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スマートテレビのベストエフォート型多言語字幕サービス、2020年東京五輪までに展開へ - Engadget Japanese


数年前よりスマートテレビという言葉が叫ばれ、アーリーアダプタ層にとってはとくに新しい単語ではなくなった感もありますが、総務省は6月、スマートテレビの字幕に関する検討会を実施。7月に入ってその取りまとめ(案)を公開しました。

要約すれば、放送波で規定している2言語規制(日本語含む)がある中、スマートテレビではさらに多くの言語に対応した字幕を提供し、来日渡航者の増加が見込まれる2020年の東京オリンピックまでにサービス展開しよう、という内容です。今回の取りまとめは、そのためのキックオフ的な意味合いがあります。


スマートテレビは、いわゆるテレビ放送の視聴だけでなく、インターネットに繫がることでネットTVや動画コンテンツ、ストリーミングメディアの受信や、インタラクティブコンテンツの利用やWeb閲覧といった統合情報デバイスになる環境を意味しています。逆の見方をすれば、テレビのPC化といった捉え方もできるでしょう。

直近では、中国Xiaomiが49インチで6万円台というAndroidスマートテレビを発表。パナソニックもスマートテレビ用にFirefox OSの開発に乗り出しています。



野村総研の調査では、放送波による配信とネットを介した配信に対応する、いわゆるハイブリッドキャスト対応のスマートテレビは2013年から販売を開始。2018年には1083万世帯に普及すると予測しています。

総務省統計局のデータによると、2010年の日本の総世帯数は約5200万世帯で、同省国立社会保障・人口問題研究所の2015年の推計値では約約5300万世帯。単純計算で5世帯に1世帯、つまり20%の割合でスマートテレビが普及していることになります。



通常のテレビにおける字幕放送は放送波を使っています。そのため対応言語は、日本語を含めて2言語まで、字幕のあり方も放送法の適用範囲となります。NHKではスピードワープロ研究所に依頼しているそうです。スマートテレビは、ネットに対応するマルチキャスト型であり、少なくとも放送波以外の部分は放送法に縛られずに字幕の多言語化が行えます。

もっと言えば、字幕部分を放送事業者以外が作れるため、たとえば語尾に必ず「なり」「なりよ」を付けてキテレツ大百科 コロ助 字幕サービスが作れる可能性だってあります。あくまでも可能性ですが。

総務省のまとめでは、多言語字幕放送には日本語字幕放送を機械でリアルタイム更新するものと、事前に翻訳した上で映像と同期する方法があるとします。ちなみに、在京キー局5社の番組は2012年の段階で9割以上が日本語字幕に対応、ローカル局は同じく2012年に7割弱が対応しています。2017年度までにはNHK含め民放キー局は全て日本語字幕に対応する計画です。

まずはベストエフォート型多言語字幕を展開


総務省ではネットを利用した多言語化について、正確性や品質を保証しないベストエフォート型で提供する場合、利用者への周知徹底が必要としています。通信の世界では速度を保証しないベストエフォート型が一般的で、「下り最大○○Mbps」などといった言葉が氾濫していますが、同省は字幕については品質保証していない旨を徹底するようです。

また、より翻訳精度の高い多言語字幕も検討しており、その場合は利用者が遅延をどの程度許容できるかが鍵になります。

今回、早期提供を実現するため、まずはベストエフォート型で行くとの提言を出しています。さらに、翻訳精度向上のためにNICT(情報通信研究機構)らと連携して取り組むことも提言。加えて、言語の機械学習用のデータベース(対訳コーパス)を活性化するめに、ネットを介した集合知が参考になるとしています。

総務省では今後、2014年度中に多言語字幕の推進体制を築き、2020年頃には「民間の発意」により、ベストエフォート型の多言語字幕サービスを展開する計画。願うなら自由な民間の発意を期待したいところです。
スマートテレビのベストエフォート型多言語字幕サービス、2020年東京五輪までに展開へ

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