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モバP「財前時子の黄昏」|エレファント速報:SSまとめブログ

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モバP「財前時子の黄昏」

1: ◆yfWmR9mD4k:2014/05/30(金) 22:35:47.70 ID:lvugMuUGo

―――――――――――一ヶ月前、繁華街


時子「はぁ……」

1_1

財前時子(21)

時子「鬱陶しいわね……」

時子「日差しも暑苦しいけど、豚どもの姿が更に拍車をかけるわ」

時子「頼むから話しかけないで頂戴」


P「あっ、そこのあなた!」


時子「あぁ?」

時子(ほら、来たわ)



2: ◆yfWmR9mD4k:2014/05/30(金) 22:37:11.51 ID:lvugMuUGo

P「ちょっといまお時間よろしいですか?」

時子「何よ?」

P「よかったらお話しませんか?」

時子「なんで?」

P「え? えと……」

時子「そもそも、あなた誰? 名前も名乗らず話を聞かせろとかふざけてるの?」

P「あ、あ……す、すいません。僕はこのようなもので……名刺をどうぞ」

時子「……芸能事務所……プロデューサー?」

P「そうです。あなたを見てティンときました。うちの事務所に所属してみませんか?」

時子「お断りよ」

P「えっ」



3: ◆yfWmR9mD4k:2014/05/30(金) 22:38:05.21 ID:lvugMuUGo

時子「どうせ、いかがわしいDVDの事務所とかでしょ? バカにするのも大概にしなさい」

P「ち、違います! ちゃんとしたアイドルの事務所です!」

時子「あのねぇ……ちゃんとした事務所なら入るには、書類審査やオーディションが必要でしょ?」

P「それは……大手だと、そうなりますが」

時子「じゃあ、ちゃんとしていないじゃない? 素人だと思ってバカにしないでほしいわね」

P「で、でも……僕は!」



4: ◆yfWmR9mD4k:2014/05/30(金) 22:38:55.77 ID:lvugMuUGo

時子「どうせ水商売や下品な仕事でしょ? 反吐が出るわ」

P「そんな事ありません!!」

時子「!」

P「あっ……すいません」

時子「な、なによ? 大声出せば怯むと思って?」

P「でも! 僕はあなたならできそうだと信じて……」

時子「みんなそう言うのよ、男は。それで情を惹きつけようとする……小賢しいわね」



5: ◆yfWmR9mD4k:2014/05/30(金) 22:39:38.56 ID:lvugMuUGo

がしっ


P「お願いです! 一度、事務所に来てみてください! あなたならやれます!!」

時子「さわら……ないでよっ!!」


ぴしいっ!!


P「あうちっ!!」

時子「!……」

P「いたたた……な、なんでムチなんか……」



6: ◆yfWmR9mD4k:2014/05/30(金) 22:40:18.92 ID:lvugMuUGo

時子「……」

P「あの……?」

時子「!!……ふ、ふんっ! 今日びの女が丸腰だと思ったら大間違いよ。バカな豚をしつけるために武器くらい持ってるわ」

P「えっ……」

時子「とにかく私の目の前から消えなさい。さもなくば、もう一撃があなたの顔面をとらえるわよ?」

P「ひ、ひいっ!」

時子「男って……本当に下衆な生き物ね」

P「あ……ま、待ってますから! 気になったらいつでも連絡してきてください!」

時子「さようなら」



7: ◆yfWmR9mD4k:2014/05/30(金) 22:41:09.66 ID:lvugMuUGo

――――――――――――一時間後


時子「まったく……久しぶりに街に出てきたと思えばロクなことないわね」

時子「こういう時は、さっさと帰るに限るわ」

時子「本当に……なんて男なの……」

時子「……でも」

時子「なんか……違う……あの男……」

時子「わからないけど……」

時子「どうしてこんなに気になるの……」


P『そんな事ありません!!』


時子「この私に……まっすぐ向かってきたから?」

時子「そんな馬鹿な……」

時子「世迷い言よ……どうやら暑さにやられてしまったみたいね……私らしくもない」

時子「チッ!……イライラする!」



8: ◆yfWmR9mD4k:2014/05/30(金) 22:41:44.81 ID:lvugMuUGo

チャラ男「へーい、おねえさんっ! ウチの店こない? おごるよ?」

時子「……」イラッ


ぴしっ!


チャラ男「いでえっ!」



9: ◆yfWmR9mD4k:2014/05/30(金) 22:42:19.61 ID:lvugMuUGo

どんっ


893「おう、姉ちゃん。ぶつかっといて無視たあ、どういうこっちゃ? 風呂屋に沈めるどワレ」

時子「……」イラッ


ぴしっ!


893「いたあいっ!」



10: ◆yfWmR9mD4k:2014/05/30(金) 22:43:10.36 ID:lvugMuUGo

ビラ配りのお兄さん「ただいま、カラオケ980円になってまーす」


ぴしっ!


ビラ配りのお兄さん「いったあ!」



11: ◆yfWmR9mD4k:2014/05/30(金) 22:43:42.09 ID:lvugMuUGo

飼育員「檻からライオンが逃げたぞ! 逃げろー!!」


ぴしっ!


飼育員「あいたあっ!」



12: ◆yfWmR9mD4k:2014/05/30(金) 22:44:14.46 ID:lvugMuUGo

ライオン「グワアアアオオオッ!!」


ぴしっ!


ライオン「きゃうんっ!」



13: ◆yfWmR9mD4k:2014/05/30(金) 22:44:46.15 ID:lvugMuUGo

時子「ダメね……余計にイライラするわ」

時子「……? 名刺?」


P『あ……ま、待ってますから! 気になったらいつでも連絡してきてください!』


時子「…………」



14: ◆yfWmR9mD4k:2014/05/30(金) 22:45:48.05 ID:lvugMuUGo

――――――――――――数日後、事務所


P「よーし、お前ら。朝礼するぞー」

夏樹「はいよー」

14_1

木村夏樹(18)

涼「ういーす」

14_2

松永涼(18)

拓海「おう」

14_3

向井拓海(18)


P「今日はな、最初に報告だ。この度、新しく所属することになったアイドルを紹介する。入ってくれ」


がちゃり


時子「……」



15: ◆yfWmR9mD4k:2014/05/30(金) 22:46:26.83 ID:lvugMuUGo

P「財前時子だ。みんな仲良くな」

涼「うーす」

拓海「なんか、目付きの悪いやつだな……」

夏樹「お前が言うか」

P「それじゃあ、時子。軽く一言を頼む」

時子「……一言?」

P「まあ、自己紹介みたいなものだ。これから仲間になるんだからな」

時子「…………」



16: ◆yfWmR9mD4k:2014/05/30(金) 22:47:25.00 ID:lvugMuUGo

時子「財前時子よ。以上」

涼「……」

夏樹「……」

拓海「……」

P「いや、あのな……」

時子「何よ?」

P「一言とは言ったけど、他に何か言うことはないか? 趣味とかそういうの」

時子「別に必要ないわ」

P「いや……しかし……時子」

時子「しつこいっ!!」


ぴしっ! ぴしっ!!


P「あうっ!! あうちっ!!」



17: ◆yfWmR9mD4k:2014/05/30(金) 22:47:57.95 ID:lvugMuUGo

涼「いきなりムチ攻撃かよ」

拓海「ブッ飛んでやがるな」

夏樹「感心してる場合かっ! 止めるぞ!!」 

涼「おっと、そうだ」



18: ◆yfWmR9mD4k:2014/05/30(金) 22:48:47.46 ID:lvugMuUGo

涼「おいおい、もうその辺でやめときなよ」

時子「何故止めるの?」

夏樹「さすがに目の前でぶっ叩かれたら、誰だって止めるだろ?」

時子「止めるようなことでもないでしょ?」

拓海「何言ってんだ、おめー? イカれてんのか?」

時子「よく見なさい。この男が嫌がってるようにみえる?」

P「……うぅ」

涼「えっ?……まさか……」

拓海「アンタ、その気があんのか? 変態だとは思ってたが、ここまでとはな」

P「ご、誤解だ!!」



19: ◆yfWmR9mD4k:2014/05/30(金) 22:49:50.98 ID:lvugMuUGo

夏樹「でも、体を傷つけるのはさすがにな……」

時子「あら? どうやらあなた達は本当に誤解しているみたいね?」

拓海「あ? どういう意味だよ?」

時子「そこのあなた」

涼「アタシ?」

時子「この男のシャツをはぐって背中見てみなさい」

涼「……Pサン、ちょっとごめんよ」

P「あ、こら!」

がばっ

涼「……え?」

拓海「嘘だろ……」

時子「おわかりいただけたかしら?」



20: ◆yfWmR9mD4k:2014/05/30(金) 22:51:23.84 ID:lvugMuUGo

夏樹「……跡がない?」

涼「なんで? あんだけぶっ叩かれてたのに?」

時子「力の入れ方からムチのしなり、体への入射角、手首のスナップ。その時の気温や湿度も加味した上で、最も音が響く叩き方をしているわ」

時子「つまり、体のダメージが残らず音が最も響く叩き方をしているのよ。そこいらの偽物とは一緒にしないでほしいわね」

拓海「よくわかんねえが、すげえ……」

夏樹「すごいのか……?」

時子「どう? これでも止める?」

涼「まあ、痛いわけじゃないならな……」

P「いや、結構痛いぞ!!」

拓海「世話かけやがって。おい、レッスン行こうぜ」

夏樹「そうだな」

涼「そんじゃーなー」

P「おいおい! お前ら……」



21: ◆yfWmR9mD4k:2014/05/30(金) 22:52:06.44 ID:lvugMuUGo

がちゃり


P「……」

時子「フフフ……さあ、これで心置きなくご褒美をもらえるわね?」

P「い、いや! ちょっと待て時子!」

時子「さっきから時子時子って呼び捨てにして……なんなのアナタ?」

P「そ、そりゃあ……お前年下だし……」

時子「と・き・こ・さ・ま・でしょ? 立場をわきまえなさい、豚」

P「で、でも……」



22: ◆yfWmR9mD4k:2014/05/30(金) 22:52:43.83 ID:lvugMuUGo

時子「口ごたえしない!」

P「ひいぃっ!」


ぴきっ  ぱきーん


時子「!!!」

P「あ」


時子「私の……ムチが……」

P「……真っ二つだな」

時子「そんな……」


時子「…………あぁ」



23: ◆yfWmR9mD4k:2014/05/30(金) 22:53:34.70 ID:lvugMuUGo

――――――――――――数日後、事務室


時子「………………」ズーン


涼「……」

夏樹「……」

拓海「……」

時子「………………」ズーン

拓海「だああああっ!!」

涼「わっ、びっくりした」

拓海「なんなんだよ! 朝から辛気臭え雰
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    コメント一覧

      • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年05月30日 23:49
      • お客様の中にドMな方はいらっしゃいませんかー?
        時子様が軽く世界一周旅行したら、世界はちょっとだけ優しくなれるかもしれない
      • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年05月30日 23:55
      • 俺、鞭作って貰ってくるわ

        そんで時子様にぶったたかれに行ってくるわ

    はじめに

    コメント、はてブなどなど
    ありがとうございます(`・ω・´)

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