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従者「魔王を旅に連れ出したった」|エレファント速報:SSまとめブログ

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従者「魔王を旅に連れ出したった」

1 : ◆WnJdwN8j0. 2014/06/21(土) 14:33:15.08 ID:dN0pb2Wc0

※注意
宿屋「魔王城の近くに休憩所作ったった」の続編となります。


前作を読んでいなくてもわかるように配慮はしましたが、読んだ方がわかりやすいです。
今作品は20レス位で終わる予定です。



2 : ◆WnJdwN8j0. 2014/06/21(土) 14:33:38.33 ID:dN0pb2Wc0




?「………」

盗賊A「おいおいおォい、ここはガキが来ていい場所じゃねぇぞぉ~」

盗賊B「通行料渡すなら話は別だがなァ~」

盗賊C「そこそこいい身なりだ、お小遣い貰ってんだろ坊ちゃん達?へっへっへ」

?「…無い。お前達に渡すような金はな」

盗賊A「ハァ?状況わかってんのかこのガキ、いいからとっとと…」

?「わかっていないのはそっちだ」



?「"魔王”に喧嘩を売ったんだからな…」



3 : ◆WnJdwN8j0. 2014/06/21(土) 14:34:11.09 ID:dN0pb2Wc0




従者「すっげーな魔王!3人いっぺんに相手にして勝っちゃうんだからな!」

魔王「あのな…俺は魔王だぞ。むしろ殺さないように加減する方が大変だった」

従者「木に縛り付けて半ケツにする程度で済ませるなんて、な~んて優しい魔王でしょう」

魔王「奴らのズボンをずり下ろしたのは俺じゃねえぇ!」

従者「けど止めなかったじゃん?はい、同罪~」

魔王「…お前、確か女だよな?」

従者「魔王ったら、幼馴染の性別忘れちゃった?」


>魔王と従者は旅をする。素性を隠しての終わりの見えない旅に、緊張感は存在しない。

従者「今日も平和だな~」

魔王「魔王の旅が平和でたまるか…」





村人「あんたら、若造2人で旅してんのかい?最近は魔物だけでなく盗人まで増えてきたっつーのに、物好きなもんだねぇ。あー、早く勇者が魔王を倒して平和な世の中にしてくれないかねぇ~」



従者「バッカで~、魔王が目の前にいるのに気付かないでやんの」ゲラゲラ

魔王「ま、見た目にはわからんだろうな…それにしても、盗人が出るのは俺のせいじゃないだろう…」

従者「ホントだよ。盗賊に襲われたり、悪徳商人にぼったくられそうになったり、偉そうな金持ちに馬鹿にされたり…何か俺ら、結構悪い人間とエンカウントしてねー?」

魔王「人間は魔王や魔物を悪としているが、悪い人間も沢山いるものだな」

従者「むしろ、無害な魔王よりよっぽど人間の方が性質悪いってのに~。皆視野狭すぎ~」

魔王「何だ。それをわかってて、この「人間との戦いを避ける旅」に誘ってきたんじゃないのか?」

従者「そうだけどォ~。人間の魔王への偏見てバカみてーだなーと思ってー」ブツブツ

魔王「お前が人間としては変わり者なんだよ」

従者「はーい、自覚してまーす」



4 : ◆WnJdwN8j0. 2014/06/21(土) 14:34:40.42 ID:dN0pb2Wc0

「魔物がまた~」ザワザワ

従者「でも、悪さする魔物も当然いるんだな。何とかしてくれよ魔王」

魔王「そりゃ無理だ。お前達人間だって、言葉を理解できない知性のない獣を完全には制御できまい。まぁ、今人間相手に暴れているような奴は、人間の戦士でも何とかできるレベルの奴ばかりだ」

従者「というと?」

魔王「知性のない魔物は、知性のある魔物に狩られるかペットになる。強くて知性のない魔物は知性のある魔物にとっても害だし、そういう強い奴を飼うのも魔物達のステータスであるからな。野放しにされているのは、あまり害にならずペットにする価値もないような奴らだ」

ザワザワ

従者「うーん、じゃあ魔王がいなくなっても魔物の被害は減らないんだね~」

魔王「むしろ増える。今現在、知性のある魔物は俺に従って大人しくしているが、俺が死ねば奴らも暴れだすだろう」

従者「じゃあ何で人間は魔王を倒そうと頑張ってるんだよ」

ザワザワ

魔王「魔王が魔物を制御しているなんて考えもしないはずだ。それも仕方ない、俺の父が魔王だった頃は魔物を使って人間を襲っていたからな」

従者「うへぇ。じゃあお前が平和主義であっても、人間達はお前を目の敵にするわけだ」

ザワザワ

魔王「俺は平和主義者じゃない。得るものがない戦いは、面倒なだけだ…」

従者「魔王城にいた頃は「魔王に歯向かう愚かな人間を血祭りにあげてやる~」だの言ってたのに、外に出た途端大人しくなったなぁ。成長したんだなぁ」シミジミ

魔王「うるせー」

ザワザワザワワ

従者「そいやさー、旅に出始めた頃、山奥で迷った時あったじゃん?それで村の人に助けられて、飯までご馳走になって…」

魔王「そういえばあったな」



5 : ◆WnJdwN8j0. 2014/06/21(土) 14:35:28.62 ID:dN0pb2Wc0

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
山奥の村

従者「…置いていくのか、そのペンダント」

魔王「あぁ。この貧しい村の者達は、心までは貧しくないようだ。これは、村を豊かにする為に使えばいい」

従者「でもそれ、父親の形見だろ?」

魔王「俺にはもう、必要ないものだ…」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

従者「あの時か?父親の意思と完全に決別したのはさ」

魔王「…関係ないとは、言えなくもないな」

ザワザワワ

魔王「それにしてもさっきから騒がしいな」

従者「ん。あっちに人だかりができてんぞ」

ザワザワザワワザ

従者「すんませーん、何の騒ぎですかー」

村人「見ろよこの看板、さっき国の騎士が張っていったんだけど…」

魔王「どれ…」


『勇者、遂に魔王を討つ!!』

魔王&従者「!?」



6 : ◆WnJdwN8j0. 2014/06/21(土) 14:35:58.34 ID:dN0pb2Wc0




従者「お前、討たれていたのか…知らなかったよ」

魔王「これからはボケても無視するぞ。看板には詳細が何も書かれていなかったな…フン、村人同士で色んな噂が飛び交うことだろうな」

従者「お前が魔王城から夜逃げして、そんな経ってないしなー…なぁもしかしてお前不在の間に城の魔物が討たれて、そいつが魔王だと勘違いされたんじゃね?」

魔王「可能性は十分にあるな…」

従者「今のはボケたんだよ無視しろよ」

魔王「ボケ要素の見つからないボケを言うな、このボケ」

従者「だって~、魔王城の魔物ってザ・魔物って位、魔物魔物した姿してるしぃ~」

魔王「人間は魔王の姿を知らんから、ありえなくはない。…だがしかし、詳細が気になる話ではあるな」

従者「だね~。都会の方に行けば、もうちょい詳しい情報聞けるんでねーの?」

魔王「…行ってみるか」



>こうして2人は首都へと足を運ぶこととなった



7 : ◆WnJdwN8j0. 2014/06/21(土) 14:36:27.40 ID:dN0pb2Wc0

首都

ザワザワザワザワ

従者「ここも騒がしいねぇ」

魔王「新聞を買ってきた…勇者は単身魔王城へ乗り込み、魔王を討ったそうだ。そして魔王討伐を王に報告したのが昨夜の事。その勇者とやらは、きっとまだ首都にいるぞ」

従者「あの一人旅では無理ゲーな魔王城に単身乗り込んだってぇ!?嘘確定じゃーん、みんな騙されてるぅ」ゲラゲラ

魔王「お前は気楽でいいな…」

従者「だって困らないし~。むしろ人間達は魔王への恐怖心解放されっし、魔王は正体がバレる危険もなくなったし、いいことづくし~」

魔王「バカだバカだと思っていたが、ここまでバカだったとは」ハァ

従者「何だとこのやろ~、3回もバカって言ったなー!」

魔王「バカだからバカ呼ばわりされるんだよ、バカにいちいち説明させられる身にもなれ!」

従者「魔王の物の伝え方が悪いから理解できないんですぅ~、上手く伝えられない人もバカなんですぅ~」

魔王「何ぃーっ、お前にバカ呼ばわりされるのだけは我慢ならん!」

ゴゴゴゴゴ

美男子「ちょっといいかな?」

従者「あ、はいすみません!」(やっべ通行の邪魔してた…謝れよ魔王)

魔王「あ…すまん」(くっ、バカ相手に本気になってしまっていた)

美男子「お嬢さん、旅人かな?今時間ある?」

従者「あ、俺?うん、まぁあるっちゃあるけど」

魔王(ん?)

美男子「そうか、じゃあ…僕と食事しないかい?」

従者「………は?」

魔王「」



8 : ◆WnJdwN8j0. 2014/06/21(土) 14:36:53.93 ID:dN0pb2Wc0

美男子「いやぁ、ひと目見かけた時に可愛いと思ってさ。どう?」

従者「か、可愛い!?////」

魔王「おい…」

美男子「あ、連れの君?女の子にバカはないよバカは。顔が良くてもデリカシーのない男は駄目だねぇ~」

魔王「何だと貴様…こいつはな」

従者「えーと喧嘩すんなよ、あのさ悪いけど」グイッ

魔王「んっ」

従者「俺、こいつのこと好きなの。だから他の男に全っ然興味ないの。ごめんね~」

魔王「!?」

美男子「ふぅん…見る目ないなぁ。そんな男のどこがいいんだ?」

従者「どこって…全部かな」

魔王「!!!!!」

美男子「ハハッ、僕が入り込む隙間はないってことだね、残念。それじゃあ潔く身を引くとしますか。バーイ」

従者「何がバーイだっての、失せろ失せろナンパ男」ケッ

魔王「……おい」

従者「ん?」

魔王「今の…」

従者「あ、勿論あいつを諦めさせる為の嘘だよ嘘」

魔王「そうじゃなくてな…今の男、何を企んでいたんだ…」

従者「へ?ナンパじゃないの?」

魔王「だとしたら相当なマニアだな…お前が可愛いわけがない」

従者「んだとーっ!?そ、そそそりゃ魔王の好みじゃないかもしれないけどさ、人には好みってもんがさーっ」

魔王「ん。ちょっと待て、騎士達がゾロゾロと出てきたぞ」


ゾロゾロ

騎士「これより、城にて王の演説が開かれる!聞きたい者は城に集合するが良い!」

魔王「…丁度いい。きっと魔王と勇者の件だろう。行くか」

従者「へいへ~い…」←すねている



9 : ◆WnJdwN8j0. 2014/06/21(土) 14:37:31.01 ID:dN0pb2Wc0



「きっと勇者のことだよ」「詳しいことはわかってないもんな」「そうか、遂に魔王が倒されたか…」ザワザワ

騎士A「静粛に!これより王の演説が始まる!」

王「既に話は広まっているが、昨夜、遂に魔王が討たれた…魔王城の位置は前々から掴めてはいたが、魔王城に住む魔物は街の周辺にいる魔物と比べ物にならない程強く、引き返してくる冒険者がほとんどだったのは皆も知っているだろう」

従者「そうそう。臆病な魔王が、強い魔物みんな魔王城に配置して必要以上にガードを固めていましたからね~」

魔王「うるさい…」←事実なので小声

王「しかし難攻不落の魔王城へ単身乗り込んだ者が魔王を討った…我々は彼を、勇者と認めよう」

「いいぞー」「勇者様の誕生だー」「勇者様!勇者様!」ワーワー

王「そこで勇者を皆に披露しよう………彼だっ!」

カッカッ

魔王「…!?」

美男子「…やぁ」

「キャーかっこいいー」「ゆ、勇者に相応しき美貌…」「神々しくも見える…!」ワーワー

従者「あ。さっきのナンパ男。演説出なきゃいけないってのにナンパしてたんかい、自由なやっちゃな~」

魔王(魔王を討った勇者とやらが俺たちに接近してきただと…絶対、何かがおかしい…)

王「彼が魔王を討った後、魔王城
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    コメント一覧

      • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年06月21日 19:13
      • 続編ありがたい。
        この調子で宿屋のスピンオフも書いてくれませんかね(殴
      • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年06月21日 20:25
      • あれ?あの魔王いつの間にこんな強くなったん?
        前作ではザコだったのに
      • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年06月21日 20:34
      • ※2
        前作は宿屋が強すぎただけてわザコじゃないと思う。
        作中「魔王は腕を上げてきた」って会話もあったし、宿屋の攻撃受けた時も宿屋に「魔王の名に恥じない防御だ」って言われてたし。あの化け物級の宿屋と毎日ドンパチやってる内に強くなっていたはず。
      • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年06月21日 23:31
      • ※2
        前作の宿屋はLvカンストの勇者だぞ
        それと比べるのはいささかつらいのではなかろうか

    はじめに

    コメント、はてブなどなど
    ありがとうございます(`・ω・´)

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