奉太郎「やらなくていいことは…」える「何くだらないこと言ってんのよ!」
- 1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2014/05/24(土) 13:24:26.51 ID:pAAXwghI0
奉太郎「高校生活といえば薔薇色、薔薇色といえば高校生活」
奉太郎「しかし、勉強にも色恋沙汰にも興味を示さない」
奉太郎「いわゆる灰色を好む高校生も…」
える「なにわけわかんないこと言ってんのよ」
奉太郎「いや訳わかんない、っておまえな…」
える「あんたの演説聞くためにわざわざ来たんじゃないの」
奉太郎「さいで」
\- 2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/24(土) 13:28:22.10 ID:pAAXwghI0
奉太郎「本日はどんな御用で? お嬢様」
える「古典部に入るわよ」
奉太郎「は?」
える「聞こえなかったの? 古典部に入るの!」
奉太郎「入ればいいんじゃないか。わざわざ俺に報告することじゃないだろう」
える「だーー!あんた分かっててやってるんでしょ」
奉太郎(バレたか…)
- 8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/24(土) 21:09:58.89 ID:pAAXwghI0
奉太郎「俺も古典部に入れと?」
える「そいういうこと」
さて…この場をどう切り抜けようか…
このわがままお姫様、える嬢には何度も振り回されてきたが、それはすべて一度きりで終わった。
だが部活動は継続的、下手をすれば卒業するまで続く。
里志「あ、いたいた。やっぱり千反田さんも一緒か」
える「福部くん」
- 9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/24(土) 21:16:27.93 ID:pAAXwghI0
里志「どうしたんだい? またホータローが問題でも?」
また、とはどういうとだ里志。
える「そうなのよ。このあたしが直々に誘ってるのにゴネてるのよ。信じられない」
自信過剰な物言いにも小学校からの付き合いなので慣れてきた。故、腹は立たない。
里志はえるから詳細をひとしきり聞くと、クスクスと笑った。
里志「部活かぁ。ホータローには未知の領域だね」
奉太郎「お前は何かやってるのか?」
里志「手芸部に総務委員。個人的な趣味でサイクリング」
反撃のつもりで聞いたのだが、逆効果だった。
- 10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/24(土) 21:18:14.94 ID:pAAXwghI0
える「ほら、福部くんなんて掛け持ちじゃない。どうせ暇なんでしょ」
えるに余計な反論材料を与えてしまったか。
える「名前に奉がついてるんだから、少しは奉仕をしなさいよ」
奉太郎「その理屈はおかしいだろ」
- 11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/24(土) 21:24:41.58 ID:pAAXwghI0
里志「千反田さん、その部活、僕も入っていいかな」
える「ええ、いいわよ」
える「ほら、早く決めなさい」
こうなってしまった以上、降参するほかあるまい。俺はせめてもの抵抗として眉をひそめた後、
奉太郎「わかったよ。おまえの好きにしろ」
えるの浮かべた満面の笑顔を、俺は不覚にも可愛いと感じた。
- 12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/24(土) 21:41:56.80 ID:pAAXwghI0
里志「運命の女神とでも思えばいいんじゃないかな」
帰りの道中、里志がこう切り出した。あの後結局、活動はせず部室の場所を確認して帰路に就いだたのだ。
奉太郎「とんだ女神だ。な。まあルックス的には女神か」
里志「それより千反田さん、どうしたんだろうね。急に部活なんてさ」
奉太郎「あいつのやることはわからん。何か企んでるってことしかな」
。
里志「聞いてないのかい?」
里志が驚きの声をあげた。
奉太郎「聞いても無駄だろう。そんな重要なこと、言わないってことは言いたくないってことだからな」
いや、まてよ。こんなふうに俺が考えるということも俺が運命の女神の手の内なのだろうか。
あいつは好き勝手にふるまっているようで、自制するところは自制するし、フォローや手回しも的確だ。
その部分は俺も見習うべきだと思って居る。
- 14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/24(土) 21:45:54.42 ID:pAAXwghI0
俺がえるに不思議と嫌悪感を抱かないのも、そんな能力があるからなんだろう。
里志「まあ、楽しくなりそうだよ。よろしくねホータロー」
奉太郎「ああ」、
その日は高校入学以来初の夕方帰宅となった。
- 21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/25(日) 22:38:11.70 ID:KOLU8sil0
える「イェーイ! またあたし、一番!」
古典部はババ抜きに興じる部活なのか。否。それは遊戯研究会の領域だ。
存在するかはわからないが。
里志「神懸かりだね。これで四連勝だよホータロー」
奉太郎「わかってるさそんなこと」
省エネ主義者は物事の勝ち負けに一喜一憂しない。だがこうやられっぱなしだと
気に入らない。
奉太郎「たった三人しかいないんだ。同じ奴が勝ち続けるなんてそうそう珍しくないだろう」
そうだ。偶然さ。神が関与しているんだから防ぎようがない。
- 22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/25(日) 22:48:32.04 ID:KOLU8sil0
俺は里志のカードを引っこ抜きながら、ほかのトランプゲームをやることを提案した。
む、ついに引いてしまったか。里志が会心の笑みを浮かべた。
える「嫌よ。ババ抜きより楽しいものなんてないわよ」
里志「そうなのかい? 大富豪とか他のクラスで流行ってるみたいだけど」
える「ルールがややっこしくて。都落ちだの8切りだの、そんなのなくたっていいのに」
それが面白いんじゃないか、と言おうとして飲み込んだ。こいつと議論になったら勝てない。
勝てない勝負は避けるのさ。
える「ババ抜きは変なルールも少ないし単純だから」
- 23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/25(日) 22:54:20.78 ID:KOLU8sil0
いつの間にか勝負は決していた。里志の持ち札はゼロ。俺の負けだ。
える「はい、ホータロー罰ゲーム」
おい、事後法は憲法違反だぞ。
える「お菓子とジューステキトーに買ってきて」
奉太郎「ああ。目をつぶって選んでくる」
俺えるから金を受けとった。
その時、ノックの音がした。
- 26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/26(月) 07:35:41.69 ID:D1Jtw0SR0
奉太郎「あ」
冬実「久しぶりだな奉太郎。対面したのは高校入学して初めてだったか?」
える「おー、冬実さん」
いやおかしい。なんでここに冬実さんが来るんだ。地学準備室に用事?
ありえない。忘れ物なら地学室に行くし、教師に用があるなら職員室だ。
冬実「君とは初対面だな」
里志「1年の福部里志です」
冬実さんと里志が握手を交わしていた。
まあ自分で考えるより聞いた方が効率がいい。
奉太郎「なんで突然ここへ? 俺たちが部活してるってこと言いましたっけ?」
冬実さんはなぜかえると顔を見合わせ、ニヤリと不気味な笑みを浮かべた。これはまさか…
- 28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/26(月) 08:52:59.93 ID:D1Jtw0SR0
詳しい経緯はよく覚えていないが、えると親交があった影響で冬実さんとも交流するようになった。
つまりこの人も小学校からの腐れ縁である。こうも癖の強い人間と一緒にいれば、ちょっとやそっとのことで
動じなくなる。あれは高校入試の時、面接の順番待ちをしている時の話だ。廊下に並べられた椅子に座って待つのだが
隣の奴に、おまえはどうしてそう平気な顔をしているられるんだ、と言われてしまった。
あの二人と常に対面しているのだから、高校入試の面接ぐらいでは何とも思わないのだ。
これをえると冬実さんに言えば、あたしたちに感謝ね、とさらに調子にのるのが目に見えて分かるので
一生言わないことにしている。
- 30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/26(月) 09:08:51.00 ID:D1Jtw0SR0
冬実さんのあの顔は何かを思いついた顔だ。それは大抵ろくでもないことだ。
奉太郎「すいません、僕行くところあるんで。さっきえるにお菓子買ってこいってパシられたんですよ」
冬実「それなら心配及ばない。ほら」手に持っていた紙袋を掲げて中身を取り出した。脱出失敗。
里志「おお、カステラ!」
カステラぐらいで何を騒いでるんだ里志。
里志「神山市でも有名なお店のやつですよね?」
冬実「ほう。良く知っているな。君もお菓子が好きなのか?」
奉太郎「こいつはこの手の雑学に強いんです。データベースを自称するほどですから」
里志「結論や推理は無理ですけど」
冬実「なるほど。では問題だ福部くん。人気ライトノベル涼宮ハルヒの憂鬱の一巻が刊行されたのはいつ?」
里志「2003年。意外。と古いんですねあの本」
冬実「どうやら自称ではなさそうだな」
- 31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/26(月) 09:14:05.60 ID:D1Jtw0SR0
俺はというと、問題の意味すら分からなかった。らいとのべるってなんだ?
小説が光ってどうする。
冬実「では奉太郎に問題。私はどうして古典部の存在と部室の場所を知っているのか」
える「考えればわかることよ、奉太郎」
さっきの笑みの理由がわかった。冬実さんとえるはこれがやりたかったのだ。
- 32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/26(月) 15:10:00.04 ID:D1Jtw0SR0
省エネ主義的に、断る、と突っぱねたいところだが相手はこの二人。
里志「へぇ、面白そうだね。僕も知りたいな」
里志も味方してくれそうにない。
奉太郎「える、お前確か古典部に入る、といったよな」
入る、の部分を強調した。
える「いったわよ」
奉太郎「ということはだ、創部したのではなく元々あったということだ」
える「うんうん」
えるが満足そうに頷く。
入須「ずいぶんと慎重に運ぶな」
奉太郎「外したらこのえるが何を言い出すかわかりませんからね」
- 33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/26(月) 15:18:13.87 ID:D1Jtw0SR0
奉太郎「もう一つ、お前は古典部の活動内容を知っているか?」
これはこんな問題を吹っかけられなくても聞きたかったことだ。
える「えっ? さぁ」
奉太郎「は?」
里志がクスクスと笑う。なにがおかしいか!
奉太郎「わかった…」
活動内容も知らないのに入部を希望する、そんな状況は…
奉太郎「里志、神高の部活動規定は?」
里志「一定期間内に部員が4人以上そろわなければ廃部、僕らはもう一人だね」
なぜか得意げな里志。なるほど。期限内に誰もこなければ省エネ生活の再来か。
と、問題はどうして冬実さんが古典部の存在、活動場所を知っているのか、だ。
- 36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL):2014/05/26(月) 15:27:03.57 ID:D1Jtw0SR0
奉太郎「える、おまえが教えたんじゃないのか?」
冬実「それは違う。入学一か月で全部活を把握している者はいなコメント一覧
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- 2014年05月29日 23:07
- ハルヒとキョンにしか見えないんですがそれは
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- 2014年05月29日 23:08
- まやかたそ・・・
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- 2014年05月29日 23:20
- 確か原作は2000年だったよな
ハルヒは無かった
まぁアニメで考えりゃ良いんだけど
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- 2014年05月29日 23:23
- なにこれ
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- 2014年05月29日 23:36
- おっ、おぉう
なんか、うん…
-
- 2014年05月29日 23:42
- 杉田とハルヒが交代しただけじゃねえか
-
- 2014年05月29日 23:45
- なんか…
古典部と絡める意味がわからない
-
- 2014年05月29日 23:52
- で?
何?これ
-
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