磯部磯兵衛「ソレスタルビーイング……ガンダムは拙者が倒すで候!」
- 1 : ◆ogbr65IgNI 2014/06/16(月) 18:20:12.33 ID:+USBtVzZo
- イソベエ「拙者の名はイソベエ・ミラ・イソベ」
イソベエ「生家はインディアンの土地を奪っていた時代から続く生粋のアメリカっ子で候」
イソベエ「一人前のMSパイロットとなるべく、パイロット養成私塾に入学」
イソベエ「私塾の教授とビリー・ナカジマがフラッグを開発したことにより、塾生が丸々フラッグファイターとしてユニオン軍所属になったで候」
イソベエ「中でも拙者はNINJUTSUやら身体から不思議な光を出す特殊能力があったとかでユニオン軍のエースに」
イソベエ「いやあ、何か特別な修行を積んだわけじゃないんだけどなあ。やっぱり才能ってやつ?」
イソベエ「まあ、とにかく拙者は輝かしいエリートの道を邁進していたで候」
イソベエ「ところが人生そう上手くはいかず……」
イソベエ「そう、あれはまだソレスタルビーイングが活動していた頃のことだった……」
――――――
――――
―― - 4 : ◆ogbr65IgNI 2014/06/16(月) 18:36:49.94 ID:JRjiIxAJo
- イソベエ「今日こそ、今日こそはいきつけのカフェのウェイトレスちゃんに告白するで候!」
イソベエ「幸いウェイトレスちゃんの方でも拙者のことを好いているのは一目瞭然」
イソベエ「とはいえ流石に衆人環視のカフェの中で告白するのはちょっと恥ずかしい」
イソベエ「ここは待ち合わせ場所を書いた恋文を渡そう」ドキドキ
- 5 : ◆ogbr65IgNI 2014/06/16(月) 18:37:16.16 ID:JRjiIxAJo
- イソベエ「邪魔するで候」
ウェイトレス「あ、常連さん。いらっしゃいませ」
イソベエ(かわいい)
ウェイトレス「ご注文はどうしますか? いつもの通りコーヒー1杯だけです?」
イソベエ「いや、実は今日はコーシーを飲みに来たわけではないんだ」
ウェイトレス「はい?」
イソベエ「これを」スッ
ウェイトレス「え? この手紙は?」
イソベエ「たしかに渡したで候。じゃ!」タッタッタッタ
ウェイトレス「あ! ちょっと!」
- 6 : ◆ogbr65IgNI 2014/06/16(月) 18:38:22.26 ID:JRjiIxAJo
- ウェイトレス「何だったんだろう」
イアン「うおっと」ドンッ
ウェイトレス「きゃっ」バシャッ
イアン「大丈夫か、ウェイトレス君。すまんね、ちょっと発明のことでボーッとしていて」
ウェイトレス「いえ、大丈夫です、ヒラガさん。紙にコーヒーがかかっただけですから」
イアン「悪いことをしたな。コーヒー代は払うよ」
ウェイトレス「……何が書いてあったのかしら。まあ次にお店にいらした時に聞けば良いわよね」
- 7 : ◆ogbr65IgNI 2014/06/16(月) 18:39:16.61 ID:JRjiIxAJo
- イソベエ「さあて、と。そろそろ待ち合わせの時間か」
イソベエ「ロマンティックな公園で今日こそウェイトレスちゃんのハートをゲットアチャンスしてやるで候」
イソベエ「では、出発……」
ガシッ
イソベエ「え?」
教授「……どこへ……行くんですか……イソベ君……」
イソベエ「あ、いえ、ちょっと野暮用で」
教授「ソレスタルビーイングが……出ました……貴方にも……出撃してもらいます……」
イソベエ「え、あの。拙者ちょっと重要な任務が」
教授「ダメ……」
教授「あなたという……実験体のデータを取る必要が……いえ、あなたの力が……必要なのです……」
イソベエ「え!? いま実験体って」
- 8 : ◆ogbr65IgNI 2014/06/16(月) 18:39:53.47 ID:JRjiIxAJo
- 教授「いいから……行きますよ……」グイッ
イソベエ「あ、ちょっと拙者本当に行かなければいけない場所が!」
教授「……」ドスッ
イソベエ「がでぃッ!?」
イソベエ「」ガクン
教授「……」ズルズルズルズル
――――――
――――
――
- 9 : ◆ogbr65IgNI 2014/06/16(月) 18:41:56.57 ID:JRjiIxAJo
- イソベエ「ハァ、ハァ……やっとCBが撤退してくれたで候。全然まったく敵わなかったけど」タッタッタッタ
イソベエ「待ち合わせから5時間も遅れたけど、きっと、きっとウェイトレスちゃんなら待っていてくれるはず!」
――公園
イソベエ「無人……」ガクッ
イソベエ「振られてしまった……これでもうあのカフェにも行けなくなったで候……主に拙者の勇気的に」
イソベエ「ソレスタルビーイング……全ては奴らのせいだ」プルプルプル
イソベエ「必ず、必ず復讐してやるぞおおおおおおお!!」
ウオオオオオオ
警官「きみ、公園でなに騒いでるの」
イソベエ「あ、いえその、拙者は」
警官「交番いこっか」 - 10 : ◆ogbr65IgNI 2014/06/16(月) 18:43:06.96 ID:JRjiIxAJo
- イソベエ「しかしそのCBは拙者が腹痛で寝込んでいる間に壊滅に追い込まれてしまった」
イソベエ「ちなみに青いガンダムは塾生最強のストロングコープス・グローヴマンが相討ちで倒したらしいで候」
イソベエ「拙者さえ参戦できていれば相討ちどころか一瞬で片をつけられたのだが。残念至極」
イソベエ「とはいえ、結局捕らえたCBメンバーは1人だけで、他には全て逃げられているで候」
イソベエ「いつまたCBが復活するかもしれぬ」
イソベエ「それに備える為に、今日は地球連邦政府直轄の治安維持機関アロウズ司令であるホーマー・ナカジマ殿に会いに来たで候」
イソベエ「甥っこのビリー・ナカジマの親友である拙者にならCBと戦う為に何か特別な計らいをしてくれるはず」
- 11 : ◆ogbr65IgNI 2014/06/16(月) 18:44:46.00 ID:JRjiIxAJo
- ――――――
――――
――
――ハワイ
――ナカジマ邸
ホーマー「……復讐か」
イソベエ「ソレスタルビーイングが活動を再開した際には、拙者が自由に戦えるよう優遇してくだされ」
ホーマー「ならばまずはこれを読むがいい」スッ
イソベエ「何で候、この本は……」
イソベエ「ご、GORINSHO?」
ホーマー「これは宮本武蔵という日本一の武士が著した、日本の武士道の真髄が書かれている書物だ」
ホーマー「CBと戦うというのなら、きっとこれが役に立つことだろう」
イソベエ「ニホンってアメリカでござるか?」
- 12 : ◆ogbr65IgNI 2014/06/16(月) 18:48:05.65 ID:JRjiIxAJo
- ――――――
――――
――
イソベエ「ハァ……。ナカジマのオッサンから変な本を押しつけられたで候」
イソベエ「そういや、あの人はマニアだとか聞いたことがあるで候。変な木の家に住んでるし」
イソベエ「イエローモンキーのブシドーか……どうせなら欧州の騎士道の方がオシャレで良かったで候」
イソベエ「正直まったく興味を引かれないけど、まあ読まないわけにもいかないし」
- 13 : ◆ogbr65IgNI 2014/06/16(月) 18:50:16.86 ID:JRjiIxAJo
- イソベエ「感動した……」
イソベエ「まさかブシドーがこんなカッケーもんだとは」
イソベエ「これを読んだ拙者は一回りも二回りも強くなった気がするで候」
――ハワイ、ナカジマ邸
イソベエ「ホーマー司令! 拙者感極まったで候!」
イソベエ「必ずやこのブシドーの力でガンダムを倒して御覧に入れるで候!」
ホーマー「うむ、よく言った」
ホーマー「では今から君をリボンズ・アルマークのところへ連れて行こう」
イソベエ「誰?」
ホーマー「この世界を裏から支配する闇のフィクサーだ」
イソベエ「!?」
- 14 : ◆ogbr65IgNI 2014/06/16(月) 18:51:44.69 ID:JRjiIxAJo
- ――宇宙船ソレスタルビーイング
リボンズ「よく来たね、ホーマー・ナカジマ」
ホーマー「ああ。直接顔を合わせるのは久しぶりだな、アルマーク」
リボンズ「で、彼が例の?」
ホーマー「そうだ」
リボンズ「ふうん……人間の中でも随分と間抜け面だね」
イソベエ「」カチーン
イソベエ「ホーマー司令、この変な髪色の男がリボンズでござるか?」
ホーマー「……死んだな、イソベ君」
イソベエ「死!?」
リボンズ「……」
リジェネ「ねえねえ、リボンズ。あんなこと言ってるけど? 処す? 処す?」
- 15 : ◆ogbr65IgNI 2014/06/16(月) 18:55:18.60 ID:JRjiIxAJo
- リボンズ「……ふふふ。上位種たる僕がいちいち人間の戯れ言に怒ったりはしないよ」
リボンズ「時には寛容さを示すことも神としては必要さ」
リボンズ「アリー・アル・サーシェスはいるかい?」
サーシェス「おう、何だい大将」
リボンズ「一発殴っといて」
イソベエ「え!?」
サーシェス「おうよ」
サーシェス「ちょいさァッ!!」バキッ
ホーマー「ぎゃあああああ!!」バチコーンッ
リボンズ「ごめん、そっちじゃない方ね」
- 16 : ◆ogbr65IgNI 2014/06/16(月) 18:58:06.42 ID:JRjiIxAJo
- ――――――
――――
――
イソベエ「」
ホーマー「」
リボンズ「で、何しに来たんだったかな、ホーマー・ナカジマ」
ホーマー「……あ、ああ」ヨロ
ホーマー「このイソベエ・ミラ・イソベをライセンサーにしたいという話だ」
リボンズ「そういえばそうだったね」
リジェネ「でも、彼を見る限りライセンサーに相応しいようには到底思えないんだけど。処す? ねえリボンズ、処しちゃう?」
ホーマー「たしかに彼は外見こそこの有様だが、実はある特殊な力を持っているのだ」
リジェネ「特殊な力?」
ホーマー「そう。優越感を抱くことにより、彼は身体から不思議なエネルギーを放つのだ」
リジェネ「ごめん全然言っている意味がわからない」
- 17 : ◆ogbr65IgNI 2014/06/16(月) 18:58:47.65 ID:JRjiIxAJo
- リボンズ「まだ解明されていない力なのさ」
リボンズ「でも、教授によって既に軍事利用には成功しているんだろう?」
ホーマー「その通り。彼の発光現象を兵器に転用する為のサイコフレームというパーツも既に開発済みだ」
ホーマー「このサイコフレームをアヘッドに組み込んだMS、『サキガケ』ももうすぐ完成する」
リジェネ「へえ。全くそんな風には見えないけどな」
ホーマー「それで、アルマーク。彼にライセンスを与えても良いかね?」
リボンズ「ふふふ、まあ良いさ。僕もその奇妙な力には興味があるからね」
ホーマー「感謝する」
イソベエ「」
- 18 : ◆ogbr65IgNI 2014/06/16(月) 19:00:06.12 ID:JRjiIxAJo
- ――――――
――――
――
イソベエ「ふう、酷い目にあったで候」
リント「おや、イソベ君ではないですか」
イソベエ「あ、えーと……グロンギ少佐」
リント「アーバ・リントです」
リント「聞きましたよ。ライセンサーになったそうですね」
イソベエ「あ、聞いちゃったそれ?」
イソベエ「いやー拙者としては別にどっちでも良かったんだけど? ナカジマ司令がどうしてもって言うからさー」
- 19 : ◆ogbr65IgNI 2014/06/16(月) 19:00:45.74 ID:JRjiIxAJo
- リント「そうらしいですねえ。何でも司令の紹介でジャパンのブシドーに目覚めたとか」
リント「その服装と仮面もサムライのもので?」
イソベエ「ああ、うん。まあね。司令から貰ったで候」
リント「みんな貴方のことをミスターブシドーと呼んでいますよ」
イソベエ「えー、うっそマジで? 参ったなあ、拙者そういうつもりでアレしてる訳じゃないんだけどねえ」
イソベエ「まあみんながどうしてもそう呼びたいって言うなら仕方ないで候」
リント「はっはっはっは」
- 21 : ◆ogbr65IgNI 2014/06/16(月) 19:03:04.02 ID:JRjiIxAJo
- リン
コメント一覧
-
- 2014年06月16日 21:24
- 磯部衛とかss初めて見た
-
- 2014年06月16日 21:33
- 磯兵衛結構面白いよね
-
- 2014年06月16日 21:41
- 磯兵衛SSなんてあるのか・・・
爆笑はしないがニヤリとする感じが結構好き
今週の母上VS先生は良かった
-
- 2014年06月16日 22:19
- なんか不思議とみちゃうんだよなぁ
-
- 2014年06月16日 22:45
- グロンギワロタ
-
- 2014年06月16日 22:54
- ちょっと面白いのがイソベエっぽい
-
- 2014年06月16日 23:19
- おい!磯部の母上様がいないじゃないか!いい加減にしろよ!
-
- 2014年06月16日 23:26
- 磯部は読みきり時代はこれ連載になったら打ち切りコースだろうなあと思ってたら
連載始まったら何か普通に面白いからむかつく
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