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http://japanese.engadget.com/2014/05/30/nhk-1-3300-35mm-8k/


NHK技研公開:1億3300万画素の35mmフルサイズセンサ公開、8K動画撮影向け - Engadget Japanese


NHK技研公開2014では、8K SHV(スーパーハイビジョン)の映像とともに、カメラや放送インフラにかかわる要素技術を中心に展示しています。実際に既存のインフラを使った運用の研究や実験も多く、2016年の試験放送を見据えた内容です。

8Kカメラの小型化を目標とした研究のひとつとしては、動画撮影向けに開発された1億3300万画素のCMOSセンサーを展示しています。

35mmフルサイズでありながら、有効画素数15360×8640ピクセルというスペックで、動画撮影用イメージセンサーとしては世界最高の画素数。フレーム周波数60Hzまでの対応なので、現時点ではフルスペック8K SHVには対応していません。

35mmフルサイズである点がポイントで、カメラの設計次第では、市販のスチルカメラ用交換レンズが使用できます。

NHK技研公開2014 8K関連

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8K SHVフルスペックカメラ関連の展示では、カメラの現物と出力映像を紹介。8K SHVの普及を目指し、既存のカメラヘッドと組み合わせて、より安価に8Kのシステムを構築する提案も行なっています。説明員によれば、8Kカメラはまだ台数が少ないうえに非常に高価なので、既存の機材を流用できる仕組みをつくり、実際の番組制作に取り入れやすくすることで、スムーズな普及を促したいとのことです。



既存機材との連携の肝となるベースバンドプロセッサーユニット。2K、4K、8Kの映像を同時に出力することができます。

折しも、フルスペック8K SHVの映像信号を光マルチリンクケーブル1本で伝送できる技術が2014年3月に規格化されており、パネルをよく見ると今年に入ってから標準化された技術も結構あるので、8Kの運用に向けた準備が本格的に進んできていることがリアルに感じられる展示となっています。


8Kカメラの変遷。左から右に古くなっていきます。NHKで最初の8Kカメラが誕生したのは2002年で、重量は80kgもありました。


最新のカメラヘッド。本体のみで2kgにまで軽量化が進みました。

8Kの放送に関する展示では、衛星放送やケーブルテレビを使った8K放送の伝送方式などを紹介しています。研究内容を簡単に言うと、既存の放送インフラに大容量のデータを流す際に講じる工夫です。衛星放送ではデータを圧縮し、ケーブルテレビではデータを分割する方法を採っています。



放送と通信の伝送方式を共通化することで、複数の伝送路を経由してコンテンツの伝送を行なうMMT(MPEG Media Transport)の紹介も行っていました。MMTがもたらすメリットの一例としては、8K放送におけるハイブリッドキャストにおいて、より動的に番組と連携したコンテンツを配信することが可能になります。視聴者参加型の4択クイズなどを内容に反映するテレビ番組は現在でもよく見かけますが、いずれはこのクイズ部分がよりリッチな内容になるのかもしれません。



8K SHVにおけるハイブリッドキャストの展示。広い解像度の活用方法を提案しています。画面の中心で放送の映像を表示し、周囲には放送内容に関連した各種情報をウィジェット形式で表示するという体裁です。

情報表示だけでなく、ゲームのウィジェットを表示するデモも行なっていました。展示では各種ウィジェットに関する操作をタブレット端末で行っていました。

このほか、大型8Kディスプレイと22.2chの音響を組み合わせたSHV再生デモなど、体験型の展示も多数あり、技術的な解説がわからなくても楽しめる内容になっています。


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