政府が非正規の労働者働きぶりを”3レベル”で評価して、資格を与えるという

制度を作ろうと検討しています。

労働者
http://factsanddetails.com/japan/cat24/sub156/item908.html

10日、安倍政権は新成長戦略に非正規労働者の「資格制度」を持ち込もうとしていることが判明。

厚生労働省から委託を受けた業界団体が非正規労働者の「働きぶり」を評価し、上級、中級、初級の3段階

でレベル分けした「資格」を与え、「上級」資格を得た労働者は正社員や転職に有利になるという内容。

すでに日本百貨店協会(流通)、日本生産技能労務協会(派遣)などサービス業4団体がこの制度に理解を示

しており、早ければ2016年度から実施予定とのこと。

労働者(2)
https://www.flickr.com/photos/junonamkoonglee/9275332992

しかし、この新制度に批判的な意見も・・

神奈川県で労働基準監督署長をつとめた村木宏吉氏は、次のように語っています。

「資格試験が実際にどのように実施されるのか分かりませんが、真っ先に危惧されるのは非正規労働者の労働環境のブラック化です。
接客などの“サービス”は店舗の立地、働く人の数に大きく左右される。
善しあしを第三者が客観的に評価するのは極めて困難だし、適しません。
にもかかわらず、非正規労働者が“働きぶり”で高評価を得ようとすれば、必然的にサービス残業を増やしたり、経営側の無理な要求にも従わざるを得なくなると考えるのが自然です。
しかも、『上級』の資格を取ったからといって、正社員になれる保証はまったくない。非正規雇用の間で序列と格差を生むだけの結果になると思います」

「厚労省が狙っているのは新たな天下り先の確保でしょう。
新しい資格制度を次々につくれば許認可する公益法人や出先機関をつくる大義名分が生まれる。
『非正規雇用のため』と言いながら、自分たちの利権のためにやろうとしている政策にしか思えません」

(引用元:http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/150857)

なお、前日の9日は東京メトロ(地下鉄)で働く契約社員ら4人が、正社員との間に 大きな賃金格差があるの

は有期雇用を理由にして不合理な労働条件の格差を設けることを禁じている労働契約法に違反するとして、

裁判を起こしています。

今回の件に【ネットの声】は・・

  • 非正規労働者にも格差か
  • 現代のカースト制度
  • 非正規同士でギスギスしそう
  • 企業によってはバイトリーダーとかも既にあるね
  • どうやって評価すんだよ
  • 形骸化しなければ多少やる気につながるだろう
  • どんどんピラミッド化が進むな
  • 流れ作業とか単純作業で上級とか初級とか区別する基準あるの?
  • 企業側が「正社員」になれるのを保証してくれりゃいいけどさ
  • 履歴書に「初級」とか「上級」とか書くのは違和感あるな

などがあるようです。

上級や中級というネーミングはよくないと思いますが、非正規労働者のほとんどは役職がなく、履歴書だけで

は「働きぶり」が分かりにくいため、きちんと運用されたら多少の効果はありそうです。

ただ記事中の木村氏が語っているように、この新制度を企業側が悪用する弊害も考えられますので、その点

も実施前にクリアーする必要があります。