日本のラノベをハリウッドで実写化!その裏側を監督&プロデューサーが明かす - シネマトゥデイ
[シネマトゥデイ映画ニュース] 日本の小説家・桜坂洋のライトノベル「All You Need Is Kill」をハリウッドで実写化した『オール・ユー・ニード・イズ・キル』のプロデューサーを務めるアーウィン・ストフが、ダグ・リーマン監督と共に、小説を映画化する際の心構えを明かした。当初は原案がライトノベルだとは知らなかったというストフは「若者向けの小説だと知っていたら、映画化しなかったかもしれない」と冗談とも本気ともつかない様子で漏らしていた。
<中略>
そうした改変は、時に批判をも招くことになるが、ストフは「原作がある映画の場合、観客がある程度、原作をそのまま映像化した映画を期待するのは仕方のない部分があります。でも、フィルムメーカーはそうしたファンの期待に応えるために映画を作るのではありません。いい映画を作ることがフィルムメーカーの責務であり、目標なのです」とキッパリ。原作コミックから主人公のビジュアルを大幅に変えた2005年の映画『コンスタンティン』を例に挙げると、「あの作品は、まだ誰も観ていない時から『ひどい作品に違いない』と言われ続けていました。でも、コミコンで映像を披露した後、そうした批判は一切なくなりました。そこからわたしが学んだのは、原作ファンにおもねるのではなく、いい映画を作ることを第一に考えるべきだということです」と持論を展開した。
そうした考えは、本作の根幹にもある。例えば、本作は近未来を舞台にしているが、今(2014年)から8年後という映画オリジナルの設定が付け加えられている。リーマン監督いわく、「だから、映画に出てくるテクノロジーで、今、僕たちが知らないものは何もない」。パワードスーツは自動車メーカーのトヨタが開発したという裏設定など、小説にはないディテールをたっぷり盛り込んであるが、それらは全て、”いい映画“を作るためのものだ。
「小説は、それ自体で完結しているものです。だから、それを基に映画を作ろうというときは、映画もそれ自体で完結している必要があります。もちろん、わたしたちは原案へのリスペクトを忘れているわけではありません。でも、小説と映画は別物だと思ってください。わたしにとって、『小説をそのまま映画にしたみたいだ』というのは褒め言葉ではないのです」とストフ。その言葉には、リーマン監督もうなずいていた。(編集部・福田麗)
映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』は7月4日より全国公開
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