関連記事
お嬢様「いやぁぁぁ!!もう帰してぇぇぇ!!!」
1: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)18:19:20 ID:txrE4HqzM
女「ふふ、キミだけはボクに手を出さない、今時珍しい純情少年だと思ったけど……」
男「……」
女「まさかこんな所に閉じ込めるとはね……独占欲、って奴かな?」
男「……」
女「ふふ、その顔は図星みたいだね……そんなにボクが皆に抱かれているのが気に食わなかったのかい?」
女「あ、それと、無理やりするのだけは辞めてくれ。この制服が最後の一着なんだ。」
女「言ってくれたらおとなしく服を脱ぐから……さ」
男「……また、来る」
男「必要なモノがあったら、言ってくれ」
バタン
女「……行っちゃった」
3: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)18:26:36 ID:txrE4HqzM
女「んっ……ふっ……」グチグチ
ガチャン
男「……何してる」
女「あはっ、見れば分かるだろ?キミが相手してくれないからっ、自分で慰めているんだっ」グチュグチュ
男「やめろ」
女「それは酷じゃないかい?ボクが皆になんて呼ばれているか知ってるだろう?」
女「ヤリマン、公衆便所、ちんぽキチ○イ……あはは、的確だよねっ……んっ」ヂュクヂュクッ
男「俺はやめろと言ったんだ」
女「……わかったよ、”ご主人さま”」
男「……男でいい」
女「でも立場は明確にしないとねぇ?で、何の用ですか?”ご主人さま”?」
男「……食事だ」
5: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)18:33:41 ID:txrE4HqzM
女「へぇ……ハンバーグかぁ、奴隷にしては好待遇だね」
男「……お前は奴隷なんかじゃない」
女「こんな所に閉じ込めといて何言ってるのさ」
男「……」
女「……」
男「何してる、食わないのか」
女「え?だって『仕上げ』が済んでないじゃないか」
男「……仕上げ?」
女「そうそう、ふふ、いーっぱいかけてくれよな?ボクは濃い精液じゃないと食が進まないんだ」
男「……断る」
女「……おっかしいなぁ、キミは……皆、我先にとボクの弁当に精液をぶっかけてくれたんだけど……」
男「……本当にそれが好きなのか。ずっとそういう食事をしてきたのか」
女「あー、そういや昔は苦手だったっけなあ」
男「……」
女「あの頃は味ってもんがわかってなかったからねぇ」
7: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)18:39:52 ID:txrE4HqzM
ガチャッ
女「おや、ご主人さま」
男「……食べてくれたみたいだな」
女「まあ、食べられない訳でもないからね」
男「……次は何が食べたい」
女「んー、精液がかかってたらなんでもいいよ」
男「……」
女「ふふ、期待してるよ?」
男「……シャワーは浴びたくないか?」
女「シャワー、浴びて欲しい?」
男「……勘違いするな」
女「ちぇっ、どうせなら、一息にヤッてくれたほうがボクも気が楽なんだけど」
男「……」
8: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)18:40:58 ID:kdXqxod4M
ボクっこはなんでこうも魅力があるんだ
12: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)18:49:08 ID:txrE4HqzM
男「ここが風呂場だ」ガラッ
女「へぇ、てっきり何にもないシェルターかと思ってたけど案外色々あるんだねぇ」
男「今後、自由に出入りしても構わない」
女「そうか、思ったよりいい暮らしが出来そうで良かったよ」
女「セックスが出来ないのは、疼いてたまらないけどね」
男「……上がったらまた来る」
ガチャッ
女「……さて、彼の我慢もそろそろかな」
女「童貞っぽいから、念入りに洗っておいてあげなきゃね」シャワー
13: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)18:58:15 ID:txrE4HqzM
女「はぁ……精液で体が汚れてないのにお風呂に入るってのも新鮮だなぁ」フキフキ
ガチャ
男「上がったか」
女「あ、ご主人さま」
男「……ご主人さまからの命令だ。今後俺のことは男と呼べ」
女「えーっ、でもさ……わかったよ、男。これで満足?」
男「ああ、満足だ」
女「で、男、その手に持ったDVDはなんだい?」
男「……一緒に見ようと思ってな」
女「あ、いやらしいDVDだね?ふふ、先輩の一人が見ながらするの好きだったよ」
男「……」
女「おっと、気に触ったかな?」
男「いや、もう良い、とにかくDVDを見るぞ」
14: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)19:05:26 ID:txrE4HqzM
男「再生、と」ポチッ
男「じゃあ見るぞ……」
女「ふふ……」ギュッ
男「……なんだ」
女「手を握るくらいいいだろう?」
男「……まあな」
女「ふふ、DVDを見ている内に、どうせ我慢が出来なくなって……」
女「……ショーシャンクの空に……なんだいこれは」
男「何って、映画だ」
女「……はぁ、キミの紳士さには敬意を払うよ……」パッ
男「おい」
女「なんだい?」
男「手を離すな。握っていろ。画面を見つめろ」
女「……わかりましたよ、”ご主人さま”?」
男「……」
15: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)19:16:28 ID:txrE4HqzM
女「全く、どうしてこんな事を……」ブツブツ
男「……」
女「……へぇ、この人、気の毒だね」
男「……」
女「っ……だ、めっ……!」ギュッ
男「……」
女「……あぁ、良かった……うん、良かったぁ……」
男「……気に入ったみたいだな」
女「……ふん、大した話じゃないね」パッ
男「……他にも何本か映画のDVDを置いておく」
男「退屈でどうしようも無くなったら、見ろ」
女「……うん、考えておくよ」
男「……」
17: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)19:25:09 ID:txrE4HqzM
女「ふわぁ……映画って、結構体力を使うもんだねぇ……」
女「んん……あと5本はあるね、1日2本だけ見るようにしよう」カチャカチャ
女「さて、ボクの予想なら、そろそろ……」
ガチャ
男「おい」
女「来た来た♪」
男「歯ブラシを忘れていた。持ってきたから使え」
女「……キミは、EDか何かなのかい?」
男「……何を言っている、そんな訳がない」
女「おかしいねぇ……だったら他の皆みたいに、ボクに襲いかかると思うんだけど」
男「……それは、皆が女のことを……好きじゃないからだ」
女「あはは、何言ってるのさ!ボクの事が好きだからセックスしたくなるんじゃないか」
男「それは、違う」
18: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)19:30:38 ID:txrE4HqzM
女「……それ、どういう事だい?」
男「お前は、無理やり体を汚された、そうだろう?」
女「好きだからこそ、無理やり奪いたくなるんじゃないか」
男「傷めつけられ、辱められ、犯された」
女「独占欲って奴だよ。好きな相手には変わった事をしたくなるもんさ」
男「お前は、セックス以外に彼らと関わった事があるのか?」
女「ボクのとりえは体だけだって皆が教えてくれたからね。」
男「……もういい」
女「自分の間違いがわかった?ボクは、皆から愛されてるし、ボクも皆を愛しているんだよ」
男「……歯を磨いて、早く寝ろ」
ガチャ
女「……はぁ、強情だなぁ」
20: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)19:35:48 ID:txrE4HqzM
女「ん……ふぁ……はぁ、良く寝たぁ」
女「……お腹に違和感があるなぁ……一昨日からずっとセックスしてないし」
ガチャ
男「……おはよう」
女「あ、おはよう」
男「……置いてあった寝間着はどうした?」
女「ふふ、着ろという事だったのかい?気づかなかったよ」
男「……せめて下着だけでも付けろ」
女「……ねえ、男、ボク、昨日の夜考えたんだ」
男「……何を」
女「……キミが、どうしてぶかぶかのズボンを履いているのか、ね……!」ギュッ
男「!」
女「あははっ、やっぱり!ボクの体見て、勃起してんじゃん……!」
21: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)19:42:38 ID:txrE4HqzM
女「ふふ、これは包帯か何かかい?締め付けられてかわいそうだねぇ……今外してあげるよっ」サワサワ
男「……やめろ」
女「どうしてここまでして隠そうとするのさっ……本当はボクの体にむしゃぶりつきたい癖に……!」
男「……やめ、ろ……」
女「んっ……あはは、相当硬く縛ってあるねっ……」
男「やめろっ!!!」バシッ
女「あっ……!」
男「っ……」
女「痛いなぁ……ふふ、そういうのが好み?ちょっぴり濡れちゃったよ……♪」
男「……いいか、この際言っておく」
女「なんだい?」
男「俺は、お前を絶対に抱かない」
男「無理やり犯すこともしないし、お前の誘いにも絶対乗らない」
男「……殴ったりして、すまなかった。もう絶対にそんなことしない」
女「……なんだよ、それ」
22: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)19:51:05 ID:txrE4HqzM
女「やっぱり、そうなんだね?」
女「キミは、ボクの事を愛してなんか居ない」
女「こうして閉じ込めているのも、独占欲なんかじゃなくて、ただ苦しむボクを見たいだけなんだ」
男「……違う」
女「じゃあ、セックスしてよ!」
男「……」
女「苦しいんだよ……外に出れば、ボクはいっぱい愛されるんだ!!」
女「もしずっと、ここに閉じ込めるのなら、せめて、せめてキミだけでも、ボクを愛して……!」
男「……俺は、お前の事を、絶対に抱かない」
男「……絶対に、だ」
女「なん、で、だよぉ……」
男「……朝ごはん、食べろよ」ガチャ
女「! ッ外……!」
バタン
女「……どうして、どうしてボクを苦しめるんだよぉ……」
23: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)19:56:39 ID:txrE4HqzM
女「やっぱり、そうなんだね?」
女「キミは、ボクの事を愛してなんか居ない」
女「こうして閉じ込めているのも、独占欲なんかじゃなくて、ただ苦しむボクを見たいだけなんだ」
男「……違う」
女「じゃあ、セックスしてよ!」
男「……」
女「苦しいんだよ……外に出れば、ボクはいっぱい愛されるんだ!!」
女「もしずっと、ここに閉じ込めるのなら、せめて、せめてキミだけでも、ボクを愛して……!」
男「……俺は、お前の事を、絶対に抱かない」
男「……絶対に、だ」
女「なん、で、だよぉ……」
男「……朝ごはん、食べろよ」ガチャ
女「! ッ外……!」
バタン
女「……どうして、どうしてボクを苦しめるんだよぉ……」
25: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)19:59:23 ID:txrE4HqzM
女「……」
ガチャ
男「昼飯持ってき……」
男「……おい」
女「……」
男「……どうして、手を付けてないんだ」
女「……ハンガーストライキさ」
男「……俺が、お前を抱かないからか?」
女「わかってるじゃないか」
男「バカな強がりはやめろ。死ぬ気か」
女「強がりなんかじゃない。この先誰にも愛されない人生に未練はないさ」
男「……違う」
男「……俺は、お前を愛している」
女「あははっ!口ではなんとでも言えるよねぇ?」
男「……」
27: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)20:06:26 ID:txrE4HqzM
男「……昼飯を、ここに置いておくよ」
女「もう、持ってくるなよ」
女「キミに苦しめられるだけの人生なんてごめんだ」
男「……食べろよ、美味いぞ……じゃあな」ガチャ
女「……」
28: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)20:47:16 ID:txrE4HqzM
男「……晩飯だ……」ガチャ
男「……開かない……まさかっ!?」ガタンッ
男「くっ……開け、開けっ!!」ドォン、ドォン
男「うぉらぁぁぁ!!!!」ドォン!!!
女「……」
男「はぁっ……はぁっ……」
女「随分と騒がしいね……閉口するよ」
男「……よ、良かった……何か……早まった事をしてるんじゃないかと……」
女「……ふん、そんなキミから逃げるような卑怯な真似、する訳ないじゃないか」
女「ちゃんと、死ぬ時は、餓死してあげるよ」
男「……そんな、事を、言うな」
女「……」
男「晩飯……ぶちまけちまった……冷えてて悪いが、昼飯を食べてくれ」
男「じゃあな……おやすみ……」ガチャ
女「……」
29: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)20:48:44 ID:txrE4HqzM
男「……朝飯だ……今日は何も扉に立てかけてな……」ガチャ
女「……」
男「……何も、食べてないのか?」
女「……言ったじゃないか。もう人生に未練はないって」
男「……」
男「……」ヨロヨロ
男「……」ギュッ
女「……どうしたんだい?やっと、ボクとセックスする気に……」
男「……うっ……ううっ……」
女「えっ……なっ、なんだ……?」
男「お願い、だっ……食べて、食べてくれっ……」ボロボロ
男「しっ……死んで欲しく、ないっ……」
女「……っ」
男「ううっ……っ……お願い……お願いだ……」
女「あ、ああ、わかった、わかったから、泣かないでくれ!!」
30: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)20:49:15 ID:txrE4HqzM
男「っ……っく……ほ、本当か……」
女「ほ、ほら、見ろっ……食べて……」パクパク
女「!? っげほ、げほっ!!」
男「あっ、ああっ!ほら、水だ!」
女「んっ……んぐっ、んぐっ……ぷはぁ……!し、死ぬかと思った……」
男「何も食べてないのに、そんなに詰め込むからっ……もっとゆっくり食え……!」
女「わ、わかったよ……負けたよ、キミには」
男「み、水、あるからな……?」
女「うん……はは、久しぶりに食べると、精液がかかってなくてもおいしいもんだね……」モグモグ
男「……良かった……本当に……」
31: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)20:55:10 ID:txrE4HqzM
男「じゃあ、また来る……この昼飯は、こっちで処分しとくよ」
女「ああ、お願いするよ……」
男「もう、死にたいとか、言うなよな」
女「……キミの気が変わって、開放する気になるまでは生きるとするよ」
男「……それでいいんだ……じゃあ、な」ガチャ
女「……肩が、涙で濡れてる」
女「ボクが死ぬのが嫌だから、泣いたのか?」
女「キミは、ボクの事を愛しているのか、いないのか……どっちなんだ?」
32: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)21:01:05 ID:txrE4HqzM
――それから、一週間後
女「んっ……はぁ、はぁ……」グチュッグチュッ
女「苦しい……もう、限界だよ……んぁっ……」
女「はぁ……はぁ……欲しい……欲しいよぉ……」グチュッグチュッ
男「……」ガチャッ
女「あ……男……」
男「何してる。オナニーなんかするなって言っただろう」
女「そんな……そんなの酷いよ……ボクの体に触れない癖に……」
男「……」
女「お、お願いだよう……キミだって、キミだって、自分でしてるんだろ……?」
男「……」
女「辛いんだ……苦しいんだよ……せめて、せめておもちゃか何か……」
男「……」ガチャ
女「あっ……行っちゃった……」
女「ダメ……指なんかじゃ、全然足りない……このままじゃ、狂う……」
33: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)21:05:55 ID:txrE4HqzM
男「……」ガチャ
女「はぁ、はぁ……あ……男……何しに、来たんだい……?」
男「これを、使え」
女「んっ……こ、これは……バイブ!」
男「……」
女「あ、あははははっ!ありがとうっ……本当にありがとう!」
男「……」
女「さ、さっそく……ちゅっ……ぺろっ……」
男「……」
34: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)21:07:52 ID:txrE4HqzM
男「……」
女「んっ……どうしたんだい?出て行かないのかい?」
男「手を、握ってていいか」
女「えっ……?」
男「……」ギュッ
女「あはは、キミも好きだねっ……ボクの自慰をオカズにするんだろ……んっ……」グチュッ
男「……」
女「い、いいよ……いっぱい、いっぱい見て……ボクがイく所っ……」ウィンウィン
男「……」ブルブル
女「んっあっあっあっ……イグゥ〜〜〜〜ッッ!!!」ブルブルブルブルッ
男「っ……っ……!」ギュウウッ
35: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)21:30:00 ID:txrE4HqzM
女「はぁ……はぁ……久しぶりだったから……ちょっといじっただけでイっちゃった……凄かったよ……」
男「……終わったか」
女「うん……」
男「じゃあ、これは返してくれ」パッ
女「あっ……ど、どうしてだい!?」
男「どうしても我慢が出来なくなったら、また言え」
女「くっ……が、我慢できない!今、我慢できないんだ!」
男「誰が騙されるか……じゃあな」
女「あっ……い、行っちゃった……」
女「……ん?」
女「男が握りしめてた手……男が顔を付けてた所……」
女「……濡れて、る?」
36: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)21:33:34 ID:txrE4HqzM
男「……晩飯だ」
女「……うん、ありがとう」
男「DVD、何か希望はないか」
女「そうだな……」
男「……」
女「……ねえ、一つ聞きたいんだけどさ」
男「なんだ」
女「キミは、どうしてボクが、えっちな事を言ったり、したりすると、悲しそうにするんだい?」
男「……」
37: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)21:38:47 ID:txrE4HqzM
女「どうしても気になるんだ……ボクは、えっちな事をすると、心の中に幸せが、ほわーっと込み上げてくるのに」
女「キミは、なんだか、とても苦しそうにする……」
男「……」
女「単に、キミが、そういう人だから、かい?」
男「……大丈夫」
男「ゆっくり、ゆっくり思い出していけば良いんだ」
女「……」
男「じゃあな……」ガチャン
女「……わからない、わからないよ……」
女「っ……」ズキン
女「頭痛が……部屋にこもりっきりだもんなぁ……」
38: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)21:41:54 ID:txrE4HqzM
――それから、二週間
女「……随分と長い間、ここに居る気がするなあ……」
女「先輩達……クラスの皆……どうしてるかな……」
女「私が居なくなって、寂しい思いをしてるだろうなあ……」
女「はぁ……」
ガチャ
男「……よう」
女「あ、おはよう……今日はどうしたんだい?」
男「……今日は、読んで欲しいモノがある」ドサッ
39: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)21:45:38 ID:txrE4HqzM
女「……なんだいこれは……新聞かい?沢山あるね……」
男「ああ……一人の、赤ちゃんの記事が、連日載っているのに気付いたか?」
女「……へぇ、女の子の赤ちゃんが、誘拐されたのか」ペラ
男「……沢山の、沢山の人たちが、この赤ちゃんに言葉を投げかけてる……」
男「この子自身には、届いていないとしても……」
女「そうだね……」ペラ
男「……なあ、この人達は、この赤ちゃんと……したいと思っているのだろうか」
女「……え?」
男「皆、そんな感情は持たずに……心の底から、赤ちゃんの事を心配してるようには見えないか?」
女「……」
女「だからなんだい?」
40: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)21:48:15 ID:txrE4HqzM
女「キミは、思ったよりも頭が悪いね」
男「……どうしてだ」
女「どうやら、世の中には色んな愛ってモノがあるみたいなんだ」
女「突き放す愛、殴りつける愛、心配する愛、体を重ねる愛、体を重ねない愛、誰かの為に涙を流す愛……」
女「多分、キミも、ボクの事を愛してくれているのだと思う」
女「でも、だからなんだと言うんだ?ひとつの愛の肯定は、ひとつの愛の否定には繋がらない」
女「そして、ボクが求めているものは、体を重ねる愛なんだ……他の、どれでもなく、ね」
男「……」
女「さあ、話はそれだけかい?」
男「……ああ」
女「っはは、懐柔出来なくて残念だったね?」
男「……そうだな」
41: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)22:28:16 ID:txrE4HqzM
――そして、一ヶ月の時が過ぎた
女「……はぁ、さすがのボクも我慢の限界だよ」
女「なんとかして、逃げ出す算段を付けないと……皆が待ってる……」
ガチャ
男「……女」
女「わ、わっ!?」
男「……何を焦ってる」
女「う、ううん、なんでもないさ!」
男「……変なやつだ」
女「あ、あははは、それで、何の用だい?」
男「帰っていいぞ」
女「……え?」
42: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)22:33:52 ID:txrE4HqzM
男「……」
女「……な、何を企んでいるのかい?」
男「別に、何も」
女「で……出て行くよ?本当にいいのかい?」
男「良いと言っているだろう」
女「……」ソーッ
男「……」
女「……あ、外……扉開いてるっ!」ダッ
男「……」
女「あ……はは……眩しい……」
女「あははは!やった!やったよ!出られた、やっと出られた!」
45: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)22:50:10 ID:txrE4HqzM
女「あっははは、家だ!久しぶりの我が家!」
女「んっ……染み付いた精液の匂い……懐かしい……」
女「あはは、久しぶりにこの匂い嗅いだら、したくなっちゃったな」
女「……そういえば、携帯電話は、男に取られたままだな」
女「仕方ない……先輩の家に行くとするか!」
女「はぁ……足腰弱ってるなぁ……」トントン
女「おっと、ここだ、ここ!せんぱーい!」ガチャガチャ
女「……鍵かかってる……留守かな?」ソーッ
女「あ、あれ……靴はいっぱいあるなぁ……皆集まってるのかな……」
女「あはは、庭から入ろっと!」
女「おっ、居た居た!せんぱー……い……」
48: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)22:54:16 ID:txrE4HqzM
?「んん〜〜〜〜っ!!んぐぅ〜〜〜!!!」ジダバダ
先輩A「おいおい、こいつまだ暴れてるぞ?いい加減に観念しろよな」パンパン
先輩B「はぁ……あいつさえ居りゃ、こんな面倒な事しなくて済むのによ」
先輩C「逃げたんじゃねーの?あんだけ色々やってりゃいくら精液漬けでもうんざりするだろ」
先輩B「ったく……だからさっさとクスリ漬けにしようぜって言ったんだよ!」
先輩C「まあまあ、こうして新しい便器もある訳だしさ!」
先輩A「そうだぜ!別にあいつじゃなくたって、良いんだよ!!」
?「んぎゅ〜〜〜〜〜っっ!!!ぐぅ〜〜〜〜〜〜!!!」
女「……う、そ……なんで……」
女「つぅっ……」ズキッ
女「……っ……!」ダダッ
52: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)22:58:38 ID:txrE4HqzM
女「はぁっ……はぁっ……」
女「なんで……どうして……」
女「先輩は、先輩達は、私の事を愛して……」
女「どうして……他の……あんな……無理やり……」
女「うっ……」ズキン
女「さっきから、あ……頭、がぁ……」ズキンズキン
『んん〜〜〜〜っ!!んぐぅ〜〜〜!!!』
女「あっ」
59: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)23:02:31 ID:txrE4HqzM
女『やだぁ〜〜〜っ!!離してぇ〜〜〜〜っ!!!!』
先輩『うるせぇよ!!黙って股開け!!!』
女『っ……っ……』
先輩『随分慣れて来たみたいだな?へへ』
女『んあああっ!!気持ちいい、気持ちいいよぉっ!!!!』
先輩『ぎゃっはっはっは!!!マジ笑える!!!こいつ堕ちやがったぜ!!!!』
女『あひぃ……』
クラスメイト『大丈夫かい……女さん』
女『い……入れて……ボクを……犯してぇ……』
クラスメイト『……ゴクッ』
64: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)23:05:56 ID:txrE4HqzM
女「…………」
女「……ぷっ」
女「……そうか……くっく……そういう事だったんだ……」
女「くっくっく……あっはっはっはっ!!!!!」
女「あっはははははは!そうか!そうなんだ!!!」
女「壊れてたんだ……ボクは、ずーっと前に壊れてたんだ!!!!」
女「バカだな、ボクは……なんでこんな簡単な事に気づかなかったんだろう!!!」
女「あっははははははは!!!ぎゃははははははは!!!!」
72: 名無しさん@おーぷん 2014/07/09(水)23:15:26 ID:txrE4HqzM
女「……」フラフラ
女「……」
女「……」フラフラ
ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトン
女「……」
女「……」フラフラ
プアーン
75: 名無しさん@おーぷん 2014/07/10(木)00:06:45 ID:wCC4PnHev
男「……おーい、居るか……」
男「……居ない……家に居ると思ったんだが……」
男「あいつらの家には居なかったし……」
男「クソッ……やっぱりまだ時期尚早だったか……!?」
男「嫌な予感がする……探さないと……!」
男「はぁ、はぁ……どこにも居ない……」
男「一体……どこ行ったんだよ、あいつはぁ……!」
男「……まさか、自殺なんて……」
男「くっ……まさか、そんな訳ないよな……」
男「……どこだ、女ぁ!!どこなんだよぉ!!!」
ポツ……ポツ……
男「雨……」
76: 名無しさん@おーぷん 2014/07/10(木)00:14:01 ID:wCC4PnHev
ザーザー
女「……」
男「……居た」
女「……」
男「はは……当たり。雨を凌ぐために、橋の下にいるって思ったよ」
女「……」
男「となり、いいか?」
女「……」コクリ
男「よっと……」
77: 名無しさん@おーぷん 2014/07/10(木)00:20:45 ID:wCC4PnHev
女「……」
男「……」
女「……キミに、謝らなきゃ、ね」
男「……どうしてだ?」
女「この前、ボクが言った事……あれ、見当違いだった」
女「全部キミが正しかったよ」
男「……」
女「ボクは、体を求められる事、それが愛だって……思っていた」
女「ううん、思うようにしていた……」
女「でも、でも……先輩たち……多分、クラスメイトも……」
女「ボクを抱いてきた、沢山の人達……彼らはボクを愛しているわけじゃなかった」
女「彼らは、ボクの体が与える快楽を、愛していたんだ」
男「……」
78: 名無しさん@おーぷん 2014/07/10(木)00:26:22 ID:wCC4PnHev
女「……」
男「……」
女「……ボクね、さっき死のうとしたんだ」
男「……!」
女「でも、それさえ出来なかった……」
女「もう、ボクには何にもない、何にも残されてないって、そう思ったのに」
女「電車に飛び込もうとした瞬間、キミの顔が浮かんできて……」
女「……どうしてだい?どうしてキミは、ボクを苦しめるんだい?」
女「こんなに辛いのに……苦しいのに、死ぬことさえ出来ない!!!」
女「……キミが、教えてくれなかったら、あのまま……狂ったボクのまま、幸せでいれたのに……」
男「……決まっているだろ。好きだからだ。愛しているからだ。」
女「……へへ、身勝手だなぁ……キミは……」
79: 名無しさん@おーぷん 2014/07/10(木)00:34:48 ID:wCC4PnHev
女「……ボクは、ボクの心は、壊されたんだ」
女「壊されてからもボクは弄ばれ続けた……」
女「でも、ボクは、壊れた心の欠片を集めてね」
女「新しい、ボクの心を作り上げたんだよ」
女「そして、皆もそれを良しとした……」
女「理解しているのか?キミは、ボクの壊れた心をもう一度壊したんだ」
女「それは、本当に愛なのかい?」
男「……わからない」
女「……はは、キミらしいね……」
男「……でも、このままじゃ、ダメだって思ったんだ」
女「うん……わかるよ」
男「……」
女「……」
83: 名無しさん@おーぷん 2014/07/10(木)00:46:11 ID:wCC4PnHev
ザーザー
男「……」
女「……」
男「……なぁ」
女「……なんだい?」
男「俺、引っ越すことにしたんだ」
女「……へぇ」
男「じーさんが死んでさ……山奥の辺鄙な所なんだけど、でっかい屋敷があってさ」
女「良いね……街から離れて、気ままな山暮らしだ」
男「……じーさんが残してくれた遺産のお陰で、俺は、どうやら何もしなくても、大金持ちだ」
女「……夢の様な話だね」
男「……あの、さ、それで、もし良かったら……だけど……」
ザーザー……ザーザー……
84: 名無しさん@おーぷん 2014/07/10(木)00:55:45 ID:wCC4PnHev
男「よいしょっと……!」ザッ
男「ふぅ……こんな山奥まで荷物を運ぶのは大変だな……」
女「おーい、男ー!」フリフリ
男「おっ、女ー!掃除終わったかー!?」
女「うん!最後の一部屋ー!終わったよー!」
男「へへ、三ヶ月もかかってやっとだ……ほいせっ!」ザッ
男「よーし、米も買ったし、今日は腕を振るうとするか!」
86: 名無しさん@おーぷん 2014/07/10(木)01:02:29 ID:wCC4PnHev
男「出来たぞー?」
女「おっ、美味しそうだー!」
男「さ、食ってくれ!」
女「言われなくてもっ!いただきまーす!」
男「あはは、あんまり詰め込むと喉詰まらすぞ?」
女「んぐ……っはは、心配しなくても大丈夫だよ!」
男「ならいいけどなっ」
女「……ごめんな、毎日キミに料理を作らせて」
男「良いんだよ、ゆっくり、ゆっくり覚えていけばいいんだから」
女「……そうだね」
91: 名無しさん@おーぷん 2014/07/10(木)01:21:29 ID:wCC4PnHev
男「おっ……そういえばさ、これ見てくれよ!」
女「ん?なになに?」
男「これだよ、これ!ついに取れたんだ、運転免許!」
女「うわーっ、頑張ったねぇ!見せて見せて!」
男「へへ……車買ったらさ、一緒にドライブしようぜ!」
女「いいねー!海、山……どこでも行けちゃうよぉ!」
男「海水浴にバーベキュー……楽しい事はなんでもしよう!」
女「うん!へへ……今から楽しみだぁ……」
女「……」
93: 名無しさん@おーぷん 2014/07/10(木)01:28:05 ID:wCC4PnHev
女「あ、そういえばさ、リビングにおっきな暖炉があるの、気付いた?」
男「ああ、そういえば……あるな」
女「あれ、使いたいなぁ……昔の映画に出てくる家みたいで、すっごくいいよ……」
男「はは、まだまだ夏だぞ?」
女「だっ、だから、冬になってからだよ!それくらいボクでもわかってるよ!」
男「っははは、ごめんごめん!」
女「もう……怒っちゃったもんねー」
男「おいおい、許してくれよ」
女「ふーんだ、じゃあ、明日はボクが料理を作るもんね」
男「えっ……作れるのか?」
女「作れないよっ!だから、キミにはボクの不味い料理を食べてもらうね!」
男「へへ、そりゃ楽しみだ!」
女「っはは……」
女「……」
94: 名無しさん@おーぷん 2014/07/10(木)01:35:09 ID:wCC4PnHev
男「……女、まだ寝てるのか?」
女「……んん、むにゃ……後、5分……」
男「ちょっと電球を街に買いに行くんだが……欲しいモノ、あるか?」
女「……お菓子」
男「わかった!じゃ、行ってくる!」
バタン
女「……」
女「……」ムクリ
96: 名無しさん@おーぷん 2014/07/10(木)01:40:30 ID:wCC4PnHev
男「思ったより時間かかっちまったな……もう昼だ」
男「暗くなる前に、電球付けちまうか……」ガチャッ
男「おーい、女ー!帰ったぞー!」
シーン
男「……女?」
男「おーい、女ー、どこだー?」
男「はぁっ……はぁっ……どうしてどこにも居ないんだよっ……」
男「畜生……どこに……なんで、なんで急に居なくなったりして……」ガサッ
男「ん?これは……」ガサガサ
男「……俺宛の、手紙……?」
男「……」ガサガサ
97: 名無しさん@おーぷん 2014/07/10(木)01:45:20 ID:wCC4PnHev
男へ
キミは、帰ってきたらボクが居なくてびっくりしてるかな。ごめん。
でも、顔を見ると、きっと挫けちゃうから、こうして手紙でボクの気持ちを伝えるよ。
誤解しないでね。ボクは、本当にキミの事が大好き。
キミとはもう離れたくないし、出来れば、このままキミと、なんでもない毎日を過ごせたらなって思う。
でもね、ボクは、君が教えてくれた事に、どうしても耐え切れないんだ。
キミの顔を見て、キミが、本当にボクを愛してくれてるって教えてくれる度に、
ボクは、ボク自身が、ボクの壊れた心が、ボクの汚れた体が、たまらなく嫌になるんだ。
正直に言うよ。ボク、ここに来てから、何度も死のうとしたんだ。
でも、その度に、あの日と同じように、キミの顔が目の前に浮かんで……出来なかった。
分かるかい?死にたいのに、死ぬことさえ出来ない、ボクの気持ち。
嫌な気持ちにさせてごめんね。でも、ここまで言わないと、多分わかってもらえないだろうから。
だからね、ボクは決めたんだ。
ボクが、ボク自身を、本当に大好きになれた時。胸を張って、キミの隣に並べるようになった時。
そんな日が、本当に来るのかわからないけど……。
その時まで、ボクはキミの前から姿を消すことにするって。
でも、もし、良かったらだけど……。
キミに、待ってて欲しい。ボクを信じて、待ってて欲しい。
もし、また会えた時には、出来れば、ボクを愛していると言ってくれた、優しいキミのままで居てほしいな。
最後まで、わがままばっかり言ってごめん。
嘘っぽく見えるかな。ボクは、キミを、愛しているよ。
ボクを愛してくれて、ありがとう。
99: 名無しさん@おーぷん 2014/07/10(木)01:58:52 ID:wCC4PnHev
男「……」
男「……は」
男「はは……なんだよ……なんだよ、それっ……!」
男「身勝手すぎるだろ!なんで、なんで言ってくれなかったんだよ!!」
男「料理、作ってくれるって言ったじゃねえか……!!」
男「暖炉、使おうねって……言ったじゃねえか!!」
男「色んな所に行こうねって……!!!」
男「どうして、どうして俺に何も言ってくれなかったんだ!!」
男「なんで!なんでだよおおおおおおお!!!!!」
男「うわあああああああああああああ!!!!!!!!!」
100: 名無しさん@おーぷん 2014/07/10(木)02:01:31 ID:wCC4PnHev
―それから、十年の月日が過ぎた。
101: 名無しさん@おーぷん 2014/07/10(木)02:02:39 ID:wCC4PnHev
刑事「……こんにちは」
男「ああ、こんにちは……」
刑事「……貴方が、その、彼女の心を癒やすと……?」
男「……やっぱり、信じられませんか」
刑事「いっ、いえ!ですが、思っていたより、若いな、と……」
男「大丈夫です。彼女のことは、昔から、新聞で見てきましたし……」
男「それに、彼女を、社会に復帰させるには、僕の経験が間違いなく役に立ちますから……」
男「どうすれば良いのか、どうすれば良かったのか……ずっと、そんな事ばかり考えていますから」
刑事「……そうですか……で、では……」ガチャ
???「っ……!」ダダッ
男「おおーっとぉ!!逃さないぜぇ!?お嬢ちゃん!!!」ガシッ
嬢「くっ……離せ!離しなさいってばぁ!帰る、お父様の所に帰るのぉ!!」ジダバダ
男「だーれが離すかぁ!!お前はこれから、俺と暮らすんだよぉ!!!」
102: 名無しさん@おーぷん 2014/07/10(木)02:04:30 ID:wCC4PnHev
男(……女、俺、頑張るよ)
男(女のお陰で、壊れた心の、触り方が、わかったから)
男(またいつか、君に会えた時に、昔のままだね、優しいキミのままだねって……)
男(そう、言ってもらえるように……頑張るから……)
103: 名無しさん@おーぷん 2014/07/10(木)02:05:00 ID:wCC4PnHev
おわりです。
104: 名無しさん@おーぷん 2014/07/10(木)02:07:42 ID:YmxUv3JSY
乙
ボクっ娘&NTR発端&胸糞とか完全に俺得だった
107: 名無しさん@おーぷん 2014/07/10(木)02:52:38 ID:pr39Bg0it
乙
108: 名無しさん@おーぷん 2014/07/10(木)03:28:25 ID:IcELWJelP
乙!
110: 名無しさん@おーぷん 2014/07/10(木)09:03:48 ID:QKSgh07tD
乙
・カテゴリー男「」女「」のSS一覧
・管理人のオススメSS
SS宝庫最新記事50件