お前が俺のことをどう思ってるのかよくわかったよ」

ハルヒ「だって事実じゃない。うまく説明ができないんだけど、絶対的な安心感が足りないのよ」

    「直接的にじゃないんだけど、この子のおかげであたしは無茶できるっていうような精神的な安定」

キョン「随分と殊勝なこというじゃないか」

ハルヒ「うるさいわね。そう、例え世界が崩壊したとしてもきっとこの子は本読んでるわねっていう感じの」

キョン「……よくわからん例えだが、それは確かに安定感があるな」

ハルヒ「でしょう?」

キョン「待て、子ってことはそいつは女なのか?」



10 : ◆DefgSpEO2U 2014/05/24(土) 20:30:15.52 ID:9elYANWEo

ハルヒ「そりゃそうでしょう」

キョン「なぜ言い切れる? 理由は?」

ハルヒ「SOS団の部室にこれ以上男は要らないもの。あんたひとりでも十分暑苦しいのよ?」

   「誰か追加できるなら物静かな女の子を捕まえてくるに決まってるわ」

キョン「眼鏡をかけた、か?」

ハルヒ「キョンのくせによくわかってるじゃない!」

キョン「……それはすべてお前の希望だというオチじゃないのか?」

ハルヒ「否定はできないわね。ただ、そこまで思うなら探しに行けばいいと思わない?」

キョン「いつものお前ならもう連れてきてそうだけどな」

ハルヒ「それよ。まったくそういう気にならないのよ。それどころか、すでに見つけたような気さえしてるわ」

キョン「それはなんかいつものお前らしくないような気がするな」

キョン(本当に誰かいたのか……?)



11 : ◆DefgSpEO2U 2014/05/24(土) 20:31:41.16 ID:9elYANWEo

キョン「朝比奈さん」

みくる「はい?」

キョン「ハルヒに連れて来られたときのことを憶えていますか?」

みくる「……はい」

キョン「あまりいい思い出ではないと思うんで恐縮なんですが、あのとき部室に誰がいたか憶えていますか?」

みくる「えーっと、涼宮さんに強引に手を引かれて……、キョンくんがいて……、奥で古泉くんが本を読んでました」

キョン「それ以外に誰かいませんでしたか?」

みくる「いなかったと思うけど……。どうしてですか?」



12 : ◆DefgSpEO2U 2014/05/24(土) 20:32:20.09 ID:9elYANWEo

キョン「いや、またハルヒが変なことを言ってるんですよ。SOS団は全部で五人いたんじゃないかって……」

みくる「五人……」

キョン「朝比奈さんはどう思いますか? 俺はただの勘違いだと思うんですが、古泉は疑ってみる必要があるって」

みくる「涼宮さんがそう言ったんですよね?」

キョン「ええ」

みくる「それならあたしも念のために確認してみます。でも今のところ五人いたような気はしませんけど……」

キョン(朝比奈さんはあまり期待できそうにないな……)



13 : ◆DefgSpEO2U 2014/05/24(土) 20:34:04.80 ID:9elYANWEo

キョン「わからなくなってきた」

古泉「と、いいますと?」

キョン「お前と話したあと少しばかり気になってきてな、ハルヒと朝比奈さんと軽く話してみた」

古泉「それで首尾はどうでした?」

キョン「まずハルヒと話しててだな、イメージが重なる部分があったように感じた」

古泉「それはどんな?」

キョン「眼鏡だ。部室で誰かが眼鏡をかけていたような気がしてきた」

古泉「それはあなたの好みの問題ではないんですか?」

キョン「俺に眼鏡属性はないと言っただろう。恐らくお前の機関の情報にも入っているはずだ」

古泉「……そうでしたね。ただ、涼宮さんの好みの傾向としてはあります」

キョン「何? じゃあ何で眼鏡の団員がいなんいだ?」



14 : ◆DefgSpEO2U 2014/05/24(土) 20:36:17.47 ID:9elYANWEo

古泉「はて、何ででしょうね? たまたま見つからなかったんでしょうか……」

キョン「まだなんとも言えんな。あとな、ハルヒは物静かな女の子が欲しいと言った」

古泉「……」

キョン「なおかつ、欲しいけど探しに行く気にならないと。すでに見つけているような気さえすると」

    「何かこれはおかしくないか? いつものハルヒならそういう足踏みのようなことはしないはずだ」

古泉「確かに違和感を感じますね。猪突猛進というタイプですし、逡巡していること自体が不思議な気がしてしまいます」

キョン「あとな、ハルヒが何気なく言ったんだが、『雪』という言葉に俺は何か感じるところがあった」

古泉「雪? snow、空から降ってくる雪ですか?」

キョン「腹の立つ言い方だな。だがそうだ。雪だ」

古泉「あなた自身が雪に対する思い入れがあるんじゃないですか?」



15 : ◆DefgSpEO2U 2014/05/24(土) 20:38:17.37 ID:9elYANWEo

キョン「寒いのはどちらかというと苦手だし、特に思い入れもないはずだ」

古泉「ふん。他には何かありましたか?」

キョ
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    コメント一覧

      • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年05月24日 23:51
      • 5 ハルヒのSSだ!!!!!!
      • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年05月25日 00:00
      • 5 長門のSSだ!!!!!!

    はじめに

    コメント、はてブなどなど
    ありがとうございます(`・ω・´)

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