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勇者「俺の目的は魔王討伐じゃない」|エレファント速報:SSまとめブログ

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勇者「俺の目的は魔王討伐じゃない」

2 : ◆WnJdwN8j0. 2014/06/30(月) 20:37:10.63 ID:Ip9gb3730

>全国より強豪が集い、一週間に渡って繰り広げられた「勇者決定トーナメント」――その優勝者が、今日決定した。

王「そなたを今日より、勇者と認定しよう――」

>勇者と認定された者は国により、魔王討伐の旅の支援を受けられるようになる。
>その日すぐに、新たに誕生した勇者の肖像画が全国の店屋・宿屋等に配布された。これにより勇者による店の利用は無料となり、料金請求は国に行く仕組みとなる。

勇者(経済的支援、旅人にとっちゃ随分助かるな――だが)

>勇者の目的はむしろ、そちらではなく…

勇者(全国に俺の顔が知れた。これで目的が達成しやすくなったな)

勇者(『餌』を撒けば獲物は向こうからやってくる。あとは…)

?「勇者ー」「勇者様…ウフフ」「勇者さん!」

勇者「…あ?」

>急に呼ばれたことに若干の苛立ちを覚えつつ、振り返ると見知らぬ人間が3人。
>どいつもこいつも、こちらをキラキラした目で見つめてくる。

勇者「誰だ」

戦士(男)「勇者さん…俺らを忘れたのか!?いや違う…呆れているんだな、不甲斐ない俺たちに!」

勇者(え、何?)

狩人(女)「あーゴメンゴメン、あたしらトーナメントであんたに負けた者さ」

勇者「一回戦敗退者だろ」(一回戦は複数人混合だったから、一人一人顔覚えてないし)

戦士「わかってる!勇者さん、そんなに早く脱落した俺たちに呆れているんだろう!もう、顔も見たくないんだろう!」

勇者「そもそも覚えてないんだが…」

呪術師(女)「ゆ、勇者様だわ…近くで見ると、い、いいい男ウフフ~」

勇者「」ゾワァ



3 : ◆WnJdwN8j0. 2014/06/30(月) 20:37:40.59 ID:Ip9gb3730

勇者「で…何の用だ?」

狩人「実はさ、あんたの旅に同行したくて」

勇者「断る」スタスタ

狩人「流石、剣も態度も切れ味抜群だねぇ」

呪術師「だけど着いていくわよウフフ何と言われても」

戦士「そうだぜ!俺たち仲間じゃんかよ!」グッ

勇者(こいつらの頭の中では、俺との間に何があったんだ?)スタスタ

呪術師「無視ね…完璧な放置プレーだわウフフフフ…刺激的ィ」ニヤァ

戦士「わかる!俺にはわかるぞ!「お前達の気持ちはわかった、俺はもう何も言わんから勝手に着いてこい」ってことだな!勇者さん、あんたって人は、あんたって人はああぁぁ!」涙ダー

勇者「いや、何一つ合ってねーから!」

呪術師「立ち止まった!立ち止まってくれたわああぁぁ」

戦士「勇者さん!待ってくれたんですね!俺…俺、勇者さんを誤解してたよ…っ!」

勇者「絶対お前今現在も誤解してるぞ」

戦士「「誤解しているぞ、だって俺はお前達のことを…戦友と認めている!!」ですね!勇者さん!」ガシッ

勇者「だ、抱きつくな!…って貴様ぁ、俺の髪を抜くな!」

呪術師「ウ、ウフフ、勇者様…毛を手に入れたからは、貴方のいる場所は私に筒抜け…ゆ、勇者様の髪のおけけペロペロ」

勇者「」ゾゾー

狩人「着いていくよ勇者ー。タダ飯、タダ飯~」

勇者「お前っ、援助のおこぼれ貰いたいだけだろ!?」

>結局了承するまで戦士が離れなかった為、渋々了承した勇者であった。



4 : ◆WnJdwN8j0. 2014/06/30(月) 20:38:11.41 ID:Ip9gb3730

夜 =宿屋=

勇者(全員寝静まってから抜け出そうと思ったが…)

呪術師「ウ、ウフフフフフ」

勇者(何かずっと見つめられてるんだけど…いつ寝るんだあいつ)ゾゾー ←寝たフリ中

呪術師「ハァハァ勇者様の寝顔、う、美しいわぁ…寝ている隙に、キ、キキキキ、キスとかしちゃったりしてぇ…」ニヤァ

勇者「それはやめろ」チャキ

呪術師「あらぁ勇者様ん、私の愛を察知して起きたのねぇ、ウフフフ」

勇者「」ザクッ

呪術師「きゃん、切られたぁ~!勇者様の剣で切られたわぁん、ゆ、勇者様に頂いた傷口」ペロペロ

勇者(い、今の内に抜け出そう!)ダッ





勇者「ふぅ…初日から変なのに絡まれたな。目的を達するまではなるべく人とは関わらず…」

街人「魔物の襲撃だー!」「門を閉めろー!」「武装しろー!」

勇者「いきなりか…」

街人「あっ、貴方は勇者様!」「勇者様だー!」ワーワー

勇者(顔が割れているからな…)クッ

勇者「邪魔だから全員建物の中に引っ込んでいろ!」

街人「お1人で大丈夫ですか!」

勇者「心配は無用だ…」

狩人「何故なら~」

戦士「勇者さんには仲間がいるからな!皆行くぜ!魔物の脅威から人々を守るんだ!なっ、勇者さん!」

呪術師「ヒヒヒヒヒヒ」

勇者(急に湧いてきやがった…)ガックリ

呪術師「ウ、ウフフ…どこにいてもわかると言ったでしょう、勇者様ぁ」ニヤァ

勇者「お前達も邪魔だから引っ込んでろ」

戦士「こんな時でも俺らを気遣ってくれるなんて…でも大丈夫だよ勇者さん!何せ俺たちは勇者の仲間だ、死ぬ覚悟だってできているさ!」

勇者「なら今死んでくれ」

戦士「死ぬ気で戦えってことだね!皆、行くぞ!」ダッ

狩人「おー」

勇者「また勝手に解釈しやがって…!仕方ない行くぞ!」

呪術師「えぇ行きましょう勇者様ウフフ」

勇者「お前に言ってねー!」



5 : ◆WnJdwN8j0. 2014/06/30(月) 20:38:39.14 ID:Ip9gb3730





勇者「ハァハァ先に突っ走った2人は…」

魔物「ハ~ッハッハ!」

勇者「!」

狩人「いちち、やられちった~」

戦士「すまねぇ勇者さん…頑張ったんだ俺ら、だけど駄目だった!」

勇者(くっそ弱ぇ…)

魔物「人間は大人しく魔王様の奴隷となるのだ!しかし我らに歯向かう者は、見せしめに殺してやるわーっ!」

勇者(とっとと殺ってくれ、とっとと)

魔物「…ムッ!?」ピタッ

狩人「…!?」

勇者「どうしたんだお前達!?」

戦士「わからねぇんだ勇者さん!だけど不思議だよこの感じ…!まるで…まるで、奴らの動きが止まったように見えるんだ!俺は、時間を超越したのかな!」

勇者「いや、お前に言ったんじゃなくてな…あとまるでじゃなくて、止まったんだよ動きが」

呪術師「ぶゎ~か♪お前達みたいな雑魚…」

勇者「!?」

>呪術師の手からは不気味な光が発せられ、よく見るとその光は魔物の体を覆っていた。

呪術師「動きを止めるなんて赤子の手を千切るより簡単なんだよおおォォォ!アーッハッハッハ、このまま呪い殺してやろうかああぁぁ!」ゴオオォォ

魔物「ひいいぃぃ!?」

勇者「待て、俺がやる…」(無駄に苦しめそうで、気の毒だ…)

呪術師「ゆ、勇者様///」キュン

勇者(顔を赤らめるな、顔を!)

勇者「我と契約し魔剣よ…今こそ、その力を我に!」ゴォッ

魔物「!?」

>勇者が抜いた剣は、神々しく光を放っていた

勇者「邪(よこしま)なる者よ、苦しむことなく、我が剣に…斬(ざん)ッ!」シュバァーッ

>勇者が剣を振るったと同時、魔物は剣の光に包まれ――

狩人「消えた~…」

勇者「フン、手応えもない」

戦士「勇者さん!すまねぇ、俺たちが不甲斐ないばかりに…だけど俺、負けないから!絶対もう、負けないからっ!」

勇者「黙れ負け犬」

呪術師「勇者様ぁ…一生着いていくわぁ」ニタァ

勇者(こいつの呪術だけは本物のようだし…今日は逃げるのを諦めよう)グッタリ



6 : ◆WnJdwN8j0. 2014/06/30(月) 20:39:08.90 ID:Ip9gb3730

翌日

戦士「勇者さん、朝だよ!爽やかな太陽だ!まるで俺たちを祝福してくれているようだね!」

勇者「うるせーよ…」(あー眠ぃ)

狩人「勇者、魔王を倒すんだろ?情報は仕入れてあるからね~」

勇者(余計なことを)チッ「聞かせてみろ」

狩人「うん。これは最近判明したことなんだけどね、魔王城に行く為には4つの宝玉を集める必要があるんだ。その宝玉が揃えば、魔王城までの「道」ができるって話だよ」

勇者「ほー…。よく調べたな」

狩人「だけどその4つの宝玉はそれぞれ、魔王直属の部下が持っていて、そいつらを倒さないと宝玉は手に入らないだろうね」

戦士「魔王直属の部下ってぇと、東西南北それぞれに君臨してる化物共だな!腕が鳴るぜ!」

勇者(雑魚にやられた奴が何を言う)

呪術師「ま、負けるわけがないわぁ勇者様が…ねぇ~?」ニタァ

狩人「よし、1番近い西の化物から倒しに行こう」

戦士「勇者さん!俺着いて行くよ!世界の皆に笑顔を届ける為に戦う勇者さんに、どこまでも着いて行くよ!」

勇者「着いて行くと言うなら、目的地は俺に決めさせろ…」

戦士「わかってるよ勇者さん、皆が行き着くべき目的地は世界平和!そうだろ勇者さん!」

勇者(もうこいつと話したくない)

>こうして勇者は(不本意ながら)西を目指すこととなった




=西地方=

狩人「あ、村が見えてきた~。これでタダ飯にありつけるね~」

勇者「あぁ、俺の顔は知れ渡っているからな」

呪術師「世界一有名でお美しい勇者様ウフフ…ん?何かあの村、変よ?」ブツブツ

戦士「どこも変な所はないぞ?それよりも早く行こう、皆!」ダダッ

勇者「疲れ知らずな奴だな…ん?」

>村の高台で人影が動いた。そして――

シュババッ

戦士「ぐわー」

>高台から放たれた矢が、戦士に突き刺さった!



7 : ◆WnJdwN8j0. 2014/06/30(月) 20:39:47.86 ID:Ip9gb3730

狩人「わあ。戦士がやられたねぇ」

呪術師「雑魚が」ケッ

勇者「そんなことはどうでもいい」ダッ

狩人「あっ、勇者」

戦士「ぐえっ」

>勇者は狩人の声を無視して村に駆け出した。その際戦士を踏みつけてしまったが、気にせず高台に向かって叫んだ。

勇者「勇者だ…弓矢を向けるな!」

魔物「クク…そうはいかんな小僧!」

勇者「!」

>高台には魔物がいた。そして高台だけではなく、村のあちこちから魔物が姿を現した。

勇者「この村は制圧されたのか。わざわざ、こんな小さな村を制圧するなんてな」

魔物「それは、貴様が西を目指していると報告を受けたからだ。きっとここに立ち寄るだろうと思って、先回りした」

勇者「勇者の顔は魔物にも知れ渡っているってことか」

魔物「それもあるが――知ってる奴は知ってるだろう、お前の顔は」

勇者「…あぁ、そうだな。だが」

>こいつ、俺の顔を知っていたか――そう思ったものの、勇者は特に何の感慨もなく剣を抜いた。

勇者「今の俺は、勇者なんで――」





呪術師「あっ、あれ!」

狩人「わー」

>少し離れた所から見守っていた呪術師が指差した所からは、光が放たれていた。

戦士「勇者さんの剣だ!流石勇者さん、村を解放する為に、皆の笑顔を取り戻す為に、戦うんだね!勇者さーん!」ダッ

狩人「戦士ぃ、血ぃ吹き出てるよ~。まぁいいや、勇者~」ダッ

呪術師「フヒッフヒッ今行きますううぅぅ」ダッ




勇者「…手応えが無かったな」

>そして、呪術師らが勇者の元に着いたのは、既に魔物達が消えた後だった。



8 : ◆WnJdwN8j0. 2014/06/30(月) 20:40:15.18 ID:Ip9gb3730

村人達「勇者様ありがとうございます!」「流石勇者様だ!」「勇者様万歳!」ワーワー

戦士「勇者さんはな…勇者さんは、その笑顔が見たかったんだよ!その為に魔物の群れに突っ込んでいったんだ、そういう人なんだよ勇者さんは!」

村人達「キャアアァ、勇者様素敵いいぃぃぃ」キャーキャー

勇者「そういう人じゃねーし、とりあえず1人にしてくれないか…」

戦士「世界を背負っているから!だから勇者さんにも独りになりたい時があるんだよ!独りの時に泣いて、皆にはそんな姿を見せない!そういう人なんだよ勇者さんは!」

勇者(あぁ泣きたいよ、お前と出会った宿命に)

村人達「勇者様ー勇者様ー」ワーワー

勇者「村はずれに泉があるんだな…そこに行っている」(あーうるさい)

狩人「宿とっておくね、勇者~」

呪術師「宿で待ってるわ…待ってるけど、でも…!忘れないでね、勇者様がどこにいても私にはわかる…」ニタァ

勇者(逃げらんねーなこりゃ…)





勇者「…あー、あの3人といたら疲れる」ドサッ

?「ふふ、相変わらず人付き合いが悪いのね」

勇者「!?」

?「久しぶりね…勇者?」

勇者「何でお前がここに…幼馴染!?」



9 : ◆WnJdwN8j0. 2014/06/30(月) 20:40:43.15 ID:Ip9gb3730

幼馴染「うふふ~、勇者を追って来ちゃった♪なーんて言ったら、嬉しい?」

勇者「バカか!家を抜け出してきたのか…帰れ、危ないだろ!」
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    コメント一覧

      • 1. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年06月30日 22:25
      • ちょいちょいウワァ…ってなるから読むの止めたけど面白かった?
      • 2. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年06月30日 22:36
      • 文体似てるなと思ったら宿屋勇者の人か。
        戦士うぜぇww
      • 3. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年06月30日 23:07
      • 5 ツボに嵌まったわ、特に戦士が
      • 4. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年06月30日 23:14
      • 戦士いいキャラだな(意味深)
      • 5. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年06月30日 23:17
      • 戦士うざすぎワロタwwwwwwww
        やる夫スレのじじぃとやる夫が冒険する話の過去編思い出したわ
      • 6. 以下、VIPにかわりましてELEPHANTがお送りします
      • 2014年06月30日 23:45
      • 3 途中からめんどくさくなったのか?っていう印象。

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    ありがとうございます(`・ω・´)

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