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男「見られてない?」イケメン「…」じぃー【前半】|エレファント速報:SSまとめブログ

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男「見られてない?」イケメン「…」じぃー【前半】

1 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/04/13(日) 18:51:36 ID:5m0dbxH2

男「…っ…」ゾクゥ

男「……!」チラリ


イケメン「…」じぃー


男(み、見てるよなっ? 俺のことすっげー見てるよな…っ?)

男(ここ最近やけに視線を感じてたんだが…やっぱアイツか…俺を見ているのは何故だ…)

男「はぁ~…」

男(この学校に入学してから早二年。彼女おろか友達も出来ぬまま過ぎ去っていく日々)

男(いや、それは俺の自主性が無さ過ぎるってのもあるんだろうけど、うん、今は別にいいや)フルフル

男「いっ……今の今まで俺は、教室内で…なるべく空気になろうとしてきたつもりだったんだが…っ…」

トントントン トン

男「…」チラッ

イケメン「…」じぃー

男(なんでコッチ見てるんだよ!?)



2 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/04/13(日) 18:52:36 ID:5m0dbxH2

男「ぐぅっ…なんだ俺をそんなに見つめて…ッ!」

男(ハァッ!? も、もしや何時の間にかいじめの対象として観察されている、のか?)

イケメン「…」じぃー

男(あ、ああっ…違いないぞあれは…完全に俺を標的として見定めてる目だ…俺には分かる…!)

男(比較的この学級は殺伐とした人間性を持った奴は少ないと思ってたのにっ)

男「やっぱ顔なかァ! 顔が全てを制する手段なのかよ…ッ! 馬鹿野郎、神さはなんにも見ちゃくれてねぇ…!!」ボソッ


イケメン「何が顔なの?」


男「どぅあッッ!?」ガタタ

イケメン「やぁ! どうも! さっきから視線を感じてたから、こっちから話しかけてみたんだけどさ」

男(いや! いやいやいやいや! お前のほうが見てたじゃん! 滅茶苦茶俺のこと観察してたじゃん!)



3 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/04/13(日) 18:54:45 ID:5m0dbxH2

イケメン「何かオレに用事? ん?」

男「あ…いえ…別になんも用事ないっすケド…」

イケメン「へぇーそうなんだぁー。んじゃオレの勘違いってことね、ごめんごめん」

男(なんでお前が納得してんだよ! お前がまず説明しろよッ! そのすまし顔もイケメンだな畜生!)

イケメン「んーあのさぁ君って、前から思ってたんだけども」

男「えっ?」

イケメン「なんで何時も怒ってんの? なにかイラつくことでもある感じ?」

男「えっ!? おっ!? 怒って? …る?……ないけど、なに、怒ってる……見える…?」

イケメン「うんすっげー見えるよ。日常的に誰か構わず呪って生きてるように見える」



4 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/04/13(日) 18:56:26 ID:5m0dbxH2

男(うぇぇぇっ!? 別に怒ってないけど…むしろ静かに生きたいと願ってる方だけど…)

イケメン「だからオレ的には君が一回笑ってる所見てみたいなー」

男「はぁっ!? な、なんで…」

イケメン「ほらほら。人の笑顔って周りを幸せにするって言うしさ、そういったことも含めて一つ、どう?」

男(そういったことって何なんだ…)

イケメン「え・が・おっ! え・が・おっ! それっ!」パン パン

男「うぇっ?! あ、いや! そんな急に言われても無理っ」

イケメン「出来る出来る君になら普通にできるって。口角上げて、にこーってするだけだしさ」

男「口角上げて…にこー…?」

イケメン「そうそう。やってみ、簡単だから」

男「……に、にこー」プルプル

イケメン「……」

イケメン「怖ッ!!」



5 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/04/13(日) 18:58:17 ID:5m0dbxH2

男「ッ…!」ブツン

男「テメーがやらせたんじゃねーかアホ!!」

パァン

イケメン「──………」くらぁ

男「あ…」


「い、今…ウソでしょ?」

「あいつイケメン君のこと叩かなかった…?」


男(や、やばっ俺はなんてことをっ!? あ、謝らなければっ)くるっ

男「ご、ごめなひゃっ! しょなつもりふぁんてっ!」

イケメン「…」

イケメン「キタァ────!!!」

男「ほぁいっ!?」



6 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/04/13(日) 18:59:40 ID:5m0dbxH2

がっしぃいいい

イケメン「ちょっとこっち来て」ぐいぐい

男「…っ? …!?」ズリズリ


廊下


男「さ、さっきのことだけど…えっとアレは別に悪気があってやったわけじゃあなくて…っ」ダラダラ

イケメン「聞いてくれ。いいから黙って聞いててくれ」

男「な、なんしゅかっ?」

イケメン「オレの頭叩いたよね」

男「うひっ! あっ、えっと、ごめんなさい…!」

イケメン「フンスー! 最高だったよ! マジでドンピシャクリーンヒットだった!」

男「ついイラッと来て思わず…」

男「は?」

イケメン「小気味よい打撃音。手首の効いたスナップ。淀みない発言。そして──最高のタイミング」



7 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/04/13(日) 19:07:06 ID:5m0dbxH2

イケメン「とうとう見つけた…君がオレにとっての最高の救世主! ノアの方舟! マリア様!」

男「のあ…のあ…?」

イケメン「以前から目をつけていたんだ。もしかしたら君がオレの欲望を解消させてくれる人じゃないかってさ」

男(なにこの人怖いよッ!)

イケメン「聞いてくれ…是非にと聞いてくれ…オレの抱える闇を…オレの抱える思いを…」

男「やっ……やだ!」

イケメン「やだって言うなよ! お願いだ! オレの気持ちを解消させてくれるのは君だけなんだ…っ!!」

男「やだやめて…っ…お願いします何でもしますから…っ」

イケメン「何でもするって、何もそこまで怯えなくてもいいじゃないか…」

男(分からねえだろうな! お前にはわからないだろうな! 久しぶりにクラスメイトと喋る奴の気持ちなんて!)サメザメ



8 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/04/13(日) 19:13:10 ID:5m0dbxH2

ヒソヒソ ヒソヒソ

イケメン「むっ? 流石にここまで騒ぐと人目を引くか…」

男(お前だからだよ…)

イケメン「ここじゃあんまり詳しく話せないな。付いてきてくれ、説明させて欲しい」グイッ

男「ちょ、ちょっと…マジでなんなんすか…っ」

イケメン「えっ? オレのコト知らない? …結構クラスじゃ目立ってる方だと思うけど」

男(知ってるよ!)


屋上


男「寒い…」ブルル

イケメン「──あれは、この高校に入学してすぐだった…」

男(勝手に語り始めたよ…)

イケメン「俺は入学してすぐに友人が出来た。両手で数えられないぐらいに、たくさん出来たんだ」

男「…さよですか」

イケメン「オレは素直に嬉しかったよ。これはウソじゃない、友好関係がたくさんあったほうが楽しいからな」



9 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/04/13(日) 19:20:26 ID:5m0dbxH2

男(泣いていいかな)

イケメン「けど直ぐに気づいたんだ。満足行く高校生活を送れると思っていた矢先、オレはとあることに…」

男「…なんすか」

イケメン「それは……それはっ!!」ガンッ!

男「っ」ビクッ

イケメン「くっ…くそっ…なんでだッ…どうしてこうなったんだッ…!!」

男「お、おい」

男(急にどうしたんだ? そ、そんなたいそれた悩みを抱えてたのか…?)

イケメン「オレはただ…ただみんなから…ッ!」

男「……」ゴクリ

イケメン「突っ込みを貰いたいのに…っ! なんでみんなオレのギャグをスルーするんだ…っ」

男「あの。帰っていいですか」

イケメン「ただオレは何気ない会話で、軽くポイっと突っ込みを入れて欲しいんだよ!!!!!!」

男(知らんッ!)



10 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/04/13(日) 19:26:16 ID:5m0dbxH2

イケメン「考えてみてくれッ! 『最近筋トレハマってさーマジ鍛えまくってんだよねぇ』と言われて俺が何気なくッ!」

イケメン「あーじゃ亀のうんことか食べると筋肉育ちやすいらしいぞっ? っと言ったら! みんな…みんな…」

男「…………」

男「え、喰ったの?」

イケメン「……」コクリ

男(クッ! だ、誰だそいつの名前超知りてぇ! 後で影からこっそり顔確認したい!)

イケメン「これだけじゃない…まだまだたくさんある…オレがボケたいがゆえに不幸のどん底に落とされた友人たちがな…」

男(ボケなきゃいいじゃん…)

イケメン「今ッ! だったらボケなきゃいいだろって思ったろッ!」

男「ぇうっ!? お、思ってないデス…!」

イケメン「いやー……いいんだ、君の気持ちもわかる。だったらオレがボケなくていい、ただそれだけで済む話だ」スッ

イケメン「このメモ帳を見てくれ。どこからでも読んでくれていいから」

男「は、はぁ」ペラ

男「…なんすかコレ」

イケメン「オレのボケ手帳だ」



11 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/04/13(日) 19:32:57 ID:5m0dbxH2

男「え、えー………」

イケメン「引くだろう。ああ、ドンドン引いてくれて構わない。オレもメモ帳が出来上がった時は三日三晩悶え苦しんだ」

男「で、あの、これが何か?」

イケメン「………」

男「?」

イケメン「今期。オレは放送部員となった、クラスの委員会のな」

男「それは駄目だやめろッ!」

イケメン「それだ───ァッッ!!」

男「はぃいいいぃいっ!?」

イケメン「即座の理解力。そして的確な突っ込み。あっ…ぁぁあっ…ぞくぞくするねぇっ…いいよきみぃ…!!」

男(きめぇ…)

イケメン「ふくくっ…その通り…君が予想したことが現実に起こりえるんだ…この手帳のネタを放送時に使ってしまうかもしれない…このままではッ!!」

イケメン「けれど君の突っ込みがオレの欲望を癒してくれる! こんなものちっぽけだと思い知らせてくれる!」ギュッ

男「………いやいやいやいや……」



12 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/04/13(日) 19:41:04 ID:5m0dbxH2

イケメン「お、お願いだ! オレのどうしよもない欲望を…受け止めてくれッ! お礼はなんだってする! 本当だ!」

男「ご、ごめんなさい…他あたってくれませんか…」

イケメン「何が欲しい!? 出来る限りのものなら奢ってやるから! お金なら……うん、バイトするから!」

男「い、いえいえ…そんな金なんて…」

イケメン「じゃあ彼女か!? 彼女なのか!? だ、だったらどーにかして君のこのみにあわあわあわせて紹介してあげるし!」

男「か、彼女ぉ? そ、そういうのって自分で作らないと意味ないと思うし…」

イケメン「…意外と理想が高いんだな」

男「うっさいわ!」

イケメン「ふほぉぉぉぉっ」キラキラキラ

男(し、しまった! 余計な突っ込みを…!)

イケメン「ジュルリ。や、やっぱり君じゃないと駄目だ…っ…オレの高鳴った鼓動は君じゃないと収まり用がない!!」

男「マジ勘弁してください…」

イケメン「ぐぅうぅぅっ…なぜだ何故こうも頑固なんだ…っ」

男(必死過ぎて怖すぎる)



13 :以下、名無しが深夜にお送りします 2014/04/13(日) 19:52:22 ID:5m0dbxH2

イケメン「あ。そうだ、だったこれはどうだっ!」

男「…なんすか」

イケメン「友達!」

男「んっ」ぴくっ

イケメン「おっ?」

男「……」プイ

イケメン「おっ? んっ? なぜだろう、君が一瞬反応したかのように見えたんだが?」

男「…な、なんでもねぇよ…」ボソボソ

イケメン「友達、欲しい?」

男「…………イラナイ」

イケメン「やれやれ。ウソが下手くそだなぁ君は」

男「ぐっ、う、うるさい! 俺は怒ってんだよ! 友達欲しいって馬鹿かッ! 俺が友達居ないみたいな言い方するな!」

イケメン「………」

男「うっ……あっ………その………え、居るのとか…惨めになる質問……してくれなくてありがとう……」かぁぁぁ

イケメン「これでも友人は多いからね。うむうむ」コクコク


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