「納涼im@s大歌舞伎 『真景累ヶ淵』<豊志賀の死> (しんけいかさねがふち)」
- 1:ランバージャック:2014/06/03(火) 00:29:48.84 ID:m8D40BWL0
あらすじ:病の為顔に出来た腫れ物が元で臥せる富本節の師匠豊志賀(とよしが)、それを献身的に介護する新吉であるが、豊志賀は新吉が羽生屋の娘、お久と仲が良いのを妬んでいる。そこへお久がお見舞いにやってきて…
出演
富元の師匠 豊志賀:如月千早
弟子 新吉:双海真美
羽生屋娘 お久:萩原雪歩
医者 伊東春海:三浦あずさ
蓮見寿司女中 おたけ:日高愛
新吉伯父 勘蔵:秋月律子
噺家 さん蝶:天海春香
- 2:ランバージャック:2014/06/03(火) 00:34:31.09 ID:m8D40BWL0
第一場 <七軒町豊志賀内の場>
- 3:ランバージャック:2014/06/03(火) 00:37:49.90 ID:m8D40BWL0
あずさ「病に障るから、安静にしてないと駄目だからね」
真美「はい、わかりました…」
あずさ「じゃあ、私は帰るわね」
真美「ありがとうございました…はぁ…」
- 4:ランバージャック:2014/06/03(火) 00:38:28.92 ID:m8D40BWL0
「新さん…新さん…」
真美「何、師匠?」
「後生だから、この屏風をどけて…」
真美「風にあたると体に悪いよ…」
「構わないから取ってよ~」
真美「はぁ…それじゃ取るよ…」
「新さん…すまないけど、起こしてくれない?」
真美「起こせってそんな体で起きちゃいけないよ。ゆっくり寝てて」
「でも起きたいのよ~」
真美「…そうだね、寝てばっかじゃ辛いもんね…じゃあ起こしてあげるね…掴まって…」
- 5:ランバージャック:2014/06/03(火) 00:40:12.84 ID:m8D40BWL0
千早「ありがとう…」
真美「はい、これ着て…」
千早「はぁ…もう嫌よ…死んじゃいたい…」
真美「毎日毎日そんなこと言って…そんなつまらない事考えちゃ駄目だよ」
千早「でもね新さん…私とあなたじゃ歳が20も違うじゃない…あなたみたいな若くて、綺麗な人が看病してくれてると…本当に気の毒で気の毒ですまないと思ってるの…病は重くなる一方だし…私が早く死んであげたら、あなたも楽が出来ると思ってね…」
真美「師匠、そんな事言ってたら治るものも治らないよ」
千早「でもね、私の病はただの病じゃないのよ…こんな顔になっちゃって…あなたもこんな醜い顔の女、嫌でしょう…?」
- 6:ランバージャック:2014/06/03(火) 00:40:58.13 ID:m8D40BWL0
真美「い、嫌だったら看病なんてしないよ!そんな事考えると腫れ物に悪いよ」
千早「その腫れ物のせいでこんな顔になっちまったんだ…新さんだって本当は心の中じゃ、私に愛想を尽かしてるんだろうねぇ…」
真美「愛想を尽かすなんて…あっ!師匠、少し腫れが引いたみたいだよ」
千早「嘘ばっかり…そんな気休めは聞きたくないわ…私は毎日この鏡で顔を見てるけど、だんだん腫れてくるばかり…新さん、あなたは口と心とが違ってるのね…」
真美「邪推はやめてよ。口と心が違うなんてそんな事ないよ」
千早「皆、その口で騙されるんだね…」
真美「騙すって…」
- 7:ランバージャック:2014/06/03(火) 00:41:56.40 ID:m8D40BWL0
千早「私が早く死んでしまえば、あなたが心から想っている羽生屋のお久さんと一緒になれるのにね…」
真美「お、お久さんは羽生屋の一人娘だよ!変な噂が広まったら可哀想だよ」
千早「可哀想でございましょうよ!新さんはお久さんばっかり気にかけて、私の事なんか何にも思ってないんだ!…ううう…うわああああん!新さんのばかー!うああああ!」
真美「む、婿取り前のお嬢さんだから、変な噂が広まったら可哀想だって言ったんだよ!」
千早「そう庇うところを見ると、満更でもないんだろうね…」
真美「ああ言えばこういう…困っちゃうよ…」
- 8:ランバージャック:2014/06/03(火) 00:42:30.45 ID:m8D40BWL0
千早「何も困ることなんてないじゃない!私が早く死んでやったら、あなたの思うままになるんじゃないのさ!」
真美「師匠が死んで思うままになるなんて…病に障るからそんな事考えちゃ…」
千早「病に障れば尚更よ!私は一日も早く死んじゃいたいよぉ!」
真美「師匠、もうやめて…」
- 9:ランバージャック:2014/06/03(火) 00:45:29.20 ID:m8D40BWL0
雪歩「御免ください…」
真美「お、お久さん!」
千早「な、何よ急に来て…」
真美「師匠、お久さんに挨拶…」
千早「……」
真美「はぁ…」
雪歩「お体の様子は…」
千早「ふ、ふん…!」
真美「い、良いみたいだね!」
雪歩「これはつまらない物ですが、師匠が好きだと思いまして…」
真美「お久さん、いつもいつもありがとう…ねぇ師匠、お久さんが来たよ…ねぇ師匠…」
- 10:ランバージャック:2014/06/03(火) 00:46:49.70 ID:m8D40BWL0
千早「知ってるわよ…病み呆けてるって言っても、目はまだ見えるんだから…ちゃんとわかってるわよ!」
真美「もう…」
千早「…お久ちゃん、どうもありがとう…」
雪歩「とんでもございません。美味しいかどうかはわかりませんが、どうか食べてください」
千早「美味しいのはそっちでしょうよ…」
雪歩「え?」
- 11:ランバージャック:2014/06/03(火) 00:48:31.65 ID:m8D40BWL0
千早「ボンクラでも、そのくらいの事はちゃんとわかってるわよ…この泥棒猫が!」
真美「し、師匠!そんな事言ったらお久さんに失礼…」
千早「新さん、ちょっと黙っててくれない」
真美「師匠!」
千早「いいから黙ってて頂戴!」
真美「は、はい…」
- 12:ランバージャック:2014/06/03(火) 00:49:43.06 ID:m8D40BWL0
千早「…お久ちゃん、私あなたにちょっと話したい事があるんだけど…だからね、こっちおいでなさいな…」
雪歩「え…」
千早「おいでなさい…おいでなさい…」
雪歩「うぅ…」
千早「こっち来いって言ってんだろ!!!」
雪歩「ひっ!?」
- 13:ランバージャック:2014/06/03(火) 00:51:53.47 ID:m8D40BWL0
千早「お久、あなたが毎日毎日私の所へ見舞いに来るのは、他に目的があるんでしょ?年端もいかないくせに、病人をだしに使うなんて…年上を馬鹿にするんじゃないよ!」
真美「し、師匠!お久さんに失礼だよ!ご、ごめんなさいお久さん…」
千早「なんであなたが謝るのよ!私はお久に言ってるだけじゃないの!新さんは何かと言うとお久の肩ばっかり持って…やっぱり私の事なんて何とも思ってないんだ!うわああああ!ばかー!お前の顔なんか見たくないからさっさと帰れ!ううう…」
- 14:ランバージャック:2014/06/03(火) 00:52:22.00 ID:m8D40BWL0
真美「な、なんでそんな事言うの!ごめんなさいお久さん…」
千早「だから何で新さんが謝るのよ!何かと言うと新さんはお久を贔屓にして!」
真美「ひ、贔屓になんかしてないよ!」
雪歩「ま、また日を改めてお見舞いに来ます…」
真美「あっ、待ってくださいお久さん!師匠も本心から言った訳じゃ…お久さん!…はぁ…」
- 15:ランバージャック:2014/06/03(火) 00:56:17.10 ID:m8D40BWL0
千早「…はぁあん!いた~い!新さ~ん、いた~い!」
真美「ああもう、だから体に悪いってあれほど言ったのに…」
千早「いた~い!」ガバァッ!
真美「うわっ!?し、師匠、お、お薬飲みましょうね!」
千早「いや~ん!飲みたくない~!お薬飲みたくない~!」
真美「そ、それなら横になろうね、さ、横に…」
- 16:ランバージャック:2014/06/03(火) 00:56:53.12 ID:m8D40BWL0
千早「新さ~ん」ガバァッ!
真美「わわ!?だ、駄目だよ師匠!」
千早「一緒に寝てよ~寂しい~」
真美「こ、ここに居るから大丈夫だよ!ここに居るから…」
千早「うん…うん…」
真美「寝ないと駄目だよ師匠…はぁ…」
- 17:ランバージャック:2014/06/03(火) 00:58:12.36 ID:m8D40BWL0
千早「うわ~ん!行っちゃだめ~!」
真美「うぎゃあ!?どどどどこにも行かないよ→!!」
千早「嫌だ~!行かないで~!」
真美「ここに居るから、居るから大丈夫だよ…よく寝てね…ゆっくりすれば良くなる、良くなるから…はぁ…」
- 18:ランバージャック:2014/06/03(火) 00:59:11.12 ID:m8D40BWL0
真美「もうやだ、こんな生活…散歩にでも行こう…」
真美「……」
雪歩「新さん…」
真美「お久さん…」
雪歩「どこか行くんですか?」
真美「え?…ちょっとそこまで…そうだお久さん、師匠も寝たみたいだから、そこまで一緒に行こうよ…」
雪歩「ええ、良いですよ」
真美「さっきはごめんね…」
雪歩「私の事は気にしなくてもいいですよ」
真美「ありがとう…こっちも必死で看病してるつもりなんだけどね…ああやって当たり散らされると、こっちもどうすればいいのかわからなくなってさ……」
- 19:ランバージャック:2014/06/03(火) 01:00:01.35 ID:m8D40BWL0
千早「……」
千早「新さ~ん…新さ~ん…新さん?ねえ新さん!」
千早「どうしたの新さん…もしかして、お久の所に…う!?ぐぅ…く、苦しい…水、水…悔しい…悔しい!新さん、新さん!お久と一緒に…新さんの不実者!悔しい…悔しいよぉ…う…がは…しん…さ、ん…」
- 20:ランバージャック:2014/06/03(火) 01:00:58.20 ID:m8D40BWL0
第二場 <蓮見寿司の場>
- 21:ランバージャック:2014/06/03(火) 01:02:22.28 ID:m8D40BWL0
愛「お客さん、ご注文は!!!」
真美「握り寿司を…お久さんは?」
雪歩「何でも…」
真美「じゃあ、同じものを」
愛「かしこまりましたー!!!」
雪歩「師匠、今頃あなたを探してるんじゃないですか?」
真美「目が覚めたら探すだろうね…」
雪歩「でも、新さんは本当に良く看病してますよ」
真美「ありがとう…昼なら良いんだよ、昼なら…でも夜になると師匠、柱の所に掴まって、新さ~んって…それがもう怖くって怖くって…逃げだしたくなるくらいだよ…」
- 22:ランバージャック:2014/06/03(火) 01:03:04.11 ID:m8D40BWL0
雪歩「女のしつこいのは大変ですよね…私の所の母親も、私と血が繋がっていませんから、私の事を口やかましくなじるんです…」
真美「そうなんだ…」
雪歩「私も逃げ出したいです…新さん、お願いがあります」
真美「何?」
雪歩「一緒に逃げてくれませんか?」
真美「え!?」
- 23:ランバージャック:2014/06/03(火) 01:03:30.04 ID:m8D40BWL0
雪歩「下総の羽生村と言う所に伯父さんが居るんです。そこへ今度逃げようと思ってたんですけど一人じゃ怖いし…でも、継母の仕打ちにはもう耐えられないし…新さん、お願いです!一緒に逃げてください!」
真美「迷惑じゃない?」
雪歩「迷惑なんてそんな!」
真美「師匠の看病…もう耐えられそうにないし…お久さん、一緒に逃げよう!」
雪歩「本当ですか!?」
真美「本当ですとも!」
雪歩「嬉しい…新さん!」
真美「コメント一覧
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- 2014年06月03日 10:58
- 読めるっちゃ読めるけど台詞の名前と役名が合ってないからイマイチ入って来ないな
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- 2014年06月03日 12:34
- 結構面白かった
いや、元の題材がそうなんだろうけど
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- 2014年06月03日 14:12
- やろうとしたこと自体はいいけどさ、元を知ってるとこれがどれだけひどいか分かるぞ……
寄席は歌丸師匠のが好き 志ん朝師匠のも嫌いじゃないけどね
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- 2014年06月03日 16:53
- 元の噺と全く違う気がするんだがな……
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読みづらいよおおおおおおおおおおおお