素直ヒート「わたしはぁぁぁぁ!!おとこがぁぁぁぁ!!好きだぁぁぁぁ!!」
- 1: ◆qY8fh6Bmm.Kg:2014/07/01(火) 00:06:58.55 ID:EBsKz89o0
ガチャッバタン
素直ヒート「ついに帰って来たんだな、我が故郷よ」
ヒート(男はあの時の約束をまだ憶えているだろうか?)
ヒート「うぉぉぉぉぉぉ!!明日が待ち遠しいぞぉぉぉぉぉ!!おとこぉぉぉぉぉぉ!!」ジタバタジタバタ
<ヒートー。さっさと荷物運んでくれー。
ヒート「忘れてたぁぁぁぁぁ!!」ズダダダダダダッ!!- 2: ◆qY8fh6Bmm.Kg:2014/07/01(火) 00:09:40.65 ID:EBsKz89o0
―翌日―
ピーンポーン!ガチャッ!
男友「よっす男!学校行こうぜ学校!」
男「おはよ。男友は朝から元気だな」
男友「そりゃテンションもあがるってもんだぜ!うちのクラスに転校生が来るんだからよ!」
男「それって男子?女子?」
男友「バカか!なんでヤローが来るのをいちいち喜ばなきゃいけねーんだよ!女の子に決まってんだろ。女の子にぃ」ニヤニヤ
男「マジかよ。知らなかった」
男友「ほんとに知らなかったみたいだな。だとしたら遅れてるぜ、おまえ。これ、俺たち二年の間じゃけっこう有名な噂なんだぞ」
男「ふーん」
男友「感心してる場合かよ……」オイオイ
- 4: ◆qY8fh6Bmm.Kg:2014/07/01(火) 00:12:53.86 ID:EBsKz89o0
スタスタスタスタ…
男「あ、この公園」
『工事中につき関係者以外の方の立ち入りを禁止します』
男友「ああ、今度ここに新しくアパートができるんだってよ」
男「残念だなー。昔よく遊んだのに」
男友「土管の中で隠れんぼしてよく泥だらけになって帰ったよな!」ニヤ
男「それで親父にゲンコツくらうのはお約束だったな」ニヤ
男友「うっわ、懐かしー!俺んとこも同じだったぜ!」
男「なんだ。どこのうちもやることは一緒なんだな」
男友「だな」ニヤニヤ
- 5: ◆qY8fh6Bmm.Kg:2014/07/01(火) 00:15:40.37 ID:EBsKz89o0
男友「なあ、男。嬢ちゃんおぼえてるか?」
男「また懐かしい名前を……」
男友「お嬢様っぽいから嬢ちゃんって、当時の俺は我ながら安直なネーミングセンスだと思うだろ?」ニヤ
男「でも、間違ってはないよな。要領わるいし、おっちょこちょいだし、トロいし、不器用。オマケにすげー泣き虫だし」
男友「おいおい、そりゃいくらなんでも言い過ぎだろ!」ハハハ!
男「よく嬢ちゃんをいろんなところに連れ回してやったよな」
男友「昔の俺たちはとんだクソガキだったな。野良犬に向かってBB弾乱射するわ、近所のじじいの家の窓ガラスをボールで割るわ……」
男「逃げ遅れて説教くらうのは、毎回嬢ちゃんの役だったな」
男友「そうそう!そうだったな!」ガハハ!
- 7: ◆qY8fh6Bmm.Kg:2014/07/01(火) 00:18:12.51 ID:EBsKz89o0
男友「なぁ……俺は知ってるんだぜ」ボソ
男「なにを?」
男友「男。おまえ、嬢ちゃんのこと好きだったろ?」
男「……っ!」ドキッ!
男友「図星ってやつだな」ニイー
男「ヤベ。もうこんな時間だ」ダッ!
男友「オイ、こら!逃げんなー!」ダッ!
男(嬢ちゃんか……今頃美人になってんだろうな)タッタッタッ!
男(約束、まだ憶えてんのかな?いや、さすがに忘れてるか)タッタッタッ!
男友「待て―おとこー!てめっ、卑怯だぞー!」タッタッタッ!
- 17: ◆qY8fh6Bmm.Kg:2014/07/01(火) 09:55:54.58 ID:EBsKz89o0
ガララララ
ザワザワ…ザワザワ…
男「今日の男子連中はなんか妙に浮き足立ってんなー」ドスッ
男友「性欲と妄想力溢れる高校二年男子、考えることは似たようなもんだ。やっぱみんな女の子が転校して来るのが嬉しいんだよ」ヨッコラセ
男「そういうもんかね」
男友「興味なさそうだな」
男「べつにー」
男友「ま、男にもいずれわかる日が来るさ。童貞の純情さってやつがな!」ポン!
女友「まーたあんたら、朝っぱらから妙な話して……少しは時間帯考えてよね」スタスタ
男「女友」
男友「妙な話じゃねーよ。失礼だな。これはマジメな話なんだぞ」
女友「なんでもいいけど、せめてもうちょっとボリューム下げなさいよ。こっちは聞きたくなくても勝手に耳に入ってくるんだから」
- 18: ◆qY8fh6Bmm.Kg:2014/07/01(火) 09:59:08.83 ID:EBsKz89o0
女友「大体こんなくだらないことでいちいち盛り上がるなんて、男子は幼稚なのね。バカみたい」ヤレヤレ
男友「相変わらずこまかいところをネチネチネチネチ……あーやだやだ。これだから口うるさい女って嫌いなんだよなー」ハァー
女友「なによ!」バチバチバチ!
男友「なんだと!」バチバチバチ!
男(この二人、仲がいいのやら悪いのやら……)
・・・・・・
男友「にしても、どんな子が来るんだろうなー。かわいい子だったらいいけど、ブスだったらチェンジするしかないな。チェンジするしか」
男「今のおまえ、何気にひどいこと言ってるぞ」
男友「時と場合によって童貞は紳士みたいに優しくもなるし、悪魔のように非情にもなるのさ」フッ
男「そういうもんかね」
女友「それなら心配ないわよ。さっき職員室に偵察に行った男子が、他校の制服を着たきれいな女の子を見たって。多分それが例の転校生の正体よ」フフン
男友「なんだよ。興味あるなら最初からそう言えよ」
女友「か、勝手に耳に入ってきたのっ!いちいち人の揚げ足とらないでよね!////」カァーッ!
- 19: ◆qY8fh6Bmm.Kg:2014/07/01(火) 10:02:17.63 ID:EBsKz89o0
キーンコーンカーンコーン…キーンコーンカーンコーン…
ガヤガヤガヤガヤ
男友「おっと。男、続きは次の休み時間な!せいぜい感想きかせろよー」ヒラヒラ
女友「またね、男くん」スタスタ
ガラララッ!
担任「おや、みなさん。今日は珍しく席に着いているようですね。感心感心。このクラスの担任として私も鼻が高いです」
男友「それも今日限りだけどな……」ボソッ
担任「では、早速ホームルームを始めましょう。……の前に――」
担任「素直さん。入ってきなさい」チラ
<は、はいっ。
男「…………」ボーッ
- 20: ◆qY8fh6Bmm.Kg:2014/07/01(火) 10:27:30.59 ID:EBsKz89o0
ヒート「…………」ガシャン!ガシャン!
男「…………」チラ
男(なんだあのロボットみたいな歩き方?)
担任「素直さん。リラックスリラックス」ポンポン
ヒート「ひゃいっ!!」ビシーッ!!
担任「す、素直さん?」
ヒート「ひゃーひょー!!」ビシーッ!!
担任「だめだこりゃ……」ハアーア…
男(今度はドイツ軍の兵隊みたいな動き)
男「…………」
男(でも、たしかに顔はかわいいな。顔は)
- 21: ◆qY8fh6Bmm.Kg:2014/07/01(火) 10:48:38.54 ID:EBsKz89o0
担任「えー、これはどうしたものでしょうかね。しょうがない。彼女に代わって私が紹介を――」
ヒート「だいじょぶ……です」カチコチ…
担任「本当に大丈夫ですか素直さん?別に遠慮する必要はないんですよ?」
ヒート「だいじょうぶですからぁぁぁぁぁぁッ!!」キンキンキンキン!!
担任「…………」キーーーン
シーーーーーーーン…
ヒート「はあはあはあはあ……」ゼーハーゼーハー
ヒート「……よし!」ギュッ
男(な、なんだ?次は一体なにをしでかすつもりなんだ?)
ヒート「気合だあああああぁぁぁぁぁ!!」
バシンッ!!バシンッ!!バシンッ!!バシンッ!!
ヒート「うおおおおおおぉぉぉぉッ!!ド根性おおおおおぉぉぉぉぉッ!!」バシンッ!!バシンッ!!バシンッ!!バシンッ!!
女友「あ、あの子……」ポカーン…
男友「自分で自分の頬をぶってる……」ポカーン…
男(試合前の相撲取りかよ……)ポカーン…
- 23: ◆qY8fh6Bmm.Kg:2014/07/01(火) 11:06:07.88 ID:EBsKz89o0
ヒート「…………」ヒリヒリ
男(やりすぎだろ……)
ヒート「すぅぅぅぅ……」
ヒート「おどごおおおおぉぉぉぉぉ!!私からおまえに言いたいことがあるうううぅぅぅぅ!!」
男「……は?」
男(まさか俺呼ばれてる?)
ヒート「2年A組出席番号7番おとこおおおおぉぉぉぉ!!おまえに言いたいことがあるううぅぅぅぅ!!男らしく私の前に出てこいぃぃぃぃ!!」
男(幻聴だ。これは幻聴なんだ)ゴロリ
男友「おとこー。呼ばれてんぞー」
男「バカッ!」ガタン!
男「あ」
ヒート「男?男、なのか?」キョトン…
男(しまった……もう言い逃れはできない)
- 25: ◆qY8fh6Bmm.Kg:2014/07/01(火) 11:29:06.91 ID:EBsKz89o0
男「ああ、そうだよ。俺が男だ。だけどそれがどうかした?悪いけど、俺はおまえなんか今までに一度も――」
ヒート「会いたかった……」
男「は?」
ヒート「会いたかったぞおおおぉぉぉぉ!!おどぐうおおおおぉぉぉぉぉぉぉッ!!」
男「はあああああああああああ!?」
男(一体俺がなにをしたっていうんだよおおおおお!!)
ヒート「あの時の約束を憶えているか?男はもう憶えていないかもしれないが、私は一度たりとも忘れたことはなかったぞ」
男「あの」
ヒート「あの時の約束を果たすために私は今日まで鍛錬を積み重ね、数々の苦労と困難を乗り越えてきた。その成果をおまえには見て欲しい」
男「ねえ」
ヒート「いくぞおぉおおおぉぉぉおうおおおぉぉぉぉ!!」スッ
男「ちょっと?」
ヒート「破ぁあああああああああああああああッ!!」メメタァッ!!
バコオッ!!
- 26: ◆qY8fh6Bmm.Kg:2014/07/01(火) 11:43:10.49 ID:EBsKz89o0
担任「きょ、教卓が……こ、粉々に……」ビクビク
女友「…………」ゴクリ…
男友「かっけぇ……」キラキラ
ウオオオオオ!!キャアアーーー!!スゲーーーゾ!!
ヒート「ふう……」ユラリ…
ヒート「どうだああああぁぁぁぁあああああああッ!!」スッキリ!!
男「いえ、どうだと言われましても……」
ヒート「私はこのとおり強靭な肉体と精神を手に入れた。そして――」
ビシイッ!!
ヒート「今こそ!!おまえに相応しい女になったのだあああああぁぁぁぁあああ!!」
男「はあああああああぁぁぁぁぁぁぁああああああ!?」
男(ますます意味がわからん……!!なんだ!なんなんだよこいつぅ!?)
- 27: ◆qY8fh6Bmm.Kg:2014/07/01(火) 11:52:30.56 ID:EBsKz89o0
ヒート「だからこそ言おおおおおぉぉぉおおうぅぅぅぅぅぅ!!」
ヒート「2年A組出席番号25番、素直ヒートッ!!1○歳ッ!!家族構成は父母と一つ上の姉が一人!!」
ヒート「わたしはぁぁぁぁ!!おとこおううおおおおおぉぉぉぉ!!おまえのことがあああああああぁぁぁぁ!!」
ヒート「すきだあああああぁぁぁぁぁァァアアアアアああああああああッッッッ!!!!」
- 33: ◆qY8fh6Bmm.Kg:2014/07/02(水) 10:23:06.12 ID:bRFeH4xR0
コメント一覧
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- 2014年07月05日 23:25
- 話も登場人物もキャラ設定も全く目新しいところがなくて驚いた
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- 2014年07月05日 23:36
- 素直ヒートとかまた懐かしいな
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- 2014年07月05日 23:37
- 素直ヒートが可愛い分、薄情かつ鈍い癖に肝心なところだけ言うこと言う男が気持ち悪すぎる。
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- 2014年07月05日 23:40
- やっぱりあの絵師がいないと新ジャンルは締まらない
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- 2014年07月05日 23:44
- イミフwwうはwwwを見ていた頃を思い出して涙が出てきた。
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- 2014年07月05日 23:50
- ノリ ゚⊿゚)