魔法使い「勇者の女子力が上がった」
- 2 : ◆WnJdwN8j0. 2014/07/03(木) 19:44:43.33 ID:uJeaH3qf0
- 勇者「今日も皆お疲れ~」
戦士「おつ~」
賢者「お疲れ様です」
魔法使い「…」
私は魔法使い。魔王討伐を目標に旅するパーティーの紅一点である。
この勇者とは同じ村の出身であり、パーティーの中では1番彼を知っていると自負しているが――
勇者「今日も一杯戦って汗ベトベト~。お風呂行ってくるね、お先~」
戦士「何だよ、一緒に入ろうぜ勇者」
勇者「や、やだよー///恥ずかしいじゃん…」
賢者「男同士だというのに、勇者様は奥ゆかしいことで」ニコ
勇者「男に奥ゆかしいって、それバカにしてる…///」
魔法使い(こいつ今、賢者君の微笑みにときめいたな…)
勇者「あっ、保湿ローション切らしてたんだった。買ってくるね~」
戦士「勇者は美容に手を抜かねぇなぁ…」
賢者「やむを得なく野宿をする時でも、下着だけは毎日取り替えているようですね…あ、勇者様には秘密ですよ。見られたと知ると恥ずかしがりますからね、彼」
昔から大人しい奴ではあったが、まさかこんなに女々しい奴だとは、思ってもいなかった―― - 3 : ◆WnJdwN8j0. 2014/07/03(木) 19:45:12.15 ID:uJeaH3qf0
- 魔法使い(村を出るまでの勇者は…)
~~~~~~~
勇者「剣の稽古始めたんだ。俺は女顔だから、せめて体は鍛えないとな」
勇者「村の男はどうも女々しいな。魔法使いの方がよほど雄々しくて話しやすいよ」
勇者「魔物だ!魔法使い、下がってろよ!」
~~~~~~~
魔法使い(…凄く、ってわけでもないけど、大人しいなりに男らしさはあったわよね、うん)
魔法使い(おかしくなったのは…勇者が、伝説の勇者の生まれ変わりとして魔王を討て、という神託を受けた日からよね)
魔法使い(それで国から、戦士さんと賢者君が派遣されてきたわけだけど――)
~~~~~~~
戦士「ハッハッハ、凄い筋肉だろう!触ってみるか勇者よ!」ムキムキ
勇者「い、いいよ///」
魔法使い(…ん?)
賢者「はは、宜しくお願いします勇者様」イケメンスマイルキラーン
勇者「…うん///」
魔法使い(んんん~???)
~~~~~~~
魔法使い「うちの村にいないような、男臭さMAXの戦士さんと、イケメンMAXの賢者君と出会ってからだーッ!!」
魔法使い「勇者を狙ってる女の子結構いたけど、私が1番仲良かったし…でもでも、そういう雰囲気には全然ならなくて、単に恋愛に淡白なのかなと思ってたけど、まさか男が好きだとか」アセアセ
賢者「魔法使いさん、声がだだ漏れですよ」
魔法使い「え、ちょ、や、やだーっ///」
戦士「安心しな、魔法使いちゃんが勇者を好きなのはとっくにバレバレだ!!」
魔法使い「も、もーっ///」 - 4 : ◆WnJdwN8j0. 2014/07/03(木) 19:45:42.07 ID:uJeaH3qf0
- 勇者「~♪」
魔法使い(な、何やってんのよ勇者ったら…)
>風呂から勇者が戻り、入れ替わりで2人が風呂へ向かった為、男部屋は今勇者しかいない。その部屋から鼻歌が聞こえたので気になって覗いてみれば、勇者は鏡を見ながら髪の毛をセットしている所だ。
魔法使い「勇者…お邪魔するわ」ガチャッ
勇者「あ、魔法使い~。ここの宿のお風呂ね、ハーブ湯だったよ!思わず長湯しちゃった~」
魔法使い「そ、そう、肌がスベスベね」
勇者「わかる~?けど魔法使いも肌綺麗だね、何かケアしてるの?」
魔法使い「特に何もしてないわよ。食生活には気をつかっているけどね」
勇者「あぁ、それが1番大事だよね~!健康な食生活が美肌を作るんだ、ってね!」
魔法使い「アンタ、野菜嫌いじゃなかったっけ」
勇者「嫌いだけど、肌の為だと思ったら頑張って食べられる!」ニコッ
魔法使い「…」
戦士「おーす、戻ったぜー」ガチャ
勇者「ちょ、戦士さん服着てよー///」
賢者「いいお湯でしたね。おや勇者様、髪の毛がサラサラしていますね」
勇者「賢者君そう見えるー?お手入れには気を使ったからねー」
魔法使い「………」 - 5 : ◆WnJdwN8j0. 2014/07/03(木) 19:46:11.73 ID:uJeaH3qf0
- 勇者「ハッ、ハァッ!」剣ブンブン
賢者「ふぅ、今日は疲れましたねぇ…勇者様、街へ戻りませんか?」
勇者「うーん…先に戻ってて。俺はもうちょっと頑張るよ」
戦士「付き合うぜ勇者ー。張り切ってんな」
勇者「今日はまだ、目標の運動量に足りてないからねー。最近ちょっとお腹周りも気になるし」
戦士「全然スマートじゃねーかよ、理想の細マッチョだ!」
勇者「やん///触んないでよ戦士さん~////」
賢者「ふふ、修行もいいですが、甘いものを控えることも大事ですよ」
勇者「そ、そのつもりなんだけどスプーンが止まらなくて…」
戦士「ハッハッハ、勇者から甘いもの取り上げたら生きていけねーってなぁ!じゃあ勇者、もうひと修行だ!」
賢者「どうかお気をつけて」
魔法使い「………」←好物:生姜焼き - 6 : ◆WnJdwN8j0. 2014/07/03(木) 19:46:38.10 ID:uJeaH3qf0
- 戦士「おぉ、ここの店は鎧が充実してんなぁ!」
賢者「そうですねぇ。勇者様と戦士さんの分を購入しましょう」
勇者「…蒸れてやだなぁ」
戦士「なーに言ってんだ、防具に必要なのは防御力!防御力の高い防具は硬い、そして重い!」
勇者「でもデザインもゴツゴツしてるしー…」
賢者「洒落た鎧もございますよ」
勇者「うーん、オシャレだけどちょっとなぁ…」
魔法使い「…勇者、これはどう?」
勇者「あー、これならゴツゴツしてなくていいかも!流石魔法使い、センスいいなぁ~」
戦士「女が好みそうなデザインだなぁ。ま、勇者には似合うけどよ」
勇者「そうかな~?」ヘヘッ
賢者「勇者様。装飾品を見てもよろしいですか?」
勇者「あ、俺も見る!鎧に合ったやつ欲しいしね~。装飾品は1つしか装備できないから迷うなぁ~…」ウーンウーン
魔法使い「………」←鉄塊のペンダント試着中 - 7 : ◆WnJdwN8j0. 2014/07/03(木) 19:47:12.24 ID:uJeaH3qf0
- 勇者「ひゃあああぁぁ、戦士さん、賢者君、戦ってー!!」
戦士「おいおいどうした…虫型の魔物がそんなに怖いか」
賢者「まぁ、魔物なだけあって本物の虫よりは大型ですしねぇ」
戦士「俺は小さいのがウジャウジャいる方が気持ち悪いけどな」
勇者「ちょ、戦士さんそういうこと言うのやめて!想像しちゃうでしょー!!」
戦士「もしかしたら魔王城付近は、巨大化された虫型魔物がウジャウジャいたりして~…」
勇者「やだー、それだったら俺魔王城行かないーっ」ゾワワァ
賢者「戦士さん、勇者様が怖がる冗談はやめましょう」
戦士「はは、悪い悪い」
魔法使い「………」←虫を駆除中 - 8 : ◆WnJdwN8j0. 2014/07/03(木) 19:47:44.27 ID:uJeaH3qf0
- 魔法使い「駄目だあああぁぁぁっ!」ゴロゴロゴロ
魔法使い「何なのよ!美容には気を使ってるけど甘いものの誘惑に負けるってどんだけ意思が弱いのよ!!ていうか昔は顔のこと言われたら怒ってたのに何で喜んでるのよ!あと苦手なものがあっても、ああやって人前でワーワー騒ぐのはみっともないって我慢してたじゃないのよ!」膝バンバン
魔法使い「め!め!し!いいいぃぃぃっ!!」ダンダンッ
賢者「おや魔法使いさん、荒れてますねぇ」
戦士「はは、勇者のがよっぽど女らしいな!」
魔法使い「勇者はどこ?」ギロッ
賢者「それが、戦士さんと喧嘩してしまいまして…」
戦士「勇者の奴すねてどっか行っちまいやがった…旅は足止めだなー」
魔法使い「いじけんなよ!女子か!」ダンダンッ
戦士「今更じゃねー、そのツッコミ」ハハハ
魔法使い「違うわああぁっ!長い付き合いだからわかるけど、あいつはあんな女々しくなかったーっ!」
賢者「そうなんですか。僕たちはああいう勇者様しか知らないもので…」
戦士「そうそう、顔も女っぽいし別に違和感なく受け入れたぜ」
魔法使い「受け入れんな!疑問を持て!」ダンダンッ
賢者「まぁまぁ。昔の勇者様に戻ってほしいなら、解決策を練ってみては?」
魔法使い「よし、じゃあ一旦パーティー解散。ハーレムパーティー組んでみるわ」
*
踊り子「ウフフ、勇者ちゃんて呼んでいいかしら~?」
勇者「わぁ、照れるなぁ///2人とも凄い美人だから、何か自信無くすかも」シュン
遊び人「あら、勇者ちゃんも綺麗よぉ。でも、爪もお手入れするといいかもねぇ」
勇者「そっかー、そこは気が抜けてた~。ねぇやり方教えてよ」
踊り子「いいわよぉ。勇者ちゃん可愛い顔してるから磨き甲斐があるわぁ」
遊び人「ねぇ、遊びでいいから一回着てみない、女物のドレ…」
魔法使い「ハーレムパーティーかいさああああぁんっ!」 - 9 : ◆WnJdwN8j0. 2014/07/03(木) 19:48:43.29 ID:uJeaH3qf0
- 魔法使い「危うくオネェになるとこだった!最終的にはタマ取りそうな勢いだったわあのバカが!」
賢者「人選にも問題があるかと…」
戦士「完全にオッサン好みのセンスだな」
魔法使い「るせーっ!元はと言うとアンタらが勇者の中の女を目覚めさすからじゃーッ!」
戦士(自分に女としての魅力がないからだとは思わんのかい)
賢者(勇者様の女性化と比例して、魔法使いさんがオス化してますねぇ)
魔法使い「ああぁどうしよう、むさ苦しいオッサンは生理的にイヤって言いそうだし、かっこいい女の人入れたら百合臭漂わせそうだし、幼女には母性を発揮しそうだし…」ブツブツ
賢者「まぁまぁ。今すぐどうこうしなくてもいいんじゃないですか?勇者様の根本は同じですよ」
魔法使い「だ、だけど…」
~~~~~~~~~~
勇者「なぁー、魔法使いはどんな男と付き合いたい?」
魔法使い「な、何よ急に///」
勇者「友達に彼女ができて、付き合い悪くなってさー。魅力的な異性がいたら、皆そうなるのかなーって」
魔法使い(何よ、目の前にいる女の子に魅力は感じないっての?)ムゥ
魔法使い「私が好きなのは…強くて優しい男の人よ」
勇者「男勝りの魔法使いでも、男らしいタイプに憧れんのかー。意外」
魔法使い「そういうものよ。男目線から見ても、男らしい男の方が魅力感じるでしょ?」
勇者「そうだな…」
勇者「男は男らしく、それが1番だな!」
~~~~~~~~~~
魔法使い「自分が男らしい男に惚れてどーすんじゃーっ!!」ドカッドカッ
戦士(荒れてるな)
賢者(荒れてますねぇ) - 10 : ◆WnJdwN8j0. 2014/07/03(木) 19:49:28.28 ID:uJeaH3qf0
- >廃城
勇者「暗くて前が見えないなー…」ブルブル
魔法使い「おうおう勇者、後ろがつっかえるからとっとと進んでもらおうじゃないかい」
ガシャッ
勇者「ひゃあっ!?」ビクッ
戦士「わり、ガラス踏んだ」
勇者「も、もー。びっくりさせないでよーっ///」
魔法使い「おのれの声にびっくりしたわあああぁぁ!!!」クワーッ
勇者「うわああぁ、ごめん、ごめんよーっ」
賢者「お2人とも、騒いでは魔物が寄ってきますよ」
勇者「そ、そうだねごめん」
魔法使い「あぁー!もうこのダンジョンの魔物全員、まとめて相手してやるわ!」
勇者「凛々しいね、魔法使い」
魔法使い「嬉しないんじゃアァ!!」
戦士「おい、何か来るぞ」
賢者「!」
ボスゾンビ「貴様が神託を受けし勇者か…俺が葬ってくれる!」
勇者「ぎゃああぁ、出たあああぁぁっ!」
魔法使い「後ろに下がるな!前に出ろ!」
勇者「虫とアンデッドは駄目なの~!やだやだ勘弁して~っ><」
魔法使い「うるせぇ克服しろ!」
勇者「できないものがあるの~っ!!」
ボスゾンビ「…おい」 - 11 : ◆WnJdwN8j0. 2014/07/03(木) 19:50:01.48 ID:uJeaH3qf0
- ボスゾンビ「俺を無視するなーっ!行け、お前達!」
ゾンビ達「うがーっ」
勇者「キャアアアアァァァ―――ッ」
魔法使い「あ、コラーッ逃げるな!」
賢者「仕方ない…魔法使いさん、まとめて蹴散らしコメント一覧
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- 2014年07月03日 21:05
- なんだ……ホモじゃないのかよ……
-
- 2014年07月03日 21:28
- そのあとの風呂 アッー!
-
- 2014年07月03日 21:37
- 米1
ホモ発見
-
- 2014年07月03日 21:47
- 魔法使いが矢作パイセンで再生された
-
- 2014年07月03日 22:23
- この作者色んなの書くな〜。いつも短くまとめてるから読みやすいよ。
賢者ってもう美を極めてるんじゃあ?
-
- 2014年07月03日 22:43
- ここはホモだろ!!!(憤怒)
-
- 2014年07月03日 23:06
- 出オチかと思ったらなかなか綺麗にまとまってた
-
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