真姫「はじめてのともだち」
- 1 : ◆PNFDLOCdao 2014/06/12(木) 22:30:00.10 ID:cX8m8hDWo
- ・SID風味
・SID真姫編7章の続き、みたいなイメージなのでネタバレ嫌な方は注意。 - 2 : ◆PNFDLOCdao 2014/06/12(木) 22:31:02.90 ID:cX8m8hDWo
- ―――
真姫ちゃんへ
いつもお手紙ありがとうね。真姫ちゃんは元気そうで何よりです。
スクールアイドル!真姫ちゃんが!?
こう言ってはなんだけど、すっごく意外。
というわけで、ちょっと検索してみたよ。
すごいね!ホントにアイドルやってる……びっくりしちゃった。
- 3 : ◆PNFDLOCdao 2014/06/12(木) 22:31:29.59 ID:cX8m8hDWo
- 中学時代からは考えられないね。キラキラした笑顔で踊ってて……すっごく可愛い!
夏休み、ゼッタイ行くよ!μ’sの皆さんにも会えたらとっても嬉しいな。
楽しみにしてる!
それじゃ、またね。
―――
- 4 : ◆PNFDLOCdao 2014/06/12(木) 22:32:08.18 ID:cX8m8hDWo
- 尾崎さん―――まこちゃんからの手紙を読んで、胸が高鳴った。
来て、くれるんだ。
私の、私達のライブを見に。
こんなに驚かれるのはちょっと心外だけど。
とは言っても当たり前よね。中学生だった私が今の私を見たらなんて言うだろう。
私は、確かに変わってきてると思う。
- 5 : ◆PNFDLOCdao 2014/06/12(木) 22:32:36.09 ID:cX8m8hDWo
- スクールアイドルとして活動する中でいろんなことを学んだ。
でも、きっと1番はμ’sのみんなのおかげで。
私の頑なだった心はゆっくりと溶かされてきたんだと思う。
真姫「ホント、感謝しなくちゃね……」
面と向かってはなかなか言えないけど、みんながいなかったらきっと今の私はいないし。
あんなにくすんで見えた毎日が今はこんなにもキラキラしてる。
- 6 : ◆PNFDLOCdao 2014/06/12(木) 22:33:19.54 ID:cX8m8hDWo
- 真姫「さて、と」
ライブを頑張るためにも、今は勉強!
パパに啖呵を切った以上はゼッタイ医学部にも受からないといけないんだから!
気合いを入れて机に向かうけれど、どこか気分は高揚してて。
- 7 : ◆PNFDLOCdao 2014/06/12(木) 22:34:06.08 ID:cX8m8hDWo
- 私のはじめてのともだち。
まこちゃんにまた会えるんだってそう思ったらとってもワクワクして。
今度こそ、まこちゃん、って呼べたらいいな。
その日は、ちょっとウキウキした気持ちで眠りについた。
- 8 : ◆PNFDLOCdao 2014/06/12(木) 22:34:43.83 ID:cX8m8hDWo
- 翌日からは、自然と練習にも気合いが入っちゃって。
初夏の照りつける日差しの中、体を動かすのが気持ちいい。
日焼けはちょっぴり気になっちゃうけど。
海未「はい!休憩です!ちゃんと水分補給はしてくださいね」
はーい、ってみんなの疲れたような声。
暑くなってきたし、みんな汗だく。
だけど、私はまだまだイケる。
- 9 : ◆PNFDLOCdao 2014/06/12(木) 22:35:21.13 ID:cX8m8hDWo
- 海未「真姫、ずいぶん気合いが入ってますね」
真姫「……そう見える?」
そんなに分かりやすかったかしら。
別に隠すようなことでもないんだけど、なんだかわざわざ言うのはちょっぴり恥ずかしくて。
凛「凛もそう思ってたにゃー」
穂乃果「だよねだよね、すっごく楽しそうだし!」
- 10 : ◆PNFDLOCdao 2014/06/12(木) 22:38:37.80 ID:cX8m8hDWo
-
ポーカーフェイスの真姫ちゃんだったはずなのに、まさか凛と穂乃果にまで見抜かれてるなんて!
希「なんかいいことでもあったん?」
真姫「べ、別にそんなことはないけど……ライブも近いし、気合い入って当たり前でしょ?」
絵里「ホントにそれだけかしらー?」
やっぱりちょっと気恥ずかしくて、素直になれない私。
でも、みんなとこうしておしゃべりしてるのも楽しくて。
- 11 : ◆PNFDLOCdao 2014/06/12(木) 22:39:26.98 ID:cX8m8hDWo
- 真姫「それだけよ、それだけ……ふう、あっつい」
照れ隠しにペットボトルを取り出す。
凍らせてきたスポーツドリンクの甘さが火照った体に沁みて。
この美味しさもきっとμ’sに入らなかったら知らなかったんだろうな、なんて。
花陽「……ん?真希ちゃん、これ落としたよ?」
花陽が持っていたのはまこちゃんからの手紙。
ああ、入れっぱなしにしていたんだっけ……。
- 12 : ◆PNFDLOCdao 2014/06/12(木) 22:39:57.52 ID:cX8m8hDWo
- 真姫「ありがと、花陽」
ことり「それ、お手紙?」
めざとくことりが聞いてくる。
結構鋭いのよね、ことりってば。
にこ「真姫ちゃんが文通するなんていがーい!誰々ー?」
わらわらとμ’sのみんなが寄ってくる。
- 13 : ◆PNFDLOCdao 2014/06/12(木) 22:40:48.67 ID:cX8m8hDWo
- 真姫「だ、誰でもいいでしょ!」
にこ「まさかとは思うけどアイドルが恋愛スキャンダルなんてダメにこ!」
凛「恋愛!?真姫ちゃんそうなの!?」
真姫「ち、違うわよ!ただの友達よ!」
ああもう、にこちゃんてばまた面倒なことを。
そこでパンパンと海未が手を打ち鳴らす。
- 14 : ◆PNFDLOCdao 2014/06/12(木) 22:41:15.10 ID:cX8m8hDWo
- 海未「ほらほら、人の手紙の内容を知りたがるなんて野暮ですよ」
助かった……。さすが海未ね。
海未「ですが真姫、恋愛は気をつけるんですよ。このご時世ですからね」
真姫「だから違うってば!」
海未「隠さなくたっていいんです。私達、仲間じゃないですか」
だ、ダメだ……海未ってばときどきおかしくなるのよね。
- 15 : ◆PNFDLOCdao 2014/06/12(木) 22:41:40.91 ID:cX8m8hDWo
- 真姫「だーかーら!中学の友達が今度のライブに来るってだけよ!」
……あ。
言っちゃった。
- 16 : ◆PNFDLOCdao 2014/06/12(木) 22:42:10.16 ID:cX8m8hDWo
- 穂乃果「それホント!?」
絵里「へえ、真姫の友達がねえ……」
凛「真希ちゃん凛たち以外に友達いたんだにゃー」
花陽「凛ちゃん失礼だよ!?」
もう、好き勝手言ってくれちゃって……。
- 17 : ◆PNFDLOCdao 2014/06/12(木) 22:42:48.04 ID:cX8m8hDWo
- 仕方なく、経緯を話すことにする。みんなになら、いいよね。
私にとって初めてできた友達だってこと。
本当はオトノキに来たがってたこと。
結局みんなは茶化すでもなく真面目に聞いてくれる。
真姫「と、いうわけよ。だから別にみんなは―――」
- 18 : ◆PNFDLOCdao 2014/06/12(木) 22:48:52.57 ID:cX8m8hDWo
- 穂乃果「よーっし!頑張ろう!」
急に穂乃果が大声を出す。
希「そうやね。真姫ちゃんの晴れ姿見てもらわんと」
にこ「今の真姫ちゃん見たらきっとびっくりするにこよー」
ワイワイとみんなが湧き出す。
- 19 : ◆PNFDLOCdao 2014/06/12(木) 22:49:29.06 ID:cX8m8hDWo
- そうね、こういう子達だったわ。
自分のため、なんて全然考えてなくて、誰かのために頑張れる。
私にとって、まこちゃんと同じくらいに大切な仲間たち。
絵里「ふふ、そういうことならちょっと厳しくいきましょうか」
凛「望むところにゃー!」
すっかり盛り上がったみんなは勝手に練習に戻り始める。
- 20 : ◆PNFDLOCdao 2014/06/12(木) 22:50:01.42 ID:cX8m8hDWo
- ああ、とっても暑くて、熱い。
こんなスポ根みたいなの、私にはゼッタイ似合わない!なんて思ってた。
だけど自然と笑顔になっちゃう。
真姫「待ちなさいよ、もう!」
みんな、ありがとね。
小さくそう呟いて、輪の中に入って練習を始める。
- 21 : ◆PNFDLOCdao 2014/06/12(木) 22:50:45.02 ID:cX8m8hDWo
- まこちゃん。
私はこんなに素敵な友達ができたわ。
頑張って、最高のライブにするからきっと見に来てね!
- 22 : ◆PNFDLOCdao 2014/06/12(木) 22:51:36.72 ID:cX8m8hDWo
- それから。
懸命に練習して、あっという間に夏休みになって。
ライブ当日。
プールに作られた特設ステージの脇で水着に着替えて、円陣。
ちょっぴり緊張する。あのお客さん達の中に、まこちゃんがいる。
そう思うと、ドキドキ、ワクワク。
それと、失敗したらどうしようって気持ちがちょっぴり。
- 23 : ◆PNFDLOCdao 2014/06/12(木) 22:52:06.07 ID:cX8m8hDWo
- 絵里「真姫、緊張してる?」
真姫「……ちょっとね」
にこ「大丈夫!真姫ちゃんととっても可愛いにこ!」
思いも思いに声を掛けてくれるみんな。
ホント、優しいんだから。 - 24 : ◆PNFDLOCdao 2014/06/12(木) 22:52:41.93 ID:cX8m8hDWo
- 穂乃果「よーしっ、それじゃあそろそろ行こう!」
穂乃果がいつもみたいに音頭を取る。
精一杯楽しもう。このステージを。
そしてまこちゃんに見てもらおう。
こんなに私は変わったよって。
今の私には、こんなに素敵な仲間がいるよって。
- 25 : ◆PNFDLOCdao 2014/06/12(木) 22:53:14.66 ID:cX8m8hDWo
- 穂乃果「μ’s!」
『ミュージック……スタート!』
みんなで声を合わせ、ステージへと登る。
たくさんのお客さんが来てくれて、すごい景色。
その中に……いた。
- 26 : ◆PNFDLOCdao 2014/06/12(木) 22:54:11.16 ID:cX8m8hDWo
- 私の方を見て一生懸命手を振ってくれてるまこちゃん。
私はにっこり笑う。アイドルらしく。
キラキラして見えるかな?本物のアイドルみたいに。
穂乃果「皆さんこんにちは!私達は音ノ木坂学院のスクールアイドル、μ’sです!」
わっと客席から歓声が湧いて。
- 27 : ◆PNFDLOCdao 2014/06/12(木) 22:54:53.13 ID:cX8m8hDWo
- 穂乃果「今日はこれから、ライブをやらせてもらいます!一生懸命歌うので、盛り上がってくれると嬉しいです!」
真夏の太陽のよく似合う穂乃果が、元気に挨拶する。
いよいよね。頑張ろう。
穂乃果「と、その前に……はい、真姫ちゃん」
……真姫ちゃん?
ちょっと!えええええ?
- 28 : ◆PNFDLOCdao 2014/06/12(木) 22:56:02.67 ID:cX8m8hDWo
- 真姫「ほ、穂乃果!聞いてないわよ!」
小声でそう抗議すると。
穂乃果「いいからいいから、パパっと決意表明しちゃって!」
決意表明って何よー!
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- 2014年06月12日 23:59
- ( ;∀;) イイハナシダナー
-
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