夏の風物詩ともいえる「蚊」絶滅につながる「研究報告」がなされています。

画像:【蚊】
蚊
https://www.flickr.com/photos/edans/356043378/

10日、イギリスの科学誌「ネイチャーコミュニケーションズ」に掲載されたもので、国立・ロンドン大学など

の生物学者からなるチームが発表した研究論文。

発表内容によると、通常の「蚊」のグループでは約50%の割合でオスとメスが生まれてきますが、

その割合を強制的に変えることができる技術を発見したとのこと。

具体的には、オスの「蚊」の胚(はい…初期段階の細胞)に「酵素DNA」を注入する遺伝子組み換えにより、

画像:【オス蚊の胚に「酵素DNA」を注入しているところ】
オス蚊の胚に「酵素DNA」を注入しているところ
http://www.bbc.com/news/science-environment-27765974

成虫の精子の中にある子孫の性別でメスになることを決定する「X染色体」が正常に機能しなくなり、約95

%が性別でオスになることを決定する「Y染色体」しか選べなくなるというもの。

5個のケースにそれぞれオス50匹、メス50匹を入れ、遺伝子操作の実験をしたところ、グループ内で世代

交代を繰り返すごとにメスが不足し、6世代以内にグループは全滅したと報告しています。

この研究により、メスの「蚊」を媒介として人間に感染する「マラリア」(※)を抑制することが期待され、

(※ マラリア原虫を介して感染するマラリアは熱帯・亜熱帯に広く分布する感染病。
死者数は毎年60万人以上で、アフリカの幼児などに犠牲者が多い)

研究を率いたロンドン大のアンドレア・クリサンティ教授は

「われわれの革新的なアプローチは大きな前進だと考えている。
まさしく世界で初めて、実験室内で雌の子孫の産出抑制に成功した。
これはマラリアを撲滅するための新たな手段となる」

共同研究者のロベルト・ガリジ氏は

「研究はまだ初期の段階だが、この新しいアプローチによってゆくゆくは、地域全体からマラリアを撲滅するための安価で効果的な方法がもたらされるかもしれない」

と話しています。

しかし一方で、人間の手による遺伝子組み換えで生態系への予期せぬ影響も考えられると環境保護論

者などは懸念を示しています。

今回の新技術が実用化されるレベルにまで研究が進めば、人間が「蚊」に悩まされることもなくなる日が

来るかもしれませんね。