大企業がチャリティなどへ寄付をするのは珍しくないことですが、トヨタがアメリカで少し変わった寄付のしかたをしていると話題を呼んでいます。
なんとニューヨークの食糧チャリティに、お金ではなく「効率」を寄付したといい、その結果、待ち時間が90分から18分にまで減ったそうです。
その「効率」が導入されたのが、ニューヨークで行われている人を飢えさせないための「フード・バンク」と呼ばれる、アメリカ最大のチャリティ。
毎年150万人ほどに食糧が配られています。
トヨタを始め、バンク・オブ・アメリカや、デルタ航空、ニューヨーク・ヤンキースなど、大手企業からの寄付により成り立っていますが、トヨタは少し違ったアイデアの寄付を考えました。
「お金」ではなく、トヨタのモットーでもある「改善」だったのです。
トヨタは「かんばん方式」をはじめ、効率を上げるために細部にいたるまで常に改善を追及する企業として知られていますが、それを社外にも適用することがトヨタらしい社会貢献ではないかと考えたそうです。
トヨタのエンジニアがチャリティへ出向きました。
「いったい何を改善できるだろうか」
まず最初に、食料を詰めている箱のサイズを小さくしました。
無駄に空気が入りこむことを改善。
次に、それぞれが箱に食糧を詰めていたシステムの改善に着手しました。
それまでは、ひとり1箱ずつ持って、だんだん重くなる箱を運びながら詰めていたのです。
そこで作業を分散し、流れ作業に変更しました。すると1箱につき3分かかっていたものが、11秒に短縮。
食糧の配給を待つ人々に追いついていなかった仕事量や仕事時間が、急速に合理化したのです。
当初ボランティア側は、「エンジニアが来たところで何ができるのか」と思っていたそうですが、この改善ぶりに驚いたようです。
海外掲示板には、このトヨタの「寄付」に対する大きな反響が寄せられていました。
●これがそれを説明する動画だよ。
Meals Per Hour - YouTube
↑これはすごい。専門知識がいろんな問題をそれほど速く解決することがね。新しい箱の利便性もいいね。
↑もう自分は効率が大好きだ。これを戦略・計画の授業で生徒に見せたい。効率でいったい何ができるかを気づかせるためにね。
●仮説だが、自由主義者で自由市場の実行を主張したかったり、チャリティを後押しをしたい人は、ここですべきだ。
●トヨタのやり方は、もはや陳腐な言い回しになってきているが、少なくとも効率の良さは否定できないな。
●少なくとも肉体労働はオーストラリア人1人になった。
●興味深いのは、トヨタの手法であるこの合理化は、もともと第二次世界戦争後に日本を再建するために、アメリカらから日本に導入されたものであること。
↑アマゾンで働いていたとき、そこでも日本から雇われた専門家が合理化に力を入れていた。倉庫を分析して、どこが合理化できるかを全て考えているんだ。英語は一切話せない日本人だったので通訳者まで雇っていた。
↑それって合理的とは思えないんだけど。
↑英語を学ばせるより合理的だろ。
●シックス・シグマ（品質管理手法）、ばんざい！
（シックス・シグマ - Wikipedia）
●トヨタの生産システムを学んでからは、トヨタ以外の車を絶対に買わなくなった。それ以外でクオリティに信頼を置ける車はドイツの高級車ブランドだが、値段が2倍する。
●うちの義理の母がフードバンクでボランティアしているよ。トヨタの人がそこら中でメモをとっていたと言ってた。
●オタワ（カナダ）にも来てくれないかな。フードバンクに行くたびに効率の悪さをすごく感じるんだ。食糧がもらえるまでに2時間もかかる。
●そういえばアフリカの食糧を配るのに、みんなに行き届かないのは食糧が集まらないからではなく、物流の問題って聞いたな。
寄付というと金額ばかりが注目されがちですが、得意とする分野で社会貢献できているのは、すばらしいですね。
TIL that in lieu of money, Toyota donated efficiency to the Food Bank of NYC.
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