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アルゴリズムというのは、コンピュータサイエンスでは情報をどう処理するかの手順を定式化した形で表現したものを言う。日本語では「算法(さんぽう)」と訳されることもある。
現代の我々の生活とアルゴリズムは切っても切り離せない。これは財務機関から日常生活までいたる所で使われており、そのいくつかは世界をコントールするほどだ。海外サイトにて、アメリカで特に影響力のあるいくつかのアルゴリズムが特集されていた。
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1.グーグル検索
かつて、検索エンジンがインターネットの覇権を競っていた時期があった。そこに現れたのがグーグル(Googleと)とそのページランク・アルゴリズムである。そしてグーグルは勝者となった。現在米国の検索エンジン市場の66.7%をグーグルが占めているという。
日本の場合だとYahooがトップでシェアの50%を占める(2014年6月現在)。グーグルは2位で38%前後、3位がMSNで8%前後、docomoが3%前後と、Yahooとグーグルが圧倒的シェアを占めている。
2.フェイスブックのニュースフィード
ついつい時間を浪費してしまうニュースフィード。しかし自分で表示方法を設定しない限り、フェイスブックのアルゴリズムが決定したニュースフィードを見ることになるのだ。
フェイスブックが使用するアルゴリズムは、コメント数や誰がその投稿をしたのか、投稿の形式(写真か動画かといったもの)などさまざまな要素からコンテンツの面白さを計算いるそうだ。
3.NSAのデータ収集・解析・暗号化
我々は人間ではなく、アルゴリズムに監視されていると言っても過言ではないだろう。NSA(アメリカ国家安全保障局)とその国際共同機関が何百万人もの市民をスパイしていた事実が明らかにされた。
流出した資料によると、ファイブ・アイズ(アングロサクソン系5ヵ国)が運営している無数の監視プログラムが存在するとのこと。米国、カナダ、オーストライア、ニュージランド、英国からなる国際諜報同盟の存在も暴かれたのだそうだ。彼らは結託して、私たちの通話やメール、ウェブカメラ、位置情報などを監視しており、アルゴリズムの力で莫大な量の情報を収集・解析していたのだ。
NSA当局は依然として市民の情報を実際には「収集」していないと主張している。しかし1982年の手順書によると「情報は、国防総省諜報機関の職員が、公務で使用するためにそれを受け取ったときに初めて”収集した”とみなされる」、「電子的手段によって取得されたデータは、それが理解可能な形に加工されている場合にのみ”収集された”とみなされる。」 のだそうだ。しかしこれは、奇妙な記述である。
英国ガーディアン紙のブルース・シュナイアー氏の例えを借りると、自分の家に何千冊もの本があったとしても「収集した」と言えるのは実際に読んだ本だけになるのだ。実際に誰かがデータを見ていないのだとしても、見れる状態にあること自体が問題ではないのだろうか?
4.アマゾンの「よく一緒に購入されている商品」、「この商品を見た後に買っているのは?」
アマゾンのようなサイトは、ユーザーがどんな本や映画を買ったかを監視し、その人の嗜好に合わせた商品を推奨してくる。
ページランクやFacebookニュースフィードと同じく、こうしたアルゴリズムは「フィルターバブル」というものを作り出す。自分の嗜好に合わない情報から隔離されてしまい、自分だけの観念の「泡」に閉じ込められてしまう現象だ。インターネットをブラウジングするときの習慣が、その人の未来を決めてしまうのだ。
5.グーグル・アドワーズ(Google AdWords)
広告を配信しているサイトに貼られている広告は、あなたがどのサイトをどれくらいの時間滞在し、どんな属性のサイトをネットサーフィンし、何というキーワードを検索したかを全て監視することで、そのユーザーに見合った商品の広告を提示するという”コンテンツ・ターゲット広告”というものを配信している。
このモデルを用いた「グーグル・アドワーズ」がグーグル社の主な収入源となっているそうだが、フェイスブックのコンテンツ・ターゲット広告はあまりうまくいってはいないようだ。
6.株の高速自動取引
金融業界は市場の変動を予測すべく、ずいぶん前からアルゴリズムを使用していた。アルゴリズムはこれだけでなく、株の高速自動取引にも用いられている。こうした高速の取引には、「ボット(bot)」と呼ばれるミリ秒単位で取引を決定するアルゴリズムが関与している。
逆に人間だと状況を把握するのにもアクションをとるのにも最低一秒はかかってしまう。というわけで人間は取引の現場からは撤退しつつあり、まったく新しいデジタル経済が展開されつつある。
とはいえ、ときにはアルゴリズムもミスを犯す。米誌ウォール・ストリートジャーナルのレポーターで、『ザ・クオンツ 世界経済を破壊した天才たち』の著者でもあるスコット・パターソン氏は、アルゴリズムを使った取引を自動操縦の飛行機にたとえ、「現代、ほとんどの取引はアルゴリズムでなされているが、なにか間違いが起きたときは手動に戻すべきだ。」と述べている。
7.MP3圧縮
データを圧縮するアルゴリズムは、デジタル世界では欠くことのできないものだ。誰もが情報を素早く受け取りたいし、ハードディスクのスペースを節約したい。そのために数多くの圧縮・転送技術が開発されてきた。
1991年にはCRTP(Compressed Real Time Protocol)が開発され、1987年にドイツの研究者が音声ファイルのサイズを元の10分の1にする圧縮方式「MP3」を発明した。この圧縮技術は、良くも悪くも音楽業界に革命をもたらしていった。
8. IBMの予測解析ソフト「クラッシュ(CRUSH)」
アメリカ警察の各部門は「予測解析」と呼ばれる新しい技術を導入しつつあり、映画「マイノリティ・リポート」のような世界が近付いている。
2010年、IBMの予測解析ソフトウェア「クラッシュ」の使用が告知された。これを使ったメンフィス市では、2006年と比較し、暴力犯罪15%を含む、重犯罪の30%以上を減少させたのだ。
このソフトは、データの集合体、統計分析、最新のアルゴリズムをうまく連携させている。その都市のおける犯罪事件のパターンを分析し、犯罪の「ホットスポット」を予測、事前に人員を配置することを可能としたのだ。
将来はこうしたシステムがアナリストの仕事を肩代わりするだろう。犯罪者たちは洗練されたアルゴリズムで追跡され、インターネットでの行動、GPS、携帯情報端末、生体署名、そのほか現実での全てのコミュニケーションをリアルタイムで監視されることになる。無人航空機が潜在的犯罪者を追跡するのに使われ、アルゴリズムが対象人物の体の動きや視覚的情報から次の行動を予測するのだ。
via:io9・原文翻訳:such
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コメント
1. 空缶
「マイノリティ・レポート」では
センサーが通行人のIDを判別してホロ・スクリーンが
「空缶さん、あなたにぴったりの装いはいかがですか?」とか誘ってくるんだよね。
うわ〜ウゼぇと苦笑してたのもつかの間、
Amazonで既に実現されてしまった。うわ〜ウゼぇw
なんにせい、インターネットの全情報って欧米にある7ツだか8ツのサーバを
必ず経由する仕組みになってるそうじゃない?うろ覚えだけど。
面白恐い時代になりますた。
2. 匿名処理班
Googleが現れてからやほおで検索してないけど
やほおの検索能力も向上したの??
3.
4. 匿名処理班
ネットは情報社会を統制するために作られた。
そして今、人が支配されようとしている。
5. 匿名処理班
ビッグデータも仲間に入れてください(´・ω・`)
6. 匿名処理班
PERSON of INTERESTの世界にようこそ
7. 匿名処理班
「パーソン・オブ・インタレスト」ですね、わかります。
あれも内容的にはありそうなリアルさが怖いよな。
スマホの電源入って無くてもマイクにして盗聴できるとか既に登場してたし。
8. 匿名処理班
あれ、こんなところにも風見鶏がいる。