NHK技研公開2014では、体験型の展示が多く用意されています。
その中のひとつ、
映像の形状や硬さを触覚で伝える技術の展示では、ディスプレイに映し出した映像を仮想物体とし、触れた部分の形状と硬さを触覚として感じることができます。
力覚提示システムと名付けられたこの装置はNHKと東京大学が共同研究している技術で、視覚障害のある人に美術品など立体の形状や硬さを伝えたり、図やグラフなどの形を触覚や力覚で伝えたりすることを目的としています。
センサーによって元となる物体の形状や硬さの分布を測定データ化し、力覚提示装置で複数の刺激を与えることで、感触を再現する仕組み。展示では、指先で目玉焼きの映像に触れて感触を確かめることができます。
人差し指の指先だけではあるものの、目玉焼きの白身と黄身の境界の感触や、それぞれの部位の硬さの違いを感じ取ることができました。
力覚提示システムと並んで、図の形状をドットの盛り上がりと振動で表現する「触覚・力覚誘導複合提示方式」の装置も展示しています。
デモンストレーションでは、天気図の形状をドットで再現し、高気圧あるいは低気圧の部分を振動させることで、重要な情報であることを表現していました。指先を誘導する装置を併せて用いることで、全体の構図や線の軌跡を伝えることで、情報の見落としを減らすという試みです。
指先を装置にセットし、誘導することで、形状の把握と重要な情報を余さず得ることができます。
接触型の体験展示としては、「さわれるテレビ」として、テレビの映像と振動の発生がシンクロするというものがありました。
その場で流れている映像の音声の強弱と、体験用機器の振動が連動するという装置。映像と連動した振動のデータを、スマートフォン経由で手元の機器に伝える仕組み。
映画館などでスピーカーから発せられる大音量の振動を手元で感じている感覚といえば想像しやすいかもしれません。音声と連動する振動によって、より深く映像を楽しむための試みのひとつとしていますが、最終的にどのような形になるかは未定とのことです。
手元の機器が、映像の動きと音声の強弱に合わせて振動します。
このほか、テレビの映像と携帯端末の映像をリアルタイムで同期させるAR技術の展示もインパクトがありました。
最初はテレビの画面内でキャッチボールをしていたキャラクターが、"こちら側"にボールを取りに来る様子を、タブレットで見ることができます。
テレビ画面内にARタグを表示した状態で行うもので、テレビ番組の新しい演出方法として提案していました。
画面外へ飛んでいったボールを、取りに来るキャラクター
画面内のどーも君に向かって投げ返します。
NHK技研公開 2014は6月1日まで、朝10時から夕方17時まで開催中です。入場は無料。
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