にこ「人という漢字」
- 1: ◆nv1kPr3aqINd:2014/06/25(水) 18:18:21.31 ID:YJwZ6HZy0
シリアスあり。
ドロドロあり。
胸糞的な展開もあり。
これらがダメな人は読まないことを推奨します。
呼称はアニメ基準です。- 2: ◆nv1kPr3aqINd:2014/06/25(水) 18:22:07.30 ID:YJwZ6HZy0
いつからだっけ。
自分とは対照的な、まるで太陽のような輝きを宿す人が、自分の側にいないと、自分を保てなくなったのは。赤い瞳が自分に向いていないと狂いそうになったのは。
いつからだっけ。
自分とは対照的な、全てが完璧な少女がいないと私というものが形成出来なくなったのは。その紫色の瞳に依存をしていたのは。
いつからやろう。
気づいたら見ていたのは。
小さく、それでも大きく跳ね回るその姿を愛おしく感じ始めたのは。
いつからだっけ。
自分を支え続けてくれた人を、友達として見れなくなったのは。叶わない想いを、想い続けたのは。緑色の瞳を普通の目で見れなくなったのは。
いつからでしょう。
不器用で、どんなことにも真っ直ぐ立ち向かうその姿に惹かれて行ったのは。アクアブルーの瞳に吸い込まれそうになってきたのは。
- 3: ◆nv1kPr3aqINd:2014/06/25(水) 18:22:44.92 ID:YJwZ6HZy0
三年生教室
希「それでなーにこっちがなぁー」
絵里「へぇ…」
希「ん?どうしたんえりち」
絵里「いえ…なんでもないわよ?」
希「そう?なんか変だよ?」
絵里「……誰のせいよ」ボソッ
絵里(希は……にこのことが……)
希「ん?」
希「今度にこっちと遊び行こうかなーなんて」
絵里「そ、そう。いいわね。応援してるわ」
絵里(希は悪くない…悪いのは、こんなことを考えている、私)
希「ありがとなー」エヘヘ
絵里(……にこのことを話している時の希はこんなにも、楽しそう)
絵里(……今まで散々支えて貰ったんだから、私が、支えてあげなきゃ…)
絵里(支えて貰った相手の恋は……応援、しなきゃ。私がワガママ言っていいことじゃ、ない)
絵里(勝手に希を好きになって、見返りを求めるなんて私は最低ね)
希「えりち?」
- 4: ◆nv1kPr3aqINd:2014/06/25(水) 18:29:22.62 ID:YJwZ6HZy0
絵里「えっと、なんの話だったかしら?」
希「酷いなー、にこっちと遊び行きたいなーって話してたんよ」
絵里「あ、ああそうだった、わね」
◇◇
真姫「あ……あの」
絵里「ん?真姫?」
希「どうしたん?三年生の教室まで来るなんて珍しいやん」
真姫「ちょっと、相談が、ある、というか」
絵里「相談?」
希「なんでもどうぞー」
真姫「三年生にしか、相談出来なく、て」
絵里「……深刻なこと?」
真姫「私の、中では」
- 5: ◆nv1kPr3aqINd:2014/06/25(水) 18:30:08.09 ID:YJwZ6HZy0
絵里「……」
真姫「えっと……えっと、私、私……」
真姫「ふぅー……ふぅー……私」
希「落ち着いて?」
真姫「う、うん。誰にも言わないで?えっと、私」
真姫「――にこちゃんのことが好き、なの」
希「え――」
絵里「…………」
希「そ、そう、なんや」
希「へ、へえ!知らなかったなぁ、うん」
真姫「……」
絵里「本当、なの?」
真姫「うん……」
希「へ、へぇーそうやったんや。いいね!応援するよ!」
希「じゃあまず計画やね――」
- 6: ◆nv1kPr3aqINd:2014/06/25(水) 18:30:55.64 ID:YJwZ6HZy0
◇◇
希「あはは、まさか真姫ちゃんがにこっちのこと好きだなんてねー」
絵里「……」
希「ん?どうしたんえりち」
希「ねえ…黙らないでよ」
絵里「……」
希「ねえ……」
絵里「希、なんで、あなたはいつもいつも、そうなのよ」
絵里「他人ばかり気にして、自分は損しかしない」
希「……ウチが真姫ちゃんに勝ってるとこなんて、それこそ胸くらいしかないんよ」
- 7: ◆nv1kPr3aqINd:2014/06/25(水) 18:32:21.59 ID:YJwZ6HZy0
絵里「……なんで、なんで勝負しないのよ」
希「別に、いいやん?これがウチなんよ」
絵里「……」
本当は知ってる。
勝つとか負けるとかそんな問題じゃなくて、希がにことくっついたら真姫はどうなるのか。希はきっとそれが気がかりなんだと。
希「ウチ、帰るね」
絵里「あ……」
希が好きな人のことを諦めた。
本当はもっと希の背中を押してそうさせないようにすべきだった。
でも希がにこのことを諦めてくれて、喜んでいる自分がいた。
- 8: ◆nv1kPr3aqINd:2014/06/25(水) 18:33:40.10 ID:YJwZ6HZy0
絵里「最低……最低よ、私は」
私には希の隣に居る資格なんて。
海未「…あの…」
絵里「え!?う、海未?」
海未「……今、ダメでしたか?」
絵里「いやそんなことは……いつから居たの?」
海未「希が出ていって絵里が一人で俯いてるところから」
絵里「そう…」
海未「あの、大丈夫、ですか?」
海未「私で良ければ力に――」
絵里「――ありがとう、でも必要ないわ」
海未「そう、ですか」
絵里「で、海未はどうしてここに?」
- 9: ◆nv1kPr3aqINd:2014/06/25(水) 18:34:17.61 ID:YJwZ6HZy0
真姫「はい、ちょっと恋愛関係の曲を真姫と作っていたら、なんだか思い詰める様な表情をした後、急に飛び出して…」
絵里(なるほど、海未と恋愛曲作りがきっかけになって行動を起こしたのね)
海未「真姫を見ませんでしたか?」
絵里「さっき、ここに来たわよ。でもどこに行ったかは…」
海未「そう、ですか」
海未「あ、あの。絵里話は変わるんですけど…」
絵里「なあに?」
海未「えっと、えっと、こここ今度二人でどこかへ行きませんか?」
絵里「…?二人で?まあ別に構わない、けど……」
海未「ほ、本当ですか!本当ですね!?言いましたからね!」
絵里「え、ええ……」
海未「では、また今度!」ペコリ
絵里「なんだったのかしら……」
- 10: ◆nv1kPr3aqINd:2014/06/25(水) 18:35:46.17 ID:YJwZ6HZy0
◇◇
希「おはよう、えりち」
絵里「え、ええ」
希「どうしたんー?」
絵里「なんでもないわ」
希「そっか。今日にでも真姫ちゃん、行動起こすといいねー」
絵里「本当に、いいの?」
希「いいって言ったやん?」
- 11: ◆nv1kPr3aqINd:2014/06/25(水) 18:37:35.75 ID:YJwZ6HZy0
放課後 真姫の家
にこ「……どうしたのよ急に」
真姫「別に…」
にこ「はあ?」
にこ「何も用が無いのに私を呼んだの?」
真姫「いや、用は、あるけど」
にこ「じゃあなに?」
真姫「…………紅茶、飲む?」
にこ「なによそれ、まあ……頂くわ」
にこ「で、話って?」
真姫「どうだったさっきの紅茶?」
にこ「美味しかったわ。ってそれより!質問に答えて」
真姫「でしょー、割と良い紅茶なのよ」
にこ「ねえ」
真姫「だから」
にこ「ふざけてんの?」
- 12: ◆nv1kPr3aqINd:2014/06/25(水) 18:38:44.12 ID:YJwZ6HZy0
真姫「」ビクッ
真姫「…ごめんなさい。ふざけてるつもりは無いの。ちょっと、相談、ていうか」
にこ「相談…?真姫が相談?あはは、なにそれ」
真姫「何で笑うのよ!!」
真姫「馬鹿にしないで!!」
にこ「ふーん、じゃあどんな相談なんだろ」グイッ
真姫(ひ……ち、近い)
真姫(言わなきゃ、言わなきゃ、好きだって、言わなきゃ)
真姫「女の子同士で付き合うとかってにこちゃんは……どう思う?」
にこ「な、なによ急に」
- 13: ◆nv1kPr3aqINd:2014/06/25(水) 18:40:39.43 ID:YJwZ6HZy0
真姫「ど、どう思うって聞いてんでしょ!?」
にこ「えっと…まあ、人それぞれ、なんじゃない?」
真姫「そう……」
にこ「……」
真姫「……」
にこ「な、なんで黙るのよ」
真姫「……き」
にこ「ん?」
真姫「…好き」
にこ「なにが?」
真姫「あぁもう!なんでここまで言ってもわかんないのよバカ!!」
にこ「はぁ?意味わかんないわよ!言いたいことあるならはっきりいいなさいよ!!」
真姫「バカ!バカ!にこちゃんのことが、好きだって、言ってんのよ!!」
にこ「……え?」
真姫「あ……えっと…」
- 14: ◆nv1kPr3aqINd:2014/06/25(水) 18:41:20.09 ID:YJwZ6HZy0
◇◇
希の家
希「ん?メール?」
真姫メール『にこちゃんと、無事付き合うことになりました。背中を押してくれた希のおかげよ。本当にありがとう』
希「は…はは……そうだよね。なにを期待してたんやろ、ウチ」
希「真姫ちゃんがにこっちに振られるとでも思っとったんかな。そうすれば自分がにこっちの隣に行けるってそう思ったんかな」
希「うぅ……にこっち……好き。好きだよ」
応援している。
それはきっと言葉だけだったんだ。実際は、真姫ちゃんがにこっちち振られる。
そう期待していたんだって、分かってしまった。
このドス黒い感情は、消えてくれそうになかった。
- 15: ◆nv1kPr3aqINd:2014/06/25(水) 18:43:39.25 ID:YJwZ6HZy0
◇◇
翌日
にこ「はぁ!?どういう意味よ!?」
にこ「私は真姫のことちゃん付けで呼ぶの恥ずかしいのよ!!」
真姫「いいでしょ別に!?他の人と同じ様に呼ばれるのは嫌なの!」
希「あの二人がくっついてくれて良かったわー」
絵里「希……」
絵里「無理、してない?」
希「……ねええりち」
希「ウチも、ワガママ言っても、ええんかな」
絵里「え……?」
希「今まで散々人のことを考えて生きて来た。でも、でも、今回は胸が、張り裂けそう、なんよ」
希「どうすれば、いいんかな」
希「もう、遅いのは、分かってるのに」
絵里「希……」
希「ごめん、トイレ行ってくるね」
- 16: ◆nv1kPr3aqINd:2014/06/25(水) 18:44:26.58 ID:YJwZ6HZy0
絵里「……」
海未「最近希、元気無さそうですね?」
絵里「そうね」
海未「絵里まで元気じゃないと、私は悲しいです」
絵里「そう?」
海未「はい」
海未「元気出して下さい。あ、この前の話覚えていますか?」
海未「明後日休日ですし、出かけたいなーなんて、考えているのですが…」チラッ
やっぱり、まだ諦めきれて、ないのよね。希は。
でも、今しか希を振り向かせられるチャンスは。
海未「……絵里?」
絵里「え!?あ、ああなんの話?」
海未「――いえ……なんでも、ありません」
<コメント一覧
-
- 2014年06月27日 21:57
- ※1
お前は何を言っているんだ
-
- 2014年06月27日 22:00
- 真姫と希の性格屑にさせすぎやろwww
-
- 2014年06月27日 22:13
- ※1ちゃんのおかげで最高のSSになった
-
- 2014年06月27日 22:55
- *1ちゃん。。。。。
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- 2014年06月27日 23:03
- 限りなくバッドエンドでいい感じに鬱屈した気分になったのに※1ちゃんのせいで台無しになった
-
- 2014年06月27日 23:06
- ラブライバーとしてすごい心が痛い......
μ's崩壊とかやばいよ......
-
- 2014年06月27日 23:22
- なぜまとめた…
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- 2014年06月27日 23:50
- ドロドロだな
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ワクワクしながら読んでたのに…