りゅうおう「せかいの はんぶんを きさまに やろう」 ゆうしゃ「はい」
- 1 :名無しさん@おーぷん 2014/06/29(日)09:48:49 ID:aCJSzO3US
- 第1話
~ラダトーム城~
大臣「陛下! 陛下!」バタバタバタトビラバーン
王「どうした、騒々しい」
大臣「姫様が救出されましたぞ!」
王「何だと!?」ガタッ
大臣「今度の勇者殿は強いですなぁ……」ウンウン
王「これは……いよいよ不味いな……」
大臣「姫様が助かったと言うのに、何て事を!」
王「や、姫が助かったのは良いんだ。
良かった良かった」
大臣「では何が」
王「勇者殿だよ」
大臣「あ……」 - 9 :名無しさん@おーぷん 2014/06/29(日)09:57:25 ID:aCJSzO3US
-
王「護衛のドラゴンも倒したんだろう?
どれだけ強くなるのか……」
大臣「最初はスライムに殺されかけてたのにwww」
王「笑い事じゃない。
万に一つ、このまま竜王を討ち取ってみろ」
大臣「恩賞の領地は、どうされますか」
王「それを悩んでおるのだ。。
人間同士の戦争では無いからな、領地を獲得できる訳じゃない」
大臣「今までの勇者殿は文句を言いませんでしたからなぁ」
王「死人に与えるのは名誉だけで充分だからな」
大臣「更に我々が宣伝しまくった所為で
民衆の勇者人気は凄まじい事になっておりますぞ」
王「そう言う事だ。
勇者殿をぞんざいに扱ってみろ、今度は我々が求心力を失う」
大臣「……」
王「……」
大臣「ま、まぁ、まだ死なないと決まった訳ではないですし」
王「それもそうなんだが……
これってフラグ立ってないか?」
大臣「取り敢えず来週には各領主との会談があります。
そこで話し合ってみましょう」 - 11 :名無しさん@おーぷん 2014/06/29(日)10:00:48 ID:aCJSzO3US
-
ゾーマ軍がアレフガルドを恐怖の底に突き落としてから、長い長い時間が経った。
アレフガルド全土が平和に慣れ切った頃、新たな脅威が人々を襲う。
竜王に率いられた、新たな侵略部隊であった。
しかし、平和に慣れたとは言え、アレフガルド人民と国軍は頑強に抵抗した。
侵略直後の大規模な会戦により、両軍は大きな損害を被る。
これにより両軍の間に奇妙な休戦期間が訪れた。
両軍は来たるべき決戦の為に、兵力の復旧を試みる。
特にアレフガルド軍は、各河川に兵力を集中させる手法で以て、竜王軍の大規模な作戦行動を封じ込めた。
こうして、両軍が、しのぎを削って作り上げた危うい膠着状態。
その中で今、一人の「勇者」が頭角を現し始めた。 - 15 :名無しさん@おーぷん 2014/06/29(日)10:06:15 ID:aCJSzO3US
- 第2話
~一週間後 ラダトーム城~
国王「さて、今日、皆さんに集まって頂いたのは、他でも無い」
領主A「勇者殿の事ですな」
国王「左様」
領主B「我が領民も、勇者殿を神の様に崇めておりまする」
大臣「ちょっと煽り過ぎましたかね」
領主C「何を呑気な。
このままでは我々の権威に関わりますぞ」
領主A「国軍は何をやっているのか、と、
口にせずとも人民の顔に浮かんでおります」
領主B「しかし、まさか、ドラゴンを倒すとは……
本物のロトの末裔なのでは?w」
領主C「本物だろうが偽物だろうが関係無い。
国王陛下、竜王は我々の軍で打ち破らねばならんのですぞ」 - 16 :名無しさん@おーぷん 2014/06/29(日)10:08:43 ID:aCJSzO3US
-
国王「……分かっておる。分かっておるが、」
領主A「が?」
大臣「我々も捕捉するのに精一杯なのです」
領主B「こちらからの指示は?」
大臣「元々が正規兵では無い故、命令系統が無く……」
領主C「全く話になりませんな!」
王「何か案は無いだろうか、知恵を御借りしたい」
領主A,B,C「……」
伝令「こっ、国王陛下!」バタバタバタトビラバーン
大臣「何事であるか! 場を弁えい!」
国王(お前もやったけどな)
伝令「しっ、失礼しました! 報告します!」
領主A,B,C(あっ、これアカンやつや) - 24 :名無しさん@おーぷん 2014/06/29(日)10:12:14 ID:aCJSzO3US
-
伝令「勇者殿がメルキドへ入城を果たしたそうです!」
国王「な……っ!?」
大臣「メルキドだとう? あの城塞都市にか!
ゴーレムは、ゴーレムは、どうした!?」
伝令「ゆっ、勇者殿の手により破壊された模様!」
領主A「そんな馬鹿な……」
領主B「やっぱ本物かも分からんね」
領主C「本物だとしても、あのゴーレムを破壊しただと?
総勢700を超える大攻城部隊を返り討ちにした、あのゴーレムだぞ?」
伝令「笛吹いたら寝た、との報告です!」
兵士長「伝説の、妖精の笛か……」
大臣「何か言ったか、兵士長」
兵士長「いえ、何も」
国王「しかし、ゴーレムを失ったのは大きな痛手だ。
メルキドの駐留部隊は殆ど引き抜いてしまっている……」
領主A「抽出できる予備兵力は?」
領主B「メルキドが落ちては、我々に勝ち目は無くなる」
領主C「どうされるのです、国王陛下!」 - 28 :名無しさん@おーぷん 2014/06/29(日)10:13:47 ID:aCJSzO3US
- 大臣「予備兵力が無い訳では無い。
第一兵団がラダトーム城に駐留している。
しかし、それは来たるべき決戦に向けて温存してある精鋭部隊。
メルキドへの道中や、防衛戦で消耗してしまっては……」
国王「背に腹は代えられん。
第一兵団をメルキドへ送る」
大臣「陛下!?
決戦を放棄するおつもりですか!?」
国王「馬鹿を言うな!
私だって温存しておきたい!
しかし今! メルキド人民が危機に瀕している!
我々が選択した作戦の結果だ!
メルキドから部隊を取り上げ、
ゴーレムを取り上げ、
決戦兵力の温存の為に見殺しにするのか!?
そんな決戦に何の意味がある!?」
大臣,領主A,B,C「……」
国王「……幸いにして、近衛師団も健在だ。
状況によっては此処を空にしてでも決戦兵力は抽出する。
……大臣、早速手配を」
大臣「……は、畏まりました」
国王「折角御集まり頂いたのに、私も席を外さねばならなくなりました。
申し訳無いですが、これにて失礼します」ガタッ
大臣「陛下、第一兵団到着までの期間だけでも、
勇者殿をメルキド駐留部隊に編入しては如何でしょうか」
国王「そうしたい所だが、駐留部隊の面子もある。
編入では無く街を離れぬよう伝えておけ」
大臣「は、畏まりました」
国王「全く、大した勇者殿だ……」 - 30 :名無しさん@おーぷん 2014/06/29(日)10:16:26 ID:aCJSzO3US
- 第2話・註
ゴーレム
- 33 :名無しさん@おーぷん 2014/06/29(日)10:19:17 ID:aCJSzO3US
- 第2話が終わったとこですが、設定を少し
基本的には『モンスター物語』って本に準拠してます
第3話以降は竜王軍の「六魔将」達が登場しますが、
の表に基づきます - 37 :名無しさん@おーぷん 2014/06/29(日)10:21:31 ID:aCJSzO3US
- 第3話
~竜王城~
竜王「ゴーレムが勇者に破壊された?」
大魔道「は、左様で」
竜王「貴様等が落とせなかったメルキドを、
たった一人で落としたのか」フン
大魔道,死神の騎士「……」
竜王「しかし、これでメルキドがガラ空きになる」
死神の騎士「是非とも私めにメルキド攻略の機会を!」
竜王「ゴーレムが居らずとも、勇者が居るぞ?
貴様等がメルキド攻略戦で失った兵力を忘れたか?」
死神の騎士「」ビクッ
大魔道「ドラゴン300、鎧の騎士300、ストーンマン100……」ガクガク
竜王「そうだ。
どんな手段を用いたのかは分からんし、
ゴーレム自体が限界だったかも知れない。
我々の攻撃により損傷が蓄積していたかも知れない。
しかし、いずれにせよ、たった一人の人間によって、ゴーレムは破壊された。
その勇者が居るメルキドを攻略するとな?」
死神の騎士「……」
竜王「さりとて放置する訳にはいかん。
此処で見失えば捕捉する事すら困難になる。
……大魔道」
大魔道「は」 - 41 :名無しさん@おーぷん 2014/06/29(日)10:25:39 ID:aCJSzO3US
- 竜王「悪魔の騎士は、ドムドーラか?」
大魔道「はい。
強襲部隊の再編を終え、当該地域の哨戒を再開しております」
竜王「例の鎧を餌に、
勇者をドムドーラに誘い出せ。
悪魔の騎士に、汚名を濯ぐ機会を与える」
死神の騎士「私めにも、どうか……!」
竜王「ならん」
死神の騎士「……」
竜王「影、死神の騎士両名は、
スターキメラの偵察部隊と合同で出撃、
ラダトーム城よりメルキドに向かう兵団の足を止めよ」
死神の騎士「足止め、で御座いますか?」
竜王「不満そうだな?」ニヤリ
死神の騎士「い、いえ、そんな事は……」
竜王「恐らく、
決戦の為に温存していた予備兵力だ。
最精鋭の、第一兵団」
死神の騎士「!」
竜王「分かるだろう、彼等も苦しいが、
我々も兵を失い過ぎた。
各地でアレフガルド軍と睨み合っている。
機動的に運用し、且つ大規模な攻撃を仕掛けられる程の兵力は抽出できない。
……分かるな?」
死神の騎士「は、御意に」
竜王「では、直ちに掛かれ」
大魔道,死神の騎士「はっ!」 - 43 :名無しさん@おーぷん 2014/06/29(日)10:30:09 ID:aCJSzO3US
- 第3話・註
竜王
大魔道
死神の騎士
ドラゴン
鎧の騎士
ストーンマン
悪魔の騎士
影の騎士
スターキメラ
- 45 :名無しさん@おーぷん 2014/06/29(日)10:33:44 ID:aCJSzO3US
- 第4話
~ラダトーム城~
国王「第一兵団の状況はどうだ」
大臣「は、余り芳しくない様です。
スターキメラ率いる偵察部隊により散発的な攻撃を受け、
思った様に進軍速度が上がらないとか」
国王「消耗は?」
大臣「目立った被害は無い様です。
影、死神の両騎士の部隊も戦闘に参加しているとの報告もありますが……」
国王「六魔将の三人を投入して足止めか?」
大臣「彼等も苦しいのでしょう」
国王「それは、そうだろう。
しかし、足止めして時間を稼いで……
何が狙いだ、竜王め……」
大臣「如何に時間が掛コメント一覧
-
- 2014年06月29日 19:52
- え?なんだって?
-
- 2014年06月29日 19:56
- いい話だった
-
- 2014年06月29日 20:03
- 良い話だった
天空辺りも書いて欲しい
-
- 2014年06月29日 20:06
- 草を生やしてなかったらなあ……
-
- 2014年06月29日 20:15
- ギガンテス(戦士)
-
- 2014年06月29日 20:16
- こういうの好き
-
- 2014年06月29日 20:26
- ブラボー
-
- 2014年06月29日 20:37
- すごく良かった
-
- 2014年06月29日 20:40
- 兵士長…一体何者なんだ…?
-
- 2014年06月29日 20:40
- お約束とは言え、緑可哀想すぎるw
あ、話はすごく面白かったです。
-
- 2014年06月29日 20:46
- ドラクエは魔物以上に人間のがクズな事がよくあるからなぁ…
レブレサックとかカボチとか
-
- 2014年06月29日 20:52
- 良い話だったわ。
-
- 2014年06月29日 21:00
- 竜王のかーちゃんは光のたまを守ってた
ルビスサイドだったのに竜王は何で世界征服をしようとしたんだっけ?
-
- 2014年06月29日 21:10
- いい話だったぜ!マダンテッ!!
-
- 2014年06月29日 21:10
- ドラクエ2のラダトーム王ってハーゴンを恐れて逃げ出したんだよな
この王の血筋だと思えばしっくりくる
-
- 2014年06月29日 21:11
- イイハナシダナー
-
- 2014年06月29日 21:13
- 緑は兵士長の子孫だったのか
-
- 2014年06月29日 21:47
- 面白かった……>>1乙!
-
- 2014年06月29日 21:48
- いい話だった めずらしく一気読みしてしまった
兵士長は本当にタヒんだのかなぁ?
-
- 2014年06月29日 22:06
- ダイの大冒険っぽいな。竜王がアバン先生みたいだ。
-
- 2014年06月29日 22:23
- ※13
確か邪神に育てられて唆されたんじゃなかったっけ
お前の母親は勇者のせいで死んだ、みたいな
-
- 2014年06月29日 22:36
- なかなかよかった
-
- 2014年06月29日 22:43
- 宝箱いっぱいあると思って喜んだのに殆ど城から出るための魔法の鍵
残ったのは松明と小銭
ラダトーム王って糞だな
-
- 2014年06月29日 23:10
- 一気に読んだ。いい話だった!!
-
- 2014年06月29日 23:23
- 凄く良かった!
-
- 2014年06月29日 23:43
- ロトの軌跡っぽくて良い感じ
楽しませてもらったよ
-
スポンサードリンク
ウイークリーランキング
最新記事
アンテナサイト
新着コメント
QRコード
スポンサードリンク