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ジール「ラヴォスエネルギーか……」|エレファント速報:SSまとめブログ

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ジール「ラヴォスエネルギーか……」

1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/02(月) 22:49:37.13 ID:x27B8ZyIo

女王「おろか者め……! ちっぽけなお前達の力などラヴォス様には通用せぬわ!」

女王「わらわからの、おくりものだ。永遠の生命、受け取るがよいわ! ラヴォス様と一体となってな!
ククク……! ハーッハッハッ!!」

サラ「に……、逃げてください……クロノ……! あの生命には人の力では……」

クロノ「……」

女王「クロノと言ったか……サラの言うとおり、しっぽをまいて逃げ出したらどうだ?自分の命はおしいであろうが? クックック……。ハーッハッハッ……!」

クロノ「……」チャキ

女王「ほう、やるというのか? お前に何が出来る?その傷ついた体で、ただ一人ラヴォス様にいどむというのか?」

女王「ククク……。[ピーーー]い、虫ケラめが! ラヴォス様の力を見よ!」






許されるはずはないけれど……

どうか母を この国を……

にくまないで……。







――――――――

――――
――




2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/02(月) 22:50:34.62 ID:x27B8ZyIo

ジール「しかし、不思議な石よ。何者かからエネルギーを吸い取っておるようじゃ」

ボッシュ「ホッホッホ、流石ですな、的を得ているかもしれませんぞ、その考えは」

ジール「茶化すでない。何かもわからぬ摩訶不思議な力に頼ってこの国を支えとうないのじゃ」

ジールは怪訝そうに手に持った赤い石を目の前に持っていく
血のように赤々としたその石からは、ジールの手を通して明らかな力を感じさせていた

ボッシュ「ホッホ、まだ研究が終わっていないから確実なことは言えませんな。しかし、その石は従来の星の力のエネルギーを遥かに凌駕するエネルギーを作り出せるようですのじゃ」

ジール「制御できれば、かの……」

あまり晴れた顔をしないジールに、ボッシュは苦笑する

ボッシュ「ご安心くだされ。我々3賢者が必ずお役立ち出来るようにしてみせましょう」

ボッシュは力強く説得する。3賢者に勝る知識を持った者は、この国には居ない
ボッシュは何としてでもこの研究を成功させたかったのだ。これは、ジールにとっても、この国にとっても良いことであるはずだ

事実、従来の星の力……天冥火水の力を引き出す物質は年々減っていて、いつまでもこれに頼っているわけには行かないのも事実だ
それの代替となりえるエネルギーはボッシュの思っている通り、ジールにとっても喉から手が出るほど欲しい力であった

……だからこそ、ジールは必要以上と思われるほど慎重になっているのだ

ジール「うむ、期待しておる。報告ご苦労であったボッシュ。下がってよい」

ジールは女王の椅子から立ち上がると、赤い石をボッシュに手渡しする。ボッシュは申し訳ないように、膝をついて石を受け取った
物を受け取る時は私から行くと前までは口うるさく言っていたのだが、もう諦めたのかこの様子だ
ジールはどんな身分の人にも身近である存在で居たかったのだ

ボッシュは女王であるべき態度があると言っていたが

ボッシュ「では」

ボッシュは立ち上がると、大きな扉を開けて、出て行った
ジールは女王の椅子に戻ると、先ほどまで石を持っていた手を見つめた


ジール「……何もなければよいが」



3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/02(月) 22:51:48.46 ID:x27B8ZyIo

扉の開く音が響く
ジールは手を下げると、少し警戒した表情で開いた扉の先を見た

ジール「何者か」

しかし、先に居た少年を確認してすぐに表情を緩める

ジール「ジャキ」

ジャキ「母様……」

ジールは椅子から立ち上がると、トコトコと歩くジャキの下まで近寄り、優しく抱擁する

ジール「何かあったか?」

ジャキ「ううん、母様に会いたくて」

ジール「うむ、わらわも同じじゃ」

ジャキのようなまだ年端もいかぬ子供をサラに任せきりで放置していることには責任を感じている
しかし、この国はまだ発展途上すぎるのだ。それに加えて、外は止まない猛吹雪に見舞われている

ここで、いかにして食物を作り、国を作り、人を支えなければならないか
ジールはここの女王として、一人の母親になりすぎるわけにはいかないのだ

ジールはジャキの蒼白色の髪を優しく撫でる

ジャキ「母様、今夜は一緒に寝れる?」

ジール「うむ、今日は早めに切り上げるとしよう。寝る前には絵本もよんでやるぞ」

ジャキ「ほんとう?」

ジール「うむ、それまで良い子でおるのじゃぞ」

ジャキ「うん」

ジャキはジールの胸元に顔を思い切りうずめたあと、ぱっとジールから離れた

ジャキ「母様、じゃましてごめんなさい」

この子は歳の割に出来すぎているとジールは思う。この歳じゃまだ母親に甘えて、離れないことが普通なのに

ジール「よい、ジャキなら何時だって構わぬ」

ジャキ「ううん、姉上と待ってる」

ジール「うむ、ではまた会おうぞ」

ジャキ「うん」

ジャキは滅多に見せない笑顔を見せ、女王の間から出て行く

ジール「赤き石の力を使えば、共にゆっくりと時間を過ごせるのかもな……」

ジールは一人苦笑し、顔を横に振った

ジール「何を言うておるジール……わらわには何千、何万もの命が託されて居るのじゃぞ。私利私欲で迂闊な判断は出来ぬ」

ジール「それを忘れるなジール……」

ジールには、あの赤い石からは強い魅力と同時に、強い危険性も感じていた



4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/02(月) 22:53:02.47 ID:x27B8ZyIo


サラ「ジャキ!何処行っていたの!?」

ジャキ「姉上……母様のとこ……」

サラ「母様は忙しい見だから、あまり行っちゃダメって言ったでしょう?」

ジャキ「……でも、今夜は一緒に寝てくれるって」

サラ「……そう。でも、あまり迷惑かけちゃダメよ?」

ジャキ「うん、ごめんなさい」



5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/02(月) 22:54:50.70 ID:x27B8ZyIo

ハッシュ「ジール女王は怖がっているようじゃな」

ボッシュ「それほど、この国を愛されておられるということじゃ。ワシはあのお方とは長いからよう解る」

ガッシュ「しかし……おそれて前に進まなければ、この国はもたない」

ハッシュ「ううむ……赤い石の研究、急いだほうがいいやもしれぬな」

ボッシュ「女王の決断はまったほうがいい。ワシも、この石からは多大なる力は感じておる。それは皆も承知じゃ。だからこそ、慎重に行かねばならん」

ガッシュ「時間はあまりない……がな」


大きなカプセルに入った赤い石は、生き物のように脈動し、赤く光り、暗い研究所を照らしていた



6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/02(月) 22:55:35.52 ID:x27B8ZyIo

ダルトン「っだぁぁぁ!!なんで俺がこんな事せにゃならんのだ!!」

ダルトン「こんな事、星の力も使えねえもっと下々の連中にやらせりゃいいだろうが!違うか?」

ダルトンはやかましく部下に怒鳴る
ダルトンは今、とある海中捜索をしていた
……要するに、星の力を集める作業だ

水の力を利用した作業カプセルに乗り込み、海底を探しまわる
ダルトンは、自分の身分からは考えられないような作業をしていることに不満を募らせる

「し、しかし、ダルトン様にしか頼めないとも仰っておられましたよ。なんせ、此処らへんの海底は未捜索地帯ですから」

ダルトン「っはぁー……お前らはジールの言ったことを真に受けすぎなんだよなァ……」

ダルトン「確かに俺ァ凄いさ!星の力の扱いに関しては誰にも負けねぇ自信はあるくらいだ!」

ダルトン「だがな!!だからってこんな事させるこたァねえだろ!!」

「じ、自分にそう言われましても……」

ダルトン「あーあー、お前は俺の部下なんだから上司の愚痴くらいハイハイ言って聞いてろよなァ」

ダルトン「ったく!!」



7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/02(月) 22:56:09.77 ID:x27B8ZyIo

文句を垂れながらも、ダルトンはめぼしい星の力を拾っていく
海底に転がっているのは、真新しい上質な星の力ばかりだった

ダルトン「だが、流石に未捜索地帯だけあるな。良いモンばっか転がってやがる」

ダルトン「あん?」

ダルトンはその時、見覚えのない物質を見つけた
あまり光のない海底で、深緑色の、刺のような物質

ダルトン「おい、こんなの見たことあるかお前」

「は?……いや、自分は……生き物の骨、ですかね?」

部下にそれを見せて、ダルトンは首をかしげた
――ただの海中の生物の骨なら、この妙な力は発しないはずだ……

ダルトン「……命の賢者にくれてやれば喜んで恩を売れるかもな」

ダルトンはそっとその物質を傷つけないように回収した



8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/02(月) 22:57:42.94 ID:x27B8ZyIo





ジール「……村を救った勇者は、不思議山に帰っていきましたとさ」

ジャキ「……zzz」

ジール「おやすみなさい、ジャキ」

ジールは絵本を音を立てずに閉じると、ジャキの眠る枕元に置いた
そして、ジャキを起こさないように布団から起き上がる

ジャキの部屋から出ると、そこにはサラがいた

ジール「サラ、まだ起きておったのか」

サラ「母様、お疲れではないのですか」

ジール「ふふ、心配には及ばぬ」



9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/02(月) 22:58:35.04 ID:x27B8ZyIo

サラ「……」

ジール「何があった、サラ?」

顔を伏せ、不安そうな顔のサラにジールはサラに問いかける

サラ「母様……先日、ジャキが黒い風を」

ジール「そうか、感じたか……」

サラ「母様は?」

ジール「……」

サラ「感じたの、ですね……」

ジール「確定的ではないのじゃ。わらわも、ジャキも完全というわけではない」

サラ「あの、赤い石のちからが確認されてからです」

ジール「サラよ、お主が心配することではない。これはわらわと3賢者の問題なのじゃ。危険とわかれば直ぐに研究は打ち切らせる」

サラ「……はい」

ジール「すまぬな、サラ……もう今日は時間も遅い。休むが良い」

サラ「はい、母様……」



ジャキ「……」



19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/03(火) 21:01:08.12 ID:JhevIdwoo

どか、と目の前に置いた物質は海底で見た時よりも大きく感じられた
深緑色、先は鋭利に尖っている



ダルトン「んまぁ、こんなもんを見つけたってこった」

ボッシュ「ムム……これをか?」

ダルトン「部下にゃ生物の骨じゃないかと言われたがな、お前さんだったらなんだか解るんじゃねえか?この不可解なエネルギーといい、この形といい」

ボッシュ「これは……」

ダルトン「あ?どうかしたか?じいさんよ」

ボッシュ「これを見つけた海底のポイント、詳しく教えてくれ。それと、その付近にあった星の力も分けてもらいたい」

ダルトン「おいおい、俺の給料に関わるんだぜ?」

ボッシュ「礼なら心配せんで良い」

ダルトン「それを待ってたぜ、今回は盛大に色をつけてくれよな?」

ボッシュ「何故じゃ?」

ダルトン「俺の採集した星の力がすくねえんだよ。おかしいんだがよ、俺は結構な量を採集したはずなんだが部下の半分も無かった」

ボッシュ「どういうことじゃ?」

ダルトン「さあな、俺にもわからねえよ。回収用の容器も壊れちゃいなかったんだぜ?部下がくすねたかとも思ったんだがそれをやる時間すら無かったはずだ」

ボッシュ「ふぅむ」

ダルトン「ま、こんな奇妙なモン拾って遊んでたなんて思われても損だ、高値で貰ってくれや」

ボッシュ「よかろう」




ダルトン(しっかし、奇妙な趣味してる爺さんだまったく。俺だったら、あんな鳥肌が立つようなエネルギーを感じる物質なんざ、即座に破棄するがね)



20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りし
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    コメント一覧

      • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年06月10日 21:28
      • よく知らんけど、あの時代、ラヴォスは周知のものだったのと違うの?
      • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年06月10日 21:43
      • 的は射るものだ、的貰ってどうする
      • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年06月10日 21:47
      • 5 面白かった。
        そういえばゲームではジールの最期ってなかったよなぁ。
      • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年06月10日 21:59
      • 確かにジール様は終始悪役で不遇だったな
      • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年06月10日 22:00
      • ゲームじゃNPCから聞ける過去の話はともかくジール本人は徹頭徹尾悪役だったからなあ
        サラの事といい古代王国周りは主人公達じゃどうにも出来ない事が多すぎた
        そこを描写すると色々ぶれてしまうから仕方なかったのかもしれんけど

        クロノクロス?あれはパラレルだよ
      • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年06月10日 22:13
      • 懐かしい。スーファミカセットを当時友達に貸してもらって夏休みに遊び倒したなぁ…PS版も高校の時に全エンド見たくてやりこんだわ。

        クロスは結局やってないけど、賛否両論みたいだな。気にはなるんだが…
      • 7. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年06月10日 22:32
      • なんかハマーン様に見えたわ。
      • 8. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年06月10日 22:46
      • 5 この頃のスクウェアはマジ神だったなよね懐古厨とかじゃなしに

        クロノトリガーまたやりたくなった
      • 9. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年06月10日 23:57
      • クロスはクロスで、まぁ面白かったよ。実況見てからゲーム買ったけど。
        ただ時間軸と言うかパラレルだからで終わらせるにはあまりにもな話だったのは確か。

    はじめに

    コメント、はてブなどなど
    ありがとうございます(`・ω・´)

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