【NSFW】3Dプリントされた銃やドローンを使ったM.I.A.のミュージックビデオ
※映像内に激しい光の点滅が見られます。光過敏性発作の恐れもあるので、留意してご覧になられるようお願い致します。
ミュージシャンであるM.I.A.の新アルバム「Matangi」からのシングル曲「Double Bubble Trouble」のミュージックヴィデオが。3Dプリンタで作られた銃を持ったり、はたまたマリファナを吸っているように見えたりと、物議を醸す内容となっています。
監督も彼女自身。一度はM.I.A.自身がYouTubeチャンネルにアップロードした映像に対して、所属レーベルであるユニバーサル・ミュージックが著作権侵害の申し立てをして公開禁止になる騒ぎが置きたのですが、現在は観ることができます。
M.I.A.ことマータンギ・"マーヤー"・アルルピラガーサムは、実父がスリランカ政府から差別を受けていたタミル人のテロ組織「タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)」の一員であり(現在は行方不明)、それが理由で政府から身を追われてイングランドに難民として移住しました。
その後、ロンドンの著名なデザイナー、アーティストを輩出している大学「セントラル・セント・マーチンズ・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザイン」に入学。卒業後は音楽の道に進み、インディーズレーベルからM.I.A.(Missing In Action=“戦闘中行方不明”の意)名義でアナログ盤をリリースして話題となり、2012年にはマドンナとスーパーボウルのハーフタイムショーで競演するなど、異色のバックグラウンドを持つ彼女。2009年にアカデミー賞の監督賞を受賞した映画「スラムドッグ$ミリオネア」でも楽曲が使われているので聴いたことがある方も多いかもしれません。
前述のスーパーボウルでは、楽曲「Gimme All Your Luvin’」の途中でカメラに向かってNFLに対する抗議の意味で中指を立て、これが1億6,700万人の視聴者に生放送で流れてしまったりなど、物議を醸しています。この ヴィデオもその文脈にあるのでしょうか?
スリランカ内戦を通じて多くの親戚や友人をなくすなど、彼女の持つ複雑すぎるバッググラウンドを考えると、虐げられた民衆は武力闘争も止むなしと表明しているのか。それともアーティストとしてテクノロジーが諸刃の剣である現代の状況を表現しているのか。その正当性を許容するのはひどく難しく思われますが、貴方は何を感じますか?
source: NME, YouTube, The FADER
(徳永智大)
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